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ザリガニの鳴くところ
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ザリガニの鳴くところの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.39pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全203件 181~200 10/11ページ
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あの結末でヒロインがその後40年平穏に生きられた事が今でも一番の衝撃的な印象です。 それでもアメリカ | ||||
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極上のミステリー。 そのミステリーよりも増して、読者の魂はずっと揺さぶられる。 余韻は夢にも現れ、こころはすべて持って行かれてしまった。 ああ、「湿地の少女」、カイヤ。 ノース・カロライナの湿地で自然のままにたったひとり生きる少女のものがたり。 それは6歳からはじまる。 美しい湿地の生きものたちと暮らす情景が臨場感たっぷりに見えてくる。 鳥の彩りを重ねた羽根。 豊かな自然と寂しく、もの哀しさが漂う。 自然との共生。 そこは「ザリガニの鳴くところ」"Where The Crawdads Sing"。 ひとりで生きていくこと。 感動が胸に押し寄せてくる。 美しい詩は。 | ||||
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小さい頃から孤独と向き合うしかなかった少女は、自然の中で人間と動物の相違点や共通点を感じながら育った。 そんな特異な環境だったことが理由で、自分が大切に思っていた人から裏切られ絶望し、ますます心を閉ざして孤独の中に引きこもっていく。そんな彼女の気持ちを想像するだけで(想像すらできていないのだろうけれども)、なんともやりきれない気持ちになる。それでも、愛をもって静かに一緒に居てくれた人、戻ってきた人、そういう人達からの愛情はとても深くあたたかいものだった。 動物学者としての著者の眼差しが小説を通じて終始感じられながらも、推理小説であるこの面白さは本当に読みごたえがある1冊だった。 | ||||
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モヤります。 間違いなく楽しんだ読書ではありました。 丁寧な情景描写が美しく秀逸で、それとミステリーを掛け合わせているので、 読ませる力もある。 けれどふと冷めると・・・ いろいろとひっかかる。 やっぱり一番気になるのはカイアが頭脳明晰な美人なところかな笑 いや、僻みじゃなくて(?)カイアがここまで美人でなおかつ頭が良くなかったら 全然違う話になるよね。。。 そしてそれが現実だよね。。。 同じような境遇の少女が読んで勇気をもらえるような設定だと良かったな この作品は同じような境遇にいない人が、 いい感じに自分を投影して楽しむ作品とまでいうと酷すぎるだろうか。 この読書によって新たなる気づきは生まれないとは思うけれど、 エンタテインメントと割り切って読めば良い読書になると思う。 星としては3と4の間ですが、繰り上げて星4つで! | ||||
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とても上質な物語でした。翻訳物は少々苦手でしたが、翻訳がいいのか全く気にならず読了。 | ||||
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ミステリーのベストセラーと思って手を取りましたが、不幸な生い立ちの少女の一生を描いた大長編でした。 読むのに根気がいりますが、深い感動と衝撃を与えてくれます。 | ||||
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いわゆる「可哀想」な人間を主人公にした小説。 決して明るく楽しいお話ではないのですが、舞台となっている湿地の描写が丁寧で美しいので暗くはありません。登場人物が良い人と悪い人にはっきり分かれすぎている所は気になりますが、そこはアメリカのお話という事で。また物語の横線として殺人事件が織り交ぜられていますが、この事件も「湿地」を最大限に活用しているところが新鮮でした。 アメリカ文学、自然描写が好きな方はきっと楽しめると思います。 | ||||
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オーエンズの紡ぐ言葉が美しくカイアの孤独、湿地に漂う空気、鳥や生物が表現され魅了される。ナレーションと合わさり幾度も繰り返し聴いてしまった。後から活字でもオーエンズの言葉を読みたくなり購入した。悲しさと淋しさ、そしてカイヤの躍動感、素晴らしい作品に出会えてよかった。 | ||||
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入院中の家内が本好きなので書店で探してもなかったのでここで購入しました。 途中まで読んで「面白い!」と、言ってます! | ||||
