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ゼロの焦点



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ゼロの焦点の評価: 3.99/5点 レビュー 107件。 Bランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点3.99pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全83件 61~80 4/5ページ
No.23:
(4pt)

北陸の冬をイメージする暗いトーンで話が進んでいく

新婚1週間で失踪した夫、鵜原憲一の行方を追って、妻、禎子が金沢で夫のことを訪ね歩く。東京と金沢を行ったり来たりしながら、今まで知らない夫のことを知るにつれて、人が殺され、事件が進んでいく。
全体的には北陸の冬をイメージする暗いトーンで話が進んでいく。犯人は誰なのか?動機は何なのか?を探りながら読んでいくのがいいのでしょう。時代背景(昭和33年)が影響するのかどうかわからないが、何か無理があるなあという印象がある。個人情報の扱われ方についてはすごく違和感を感じるのは仕方がないところか。
ゼロの焦点 (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:ゼロの焦点 (新潮文庫)より
4101109168
No.22:
(4pt)

現実にあてはめて考えてみる

 松本清張作品は読んだことがなかったのだが、映画版をみて原作も読みたくなった。
 映画版同様、読了後に考えさせられることが少なくなかった。
 本作品を一言で言うならば「罪を憎んで人を憎まず」。
 
 確かに殺人をはじめとした凶悪犯罪、また万引きなどの軽犯罪は許してはいけない。
 本作はもちろんテレビの特番、たとえば万引きGメンなどを扱ったものなどを見るたびにそう思う。
 しかし私は思うのだ。
 「自分は100%正しいのか」と。
 
 全世界60億人、誰一人として同じ人はいない。
 だが、唯一共通している部分がある。
 誰にでも「悪」はあるということだ。
 作者が本作を通して伝えたかったことはまさにそういうことなのではないだろうか。
 人の「悪」をみてただ罵るのではなく、その時自分自身を対話をしてみる。
 「自分ならどうだ、同じ状況になったとしても100%やらないと言い切れるのか」と。
 そうしていくことで自分の内にある「悪」を発見し、同時に反省して行くことが、「悪」と上手につきあうことができるのではないだろうか。
ゼロの焦点 (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:ゼロの焦点 (新潮文庫)より
4101109168
No.21:
(4pt)

前半は読ませるけど・・・

映画が封切られるというので、読んでみた。
相手の素性をよく知らぬままに結婚した若妻の微妙な心の動き、夫婦とはいえどこかぎこちなさが残る二人の関係など、女主人公の気持ちが、ていねいに描写されていて好感が持てる。
しかし、いくつかの殺人事件に彼女が巻き込まれていくなかで、真相を解明しようとする彼女のアクティブな活動が目立つにつれ、最初の女主人公のあやういイメージが次第に消え、女探偵のように描かれているのは、いくら推理小説とはいえ、ちょっと違和感を覚える。
ラストシーンの描写は映像的だが、なんかうそ臭いという印象がぬぐえない(詳細はかけませんが)。
結論から言うと、人殺しの数をもっと減らして、女主人公以外の人生がもっとリアルに浮かび上がってくるような、サスペンス的味付けをした人生ドラマにしてほしかった。
余談ですが、昭和三十年代は、皆がタバコを吸い、ウィスキーがよく飲まれていたんだなあ
と、変なところに感心してしまった。それと、「プライバシー意識」が希薄だったことがわかる。当時は、警察や医師や新聞が、こんなに簡単に個人情報をもらしていたのだろうか。
その意味で、時代を感じた。
ゼロの焦点 (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:ゼロの焦点 (新潮文庫)より
4101109168
No.20:
(5pt)

清張の傑作中の傑作

映画化で注目を浴びていますが、清張の作品の中の最高の傑作の中のひとつだと思います。北陸金沢周辺を舞台に
情景が目に浮かぶような文章で本のなかに引き付けられます。学生時代富山で自宅が福岡ということで、松本清張
とは以前より親しみを感じます。暮らしたこと行ったことがある場所が本の中に出てくるとたまらなくなります。
他に点と線の香椎浜、砂の器の山陰亀嵩等々最高です。今度も学生時代に読んで懐かしくて再度読みました。
本当に懐かしく感動しました。
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4101109168
No.19:
(4pt)

