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罪の轍
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罪の轍の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.15pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全114件 101~114 6/6ページ
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冒頭の部分で頭の少し悪い主人公が故郷を逃げ出す際に騙される所が書かれていたが、この段階であーっこれかー、この調子で行くのか、、。 やりきれんな、、。と高い本を買った事を後悔し始めていた。 半ば嫌々読み進めたが思っていた通り文章に立ち込める暗雲は一度も晴れる事は無く、主人公の悲劇は最終に向かって加速度を増して行く。 そして思っていた通りの終わり方。ナオミとカナコのような明るさを期待して購入したが 後味の悪さは凄い。 救いがない。 奥田英朗さん、次はもう少し救いのある作品をお願いします。 でも、作品の完成度は間違いなく五つ星です。 | ||||
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自分は著者の作品を全部読んでいるが、これまでの最高傑作と思う。恐ろしいまでの緊張感にページをめくる手が止まらなくなっていた。ここ近年の書籍の中でもベストの作品。これ、きっと映画化されるな。大場は役所広司、ミキ子は小池栄子とかで見たい。 | ||||
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正直、作者の作品は好きなんだけど、当たりハズレが私の中にはある。しかも、東京オリンピックの前年に起きた誘拐事件。解説を読んだ時、あー、あの昭和史に残る事件なんだろうなぁ、でも、在日、ヤクザ、左翼ってちょっと時代についていけそうになさそう。ただ、気になって仕方ない。でも、レビューが全員☆5ってなかなかないよなぁ。かなり、疑っていた(笑)しかしながら、いやこれは、どこをどうとっても☆5!帯の通りこれぞ犯罪ミステリーの最高峰である!当然、私の年齢では時代背景が分からない。例えば、電話や新幹線、まず貨幣価値が分からない。私が生まれた時には既にパソコンがあり、学生時代は携帯があり、なんだけれど、この作品は寝る間を惜しんで読んだ。もう、昭和の世界に自分がタイムスリップしたみたいで、また、刑事たちの執念やなんだかんだが自分に乗り移ったみたい。ネタバレしてはいけないので詳細は記載しないが、これだけの長編を一気に読ませる、いや飲み込んでくる作品は、最近ない。令和元年ということで、どの作家も唸らせてくる作品を出版してきてどれも、一気に読破するが、この作品は、ラストに向けて驚く展開をみせはじめ、鳥肌がたった。ラスト50頁あたりから、私が慌てすぎてページをめくりそこねたり、はたまた、重さに耐えきれず手から落としてしまう。もうハラハラドキドキで、読後もなんだか自分が現場に臨場していたようでちょっと茫然自失。老弱男女問わず、とにかく、おススメする。特に昭和の私が生まれるずっと前だが、また登場人物達がいいんだなぁ。って語り出したら止まらなくなりネタバレしてしまいそうなので、この辺りで。 | ||||
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奥田英朗さんの本が大好きです。いろいろなテイストの物語があるなか、今回は重厚な「本格犯罪ミステリ」。 名作『オリンピックの身代金』と同時代を舞台にした物語です。 奥田さんは、本を出される度に「これが史上最高傑作では」と思うのですが、今回もそうでした。 最高。面白すぎて途中で止めることができません。 ココのレビューもほぼ満点。さすがです。 オリンピック前夜の日本。東京から遠く離れた最果ての地から逃げてきた若者が、どうして犯罪に手を染めていくのかが丁寧に描かれます。そこに答えはない。 50年以上前の日本のことを書いているのに、どうしてか今の日本とかぶるような気がします。新しい通信機器が発達し、今までの常識が通じなくなってきた。1億総刑事の時代。今もSNSの発達により正義の私刑がまかり通る世の中です。昔のこととはどうしても思えません。 そんなことも考えさせられる一冊でした。本当におすすめ。 | ||||
