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兄の殺人者
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兄の殺人者の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.20pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全10件 1~10 1/1ページ
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英国で1961年刊行されたものの翻訳です。 とのことで50~60年代の戦後のイギリスを舞台としたもので、おそらくは地方の小都市。 エレベータが手動開閉の扉を備えていたり、専用回線の電話線を引いていたりといったアナログ感のある時代設定です。 濃霧の夜に、電話でオフィスに呼び出された主人公が法律事務所の共同経営者である兄の遺体を発見する…という幕開けで小説は始まります。 しっとりとした人物描写で、登場人物の性格が鮮やかに描かれる一方、特に強調されていないとはいえ、冷たい小雨が降りそぼる陰鬱な冬という光景が目に浮かびます。普及しつつある自動車をはじめ、タイプライターやロウ管録音機、万年筆セットに木製のデスク…といったクラシックなオフィスの様子がまた色を添えます。 主人公の性格もまたいいですね。どうみても不公平な扱いを受けているように見えるが、兄に対する親愛の情があったり、あるいは周りの人たちに対して強く出られない弱さもあり、苛立ちを爆発させる場面もあったりと、とても人間的です。友人にもちたいタイプですね。エモーショナルな地の文にはヒントがそっと隠されています。まず読んで、そして全てがわかった後にまた読んで、そして今度は犯人捜しを離れてひとつの物語としてまた読んで。と何度も楽しめる作品です。 | ||||
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以前に読んだこともあるが、再度読み返したがテンポ良く楽しかった! | ||||
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記載通りの良好な状態でした。迅速に届き、すぐ読むことができました。 | ||||
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D・M・ディヴァインの処女作である『兄の殺人者=My Brother's Killer』(1961)を読んでみた。 本書は、有名なクライム・クラブの版元であるコリンズ社が、大学の先生を対象とした探偵小説コンクールに著者が投稿した作品であり、その審査員であったアガサ・クリスティーが「最後まで読んで楽しめた、極めて面白い犯罪小説」と称賛した作品だったが、D・M・ディヴァインは、大学の事務職員であったため賞を受けることができなかった。 評者の正直な感想を言わせてもらえば、アガサ・クリスティーが、この『兄の殺人者』を、称賛したのは、他の作品のレベルが酷かったからではないかと思ったのです。 本作品では、犯人探しをしてゆくのが被害者の弟であるから、プロの探偵や刑事が犯人探しで登場する事件ではないが、登場する一人一人のキャラクターを、筆者ならではの精緻な描写力で書き上げていることから、この作品を上質なものと捉えたアガサ・クリスティーが他の作品と比較して評価したのだと想像してしまったのです。 確かに処女作として読めば秀作であろうが、この手の本の読み巧者なら読み始めてすぐ犯人像も観えくるだろうし、プロットにも新鮮さを感じない。 評者が期待したほど楽しませてくれる作品ではなかったのが残念であつた。 | ||||
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D・M・ディヴァインの処女作である『兄の殺人者=My Brother's Killer』(1961)を読んでみた。 本書は、有名なクライム・クラブの版元であるコリンズ社が、大学の先生を対象とした探偵小説コンクールに著者が投稿した作品であり、その審査員であったアガサ・クリスティーが「最後まで読んで楽しめた、極めて面白い犯罪小説」と称賛した作品だったが、D・M・ディヴァインは、大学の事務職員であったため賞を受けることができなかった。 評者の正直な感想を言わせてもらえば、アガサ・クリスティーが、この『兄の殺人者』を、称賛したのは、他の作品のレベルが酷かったからではないかと思ったのです。 本作品では、犯人探しをしてゆくのが被害者の弟であるから、プロの探偵や刑事が犯人探しで登場する事件ではないが、登場する一人一人のキャラクターを、筆者ならではの精緻な描写力で書き上げていることから、この作品を上質なものと捉えたアガサ・クリスティーが他の作品と比較して評価したのだと想像してしまったのです。 確かに処女作として読めば秀作であろうが、この手の本の読み巧者なら読み始めてすぐ犯人像も観えくるだろうし、プロットにも新鮮さを感じない。 評者が期待したほど楽しませてくれる作品ではなかったのが残念であつた。 | ||||
