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(短編集)
こちらあみ子
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こちらあみ子の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.22pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全117件 101~117 6/6ページ
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あみ子の同級生たちは、将来大人になって、あみ子をどういう風に思い出すのだろう。そんなことを思いながら読みました。 その場の情景、空気感がとても鮮やかに描かれていて、正直何度も読むのがつらくなりました。 でも、読んでよかった。薦めてくれた友人に感謝です。 単行本収録の『ピクニック』も風変わりな主人公七瀬さんが愛おしい作品です。 | ||||
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あまりにも直球過ぎて辛くなる。 私達が失くしてしまった物を大切に持ち続けているあみ子が愛おしくなる。 | ||||
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私にはあみ子と同じような弟がおり、読んでいて過去の様々な思い出が鮮明に蘇り、悲しくなってしまいました。あみ子の家族の心情がよくわかるし、まるで自分の家族を俯瞰してみているようで‥。家族の言葉にできない絶望感、クラスメイトの素直で残酷なあみ子への接し方、すべて自分が今迄みてきた情景です。最後にあみ子が根底から救われる何かが欲しかった。 | ||||
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小説の趣味に関して信頼の置ける友人に薦められて読んでみたが、傑作だった。 特異としか言いようのない語りが紡ぎあげる極上の世界観。 文学好きな人にぜひ読んでみて欲しい。 | ||||
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この作品はやばい。浮雲から始めて、名作と呼ばれるものをほとんどを読んでみて、比べて、そしてやばいと思う。 楢山節考、坊ちゃん、焚き火、さようならギャングたち、一文物語集、春琴抄、カルメン、杳子・妻隠、箱男、蔵の中、黒髪。岡本かの子、川上弘美、尾崎翠、近藤ようこ。 ああもっとたくさんあるはずだけど思い出せない、数々の衝撃の作品に並ぶ一冊。 | ||||
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表題作よりピクニックの方が印象に残った。 こういう描き方をするのが作者の才能、個性なのかなと。 | ||||
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この本を読んでからずっと、私の中に、あみこがいます。 顔を見たことがないけれど表情が、うかぶ。声を聞いたことがないけれど、声がきこえる。 彼女のことが、ずっとずっと、こころにのこっている。日の中で、ふっと彼女が現れて、彼女がいるのを感じます。 きっと、よんだら、うれしいとき、かなしいとき、あみこがいる。 文字の羅列をかるがる飛び越えて、あみこはやってきます。 | ||||
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かなり切ない内容にもかかわらず、主人公視点で展開するこの物語はどこかふうわりとしたやわらかさを感じる。 著者のデビュー作だが、ダブル受賞するのもうなずける。なによりも著者の作家としての技量に圧倒された気がする。 どうしたらこのような表現力をもてるのか、ただただ感服した。 | ||||
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説明をいっさいしないで読ませる力がある。こういう小説を待っていました。 私は現実の世界で、あみ子のような人間を好きになれる自信がない。それなのに少なくとも読み終えるまでは物語の中のあみ子を嫌うことができなかった。 これが小説の力だと思いました。 | ||||
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これが現実を描いたものだったなら、心をえぐる問いかけとして申し分ない。だが不確かさを支配して書かれた小説としては、その先を求めたくなる。そうでなければ類似の苦悩を知る人にとって、窮状を浮き彫りにしたに過ぎないから。ノンフィクションなら問題を提起し共感を呼べばいい。しかしフィクションで繊細な問題を扱ったからには、投げかけ以上のものを含ませてほしかった。非常に難しいとは思うものの。自分が読み取れていなかっただけであったら、申し訳ありません。ただ、もし著者がこの小説を手放しに称賛する姿勢をルミたちと重ねる、いわば鏡として意図していたなら、天晴としか言いようがない。 | ||||
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これはちいさな宝石のような小説集だ。 小品にして佳品とはこういうもののことを云うのだろう。 発達障害を詩情豊かにあざとくなく、あみ子の目線を通して描く物語の豊かさ。 あみ子が壊れたトランシーバーで交信しようとする情景の胸を締めつけるせつなさ。 収録作の人称が「わたしたち」なのもちょっとおっかなくて斬新。絶品。 いいもの読んだな。しばらく至福にひたれること請け合い。 | ||||
