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藻屑蟹



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【この小説が収録されている参考書籍】
藻屑蟹 (徳間文庫)

藻屑蟹の評価: 4.49/5点 レビュー 53件。 Bランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点4.49pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全53件 21~40 2/3ページ
No.33:
(5pt)

ホームレス(当時)が1週間で書き上げた本

所持金5千円
応募締め切りまで1週間
安い時間のネカフェを点々としながら
ホームレス(当時)の人が書いた本です。

レビューに「◯◯が巧み」とか「賞に値するかどうか」といった賛否両論色々ありますが、
同じ状態でこのレベルの作品を書ける人は殆どいないと思います。

もともと活字中毒で文才があり、元社長の方ですが、(会社を創業したにも関わらず社長解任され無職に)書くために生まれてきたいわゆる天才なのだと感じます。内容、文章を練る時間がないまま出したということ…

応募時は住所欄に住所不定と書くか、ネカフェの住所を書くしかなかったのではと推測します。

COVID-19以降疑問を持つ人が増えてきた「世界の裏側」について、小説だけでなくノンフィクション、ルポルタージュなども書いて頂きたい方です。
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4198944474
No.32:
(5pt)

激レアさんで作者が登場

【テレビの激レアさんで作者が出演されてました】
ずっとホームレス生活をされてた方で、なんと路上生活中に頭のなかに文章を構築して早朝サービスの安いパックのネカフェで書き上げたそうです。

そこで飲食も朝食も取っていたそうです。
そういった意味でも非常に読み応えのある1冊。
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4198944474
No.31:
(4pt)

フィクションと割り切れない

原発事故後の除染作業にまつわる日本的ハードボイルドな作品。

現地に流れて込んだ多額の補償金ゆえに分断が加速していく住民たち、その中で除染作業に従事するわけありな人々のリアルは、想像すらしたことがなかっただけに衝撃が大きい。

事故の被害者の焼身自殺を幇助したことから、それを隠蔽しようとする権力に取り込まれてしまう主人公。大金を目の前にぶら下げられ、不信感にとらわれながらも唯唯諾諾と流されていく。ここもまたリアル。

あるキャバ嬢との出会いから、今を断ち切る決意をする…と続く。

読み進めながら、震災の爪痕の大きさに震撼してしまった。タブーに踏み込んでいる感が強く、フィクションと割り切れない。特に住民の分断の背景にある陰謀(?)には憤りを覚える。

ぶちっと切れるラストが鮮烈である。
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No.30:
(3pt)

ハードボイルドの王道だが、不足も多いか

ハードボイルドの王道のひとつであると思われる、一般男性が大きな事件に巻き込まれて、キーマンとなり、黒幕とやいのやいのして、そこには女が出てきて。と言った構造を、この作品も持っている。
福島の原発の話が、社会派的な題材としてクローズアップされるとは思うし、肌感として、まさに大きな黒幕の臭いが「ある」ように思えた。
しかし、等身大というか、大きな黒幕が動いているように思えないのに、色々な工作がされるなど、粗が感じられてしまう。
空間や、景色なども何度も同じものが繰り返され、主人公の心情に関しても、出てくる人物に関しても平板な印象を持ってしまう。
娯楽小説だから、これでいいのだとするのであれば、もう少しやり過ぎな感じがあってもいいのではないかと思う。
中年男性のファンタジーとしてのハードボイルドな世界観であるが、出てくるアイテムなどもあまり広い世界ではなく、なにか矮小さを感じて残念だった。

しかし、ラストの切り方は巧みであったと思う。少し反則気味な人物造形ではあったが、その最後の台詞に恐らく、いくつかの意味が同時に込められている。
~えるのか。~えないのか。
物語としては、責任を取らずに投げっぱなしだとは思うし、糞詰まりな印象はあるのだが、このラストの切り取り方は、センスがあるのだろうなと思う。

追記:読了して数日後、そういえば前半から中盤への『引き』となっているおっさんの顛末は作中において、シンボリックな存在であって、それがタイトルへ繋がり、全体の俯瞰となる視座が用意されるという構造も、巧みではあると感じるに至った。恐らく短編を水増ししたから全体が薄まった印象になったのもあるか。
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No.29:
(3pt)