昭和の暗部を抉り出す、傑作

昭和30年代前半。
日本は復興と高度成長に向かっていた。
しかしながら、そこにはまだ戦争の傷跡が、深く人々の心の底に残っていた。
夫の失踪をたどる新妻のたびは、戦後日本が抱えていた一つの傷跡を現代に呼び覚ます結果になっている。
サスペンス、トラベル、現代ミステリ-のル−ツとなる作品の中にちりばめられた、避けることのできない日本の傷跡がたしかにこの作品の中に存在する。
砂の器へと続く清張作品の傑作。
昭和ブ-ムの現在、希望だけではすまない、影の昭和がここにある
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4101109168
No.18:
(4pt)

“文学的”推理小説

松本清張にしては比較的短めの推理小説です。
発表から数十年を経た今となっては、数多の類似小説の影響もあり、ストーリー的にも、謎解き自体も正直目新しさはないです。おいおいと思わず言葉が出そうなくらい、いくつもの突っ込みどころも満載です。
ただし、文章の構成や、表現はとても素晴らしく、ぐいぐいと読ませる力があり、さすが松本清張と思わせる小説です。
特に東京と北国との対比や、北国の情景の描写は目を見張るものがあり、文学的な匂いがします。
全体を通じて暗いムードにもかかわらず、読後、川端康成の小説を読み終えたときのように、無性に旅行に行きたくなりました。
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4101109168
No.17:
(5pt)

清張の「探偵小説」

「社会派」と言われる松本清張にしては、古い「探偵小説」に近い作品です。
それでも、その暗い北陸(主に能登半島)の描写は、その詩情性に富み、それは暗い戦後の混乱期の象徴のようでもあります。
復興目覚ましい日本の国にあって、その暗い時代を引き摺っている人物たちが、この本の「主人公」です。そうした「主人公」にとって、相応しかったのは東京から遠く離れた北陸だったのかも知れません。
この小説の語り手であり探偵役である禎子が、見聞きし、考える通りにストーリーが展開するため、物語に非常に入りやすく、彼女と一緒に「謎」に向かってゆけます。
それに旅情感溢れる情景描写をが加わります。
しかも、バックには終戦直後の社会と、その中で翻弄された女性たちがいるのですから、文句なしの作品でしょう。
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4101109168
No.16:
(5pt)

「点と線」とは対照的な事件小説

「点と線」に続き,この本も一気に読み切ることができた.
「点と線」と比較して長いし,「ゼロの焦点」のタイトルの意味するところも想像しづらかった.
事件が事件としてはっきりと提示されるまでが長いものの,ストーリーの展開に不自然な点が見えた辺りから,私は先の展開がはっきりと見通すことができた.
しかし,その展開の裏付けは「点と線」ほど明らかにはならないまま,最終章を終える.意図はクリアだが,もっと別の描き方をしないと,推理小説として成立しないのではないかと思える点がいくつもある.
この意味において,この作品は推理小説というよりは事件小説とするほうがよりふさわしいのではないかと思う.この意見には多くの読者から賛同が得られるはずだ.
「ゼロの焦点」というタイトルの意味するところは私にはいまだにわからない.しかし,上に挙げたような,この作品が必然的に持つ虚構性,あるいは不完全性を筆者が象徴したかったのではないかと思う.
これからこの作品を読む方のために,きわめて抽象的な表現しかできないのは申し訳ない.実際に読んでみて,なるほどと思っていただけたらと思う.
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4101109168
No.15:
(5pt)

今も輝く推理小説の傑作のひとつだと思います

「ゼロの焦点」は著者自身代表作の一つと考えていたようです。50年ほど前の著作になりますが、今読んでも面白くて一気に読み通せます。物語は新婚一週間で失踪した夫の行方を懸命に探そうとする妻禎子が主人公となり進行していく。見合結婚の禎子は夫の過去をほとんどと言っていいほど知らない。そんな中非常に冷静に謎を紐といていく。何度か推理を変えながらも辻褄を合わせていく。そこに引き込まれる。
 
今も輝く推理小説の傑作のひとつだと思います。
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4101109168
No.14:
(5pt)