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練達。絶対失望させないプロの技、さすが。過去の作品もそうだったが(ナオミとカナコ、最悪、邪魔、)、ラストの疾走感、もう本当に終わるまで手放せない感は、奥田さんにしかできない至高のエンターテイメント。 | ||||
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という帯を見て、心が動かないミステリファンはいないでしょう。 実際、一軒目の書店は売り切れで、二軒目は残り二冊でした。 今まで過大広告の帯にどれだけ裏切られたことか。 でも、これは買いです。 まだ途中ですが、現実世界がストーリーに引き込まれるほどの臨場感。止まりません。久々のページをめくる手が止まらないというヤツです。 オススメです。 | ||||
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ずっとファンです。 奥田英朗はシリアスなものより、エッセイとか軽い中編が上手なんだろうと思っていましたが気持ちよく裏切られた。 緊迫した警察官たちのやり取りの中に、独特なキャラクターの犯人の描写が入るとふっと緊張感が抜ける そのギャップが素晴らしい。これは奥田英朗しか書けない世界でしょう。 いいもの読ませてもらいました。ありがとう奥田英朗(サン)。 | ||||
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なぜ、今まで読んでこなかったのか? でも、これほど興奮させられた作家に巡り会えたことの喜び。 東京オリンピックの前年、北海道の昆布漁師の上京。 自分と重なるこの二点だけで、初めて手にした奥田作品。渡部雄吉のカバー写真と、吉展ちゃんならぬ、吉夫ちゃんという誘拐事件に、「安易だな」というファーストインプレッションは、在日二世の町井キミ子の登場あたりから、すっかり払拭され、「これはとんでもないストーリーテラーに出会ったものだ」とぐいぐい引き込まれ、鷲掴みにされたまま、一気に読了した。 高度成長期の日本の表と裏。 警察、ヤクザ、左翼、マスコミ、そして市井の人々の描かれ方。 ピュアな落合昌夫と達観した町井キミ子の正義。 ケレン味なく、ど直球で、犯人を追いかける警察小説にここまで興奮したことはなかった。 初めて奥田英朗を読んだことは、この夏の至福だ! | ||||
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昭和38年に実際に起きた、某誘拐事件がモチーフとなっている今作。私が生まれる遥か前の“事件”であり、より本作にのめり込むべくネットでこの事件について調べながら、知識を蓄えながら読み進めていった。その行為がもたらした結果として、著者・奥田英朗氏の圧倒的描写と、目眩く動くストーリー展開とが相まり、読後には非常に重たい感情がより一層残ったのは言うまでもない。また、モチーフとなった某事件における真実と、フィクションを見事に絡ませた物語の構成の巧みさに脱帽せざるを得ない。そこには事件被害者への哀悼の意も汲み取れる。 もちろん、前情報無く読むのも当然良いですよ。 事件の首謀者・それを取り巻く友人や家族ら・犯人を追う警察、彼らのキャラクターの個性や心情描写の濃さが、本作での事件とそれに纏わる一連の流れをこれまでもかと明白に浮き彫りさせていく。まさに「罪の轍」そのタイトルに相応しい。その時代、その時間の流れをまるで映像で見ているかのような、スリルと緊張が味わえる。 読後感までも含め、読書をして“面白い、のめり込む”とはまさにこのことだろう。約600ページにおける長編だが、ページは次々と捲られていって、止まらない。奥田英朗ファンの私は今作も読書における恍惚を感じたのでした。 | ||||