金の流れと人の流れとその裏側

震災後、被災地に金と人が流れこんできた。「最初に流れ込んできたのは、復興目当ての土木作業員だった。・・・次に流れ込んできたのが、除染作業員だった」。そこから物語は始まる。除染作業員は「ただ作業服を着ているだけの、みすぼらしい連中だった。そして除染作業員以上に俺らの神経を逆なでしたのが、原発避難民だった」。除染の元請けと下請け。電力会社と原発避難民。彼らをつなげるものは金であり金でしかない。主人公は「どうしても稼ぎたかった。稼いだ金で何を買いたいとか、何をしたいというのではなかった。悪い夢から逃れるために、俺は稼ぎたかった」というこじらせている青年。一攫千金を狙うチンピラだが、人を狂わせるほどの金の奔流に飲み込まれていくなかで彼は逆に正気を取り戻していく。そして親友を唆して死に至らしめた「国士」ジャーナリストの言葉でもやもやしていた霧が一気に晴れ、この金の流れとその背後にあるものを目の当たりにする。「過剰とも思える賠償金の狙いが、原発避難民と一般市民の分断を意図した施策だと考えればどうでしょう」。異常な人の流れと金の流れが発生することのダークサイドをリアルに見せてくれる。
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No.28:
(5pt)

これがデビュー作とは

この年まで、よく埋もれていたなと思えるほどの「筆力」の持ち主です。
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No.27:
(5pt)

よくかけているエンターテイメント

福島原発事故とその除染作業、莫大な金が動くその利権に絡む人々を描いた小説。
大藪春彦新人賞を受賞しただけあって、なかなかのハードボイルド風。
もちろんフィクションだが読ませるエンターテイメントに仕上がっている。
小説としてよくかけているとおもう。
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No.26:
(4pt)

プロレタリア文学の傑作

プロレタリア文学、というと古臭いようですが、現代でもそういうジャンルで新鮮な傑作が生まれ得るということを証明している小説です。
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No.25:
(5pt)

いま、ここ、除染現場に、ハードボイルドのリアルがある。

よりによって震災の日に読んでしまった、原発除染モノのハードボイルドの「怪作!」=第1回大藪春彦新人賞受賞作。
62歳住所不定無職の新人のデビュー作なのに、最後の一行で、不覚にも泣いてしまった。どうやら東北大学の学生さんみたいだし。

バブルの時代なら、新宿の外人マフィヤ相手に「サメ」と呼ばれるダーティハリーみたいな刑事でも、ハードボイルド感。出せたけど。
今の、
「非合法最前線」感を出せる現場は、確かに、永遠に続く「廃炉除染」の孫下請け、五次下請け、十次下請けの現場かも知れない・・・
震災後の復興最盛期には、外来にも、「あちこちの現場廻ってるんで・・・」という新患さんが時々薬をもらいに来ることもあったりもしました。
凄く種々いろんな方々が東北の現場には集合していたことは間違いありません。

「フクシマ50」は、確かに英雄だけど、若者が、勢いだけで志願して突っ込んでいった向きもたぶん、あるはずで、それを利用して東電が一気に復興費用を全力でその英雄に注ぎ込んで、ダメにしちゃう側面は、日本では、ホントにいかにも「あるある」で。
例えにしてしまうのは申し訳ないし、テキサスの能勢先生ならたぶん、火を噴いて怒るだろうけど、第2次大戦の特攻隊員も、間違いなく英雄なんだけど、それを、軍部が悪用して、軍神にしちゃった時代と同じ。

勢いだけで飛び込んだのに、英雄に祭り上げられて、ドンドン東電に金を注ぎ込まれてダメになっていく友人。
それを見守りながら巻き込まれていく主人公。
家族友人周縁事、地獄に引き釣り込まれていくヒロイン。

作家本人の除染現場経験も入っているキャラクター構成なんでしょうけど
これを、ハードボイルド。と、呼ばずして、なんと呼ぶ。

いや~正直、大藪春彦って、昔、読んでバカみたいだと思ってたんですが
カドカワが撮ると単なるオシャレ映画みたいだけど
あれ、
ホントは満州引き上げ組の、地獄を這いずる物語。
その中のコンプレックスの塊が、「暴力」に昇華しているんですね。

廃炉現場に生々しい「暴力」は、ほとんど、ないでしょうけど、この62歳無職の新人作家は、単なる感想として、大藪春彦なんてとっくに超えたハードボイルド振りだと感じます。

1章目だけが、新人賞の対象なんだけど、新人賞の下手くその作家なんて、続き満足に書けない方がふつうでしょうに。
2章目以降の方が、凄い。
とくに最後の一行は泣いてしまう。
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No.24:
(5pt)

