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(短編集)
こちらあみ子
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こちらあみ子の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.22pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全117件 41~60 3/6ページ
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こういうのが普通。ということを共有できる人だけで、暮らしていければ、たぶん楽なんでしょう。けれども、学校であれ、職場であれ、地域社会であれ、(場合によっては家族ですら)なかなかそうはいかない。一人は楽。でも一人が楽じゃない人もいる。楽かどうかも考えない、意識しないという人もいる。自分があみ子だったら、どんな感じだろう?家族にあみ子がいたら?クラスメートだったら?接点の少ない知人だったら?じわじわ刺激を感じ。少し時間を開けて、もう一回読んでみよう。 | ||||
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プロローグを読んで最初はイマイチ理解不能でしたが、読み進めて行く内に、こ、これはスゴイ!とあっという間に読み終えてしまいました。いたずらにDSM5に照らし合わせるなどという無粋は控え、作者様がこういう人たちの心に成りきってしまっている点にただただ唸るというか生唾を呑み込むというか・・・緊張を強いられます。読み終えて一番思ったことは、あみ子が生きた時代背景はいつだろう?ってことでした。昔は児童心理学がまだ広く研究されておらず、あみ子のような子はこういう目に遭ってしまうことが普通だったと思います。現在なら精神科や教育学部の介入とケアによって、特別クラスや施設等、彼女に見合ったケアがなされると思うのですが。続く「ピクニック」は、(雑で鈍いようでとてもやさしい)周りの人たちの理解があって何とか生きていけてますが、やはり定期的なカウンセリングと認知行動療法的アプローチは必要でしょうか?延々どぶさらいする姿は逞しくて楽しくて、そして憐れでもあります。 | ||||
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誰しも私達世代なら義務教育の中で、クラスに1人は「あみ子さん」はずっといたから、良く知ってるはずです。私のあみ子さんは、読み始めてから終わるまで、私が思い出した男の子の顔になっていました。 その子は特別に先生に親切にされていて、時には酷いイジメにあったりしても、先生や私や少数の人が守ってあげたりしましたが、親切も悪意も、まるで自然なことの様な佇まいで、嫌なことからは全力で逃げて、好きなことは際限なくしている子でした。 自分は親切にされたら、やっぱりありがたく感じるし、酷いイジメにあったら、ケロッと次の日学校には来られないだろうし、相手の気持ちを察せないのは、それは残酷でもあり、強さでもあり、残念ながらこの社会では限られた生き方になってしまうんだろうと思っています。 地元にまだいるのか、あの子はどうしているのか…そんな気持ちになる作品でした。 | ||||
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私の想像力では、何を伝えたいのかわからない。 | ||||
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面白いです。 | ||||
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映画、『花束みたいな恋をした』でも印象深い、今村夏子の短篇『ピクニック』が 読める | ||||
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救いがないが、実際に世界に存在している出来事にはこういうものもある。主観的に経験していないことを主人公の視点で描き切っているのがすごいし嘘っぽくない。好きか嫌いかは置いておいても、傑作であるのは間違いない。 | ||||
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「こちらあみ子」 あみ子は相手の気持ちを慮ることができない。 親を傷つけ再起不能にし、読んでいるこちらは悲しいのだが、あみ子は悲しそうじゃない。 幼いからかと思っていたが、大人になっても成長があまりない。 人間のかっこうをしているが、人間として対峙すると急に穴に突き落とされるようなシーンがたくさんある。 どういう気持ちで読み終えればよいかわからなかったが、 あみ子の人生がどこかにあるのかもしれない、ということ、 あみ子自身はまったく悲しみや不幸とは無縁に生きていることに、なぜか安堵した。 筆者の書き始めた理由を読んで、こんな世界を急に描けるなんて普通じゃない(いい意味で)と絶句した。 「ピクニック」 映画”花束みたいな恋をした”劇中にピクニックがでてきたのがきっかけで手に取ったが、 尋常じゃなかった。 これに何も感じない人がいたら、”そっち側”の人間なのかもしれない。 こういう虐めもできる、人間という生き物の怖さと、 「許容する」という方向のイジメ。 心から楽しんでいるという描写が、どんどん恐ろしくなってくる。 「チズさん」 一番難解だった。ただ、人間の老いと、その周辺にいる人の、 静かな地獄みたいなものを感じた。 | ||||