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奥田英朗は新作をいつも待ち焦がれる作家である。 こういう作品こそ、読みたかった。 舞台は東京オリンピックの前年、つまり彼の名作の一つである『オリンピックの身代金』と同じ年代を描いている。 うがった見方をすれば、あの時代について相当に調べ込んだので、同じ時代を舞台にもう1作ということかもしれない。 が、それがせこいとか安易とかを感じさせず、いわばあの時代を円熟して描いているとも言える。 キーワードを挙げれば、礼文島の昆布漁、幼小期に継父から強いられた当たり屋、その結果としての脳機能障害とトラウマ、窃盗、幼児誘拐、山谷、暴力団といったところか。 この作者のジャンルは多彩だが、もちろん本書は『無理』『邪魔』『最悪』『オリンピックの身代金』『沈黙の街で』の系譜に属する犯罪小説であり、警察小説である。 そして読み進めるうちに、途中から、本書に救いはあるのかないのか、ということがずっと気になっていた。 読了して、その答えは見つからなかったとも言えるが、しかし、救いのあるなしを超えてしまっているとも感じたのである。 少し気になったのは、言葉の誤りである。 逮捕されてすぐに釈放されるシーンで「保釈」という言葉を使っているが、これは「釈放」。 「保釈」は起訴された被告が拘置所から住所限定や保釈金という制限を受けて拘束を解かれることを指す。 また、この犯人は指紋を残していないので「確信犯」だという表現も誤り。 確信犯とは、自分の道徳・宗教・政治・経済などの理念を確信して実行される犯罪のことであり、思想犯とも言われる。 それが悪いことだと確信して行う犯罪というのは誤用。 しかし、いつもなら(つまらない作品なら)こうした誤用がひっかかって物語に没入できないのだが、本書ではそんなことは全くなかった。 秀逸である。 | ||||
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分厚い本である。昭和の有名な誘拐事件をモチーフにしているが時代背景の描写の素晴らしさがノンフィクションを超えた迫力となって全編を引っ張ってゆく。刑事たちの人物像の描きわけも見事であるし、あの頃の日本の風景や彩、においまでもが再現されている。事件の犯人や実際の経過は何度も映像化されたからよく知っているがそれでもこの作品の犯人像が色あせることはない。学生運動、山谷、風俗の女たち、北海道や熱海、新宿、事件記者たち…。携帯もパソコンもないアナログの昭和、テレビも固定電話もまださほど普及していない時代の恐ろしいほどのダイナミズムを改めて思い返していた。夢中で分厚い本を飲み通した夜であった。 | ||||
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オリンピック前年の誘拐事件の話です。 誘拐は、当時普及しはじめた家電話を使った、新しい犯罪。 いまやコントでも耳にしない 「犯人の電話を引き延ばす」「身代金の受け渡し」「逆探知」が、どれほど真剣で、胸のつぶれるような緊張下で行われていたか。足を使った聞き込み捜査も新鮮です。 スポーツの祭典を翌年に控えても、庶民のくらしはそれどころではなく、ドヤに集まって労働にはげみ、警察は新しい事件に対処できず、テレビの影響に振り回される。 その様子はSNSに疲弊する2019年の人々に重なる。今と切り離された異世界の話ではなく、現代へと轍(わだち)は続いているんだなあ。 また、他の奥田作品にもよく出るモチーフの 「上京する若者」「背伸びしてワルぶる若者」が出てくる。事件と絡むので皆たいへんなことになるんだけど、だからこそ、服を買って得意になったり時間つぶしでパチンコを打っている、なんでもないシーンで青春を感じた。 | ||||
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まだ第2章的な部分のさわりですが、買ってよかったと思います。地理に明るくないため最初は心が折れそうでしたが、次第にあれっこの人もしかしてあの話に出てきた、みたいな、こういう小憎らしい仕掛けはさすが奥田先生だと思います。 | ||||
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巻末にこの小説はフィクションである旨の注意書きがあるが、明らかに「吉展ちゃん事件」をベースに書かれています。 この事件を知っているため(もちろん作者もそれくらいは考慮済みのはず)、物語はほぼ予定通り進みます… 派手なギミック、トリックは無く物語自体は単調に進み、もちろんドクター伊良部のようなユーモアもありません。 しかし、奥田英朗が読ませる読ませる… 読ませる技術なら、個人的には村上春樹か奥田英朗か! オシャレカフェで読むには村上春樹ですが、大人の娯楽なら奥田英朗の勝ちです。 なお戦後闇市マニア、70年代までの学生運動マニアにもおすすめです。 | ||||
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