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D・M・ディヴァインの処女作である『兄の殺人者=My Brother's Killer』(1961)を読んでみた。 本書は、有名なクライム・クラブの版元であるコリンズ社が、大学の先生を対象とした探偵小説コンクールに著者が投稿した作品であり、その審査員であったアガサ・クリスティーが「最後まで読んで楽しめた、極めて面白い犯罪小説」と称賛した作品だったが、D・M・ディヴァインは、大学の事務職員であったため賞を受けることができなかった。 評者の正直な感想を言わせてもらえば、アガサ・クリスティーが、この『兄の殺人者』を、称賛したのは、他の作品のレベルが酷かったからではないかと思ったのです。 本作品では、犯人探しをしてゆくのが被害者の弟であるから、プロの探偵や刑事が犯人探しで登場する事件ではないが、登場する一人一人のキャラクターを、筆者ならではの精緻な描写力で書き上げていることから、この作品を上質なものと捉えたアガサ・クリスティーが他の作品と比較して評価したのだと想像してしまったのです。 確かに処女作として読めば秀作であろうが、この手の本の読み巧者なら読み始めてすぐ犯人像も観えくるだろうし、プロットにも新鮮さを感じない。 評者が期待したほど楽しませてくれる作品ではなかったのが残念であつた。 | ||||
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クリスティーが絶賛したミステリィー。 なるほど、丁寧な描写に、緻密な伏せんが張られ、 霧深いロンドンでの事件は、クラシックな魅力に溢れています。 シックな本の表紙、上品な訳語もあいまって、 エレガントな気分を醸し出す、上質本格なミステリィー。 シリーズの全訳が楽しみ楽しみ! | ||||
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濃霧の夜、事務弁護士のサイモンは、事務所を共同 経営している兄のオリバーから電話で呼び出される。 しかし、事務所に行ったサイモンを待っていたのは、兄の射殺死体だった。 その上、警察の捜査で、兄が強請をしていたと思しき証拠が 出て、彼に強請られていたと考えられる女性――サイモンが かつて親しくしていた知人――が、殺人容疑で逮捕された。 兄と知人、二人の無実を証明するため、サイモンは独自の調査に乗り出すのだが……。 核となるトリックはたわいない代物で、それが解明された 段階で、誰が犯人であるかはおのずとわかると思います。 とはいえ、個性豊かなレッド・へリングたちの間で容疑を転々とさせていき、 トリックが割れた後でも動機の謎でプロットを牽引していく展開は秀逸です。 また、犯人の正体にかんしては、サプライズが仕込まれていて、 若干の不自然さはあるものの、人物描写の中で周到に伏線を 張っているため、納得させられてしまいます。 そして、事件を通じて辛酸を嘗めさせられてきたサイモンが、最後の 最後で報われる幕切れは、心地よいカタルシスをもたらしてくれます。 | ||||
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近年再評価され日本でも人気が高いイギリス本格ミステリーの巨匠ディヴァインの記念すべき処女作です。本書はあのミステリーの女王アガサ・クリスティーから賞賛されたという逸話が肯ける見事な出来栄えの傑作だと思います。かなり捻りを効かせたフーダニットの面白さもさる事ながら、悲劇的ではありますがシリアスな人間ドラマを内包し家族の在り方について深く考えさせてくれます。 事務弁護士サイモンは霧深い夜に兄オリバーから電話で呼び出され事務所に出向くが、そこで発見したのは何と兄の死体だった。やがて警察の捜査により兄が恐喝者だったという証拠が出て、サイモンの知人女性が逮捕される。兄が卑劣な犯罪者とはどうしても信じられないサイモンは事件の真相を求めて警察とは別に調査に乗り出して行く。 本書のミステリーとしての良さは物語の冒頭部分のさり気ない描写と無害で善良に見える人物の描き方の巧さでしょう。本当は異常なのに些細な事と思わせ欺瞞に気づかせないテクニックが抜群です。犯人の意外性も完全に虚を突かれて一瞬信じられなくなるサプライズで満点の出来です。そして私が注目する人間ドラマとしては、兄オリバーの妻マリオンが交通事故で顔に醜い傷を負ってから夫婦仲が悪くなり義弟サイモンに同情を求めて接近します。サイモンもまた妻リンダと仲違いし別居中という不幸な状況でしたが、今回の事件を契機に人間関係がこじれた原因を掴み出し元凶であるマリオンときっぱり訣別する道を選びます。他にも幼少時から甘やかされて育った娘と父との確執が生んだ悲劇の構図が読み取れる等、特に大人の読者のハートに強く訴え掛ける内容になっていると思います。本書解説には著者の魅力的な長編全13作品の一部内容紹介が書かれていてとても参考になります。現在翻訳されて読めるのは7冊で未訳の残り6冊も今のペースの年に1冊と言わず早くどんどん紹介して頂きたいと願っています。 | ||||
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主人公は若い事務弁護士。やはり弁護士である兄から、夜中に呼び出しの電話がかかって来る。しぶしぶ出向くと、兄は殺されていた! 調べていくと、兄には思わぬ "別の顔" があった事がわかっていき…。推理物としては大した事はない。トリックも犯人も、比較的容易に見当がつくだろう。だが、あっと驚かされる事はなくとも、謎がカッチリと組み立てられていて気持ちよい。また、読み物としても結構おもしろい。テンポが速く、ドラマチックな展開で、退屈しない。とにかく楽しく読める。 | ||||
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