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罪の轍
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罪の轍の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.15pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全114件 41~60 3/6ページ
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オリンピックの身代金は何回も読んだ小説。 本タイトルは、そのスピンオフ的なもので時系列的には過去ですが、知った名前がたくさん出てきます。 特に物語終盤、秋田出身のあのスリのおじさんが出てくるシーンではニヤリとした人も多いのではないでしょうか? 話の構成としては刑事の皆さん、それを取り巻くキャラクターの人間性を生き生きと描くもの。犯人が最後まで分からない、という推理物ではありません。 が、ページをめくる手が止まらない。奥田英朗ここにあり、の出来栄えです。 | ||||
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吉展ちゃん事件は私の幼児期の事件でしたが、子供ながらに恐ろしい響きをもった事件と記憶しています。 実話をベースに物語は進んでいきますが、そのテンポとストーリーの展開には息をつくまもなく、あっという間に読み終えました。筆者の作品「オリンピックの身代金」は当時の流行り物が過剰に使われてやや嫌みに感じましたか、本書は何ら違和感なく吸収できました。 欲を言えばラストの展開は一寸酷だったのかな。それだけ登場人物にに気持ちが入ってしまったのかも知れませんね。 あまりに面白かったので、同時件を題材とした「誘拐」も購入してしまいました(これもおもしろかった)。 | ||||
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何の前知識も入れずに読み始めたので、しばらくは読者の想像を裏切るミステリ的展開の警察小説かと思っていた。が、その思い込みはやがて本書の隅々まで行き届いた圧倒的なリアリティによって打ち砕かれ、どうやらこれは骨太で重厚な人間ドラマなのだということがわかってくる。東京五輪前年の東京という時代と国がまさに様変わりする匂いを放つ舞台で、その人間ドラマはぐいぐいと加速して読者に息をつかせない。悪いのは犯人か、警察か、時代か、世間か、それとも人間の愚かな業か。最後のページを閉じて嘆息し、放心する。そんなタイプの小説だ。 | ||||
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奥田英朗の代表作の一つになるであろう文句なしの星5つの作品。 不幸な環境で育つ北海道礼文島出身の青年である宇野寛治の物語からスタートし、そこから最初の東京オリンピックの一年前の東京に舞台は移り、資産家殺人事件からさらに誘拐事件へと物語が進む展開にページを繰る手が止まらない。 同作は「オリンピックの身代金」の一年前に遡る小説であり、落合刑事の所属する捜査一課強行班5係の面々の活躍が奥田ファンには嬉しい。 物語は宇野青年、落合刑事に加え、山谷で宿泊施設と食堂を手伝うミキ子の3名の視点を交互に絡めながら進んでいく。何故ヒトは凶悪な犯罪を犯してしまうのか、この小説は昭和に実際にあった誘拐事件をモデルにしながら、孤独の闇に囚われてしまう人間の本質に深く踏み込む内容となっている。 オリンピック前の昭和の市井の人々の暮らしの雰囲気もその時代に自分が本当にいるように伝わってきて、物語にリアリティを添えている。奥田英朗が好きな人にはもちろん初めての人にもお勧めの一作。 | ||||
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ミステリー物の殆どは1回読めばそれっきり。何度も手に取りその度に面白く読めるのは、現役作家ではこれまで横山秀夫氏にしかなかったが、久方ぶりに読み返しても面白い本に出会いました。本書は「霧の向こう」の原題で小説新潮に連載されている当時から次号が待ち遠しく面白さにはまっていました。一部のレビューには厳しい指摘もありますがそれらを補って余りある面白さがあります。確かに筋の展開に都合が良いように現実には考え難い経緯があったり、時代考証面で?が出る(本書の時代を少年として経験しています)場面もありますが、それらが気にならない面白さがあります。当たり前の言い方になりますが、「人間が描けている」ということでしょう。それは何も重苦しいことではなく、文中の遣り取りや記述を通じて人物像が鮮やかに浮かび上がる読書の醍醐味に通じます。余談ながら、本書では「端役」になりますが、何かというと警察を目の敵にして喚く山谷の簡易旅館女将などは、読んでいると故市原悦子さんが演じたらぴったりだなあなどとシーンを思い浮かべて独り微笑んだりするのも楽しいものです。随所に筆者お得意のユーモアを含んだり記述もあり、大書ですが読み易い第一級のエンターテインメントと思います。 | ||||
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昭和38年という東京オリンピックの前年を舞台にした刑事もの。北海道の離島から東京に憧れて上京するものの、幼少期の父親からの虐待による脳に障害をもったハンデは大きく、東京での暮らしも順調にいくわけはない。少年時代から空き巣でお金を工面していた癖はなおらず、空き巣を繰り返すうちに、幼児誘拐までおこなってしまったのか?脳に障害がある主人公に刑事の犯人像がブレ、捜査が後手後手になったりしながら、犯人を少しづつ追い詰める。罪の重さと、責任能力の無さが天秤にかけられるかと思いながら、緊張感をもって読み進められます。昭和の時代背景を絶妙に活かしたよい刑事小説です。 | ||||
