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アリバイ



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アリバイの評価: 4.00/5点 レビュー 2件。 -ランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点4.00pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全2件 1~2 1/1ページ
No.2:
(4pt)

好事家のためのレア本

相当マニアックな本である。まさに「奇想天外の本棚」と銘打ったシリーズの第1弾を飾るにふさわしい。ということが本書の価値のすべてではないか。こんなレアな戯曲が今の時代に読める、ということに値打ちがあるのだと思う。

ご存じ、ミステリ史に燦然と輝く『アクロイド殺し』を、1929年に戯曲化したものだ。当時ポアロを演じたのは、チャールズ・ロートン。映画『情婦』の弁護士役でおなじみの名優である。三幕劇で、1・2幕がアクロイド邸、3幕はポアロの書斎で物語が進行する。脚本を書いたマイケル・モートンは劇作家で、さすが本職だけにストーリーを舞台用にうまいことまとめるなあ…と感心しながら読んだ。

が、うまいことまとめたところで、叙述トリックを完全に捨てた『アクロイド殺し』に意味あるの?  と思わないでもない。さらに言えば、もし僕がクリスティーなら、どうしても気に入らない点が2つある。1つはポアロをフランス人として処理しているらしいこと、そして2つ目は小説におけるキャロラインの変更である。おそらく自作を他人に委ねることを嫌ったクリスティーは、この後、自身で戯曲化(あるいは戯曲そのもの)を手がけるようになっていくのだろう。

ちなみに、舞台劇なので「上手(かみて)」「下手(しもて)」などの舞台用語がしばしば登場する。訳者の山口氏によると、本来は俳優視点で書かれてる指示を、混乱を避けるために、観客視点に立って左右逆に書き換えた、という。しかし、これにちょこちょこケアレスミスがある。僕が気づいただけでも、上下・左右の間違いが5カ所はあった。

と、いささか文句めいてしまったけれど、ミステリファンとしては十分楽しんだ。山口雅也さん、原書房さん、ありがとう。
アリバイ (海外ミステリ叢書《奇想天外の本棚》)Amazon書評・レビュー:アリバイ (海外ミステリ叢書《奇想天外の本棚》)より
4562056703
No.1:
(4pt)

文庫化すらされていない戯曲

唯一ハヤカワ文庫では
リストにすら出なかった本です。
そう、入手も困難な本になっています。

その正体は
誰もがその存在を知る
賛否両論を巻き起こした作品の
戯曲版となっています。

そんなわけでこの本は
あの要素が欠如しているために
どうしても評価は下げざるを得ません。
小説版ではそれが売りなのではありますが…

その代わりこちらのバージョンでは
意外性は未読の人は
受けるに違いがありません。
まさかが起きてしまう作品ですし
トリックも凝ってはいますからね。
ただし、目新しくはありませんよ。

この本だけが文庫からもれてしまったのが
不思議に思えてしまう作品です。
忘れてしまったのかもしれません…
アリバイ (1954年) (世界探偵小説全集)Amazon書評・レビュー:アリバイ (1954年) (世界探偵小説全集)より
B000JB5MQ2

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