「ゼロの焦点」からフェルメールへ

清張の作品はいつでも、関連のある他の清張サスペンスと比較しながら、どうやって彼がこの物語を構築したかを考察することが、ストーリーを追っていく以上におもしろい。例えば、この「ゼロの焦点」は明らかに「疑惑」と同じ北陸・能登が注目されている。「疑惑」ではなにげない会話の中に、能登海岸の断崖から飛び降りる自殺者の話題がふれられている。また北陸日日新聞の記者の登場人物というのも土地柄を反映している。二つの物語は、イザナキが黄泉の国にイザナミを追って訪問するが、見てはいけないという掟をやぶってイザナミの腐乱した姿を見たため、ほうぼうの体で現世に帰るという古事記ストーリーの焼き直しになっている。「疑惑」では心中となり、「ゼロの焦点」では冥界に消息をたった夫というふうな象徴に、どちらも男女関係が古事記とは逆転しているものの、基本は同じである。逆転の理由は、現代という時代がそうさせたにすぎない。流石は日本一の古事記の理解者・清張だからできる芸当である。ここからやや手前味噌で超飛躍した話題になるかもしれないが、あの十七世紀、オランダの画家・フェルメールも清張の「疑惑」と見えない糸でつながっている。古事記と今風の殺人事件を並べる清張なのだから、こんなことがあってもちっとも不思議ではない。清張自身がそうしなくてもだ。詳しくは「宇宙に開かれた光の劇場」上野和男・著をご覧いただきたい。
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4101109168
No.13:
(4pt)

腹にズシリとくる

私が生まれた年に発表された作品。自分が生まれた時代を知ることができる。
全体を貫く沈鬱なトーンがたまらない。
ゼロの焦点 (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:ゼロの焦点 (新潮文庫)より
4101109168
No.12:
(5pt)

時代が書かせた名作

松本清張は基本的に社会派作家なんで、今の若い人が読めばちょっと分からないシチュエーションだと思う。まずお見合いってほとんどなくなってしまった。昔は結婚式で初めて会ったというカップルもあったようです。「パンパン」知らないですよねえ・・・。米軍相手の売春婦さんたちのこと。動機は分かるような気がする。それにしても主人公の禎子さんはしっかりしている。謎はそれほど突飛でもなくトリックというほどの仕掛けもなく。心理・戦後時代小説ですね。あとは汽車に乗るシーンが多く、カバーの絵が時刻表というのもうなづけます。昔は食堂車っていうのがありましたよね。食堂車の記号が載ってます。それと北陸の寒そうな風景の模写が多く、秘められた犯人とその周りの人々の暗い心の内側を表しているような・・吹雪の中で読んでいるような気がしました。しかし京都から金沢まで6時間(夜行ですが)、今はサンダーバードで2時間・・。やはりこの小説は移動に時間がかかる汽車の時代の産物のような気がします。
ゼロの焦点―長編推理小説 (カッパ・ノベルス (11-1))Amazon書評・レビュー:ゼロの焦点―長編推理小説 (カッパ・ノベルス (11-1))より
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No.11:
(5pt)

名作は何度読んでも良い

陰鬱な日本海の雰囲気。
禎子をとりまく人間関係。
夫の秘密・・・。
何度読み返してもグッときてしまうのは、
清張の圧倒的筆力と緻密な構成によるものだ。
疑心暗鬼と直感と確信とが織り成す人間描写は、
古典を感じさせない躍動感で読者に迫ってくる。
すばらしい作品である。
ずっと読み続ける名作とはこのことだ。
ゼロの焦点 (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:ゼロの焦点 (新潮文庫)より
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No.10:
(4pt)

本編のリアリティは○、カバー裏・巻末解説は×

新婚早々失踪した夫を探して東京⇔金沢を行き来する妻の視点で、事件を追う。
約1ヶ月間で全容が明らかになるまでに、いろいろな人の過去や現在の生活が明るみに出る。
過去を描出するときも、あくまでも現在の妻の視点に立っているため、自然に人間らしい文章の流れになっています。年末の日本海側の寒さを背景としたそのリアリティが、松本清張の上手いところなのだろうと思いました。
逆に、巻末の解説に、このあらすじを時間軸に沿って説明してあるのですが、こっちは全く読めた代物でない。これとの対比に、改めて、松本清張の説得力をすごいと思いました。
本編とは無関係なんですが、新潮文庫のカバー裏の解説は、良し悪しです。。そこまで書いちゃうかよ。と。
他の新潮文庫でも、たとえば、『異邦人』(カミュ)のカバー裏。明らかに書きすぎ。
ゼロの焦点 (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:ゼロの焦点 (新潮文庫)より
4101109168
No.9:
(5pt)

戦後の、人間社会の悲劇

それぞれ独立しているようにみえる事象が、話が展開していくうちに、一つの“焦点”に集まり、
やがて“ゼロ”となる…
抽象的ですが、作者がこの小説にあてたタイトルに、そのような意味があるのかもしれません。
確かに、サスペンスとして読むと、物足りなく思うかもしれませんが、当時の社会を色濃く反映し、
同時に戦争を皮肉った小説として読めば、この小説の良さを、十二分に楽しめると思います。
松本清張の作家としての才能が、いかんなく発揮されている、非常に完成度の高い小説です。
ゼロの焦点 (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:ゼロの焦点 (新潮文庫)より
4101109168
No.8:
(4pt)