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帯に「私は涙を拭うのも洟をかむのも忘れて小説にのめりこみ…」(角田光代)とあって、これはきっと、あの事件の犯人の母が「おまえは地獄にいけ。わしも一緒にいってやるから」といったという、その場面や背景が描かれるんだと思いましたが、そんな予想ははずれました。書名が『罪の轍』。実際の事件とは違う設定で、そして確かに「涙を拭うのも忘れて」のめりこめました。なんとも言えない、作家の凄みを感じます。だから小説を読みたくなるんだなと、改めて思いました。のめりこんで読んでおいてなんですが、この著者で、このボリュームでと、読む前からものすごく期待しすぎてしまったので、期待以上ではなかったという印象もあり、★4つでした。 | ||||
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こういう作品は、好みが分かれると思いますが、最後まで読者を引っ張る力はあります。時代背景とか、登場人物のそれぞれの事情とか、考えさせられます。著者の作品の中では必読の一冊だと思います。 | ||||
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東京オリンピツクの時、自分は中学1年で、家庭が貧しく、犯人が東京で夢見たのも良く分かる、この時の社会描写がさすがに作者はうまい。 (オリンピツクの身代金)でも社会描写のうまさに驚いた。世の中が、豊になろうと突き進んでいたので、障害者、弱者に目が届かず、決果悲惨な事が起きたのではと思う。50年前にタイムスリツプし、時間が過ぎるの忘れ、熟読出来た。 | ||||
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久しぶりの有給の一日。一気に読みました。 本当に素晴らしい作家さんだと改めて感動しました。 ありがとうございます! | ||||
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奥田英朗は大ファンです。面白いよ | ||||
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好きな作家の一人。 ストーリーもさることながら文章のテンポが良いので一気に読み進める。 前回の東京オリンピック前という時代背景でありながら古さを感じさせないのはまさにこの作家の力量というべきだろう。 | ||||
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他の方のコメントにもあるように、産まれる前の昭和オリンピックの時代を背景に、現実味がなく、どーかなぁ。と思いながらも、著者の「邪魔」がとても面白かったので、こちらも購入しました。 つい最近、邪魔を読み、私の好きな作家さんの中に奥田英朗さんが入りましたが、こちらの「罪の轍」で、好きなランキング、トップになりました。 | ||||
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北海道出身の脳に障がいを持つ20歳の男と、警察内のお話、帰化した朝鮮人の娘目線のお話が次々と出てきます。 正直、最初の100ページまでは読み進めるのが大変でした。特に警察のお話では一気にいろんな人が多数あだ名で出てきてもう誰が誰だよ…という感じで。 ただ、100ページを超えたあたりでだんだん面白くなってきて、誘拐が起こったあたりになるともう次へ次へと読みたくなって、気が付けば夜明けという具合でした。 ずっとじらされ続けた警察側にすっかりと感情移入してしまい、最後のほうでは胸がいっぱいになりました。 | ||||
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昭和27年生まれの私にはまさにリアリルタイム。登場人物一人一人の感情描写、のめり込んで読んでしまいました。邪魔、最悪、インザプール…転がるように転落していく人の心が、悲しいです。 | ||||
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救いのない話だけれど、それでも最後までグイグイ読ませてしまうのがこの作家の力量だろう。今流行りの行間スカスカ、超「読みやすい」体裁ではない、本物のエンタメ小説だ。 おまけに、時代考証がしっかりしている。当時の刑事で自宅に電話があるやつなんて殆どいないなど、細かい既述にもハッとする驚きがある。 たった一つの不満は、途端に展開が遅くなる後半200ページ。なんだかモタモタする感じ。もうちょっと絞れるのでは? | ||||
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久しぶりの奥田ワ―ルド 昭和を書かせたらピカイチ 1963年、東京オリンピックの前年に起きた吉展ちゃん誘拐事件をもとにしていて、 あの当時の描写は秀逸 読後感が切ないのも 奥田ならではか 最後は息つかせずに読ませてくれるのは 流石でもあり 読者の喜びでもあり ちょっと長いが これだけ読ませてくれたら 仕方ないか | ||||
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待ちに待った著者の新作。訳あってようやく読了しました。 一言で言うと、「東京オリンピックの身代金」の時代、あの「吉展ちゃん誘拐殺人事件」を下敷きにした犯罪小説、警察小説です。 北海道礼文島の自然描写と薄幸の犯人の対比が、非常に印象的でした。警察機構の詳細や時代背景の丁寧なリサーチにより、昭和世代の私にはすんなり物語になじめました。 軽妙なエッセイやドクター伊良部の世界も楽しいですが、著者の長編には「救い」を求めて自分の人生に必死にあらがう市井の人々がとてもうまく描かれていると思います。 次作も期待します。 | ||||
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ひねりやトリックはないのだけれどミステリーランキングで上位という評価だけあって読み応えがある。当時の描写、その世界観がすばらしい。ニールがかっこいい。ニールを主人公にしたスピンオフが読みたい。 | ||||
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ここ20年で1番でした。宇野寛治をいつも思うくらい。熱海に着いた時の寛治は、、とか。 素晴らしい傑作です。 | ||||
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