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ゼロの焦点
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ゼロの焦点の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.99pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全83件 21~40 2/5ページ
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さんざんミステリを読んできて漸くこの作品を読んだ。 映画やドラマ等で真相を知らずに読了していたら、さぞや私の中で名作になっていただろう。 しかし、結末を知りながら読んでもこの作品は名作であった。 | ||||
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読みだしたら止まりませんでした。物語の舞台も身近に感じられてよかったです。 | ||||
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言わずと知れた松本清張の代表作の一つ。人によってさまざまな読み方ができる入り口の多いサスペンスドラマだ。何度となく映像化されているのもわかる。 戦争の影が色濃く残る昭和中期という時代に生きた3人の女性を巡る物語。一カ月前に見合い結婚したばかりの禎子は出張中に突然失踪した夫、鵜原憲一の手がかりを追って北陸の地を初めて訪れる。そこで出会った地方の名士、室田儀作の後妻、佐知子。室田の会社の従業員、田沼久子。この3人のトライアングルの真ん中に浮かび上がってくるのが久子の内縁の夫で曾根益三郎という男。能登の断崖から投身自殺をしたという。彼は一体何者なのか? (以下ネタバレ) 全編を通じて疾走感が漲る。文庫版40ページあたりで憲一が失踪。妻の禎子は夫の蔵書に挟まっていた北陸で撮ったと思われる2枚の写真をたまたま発見し、それを携えて上野駅を発つ。真ん中より少し手前の200ページ目で憲一の兄が他殺肢体で見つかる。畳みかけるようにして、禎子に好意を寄せていた憲一の子運の本多が何者かに殺される。残り四分の一を残したところで田沼久子が自殺。そして最後に室田夫人が…。 若き専業主婦の禎子が、夫が突然いなくなるという事件に巻き込まれても取り乱すことなく、何があったのかを突き止めるために見知らぬ地に何度も赴き、夫の過去を知る人物を訪ねる。夫捜索のカギを握ると思われる人たちが次々と不可解な死を遂げるという状況のなかでも怖気づくことなく、むしろ人が一人死ぬごとに真実に近づいているような実感を得ていく。意思の力の強い理知的な女性として描かれていることに好感を持った。夫を二人の女が死に追いやった。結果としてはそういうことになるが、禎子はこの二人の女性を恨むほどには自分の夫を知らなかった。だからなのか、もっと深いところでなのか、一人の男性を巡る三人の女は、どこかで連帯しているように思えるのである。 | ||||
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どうなるのだろうか、と途中までは予測もつかず惹き付けられドキドキしながら読みました。 突然見合い結婚した新婚夫婦の描写からはじまりますが、ロボット同士のような機械的な結婚。結婚前に2人きりで会うこともなくどんな人かわからない上での結婚。 新婦で主人公の禎子さんは何だか結婚の喜びもなさそうで、祝ってもらったであろう友人との描写もなく、冷静、理知的で観察眼がとても鋭い。 夫の憲一はいい人そうだけど10才上で、禎子さんの母にこれまで未婚だったのはなぜかと疑問を持たれ謎のベールに包まれている。 戦後13年ぐらいの日本の情景はリアルに描かれたものなら戦後史として参考になりそう。当時は役所も病院もどこの誰かわからない人に簡単に何でも教えてくれたのかとか、地方色豊かな時代国内旅行が今より楽しそう。旅館て今よりもっと融通のきく存在だったんだなとか。 何かが見え始めた時から、禎子さんは頭をフル回転させ激しく怒涛のように推理をはじめ、長々とモノローグが続き驚かされました。そして警察に任せず自分で動いていくのもちょっと不自然。 嫂と岩田夫人のキャラクターが少し被るのと、美人じゃないが魅力的な岩田夫人が途中から普通にキレイな人扱いで、久子さんについて「可愛い顔だがやはり30歳の顔だ」て余計な一分があったり、40過ぎて売れた決して男前でもない松本清張さんがいうと特に変な感じ。 事件を追っていた夫の後輩さんは普通もっと警戒するはずだし、禎子さんも1ヶ月分しか知らない夫のことでそこまで執拗に追いかけるなのかと思うし、殺人の動機としても「戦争の傷跡」は分かるけれどそこまでするかなという気持ち。 夫は結局いい人ではなかった。男女とも20代で見合い結婚する時代に、30才前の女性に対して罪深く自分勝手な男だった訳ですね。 偽名である必要性もさほどなく交際期間からして36歳まで独身だった理由の解明にもなってないのでちょっとモヤモヤ。 最終的に「点と線」の結末に似てますよね。 | ||||
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広末涼子主演の映画は、テレビでよくある断崖絶壁サスペンス調で今一つの印象。原作は、主人公 貞子の内面を中心に淡々と物語が表現され、それがかえって結末の物悲しさを印象付けます。ただし、映像で人の内面の変化を表現することは、元々難しいかもしれません。小説ならではの感動を味わうことができました。 | ||||