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読みやすい話題作と貸されたので、全くなんの予備知識もなく読んだが、衝撃を受けた。 トットちゃんが、理解者や環境に恵まれたケースだとすると、 あみ子は、恵まれすぎもせず、恵まれなさすぎもしない、きわめてありがちなレギュラーケースなのかもしれないと思った。 むろんこちらは、フィクションだろうが。 理解されたい、話を聞いてもらいたい、コミュニケーションをとりたい。 その思いから、理解され話を聞いてもらえなくなってしまう行動をエスカレートさせてしまうあみ子。 障害の有る無しに関係なく、すべての人に発生しうる哀しい構造だ。 だが救いもある。 どんなに助けを求めて叫んでも誰にも届きゃしない・・・はずが、届くこともある。 ちゃんと自分の事を考えて助け見守ってくれていた人がいたことに気づくこともある。 理解を望めない相手でも、ちゃんと話せばちゃんと伝わることもある。 基本つながらないトランシーバーのように悲惨だけど、一瞬つながることがある。 そのつながった瞬間が、つながらなかったそれまでとそれからを覆うくらい眩いから生きていける。 人生ってそんなもんかも? でも対話と観察を増やして、ちゃんと人を理解しようとしてれば、 つながる瞬間ってもっと人生で増えるのかもしれない。 ちゃんと自分の人生に還元できる何かがある作品は好きだ。 だが大好きな作品・・とは言えないのは、甘口の感傷に浸らせてはくれず、あくまでシビアだからだ。 彼女のヒーローは永遠のヒーローでもないし、一瞬のとまでは言わないまでも、ものすごく不完全なヒーローだ。 だがそれがリアル。 | ||||
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TVで良い小説と紹介されていました。いつも自分が小説を読む前には、ここのレビューを読んでからにします。星5つでコレはと思い読みました。私の感性が乏しいせいでしょうか?それとも我が子とだぶってしまったせいでしょうか?ちょっと悲しく、暗い気持ちになってしまいました。ノンフィクションとフィクション(私にとっては、ある意味フィクションなので...)では、感じ方がこんなに違うのだと実感しました。家族の悲しみや、あきらめみたいな感覚は手に取る様にわかります。 | ||||
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土屋仁応さんの彫刻が美しい表紙に目を奪われ、読もうと思い立つ。書籍にとって装幀は大切だ。 「こちらあみ子」の感想。自身の無邪気な「善行」で家族を崩壊させたが、それに気づかない主人公。彼女の鈍感さ故に、周囲が悲劇に満ちているにもかかわらず、普通の日常のように描写される。あみ子と読者(私)の心理のギャップにひきずられて、最後まで読んでしまう。 | ||||
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この本に興味を持ったのは、表紙が大好きな彫刻家の人の作品だったからです。 正直、中身はあまり期待していませんでした。 題名から察するに、あっけらかーんとしてぼわぼわぽかーん、という感じに ごまかすように終わる物語なんだろうなぁと思っていました。 いやいや手ごわかったです。 文章にもったいぶったり、もってまわったりする感がないので読みやすいです。 文章中にでてくるトウモロコシの茹でたのの感じとか、 習字の墨汁と他のいろんなものがまざった匂いとか、そういうのを読んでいて感じました。 けっこうキツイことをがんがん書かれているにもかかわらず、 なぜか悲壮感よりも、主人公の躍動感みたいなものが先に立つので、 読後は重苦しくありません。思ったよりもとても。 主人公のこの後が、とても気になりました。 | ||||
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この頃、「発達障害」という言葉をよく耳にするようになった。それでも本人と家族が問題をすべて抱えて生活しているスタイルはあまり変わってはいない。彼女の内面描写(これは特筆すべき!)からも分かるようにあみ子は本当は優しい。そして、家族は輪を掛けて優しい。彼らは知っているのだ。誰にも理解されない悲しさの中に漂いながらも健気に生きているのはあみ子自身なのだと。ただ、優しさは決して幸福につながらない。優しさの裏側に見え隠れする弱さ。そこからのやるせなさ、切なさ・・これは障害者とその家族の決しておおげさではない起り得るだろう現実、縮図を表した物語でもある。 | ||||
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太宰治賞2010受賞作。 主人公、あみ子の小学校時代の回想が一人称視点で進行する。 冒頭の小学生とのやり取りではあみ子は普通の女性として描かれるが、過去はちょっと個性的過ぎる女の子だった。 治療が必要なのか、あるいは先天的な障害なのかと気を揉んでしまうほどの、逸脱した主観がどれほどの深刻さかと心配になる危うさ。 しかし絶望的にならずに読み進められるのは、テンポ良いリズムとコミカルなタッチで描く安定した筆力があるため。 一見無秩序に見える出来事が頻出するのは論理性の瓦解と思われるかもしれないが、あみ子の視点で物語が進行していることを考えれば、一般的価値判断の基準と照らし合わせて不合理に写るのは当然でもある。 全体としてミステリアスな魅力に溢れ、感傷的で、読者の心に強く響く。 ここ最近で読んだ新人女性作家の作品の中で一番よかった。もちろん芥川賞受賞作を含めた上で。 但し残念だったのはタイトル。 元々の「新しい娘」が審査員に不評で改題になったが、「こちらあみ子」ではあまりにひねりがなく、せっかくの作品の重厚な魅力が伝わってこない。 すみれがキーアイテムなのだから、すみれ絡みのタイトルにして欲しかったのが唯一の心残りである。 | ||||
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