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子供が大人になることへの葛藤を描いた内容。自分の子供の頃の感覚とは違うけど、昔の気持ちを思い起こしてくれました。読み終わったら、出会う人すべての人に優しくできそうな、したいと思える作品。 子供に読ませてみたいな。 | ||||
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むらさきのスカートの女から来ました 何の予備知識もなく読み進めていくうちに徐々に不安になっていきましたが 最期は驚くほど平穏で柔らかな多幸感に包まれていました 自分の読後感はもちろん今まで読んだものの中でも最高傑作に属する稀有な作品だという事 今村さんは、太宰の『燈籠』がお好きだという事が物凄く腑に落ちました 竹馬でやってくる女の子が下駄屋のさき子のメタファーだったり そして僕にとっての、あみ子は全てのしがらみから解放された憧れなのだと思います もちろん、この作品を嫌悪される方、不快感を覚える方もいらっしゃると思います 真の良書とは読み手にとって千差万別な読後感を与えるものだと自分は思いますので。 | ||||
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"人差し指に触れたボタンのくっきりした感触を、あみ子の全身が手を叩いて歓迎した。大きく息を吸いこんで、記念すべき第一声。『おーとーせよ。おーとーせよ』"2011年発刊の本書は著者デビュー作にして、太宰治賞、三島由紀夫賞をW受賞の表題作他『ピクニック』『チズさん』を含む本書は、読み手それぞれを揺さぶる珠玉の傑作集。 個人的には菅田将暉、有村架純主演の映画『花束みたいな恋をした』の作中にて『ピクニック』が触れられていた事をキッカケに『星の子』に次いで手にとりました。 さて、そんな本書は解説で町田康も評しているように『小説』自体のもつ魅力。【読み手それぞれが自由に読んで、感じる】が収録作全てに"ぎゅっと込められた"かの様に【絶妙な余白や余韻があって】それ自体が大きな特徴になっている気がするので正直、語りにくいのですが。 それでも、あらすじを紹介すると。表題作の『こちらあみ子』は少し風変わりな女の子、あみ子が周囲の人を【良くも悪くも変えていく過程】を三人称で描いた物語。そして『ピクニック』は有名お笑いタレントを彼氏に持つ七瀬さんとバイト仲間は良好な関係にあるとみせて。。?最後の『チズさん』は、まっすぐ立てないおばあさん、チズさんと"私"の不思議な共生関係は一体?といった内容になっているのですが。 著者自身の『こちらあみ子』太宰治賞受賞時の言葉によると“(バイトの合間に)なんの覚悟も決意も決意もなく、ただ思いつくままに"書いた。との事ですが。それにしては?構成はもちろん、言葉選びが驚くほどに洗練された印象で、まず最初に浮かんだのは『この人!巧いな!』というシンプルな感嘆でした。 また『こちらあみ子』のあみ子の様に、本人は特別な意図はなく"ありのままに"に過ごしているようで、ただ、それだけで【周囲との関係が不穏な形で、ぎしぎしと音を立てて軋んでいく】展開は既読の『星の子』にも通じる読後感で、デビュー作からのつながりが確かに感じ取れる様に思いました。 "小説"好きな全ての人に、また自分や周囲と照らし合わせたりして余韻を楽しむような読後感を楽しみたい人にもオススメ。 | ||||
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読後感がモヤモヤする。 | ||||
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世間的に『かわいそうな人』と言われそうな、 つまはじきになりがちな人たちを描いた、 3つの物語が入っています。 でも、悲しい話という印象はありません。 しっかりとした、まっすぐな目でみて、 かわいらしい口調で語ってくれます。 これは、 ぼくだけの感じかたかもしれませんが、 村田沙耶香さんの作品でも感じるのですが、 はぐれものをカラッと描くという点で、 男性の作品で言うところの、 ハードボイルドに似ているように思います。 すごく好みのタイプな作風でした。 3つ続けて、かわいらしい視点の話を読んで、 そのまま『あとがき』を読むと、 なんとも滑稽に感じます。 ぼくは作家さんにくわしくないので、 たぶん有名な、そしてベテランの、 偉い偉い作家さんなのだと思います。 文面から『先生』『先生』と崇め奉られ続けた者の傲慢さを感じ、 かわいげの欠片もないなと失笑しました。 『こちらあみ子』『ピクニック』『チズさん』 を読んだすぐあとだと、 あとがきから滲み出る傲慢さが顕著です。 今村夏子さんも、 これほどに素晴らしい作品を書き続けると、 たぶん『先生』『先生』と呼ばれるでしょう。 どうか、 滑稽なオジサンだなと感じてしまう、 このあとがきの作家センセイのようには、 ならないでいただきたいです。 たぶん、そうなったころには、 技術は高みに達しているでしょう。 知識も、経験も、地位も高くなっている。 でも、そうなったら、 もう『こちらあみ子』は書けないと思います。 それは、せっかくファンになった者として、 非常にさびしいので。 やさしくまっすぐな目を失わないでほしいです。 この本は、宝物にします。 読みやすく、それでいて読みごたえもあり、 満足感は最高でした。 3つともそれぞれの楽しさがありましたし。 買ってよかったです。 今村さんの、 他の作品も読んでみようと思います。 | ||||
