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(短編集)

こちらあみ子



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【この小説が収録されている参考書籍】
こちらあみ子
こちらあみ子 (ちくま文庫)

こちらあみ子の評価: 4.22/5点 レビュー 117件。 Bランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点4.22pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全117件 21~40 2/6ページ
No.97:
(5pt)

タランティーノのレザボアドックス並みの衝撃作

強烈に心を抉られた。
衝撃のデビュー作という点ではタランティーノのレザボアドックスのような際立った傑作だ。
こちらあみ子 (ちくま文庫)Amazon書評・レビュー:こちらあみ子 (ちくま文庫)より
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No.96:
(4pt)

Amiko is so charming!

Original story and the movie, both are so nice.
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4480431829
No.95:
(2pt)

表紙に破れが…

本の内容は読みやすく良かったのですが、新品のはずなのに表紙上部が少しめくれて破れてました。
包装する際に袋に引っかけて入れたのかもしれません。
目立ちませんが残念でした。
こちらあみ子 (ちくま文庫)Amazon書評・レビュー:こちらあみ子 (ちくま文庫)より
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No.94:
(5pt)

「あみちゃん、あみちゃんな」

-
 寄る辺ないままあみ子はこの世界に投げ出されている。

 今村夏子の筆は、安直な希望や救いも、薄っぺらな絶望も提示しない。様々な軋轢のあげく、家庭からも学校からも疎外されて居場所はあやうく狭まってきているのに、その自覚もないままあみ子は覚束なくつっ立っている。

 小説の冒頭とラストで描かれるのは、不思議に静寂なシーンだ。祖母の家に引っ越してきて程ない頃のはなしなのだろうか。それとも少しとしつきのたった頃のはなしなのだろうか。中学を卒業する前に片想いののり君に前歯を折られたときの‘気分’は、“なにぶん祖母と一緒に暮らす前、ここからずっと遠くの家に住んでいたころの話だから、もうほとんど忘れてしまった。” と書かれているが、時間の経過について触れられているわけではない。距離は以前の生活との隔絶を表すのか。「忘れんなよう」と言ってくれた坊主頭もふくめて “たくさんのひとたちの顔を忘れた。”

 殆ど前進しているようにはみえない竹馬に乗って、小学生のさきちゃんがやってくるのが遠くに見える。さきちゃんのためにあみ子はすみれを摘んでいる。“友達を大切にしなくてはという思い” をあみ子はもつ。“ゆっくり動くことしかできない、やさしい祖母” が、“あみちゃん、あみちゃんな” と呼んでいるのが聞こえた。呼びかけに “はあい” とやわらかくこたえる。空気の読めなかったあみ子は少し成長したのだろうか。成長することはよろこばしいことか。それとも悲しいことか。

 ここは流刑地だろうか。あるいは桃源郷なのだろうか。あたかも永遠につづく夏休みに入ったかのように、時間はゆるやかに、しかしそれでもたしかに流れている。流れていくさきはどこだろうか。

      *
 この畏るべき小説を読む前に、これを原作とした映画を観た。
 映画も悪くない作品である。演技経験がないという主演の大沢一菜の小賢しさのない演技が素晴らしい。

 映画は原作のストーリーやエピソードをほぼ忠実になぞっている。だが原作とこの映画作品とは本質的に異なっている。
 映画でのあみ子は、その天衣無縫な行動でさまざまな問題を起こしながらも、それでもお化けたちと交歓し、蛙を咥えた蛇を捕まえて振り回し、‘地団太のようなスキップ’ どころか連続の側転をも決めてみせる。波打ち際に立つラストシーンでは “まだ冷たいでしょ” と声を掛けられたのに対して “大丈夫じゃ” と屈託なく返事をかえす。これらは映画に付け加えられたエピソードだ。さらにエンドクレジットで流れるのは亡くなっている(肉親の)母が呼びかけてくる唄だ(音楽担当の青葉市子の弁)。あみ子はこの世界に許容され、居場所を失ってはいない。