すげえ作家さん居ます

終盤に登場するマキの描き方がリアル極まる
まるで実在する人物かのよう

あの手の女は一緒に墜ちるだけで救えない
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No.23:
(4pt)

読む価値あり

ハードボイルドではありませんが、中身のある良い小説でした。
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No.22:
(5pt)

タブーの中を覗いてる感じが良い

賠償金や除染費用ってとてつもなく食い物にされてるんですね。
この本を機に調べる事が出来ました。

復興して欲しくない地元を見限った被災者と復興を本当に望む地元民が居るんですね。
そして値上がりした電気料金は賠償金と除染費用でジャブジャブ流れていて、我々傍観者はそれを直視しようとしない。

このところ日本すごい!って話ばっかりで日本ってこういう国だった事を忘れてました。

この作品はそうした状況を下地に人間の生々しい様を描いています。
それを覗き見しているようでドキドキします。
エロ設定は安っぽくて要らないと思いましたが、作者の見聞きした範囲でそういう事もあったのなら仕方ないですね。
その癖ラストは綺麗にしようと弄った様に見えます。
最後まで泥沼を掘り進んで行って欲しかったという未消化感はあります。
私なら泥沼の最後まで掘り進みます。

なんとか賞を貰う程のことはないライトなテイストですが病院の待ち時間とかに見るなら良い読み物だと思います。
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No.21:
(1pt)

ただの小説

第一回大藪春彦新人賞受賞作とのこと、かなりの期待をして読み始めました。
主人公「木島雄介」のつまらぬ心の葛藤を読まされ続けてお終い・・・大藪春彦テイストは微塵もありません。
選考委員満場一致とは・・・そのことこそが残念。
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No.20:
(4pt)

ネタバレ注意

興味深い内容で面白かった。
受賞作とのこと初期の作品なのだろうか、文章が秀でて上手いというわけではないが、それを補ってあまりある内容だった。
朝礼の光景など実体験に基づくものなのだろうか。
パワハラなんてものじゃないし、録音して出すとこに出したらそっちの方が大問題になりそうだ。

一点よくわからなかったのは、陰謀だと思われていた親友の死及び警察への介入は見せかけだったとのことだったが、おやじさんの死の隠蔽に関しては触れられていないように思った。新聞、警察への圧力はあったのではないだろうか?
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No.19:
(2pt)

雰囲気に騙されてませんかね?

面白くないわけではない。文章も巧いからさらりと読める。何より雰囲気がとてもいい。しかしストーリー展開と心理の変遷に必然性と感じなかった。しかし…以下ネタバレ注意。

 親友の死も結局タダの事故(陰謀ではない)だったということで、ストーリー展開上の必然性はなく、単に、いなくなった方がいいから作品集で殺害しているだけにしか思えなかったし、そもそもあの“遺言状”がそんなに価値があるとも思えない。もちろん別に価値もないことは、終盤でわかるが、私は当初から、話をひっぱるにしては弱すぎると感じたので、そもそも話の展開にリアリティを感じなかった。莫大なカネをつかまされて狂っていく運命というなら、親友がなぜ狂ってしまったのか、そっちの展開が見たかった。福島除染現場の、その部分のリアリティは面白かったが…ハードボイルド小説としては、さほど…
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No.18:
(4pt)

熱いね

フィクションと思えない物語性があって、主人公の心の痛みに身につまされます。 

作家さんの人生に興味を持ちました。
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No.17:
(4pt)

読後感は清々しい。

赤松氏のデビュー作。先に読んだ「下級国民A」に比べて、文章がしっかりしていた。筋立てもまあまあ。主人公は除染作業に従事する。あることから毎月大金を得る境遇となるが、その原発絡みのからくりに疑問を感じ、その境遇を捨て、津波で家族を失い、精神的に傷ついた女性と二人で静かに生きる道を選ぶ。「らんちう」「鯖」ほどではないが、壊れた人が出てくる。しかし、主人公は壊れずまっとうに生きていく。そのため読後感は清々しい。
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No.16:
(5pt)

面白かった!!

作者の筆力に参りました。
これからも彼の作品を読んでいきます。
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No.15:
(5pt)

読みやすい

初めての作家さんでしたが面白くてあっという間に読み終えることができました。
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No.14:
(5pt)

新進気鋭の遅れてきた天才

記念すべき第一回大藪春彦新人賞を受賞した作品なのですが!!
3日で書いた作品らしく本を書くために62年生きてネタを貯蓄してきたのかと思われる圧倒的筆力。
色濃く描いた被災地での人間の厭らしさは現地での経験者ならではです。
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4198944474

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