初期の代表作

清張の初期の代表作。新婚旅行後、数日にして失踪したヒロインの夫。ヒロインには失踪の心当たりがない。それどころか、自分が夫の事を如何に知らなかったかを思い知り慄然とする。この、身近な人間の事を実は良く分かっていない、という点が前半のテーマである。このテーマに焦点を当てた戦慄のサスペンス小説にW.カッツの「恐怖の誕生パーティー」がある。ヒロインは直感で夫の失踪の陰に女がいると感じ、追跡を始める。焦燥感の中、夫が金沢で二重生活を送っていた事を突き止める。ところが、夫は不可解な死を遂げ、夫の兄、部下が続いて殺される。
後半は殺人事件の解決に入るが、清張らしく裏に戦後の暗部が隠されている。この点、森村誠一氏の「人間の証明」の先取りとも言える。清張の作品は一言で社会派ミステリと呼ばれるが、良く読むと様々なミステリ的要素が詰め込まれている事が分かる。
人間関係の虚実を戦後の過酷な運命を背景に描いた、清張の初期を代表する傑作。
ゼロの焦点―長編推理小説 (カッパ・ノベルス (11-1))Amazon書評・レビュー:ゼロの焦点―長編推理小説 (カッパ・ノベルス (11-1))より
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No.7:
(4pt)

華々しくも奇想天外でもないが着実な存在感とリアリズム

暗く沈鬱な日本海側を舞台に、一歩一歩足を踏みしめるように進められていく着実な推理。華々しい事件が起こるわけでもなく、奇想天外な展開が待つわけでもないが、紛れもない存在感とリアリズムは、さすがに松本清張である。
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4101109168
No.6:
(4pt)

小説はやはり雰囲気が

当時の様子を知らない世代の私でも、その雰囲気が比較的容易に想像できるのは元の作品の素晴らしさ故だと思います。
初めて手にする方は、特に推理系として扱わない方が変な期待をしないで済むので良いというのが個人的な感想です。あくまでも人物と風景の描写がメインであって、犯人探しを期待するとやや肩透かしを食らったような気分になる可能性がありますので。
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4101109168
No.5:
(5pt)

挫折なく通読できる

敗戦国である日本の戦後の悲劇や様々な登場人物の心理戦がとても面白かった。
挫折することなく読み終えることができる作品である。
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4101109168
No.4:
(4pt)

冬の日本海を背景に、夫の未知の領域に踏み込んでいく妻の疑惑を描いたサスペンス小説

 結婚して十日後、「今度の金沢行きが、最後の向こうでの仕事になるだろう」と、妻の禎子(ていこ)に言い残して出発した夫の鵜原憲一(うはら けんいち)。しかし、戻る予定の日が過ぎても、鵜原は出張から帰ってこない。鵜原の身に何かあったのではと危惧した禎子は、失踪した夫の行方を追って金沢へと赴く。北陸の地に滞在して鵜原のことを調べていく禎子の前に、やがて、夫の知られざる生活が浮かび上がってくる……。 北陸の金沢や能登半島を舞台に、新婚早々失踪した夫の足取りを訪ねるうちに、ヒロインの禎子が事件に巻き込まれていくミステリー。夫の秘密の領域に、徐々に踏み込んでいく妻の疑惑がサスペンスをかき立てます。とともに、日本海に面した北国の十二月、暗くもの哀しい風景が、この作品の雰囲気や色調を決定づけているように感じました。 事件犯人が誰なのか、その動機は何だったのか、といったことは、割と早くに察しがついてしまいました。そうした謎が解かれた時の驚きを楽しむミステリというよりも、これは冬の北の海を背景に、夫の過去を探っていく妻の心理サスペンス小説なんじゃないかと、そう思ったんですね。その点では、滝壺に向かって一気に流れ下るような終盤の展開にぞくぞくしたこと、文中にある箇所がここにつながるのか!とハッとさせられたラストが、とても印象深く心に残るものでした。 おしまいに、本書巻末の解説について一言。話の筋をかなり後半の部分まで記しているため、作品の前に読むと、だいぶ興が削がれてしまいます。また、文庫カバーの裏にある内容紹介文の中にも、これは明かさないほうがいいんじゃないかという一文がありました。あらすじをどこまで語るかというのは、こうしたミステリーの場合、微妙なところがありますが、本書ではそれがネタバレ領域にかかっているのではないだろうかと、それがやや気になりました。
ゼロの焦点 (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:ゼロの焦点 (新潮文庫)より
4101109168

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