      *
 言わずもがなの蛇足ながら、原作と映画作品は当然に別物である。
 今村夏子は映画のパンフレットにユーモラスな文を寄せている。
 “小説を書いている時、私はあみ子そのものだったように思います。あみ子と同じ視点で物を見、泣き、笑い、怒ったり傷ついたりしていました。”
 “今回、映画『こちらあみ子』を通して、初めてあみ子から見つめ返された私は、思いのほか、たじろぐことになります。鑑賞中は、あみ子そのものではなく、あみ子の家族や周囲の人々と同じように、あみ子に振り回され、困惑し続けました。あみ子の加減を知らない大声にびくっとさせられ、射るような眼差しから逃げるように目を逸らし、時には存在そのものをうっとおしく思う。困り顔で立ち尽くす私の元へ、裸足のあみ子がすたすたと近寄ってきて、「あんた誰」と問いかけます。こちらの答えを待たずに、「オセロしよう」と、強引に私の手を引っ張って、敷きっぱなしの布団の上に座らせるのです。(後略)”

      *
 あみ子はこれからどうなるのか。寡作の今村夏子が描き出す小説のいくつかが、その変奏のようにも思われるのだが…。
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No.93:
(5pt)

味方だよ

あみ子の味方はいないことはない。おにいちゃんや、クラスの男の子。
さきちゃん、おばあちゃん。

私はこの父親嫌だ。お兄ちゃんがぐれたのもわかる。この父親は、再婚相手が一番で、死産した赤ちゃんが二番に大事で、あみ子を追いやる。

お母さんももっとやだ。

大人になったあみ子は、前歯のない口で、どんな風に生きているんだろう、おばあちゃん亡き後は?

桃作れるのかな。

前歯失ったのに殴られたのにのり君を全く責めていない、悲しいあみ子。
同級生の男の子は、その悲しさに気づいた。

この小説は、大事なもの、大事にしたいことが書かれてる。
作者が一番書きたかった大事なものをあみ子は潜めている。

それは涙のしょっぱさです。
悲しみの養分です。
あみ子は喜んでもらいたかっただけ。

あみ子、守られて。
あなたを大切に思う人はここにもいるよ。
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4480431829
No.92:
(5pt)

魂を持ってかれました

読み始めてすぐに、自分のいる空間も時間も忘れて物語世界に入り込みました。確かにすぐ近くにあるような日常のはずなのですが、感想を言語化出来ません。リアリティバイツな本物の小説だと思いました。陳腐な理想論でこの思いを穢したくないです。町田康のあとがきが、その点をうまくまとめてくれたような秀逸な内容でした。
作者の力量に絶句です。
こちらあみ子 (ちくま文庫)Amazon書評・レビュー:こちらあみ子 (ちくま文庫)より
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No.91:
(5pt)

「おいしいじゃろ」「しけっとるし」

今村夏子の作品を読むのは、本作が初めてだったのですが、本作読了後、さっそくAmazonで彼女の本を注文しました。
 今村夏子は、彼女の作り上げた文体に魅了され、別の作品も読んでみたい、と思わせる、そんな作家の一人となりました。
 本作に収録された三作品はいずれも、誰もが書いてこなかった今村夏子にしか書けないオリジナルな視点と文体だと感じます。
 このオリジナル感を味わえる文体で読ませる作家を見つけると、とても嬉しくなり、その作家の他作品を次から次へと読んでみたくなります。
 文体に魅力があれば、ストーリーが何であれ作品を楽しめるのですが、そこに更に物語性が付加されると、それはもう傑作というしかない凄みをもった作品になります。
 たとえば、本文庫で解説を書いている町田康も、初めて読んだ彼の第一作目『くっすん大黒』の文体に超衝撃を受け、それからすっかり彼の作品にどっぷりハマることになった作家の一人ですが、そんなオリジナルな印象を今村夏子からも感じます。
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4480431829
No.90:
(3pt)

登場する人みんなどこか変わってる…

表題作でなく、ピクニックを読みたくて購入。
「花束みたいな恋をした」の映画で、有村架純ちゃんが「今村夏子先生のピクニックを読んでも何も感じない大人にはなりたくない」的なことを言っていて、気になりました。