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作品の後半になって、私は憲一は生きていて、その後の死亡事故に関わっているのではないかと推理を立てた。残念ながら見当違いだったが、推理をしながら読むという喜びを味わうことができた。作品の中で謎を解き明かしていくのが刑事だったら、プロの仕事に任せて自ら推理することはなかったと思う。しかしごく普通の主婦である禎子が謎を解いてゆくものだから、ついライバル心が起こってしまったのだ。このあたりが、読者の心を揺さぶる清張さんのうまさだと思う。ただ禎子さんの推理が、素人にしては出来すぎているという違和感はあるが。 | ||||
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刑事コロンボが好きで,むかしNHKで放送していたもの(BS)をすべてブルーレイに保存していた.最近またNHKで放送しだしたので,BLに保存すると同時に,気に入ったものをDVDで購入している. そんな時,むかし気に入って買ってあった「DVDのゼロの焦点」を再度拝見.何と刑事コロンボの作りとそっくりではないか!刑事コロンボよりも迫力がある.久我美子が事件後1年掛けて犯人を解明してヤセに断崖に犯人を呼び寄せて再現させて追及していくドラマ.野村芳太郎,橋本忍,懐かしいな~.パンパンという娼婦言葉が出てきて,立川という娼婦の町が出てきて,懐かしいな~.まさにその時代に立川に生活し,パンパン・娼婦は身近に感じておりました.ですから身につまされる小説でした.映画が配給されたのが1961年,その年某テレビ局に入社したのも,なにか縁なんでしょうね. | ||||
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ありがとうございました、機会がありましたら又、よろしくお願い致します。 | ||||
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昭和三十年代前半といえば、終戦からわずか十年ほどしか経っていない。戦後生まれでも昭和の人間であれば、背中の後ろあたりにその空気を感じるが、この令和の時代には、もはや教科書に出てくる単なる歴史上の一時代にすぎないのかもしれない。物語の内容自体は途中で先が読めてしまうので、緊迫感はあまり無い。 | ||||
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清張作品の中で最上級の部類です。米兵相手の売春にまつわる動機は、戦争の記憶がまだ生々しかった出版当時には強力な説得力があったと想像します。現代を舞台にしたら、こんな大仰な歴史的背景は描けません。能登の情景描写は読んでいる方が寒くなるほどです。ただ、清張先生、次から次へと殺しすぎです。殺人の情念密度が下がってしまいます。定番の青酸カリという手口に気付いたばかりの登場人物が疑惑の目を向けていた女からもらったウイスキーを飲みますかね。とんだけ酒好きなの。全体の構想は見事なだけに、やや残念ではあります。 | ||||
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松本清張を今年はたくさん読もうとおもっています。やっぱり面白いです。 | ||||
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ストーリー展開は、少しも古臭さを感じません。 今を守るためには、人は冷静さを失ってしまう本質を知らされる思いです。 | ||||
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今でも北陸と言うと「訪問には時間がかかる遠隔地」という印象だが、本作が発表された時代ではなおさらだと思う。 その地と東京を往復しながら、新婚の夫の失踪事件を追いかける主人公の粘り強さと聡明さには驚かされる。 物語自体は、失踪した人間を探す手掛かりを持っている関係者が次々と殺され、謎が深まる感じが非常に面白い。またアリバイが一つ一つクリアされていく過程も楽しめる。 女性にとっての戦後の不幸な混乱期が一つのモチーフとなっているが、今の社会でも個人が自分の過去と決別して、新たに手に入れた現在の状況にしがみつく気持ちは共通である。いつの世でも普遍的に通用する内容だと思えた。 | ||||
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没落した華族という存在に興味を持ったのは最近のことだ。その連想とつながってか、本屋に行った際、なつかしくなり手に取った本が清張氏の代表作といわれている本作である。数十年前に一度読んだ本書の内容は即座に記憶を蘇らせるほど脳裏に残っていたわけではないが、読み進ませるその筆力に追い込まれてあっという間に読了した。 敗戦後の日本がどれだけ貧しかったのか、戦後生まれの日本人、ましてや平成生まれの世代にはいくら想像たくましくても、体感的にはわからない。食べるために、身体を売るという原始的行為、他に生活の手段がない状況、生活保護だ、年金だと騒いでいる今の社会的背景なぞ、この時代を生きた人々にとっては憤慨モノだったかもしれない。 昭和30年代に出版された作品なので、それはそれはレトロ感満載であり、例えば、見合い結婚、掘り炬燵に火をいれる、パンパン、、オンリーなどの表現、直感的にはわかりにくい。興味がある方はこれをきっかけに風俗史なり、調べるてみることをお勧めする。明治や江戸と違い今につながる現社会の基礎にある種の親近感が湧いてくることだろう。 鳥尾鶴代とGHQ高官のケーディス、森村誠一の「人間の証明」、サンダースホーム、、女の肉体が悲しき時代に籠絡されていった様々な逸話がある。 