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とにかく、引き込まれます。ヒューマンですね。 | ||||
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私の父は、知的障害を持っています。 現在家族は崩壊し、親族から絶縁され、今はそれぞれが離散し孤独に生きています。 それだけが原因ではないけれど、それが原因ではないとは言えない。 私は物心ついた時から、世間話もできない父を明確な言葉にはできないが、自分や周りとは違う存在だと認識していました。 大人になるにつれそれは悲しみをたたえ膨張し、今は全ての思い出や感情を投げ出したいほど苦痛で不愉快で悲しいものだと思っています。 『こちらあみ子』を読む中で、その全てがパンドラの箱を開けたように吹き出して、首を絞められているかのように苦しかった。 何度も泣いた。 墓のこと、前歯のこと、兄のこと。 それはある視点では、純粋で無邪気な愛の表現とも言えるでしょう。 けれど、父は、兄は、そして母は。 わたしはあみ子より、この3人の気持ちがわかってしまうから、苦しくて張り裂けそうでたまらなかった。 のり君もそう。誰だってそう。 あみ子に言えない。言ってはいけない。言ってもあみ子はわからない。残るのは、虚無と悲しさだから。 あみ子の真っ直ぐな瞳を覗き込んで罵倒し感情を爆発させた後でいつも苦虫を噛んで情けないようなまるで自分が人非人かのような気になってしまうのはいつもこちら側にいる私たちなのだから。 しかしこれを駄作だなんて思いません。 むしろなぜ、この話を「あみ子側の目線」で書くことができたのか?驚きを隠せません。これは素晴らしい才能だと思います。 差別ではありません。 ただ、悲しい。強く非情で悲しい。 一生忘れない、恐ろしく悲しくて大切な小説です。 | ||||
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読者に対して意図的に感情を呼び起こそうと働きかけることをしてないのに、忘れられない記憶に残る小説。他人になってみるという感覚を一時的に得られる。シンプルに読んでよかった。 | ||||
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こんな小説あるんだなと驚かされた。 あみ子を聖人化しすぎ、という書評をみたが、そうだろうか。 ちゃんと「そばにこんな奴いたら嫌だな」「そりゃ皆に嫌われる」と思われるように書いていると思った。 私自身、あみ子のような性質のある子どもだった。 自分に照らすと、なにも自覚していないあみ子はリアルだ。本当にこういう感じ。 そして、あみ子が「おかしい」なりに社会から排除されるさまを痛快とさえ感じてしまった。 救いなんか必要ないと思う。おかしい人が生きるとは、そういうものだからだ。 ほかの作品も読んだが、やはり「あみ子」を推しているレビューが多く、同感である。 | ||||
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ページをめくるたびに想像を絶する展開。作り物とはとうてい思えない。実際の経験はどれくらい反映されているのだろう。写真を見ると前歯はちゃんとあるようだ。「小さな恋の物語」かと思いきや、結末は残酷。いくらでもシリアスに書ける題材を、柳に風と流しているのは、暗くはしたくなかったのだろう。これでいい。芥川賞の「むらさきのー」は未読だが、文庫化されたら読んでみようと思う。この人の引き出しはどれくらいなんだろう?長編で無くても良い。寡作でもいい。コツコツ書いて行って欲しい。確かに世界的才能かもしれない。編集者さん、大事に育てて下さい。 | ||||
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すごくいい空気です。淡々としているんだけど、あったかいと思ったら冷たいような、読んでいてそわそわする。あみこみたいに生きたい。 | ||||
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「こちらあみ子」他二編も素晴らしかった。どこがどう良いのかはどんなに言葉を尽くしても上手く他人に伝えるのは難しいと思う。ただ良かった、と。あえて言うのならばこの小説を読んだ後はテレビやラジオなどのメディアに触れる気が全くしなかった。しばらくはこの小説の世界観に浸って反芻していたいと思った。読書とは時にそんな幸福な時間をもたらす。 | ||||
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