登場する人物が、みんなどこか変わってます。本当は馬鹿にしているのでは?と感じる場面も数知れず。でも優しい。個人的には、逆にこんな世界は少し生きづらいかもな、と思います。
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No.89:
(4pt)

ただただ純粋

ただただ純粋な人故に気づいてしまいう。
弟が妹が欲しかったんよね。
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4480431829
No.88:
(1pt)

破れていました。

到着予定日をかなり過ぎて到着した挙げ句に、表紙が破れていました。
最初から破れていることも商品説明に記載してくれてたらと思いました。
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No.87:
(5pt)

残酷で優しい話

象徴的な誰にも繋がらないトランシーバーはあみ子そのもの。見えないものをみたり聞こえない音をきくようにあみ子はあみ子の世界に住む、思いのままに行動する、ゆえに完全に自由。人は1人で生きる事はできない。そんなたいそうな事を言いたいのではなく、日々相手の言葉に頷いたり小さく意見を言ったり相手に合わせたり合わせて貰ったり。人は距離感で生きてる。あみ子のその自由さが、関わる人を加害者にもするし被害者にもする。誰かを大切にしたい想いは皆一緒なのだが。
だから切なく悲しい。
題名と表紙の麒麟が逸品。この作品を見事に表す装丁。
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4480431829
No.86:
(5pt)

自分と違う他者との関わり方を考えさせられる

映画『花束みたいな恋をした』を見たあとに帰りのバスで思わず検索、購入しましたが、1年近く経ってやっと読めました!
昔はよく本を読んでいたのに最近はスマホ、動画ばかりで全然読めておらず、考える力も思い出す力も衰えて来た中で久しぶりの読書でした。文章力もないし、人と感想を言い合ったりするのも得意ではないですが、思ったことを書き記しておかないとという気持ちになりレビューを書いてます。

 こちらあみ子は、なんとなく読みながら千と千尋のカオナシがちらついてくる作品。
悪意なくしたいこと、してあげたいことをしただけなのに。環境次第で、十分に過ごしやすくなること。今いる環境が全てじゃないよと。ただ噛み合わなかっただけで、否定された、それがあなたの本質ではないよとあみ子に言ってあげたい。けど、実際あみ子が身近にいたら関わりたくないだろうなと。
自分がこの中の誰かであったときに、どう行動するだろうかと非常に考えさせられた作品でした。
 ピクニックは女の悪いところ怖いところがぎゅっと詰め込まれた作品でした。序盤から違和感は伝わってきていて、七瀬さんがそうではないことはわかりきっていました。けど、ルミたちのことはそうではない(と、思いたかっただけなのかはわかりませんが)、そうであって欲しくないと願いながら読んでました。今でもちょっとだけ、そうではないのではないかと思っているところもあります。ですが、新人が最後、仲間という表現になっているのがもう…。読了後はスッキリしていたのに、時間が経つに連れてモヤモヤが広がってくる作品。
 チズさんは、比喩的ながらも1番わかりやすい作品だったかなと思います。
わたしはまだ若いけど、まっすぐ立てているかなと思ったし、作中の“私”のように一時でも人をまっすぐ立たせることができるだろうかとも思った。また、作中の家族のようなことは絶対にしないよう気を付けたいと思ったけど、実際普遍的に行われている会話なんだろうなと思った。
 これは3作品通して言えることですが、他者を敬い万人にきちんと丁寧に接していきたいと感じました。読むだけではここまで思えなかったと思います。読んだあと、考えて整理することで気付けました。そんな作品です。
こちらあみ子 (ちくま文庫)Amazon書評・レビュー:こちらあみ子 (ちくま文庫)より
4480431829
No.85:
(4pt)

読後はなんだか清々しい

いやはや、心がざわつく作品集だった。
あみ子は発達障碍を持っているのであろう。言動が一途でストレート、周りの人たちの気持ちを理解できない。周りの人たちは、あみ子の言動にイラついたり、悲しんだり、傷ついたり、怒りを爆発させたりするのであるが、あみ子は意に介さない。というより、悲しませようとか怒らせようなどと意図は全くなく、逆に相手を思いやっての言動がほとんどなのだ。しかし、結果的に周りを混乱に陥れてしまう。
ある障碍を持っている人が、例えば「アスペルガー症候群」と診断されたとして、周りが何もしなければ、その症状は更に進行するかもしれない。要は、その人ではなく、周りの人たちがその人を丸ごと認め、支えていくことなのだと思う。
確かに心がざわついた作品であったが、読後はなんだか清々しい気持ちになっていた。あみ子のことがちょっぴり理解できて、嬉しかったのかもしれない。
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4480431829
No.84:
(5pt)