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解説に書かれていた「美と醜、優しさと残酷さを併せもつ野生」という表現が、この本の第一印象としてはぴったりなのだと思う。それからの印象は個人の捉え方によって異なるはずだ。 「湿地の少女」として蔑まれるカイアの生き方が正解だったのか不正解だったのかは誰にもわからない。ただ、カイアの気持ちが読者の心を何度も揺さぶったのは読んだ人ならよく分かることだ。揺さぶられるたびに私は自分の立っている場所を再確認させられた。 またこの本は男の人よりも女の人により勧めたいと思った。なぜかと言われたらうまく説明できないけど、読めばわかる。そんな感じ。 最後に読み終わって思ったことは、「また読みたい」。ではなく「また読まなければいけない」と思ったこと。自然の中で屈することなく伸び伸びと生活するカイアの姿には年齢などに関係なく感化される点がいくつもある。そして少なくともその点は私の心を絶えず強くしてくれるだろうと、そう思った。 | ||||
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サスペンス要素だけでは無く、主人公である少女が抱える生活環境の問題や心の葛藤が上手く描写されていた。 少女がどうやって自分の置かれて状況を改善していくのか想像しながら読むのが楽しかった。 | ||||
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野生の少年、オオカミ少年、ジャングルブック、といったイメージはこの本には全くわかなかった。野生の中で独りで生きる少女の物語でありながら。 人間世界と隣り合わせに生きることで、文明世界から差別と偏見で見られるといった、社会的側面を持つからだ。また彼女に文字や言葉を教える文明世界側の少年が、彼女を世界と繋げる絆となる点においても。 優しさと残酷さを併せ持つ、野生と文明の分岐点。明確な直線ではなく、水面で交じり合う絵の具のように刻々と色合いを変えてゆく。それがこの小説である。 1952年、アメリカ南部。ノースカロライナ州の海に面する湿地帯。たった独り、離散してゆく家族たちから取り残された少女。1969年、火の見櫓から墜落した死体が発見される。フーダニットのミステリ。二つの時代が併行して語られ、やがてそれらが合流する最終章。 何といっても家族から捨てられる少女の孤独が際立っている。そして彼女を救うのが湿地の生き物たちであること。自然そのものの中で独りの生き物として動物、鳥たちに交じり合う存在であること。その中で静かに成長する彼女の研ぎ澄まされた感性が素晴らしい。小説全体に謳歌する鳥や虫や植物たちなど生命への讃歌は、読者の感性に否応なく鳴り響く。 砂浜で貝を掘り集めて港で売りさばき、最低限の買い物を店で済ませて湿地の小屋に帰り、電気も水洗もない場所で暮らす幼き少女。ボートで行き来する海と沼。繰り返される野生の中の昼と夜。こんな小説があるのだ、と感性を揺すられるページの数々。出会いと別れが訪れる。心の震えと、絶望と、再生への希みと。 これらを書き記す作者は69歳女性、初めて小説を書いたという本業は動物学者なのである。フィールドワーク経験ゆえか、自然描写は半端ではない。昨秋ポケミスで出版されたジェイムズ・A・マクラフリン『熊の皮』の作者も山育ちのネイチャーライターであり随所に自然に親しむ作者のカラーが滲み出ていたが、この手の原始回帰型ミステリは、今後、文明批判的側面を武器に、新型コロナ禍に脅かされる今日の文明に警鐘を鳴らしてゆくのかもしれない。 十年に一作の傑作、と言われる本書。嘘ではなかった。ぼく自身、この書は十年に一作あるか否かの傑作と認めたい。今年のミステリでの首位格は、既に本作で決定としたい。この少女を生きてほしいという作者の心の響きは必ず伝わってくる。少女カイアと、彼女を助ける人々の優しさがたまらない。家族は家族ではなく、他人が家族より愛の強い世界。差別と偏見に満ちた世相だからこそ、優しさは真実のものとして受け入れられる。 いくつかのシーンでは読者は涙を禁じ得ないだろう。心をひっつかまえに来る小説なのだ。これほど情動豊かな作品はそう滅多にあるものではない。心や情に飢えた人々に読んでいただきたい。様々な魅力に溢れた作品でありながら、ミステリとして法廷小説として読める終盤。そして結末の見事さ。新人作家とは思えない書きっぷりを、じっくりとご堪能あれ! | ||||
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"『どういう意味なの?"ザリガニが鳴くところ"って。母さんもよく言ってたけど』(中略)『そんなに難しい意味はないよ。茂みの奥深く、生き物たちが自然のままの姿で生きてる場所ってことさ。』2018年発刊の本書は69歳の動物学者の小説デビュー作にして全米ベストセラーとなった傑作。 個人的には帯に寄せられた絶賛の数々を眺めながら手にとったのですが。【ハックルベリーフィンの冒険女性版+タイタニック?】とにかく面白くて一気読みしてしまいました。 さて、そんな本書はノース・カロライナ州の湿地で死体が発見されるところから始まり、親や兄弟に捨てられ、村からも迫害されながら一人で生きる"湿地の少女"の成長を【時代を行きつ戻りつしながら描いている】のですが。 やはり研究者として論文をいくつも発表している著者による【繊細かつ強度のある自然描写】が説得力があって、表紙イラストのような小舟が行き交うかってのアメリカ南東部の緑溢れる世界に連れて行ってくれます。 また物語としても、フーダニットのミステリであると同時に、少女の成長物語、環境問題を扱う社会派小説と様々な魅力が込められているのですが。いずれにしろ、そういった要素を【魅力的な主人公である野性味溢れる少女】そして彼女を巡る人間関係でシンプルに描いているのがとても良かったです。 爽やかで甘酸っぱい成長物語が好きな誰か、アメリカ南東部にショートトリップしたい誰かにオススメ。 | ||||