この作品もそうした女の過去を背景にしており、そうしなくては生きていけなかった、そして隠し通さなくては成らなかった事件の動機に昭和世代の人々は親和感を抱いた。だからこそここまで有名な作品に昇華したのだろう。 もうひとつ。 大変面白いのが、新潮社版のあとがき、昭和40年代当時の評論家が書いているのだが、もしこれが宮部みゆきあたりだったら、べた褒めでつまらなかったとおもうが、なんともいやみな筆致で、この作品が後年日本の文学史に残るような前提、ゼロの焦点という表題の力も大きいが、、、などまったく想定されず、笑ってしまう。ベストセラーというだけでなく、清張を語る上でたびたび引き合いにだされ、また映像化も数知れず、それほど大きな作品が当時の評論家の手にかかると、ミステリー、推理モノという「文学」足りえない、と思われていた娯楽小説がやや低くみられていたのかもしれない。 作品の情景、人物の心情の表現をとりあげて、「なかなかよろしい」などと書く嫌味な評論家のあとがきをよくのせたものだなぁと感心するし、それをいまだに変えず、平成の世の書棚に送り出す新潮社の胆力もたいしたものだと。 売れ線作家としては頭を下げたが、清張の思想とは相容れなかった出版社の最後の抵抗だろうか? ストーリー展開に無理が多いといわれれば、それも今風の目からすれば仕方ないものの、若い未亡人がさしたる頭脳を持ち合わせず、偶然(やや強引だが)と直感とで事件の真相に迫る姿は読者を引き込むには十分であろう。 | ||||
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登場人物の心情と厳しい能登の自然がマッチしている。 実感するためには冬の能登観光がベスト。 この作品で陸の孤島と呼ばれた能登にスポットライトが…。 | ||||
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推理小説の体裁を取りながら、その実、戦後日本の矛盾を告発した作品でもあります。 戦争の傷がまだ癒えきっていない昭和30年代前半。 戦後の混乱期を生き抜くために、秘密を抱えざるを得なかった人間の思いが胸に刺さります。 謎が少しずつ深まっていく前半部分を静とするなら、次々謎が明らかになっていく後半部分は動と言えるでしょう。 後半は文句なしに面白いのですが、普通なら飽きてしまいそうな前半部分でも、読ませてしまう清張の筆力はさすが。 次々と明かされる秘密。その要因は戦後の混乱に行き着いていきます。 戦争に翻弄された人々の強さと悲しさ、そして優しさも観ることが出来る作品。 そして、ラストシーンは胸に迫るものがあります。 傑作です。 | ||||
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初松本清張。面白かった。 犯人は、宗太郎が殺されて、金沢署で事情を聞いている辺りで分かりました。 他の作品も読んでみたくなりました。 | ||||
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松本清張はとにかく、題名をつけるのが上手い。 まず、そこで「推理」させられてしまう。 これは「リーマン予想」に着想を得たに違いない、と勝手に結論している。 (ゼータ関数の非自明なゼロ点はすべて直線上にあるはずだ) 占領下の日本では、「日本人」は消えてはいないが日本が一時的に存在しない。 その一見不明な時代に当てはめると、一本の直線状に並んでくる… 虚線が見えてくる…と | ||||
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ちょっとずつ、でも確実に進む読者の興味を離さない話の展開の仕方が上手です。捜査方法等、時代を感じますが、時代が違っても話自体は面白い。 Tantalizing thrillsを味わえます。 | ||||
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推理小説としての完成度うんぬんよりも、文学作品としての感動がありました。 戦後の動乱期の中で、数奇な運命に翻弄された男と女。そんな戦後文学の傑作と言ってもいいような傑作です。 鵜原憲一、田沼久子、そして室田佐知子・・・。 全編の主人公は、鵜原憲一と結婚したばかりの新妻、鵜原禎子なんだけど、全部読んだ後に、心に深く残るのは 前述の三人、とりわけ田沼久子ですね。すごく可愛そうな女性なんです。 もっと時代が良ければなあ、とか、もっと何とかならなかったのかなあとか、読みながらため息をついたけど、 でも、過酷な運命は、田沼久子を、どんどん悪い方へと押し流してゆく。 最後まで読めばわかるけど、この女性、とってもいい人なんです。悪いことなんかできっこないんです。 あと、途中、主人公の鵜原禎子が北国の断崖の上で思い出す、エドガー・アラン・ポーの「海中の都市」 という詩の一節は印象的でした。禎子がこの詩を思い出すシーンが、前後2回出てくるんですが、53行ほどの詩の 中から最後の方の9行ほどを引用しています。 その引用部分が、あの風吹きすさぶ北国の断崖絶壁のうえに立つヒロイン禎子、というあの場面で、 すごく効果的でグッときました。ゼロの焦点・・・やっぱり名作なんですね。 その証拠に、何度となく映画化されテレビドラマ化されているし。 近い所では2009年の映画。鵜原禎子に広末涼子、鵜原憲一に西島秀俊、田沼久子に木村多江、室田佐知子には何と中谷美紀!! この映画は私も見て、感動しました。 とりとめのないレビューになりましたが、本作はミステリーの傑作という以上に、戦後文学の傑作です。 | ||||
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