ズタボロあみ子の再生、もしくは複製の物語

表題作「こちらあみ子」について。
 物語の主要部は、あみ子が小学校から中学校卒業までの破天荒な出来事である。それと対比させる形で、冒頭部分と終わりに描かれている(再生した?)あみ子の様子が印象深い。家族と離れた土地で祖母と二人で暮らし、地元の小学生さきちゃんと友情を交換するあみ子の姿が、小津安二郎的な静謐な雰囲気で提示されているのだ。
 あみ子とさきちゃんはまるで疑似母娘のようである。あみ子自身の母娘関係は壊れてしまったが、それから時を経て、さきちゃんへ分けてあげるすみれを土から掘り起こし、ビニル袋へ丁寧に滑り込ませる様は、少女時代のあみ子とは別人のようだ。 
 しかし、ここで私ははたと気づく。「弟の墓」をこさえた時のあみ子と今のあみ子はどこが違うのだろう?祖母に「あみちゃんな」とおそらくはその土地のアクセントで呼ばれ、あみ子は虚を突かれたように、すみれの入った袋を落とす。昔とかわらずそそっかしいとも思える。
 しかし、今のあみ子には、坂の下を竹馬に乗ってゆっくり上って来ているさきちゃんを見やることができる。彼女が来るまでに祖母の用をすることができそう・・・と予測している。よかった、あみ子は大人になったようだ。
 だけど、たぶん、あみ子には昔からこういう「聡い(さとい)」資質があったのじゃないか・・・とも思う。書き手の残酷な手腕で、読み手にも「あみ子、もっとコワレろ!」と思わせてしまうほどであったけれど・・・。それから、標準語で話している、小ぎれいそうなさきちゃんであるが、彼女にうっすらとかつてのあみ子が持っていたエキセントリックさのかけらを感じてしまう。あみ子、複製されてる?いや、書き手、うまかった。
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4480431829
No.83:
(4pt)

随分前に読んだ

映画にもなった作品。風変りな女の子の設定だがそうは思わなかった。
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4480431829
No.82:
(5pt)

すごい

友達が読書会で取り上げた本です。さすがにすごかったです。自分で経験したことのない発達障害の人の心の世界を、こんなに書けるなんて、と思いました。きれいごとがなくて、リアルです。
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No.81:
(3pt)

教室に静かに座っている子供たち以外が、必ずいることを理解して。

発達障害の子供。それを取り巻く両親や兄弟。そして同級生。
理解されない立場の子供の視線で紡がれる作品。
直木賞に通じるこの作品は私には強烈すぎた。
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4480431829
No.80:
(5pt)

個人から見た日常を客観的に見るとこうなのか

個人の視点で見た日常を他者視点で見つめると、こうも印象が違うものなのかと物悲しい気持ちになった。
主人公の純粋な心と、理解を示そうとはするが受け入れることが出来ない周囲と、どちらの気持ちも見えて、読了後は切なくなりました。
こちらあみ子 (ちくま文庫)Amazon書評・レビュー:こちらあみ子 (ちくま文庫)より
4480431829
No.79:
(4pt)

自分ならどうするだろう。

読んでいてザワザワする作品は何度かあったけど、こんなに具合が悪くなるのは初めてです。
こんな子がクラスにいたら、家族にいたら、色々考えさせられました。
こちらあみ子 (ちくま文庫)Amazon書評・レビュー:こちらあみ子 (ちくま文庫)より
4480431829
No.78:
(1pt)

何が面白いのかわからない

はな恋を見て気になったので購入して読みましたが私には全く面白いとは思えませんでした。
こちらあみ子 (ちくま文庫)Amazon書評・レビュー:こちらあみ子 (ちくま文庫)より
4480431829

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