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最近のアメリカの小説の大味さ!特に推理小説のつまらなさに辟易して読まなかったが、 この小説は面白かった。登場人物の心理がそれなりによく伝わり、最後まで余韻を残しながら 一気によめた。 | ||||
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米国の湿地が作品の舞台。そこで生きる動植物が人間を含めて共生しているかのような世界で、湿地の少女と呼ばれるカイアが、親兄弟と離れ、孤独に生きていく一生が描かれる。小さい頃から湿地で孤独に暮らすカイアは村の青年のテイトに文字を習うと、湿地の動植物の本を書き上げられるくらいまで人間らしい生活を送れるようになる。ある日、村の青年(チェイス・アンドルーズ)が死体で発見される事件で、カイアは容疑者となり、裁判を受ける。有罪になれば死刑もありえる厳しいものだ。裁判中も湿地とは異なる孤独状態に陥る。有罪となる確固たる証拠はないが、無実を証明する決定的な証拠もない。差別が人を有罪にするのかという感じで、人の嫌な部分を見たような感じになる。そして、驚きの結末へ続く。なんか作者に心を上手に弄ばれた気がした。ミステリとして読むのも良いが、人の心の奥にある汚いものが湿地で浄化されているようなされていないような、そんな不思議な感覚を味わえる。 | ||||
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丁寧に包装頂き、思っていたより早く着きました。 とても心動かされる本でした。 | ||||
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ヒロインの救いのない境遇に涙する。 周囲の人々の善意に胸が熱くなる。 孤独を深めるヒロインに寄り添いたくなる。 絶望の淵にあるヒロインに手を差し伸べたくなる。 ノースカロライナの海と湿地のむせ返るような、毎年くりかえす絶え間ない自然の息吹の中で、人間界の人種や境遇による差別の愚かしさ、偏見と先入観による心の貧しさ、貧困による子供達への様々なしわよせが描写され、他方で、強い者が勝ち残り子孫を残す世界共通の掟にも目が向けられる。 こうした多様な要素をふんだんに盛り込みつつ、類稀なヒロインのタフな生き方に圧倒され、最終章まで一気に読ませる。 そして、自然界の営みも含めたあらゆる描写が多重の伏線となっていることを知る。 滅多にないほどの驚きを詰め込んだこの本に、◯◯小説といった分類は不要。これぞ小説。 | ||||
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最初のページから、もっと言うなら表紙から心を掴まれてしまいました。 読む前にあまり知らない方が、思うがままに楽しめますから、ストーリーはここでは書かないことにします。 「誰も知らない」という映画がありましたが、普通の社会から離れざるをえなくなった子供はどう生きていくのかを、我がことのように切実な思いで読み切りました。自らにも当てはまるからです。 孤独に放たれた者は、裏切らない自然を友として親しみ、居場所を作っていく。 読み終えて、「そうか、カイヤ(Kya)も自然の摂理そのままだったんだ!」と、伏線が大きく息づきます。 イノセントという言葉を思う。100%イノセントで生きるというのは本当は強いのだ。 究極で何者かが助けてくれる不思議。そして、優しい愛と教育こそ成長の栄養となり才能が実っていく。イノセントだったからこそでしょう。 登場人物一人一人の描き方もエッジが効いていて、個性が際立っているのがたまらない。うまい! いつの時代も、いい人は、いい。その通りと思う。人種や宗教、貧富に関係ない。何度も感動し号泣した。嬉しくなって手を打ったり。アメリカでロングベストセラーも頷ける。 読み終えて、共通点に気がついた。「初恋のきた道」「赤毛のアン」「老人と海」「秘密の花園」「荒野へ」「香水」「世界の測量」「冬の犬」「昼の家夜の家」… ということは、自分自身を含め、誰であれみんな湿地の少女ではないのか、と。 読んだあと、心の本棚の特別席に収まって存在感を増し、ずっと輝き続ける物語だと思います。 ずーっと余韻が離れず、次の本になかなか行けなかったのですが、「世界の樹木をめぐる80の物語」を手にしたとき、カイアの残した本はこういうのではないかとピンときて、良かった繋がった!と思いました。 | ||||
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小さい頃から家族に見捨てられ、一人で生きてきた少女。自然とふれあいながら、冷たい目を向けられる一方で、優しく見守る店主や、恋人の存在が大きく、野生的でありながら知性を兼ね備えていきます。 昔の恋人に捨てられて、できた新しい彼氏が亡くなったのは事故なのか、他殺なのか? 最後まで引っ張ってくれました。 自然の厳しさと同じようなラストシーンに胸が締め付けられる思いでした。カイア、どういう思いだったんだろう。 | ||||
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急いで読み進めるのが惜しく、何度も読み返したいと感じる作品に久々に出会った。推理小説としてのおもしろさもあるが、それ以上にノースカロライナの湿地の描写の美しさ、主人公の胸が詰まるような孤独の深さとそれに立ち向かう強さ、偏見だらけの周囲の中でも援助の手を差し伸べる人間の心の清さ等々、心を打つ描写がどのページにもある。1960年代から70年代のまだ貧しさと差別が残るアメリカ社会の様子も一部分かって興味深い。自分がそこにいたわけでもないのに、なぜか懐かしさを感じさせる読後感があった。 | ||||
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