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藻屑蟹
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藻屑蟹の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.49pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全4件 1~4 1/1ページ
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読みやすかったが、スーパーのおばちゃんの描写は印象操作な感じ。賠償金でそうなったのではなく全国どこにでもいる性悪のおばちゃん。 小説だから物語に引き込むにはしょうがないが、賠償金を手にした相双地方の方皆んながそんなわけないのに リアリティーを売りにしている分、地方のみんなが性悪な人の印象を与えはしないか? ラストはいきなりホラーになったので良くも悪くも印象に残った。 | ||||
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ハードボイルドの王道のひとつであると思われる、一般男性が大きな事件に巻き込まれて、キーマンとなり、黒幕とやいのやいのして、そこには女が出てきて。と言った構造を、この作品も持っている。 福島の原発の話が、社会派的な題材としてクローズアップされるとは思うし、肌感として、まさに大きな黒幕の臭いが「ある」ように思えた。 しかし、等身大というか、大きな黒幕が動いているように思えないのに、色々な工作がされるなど、粗が感じられてしまう。 空間や、景色なども何度も同じものが繰り返され、主人公の心情に関しても、出てくる人物に関しても平板な印象を持ってしまう。 娯楽小説だから、これでいいのだとするのであれば、もう少しやり過ぎな感じがあってもいいのではないかと思う。 中年男性のファンタジーとしてのハードボイルドな世界観であるが、出てくるアイテムなどもあまり広い世界ではなく、なにか矮小さを感じて残念だった。 しかし、ラストの切り方は巧みであったと思う。少し反則気味な人物造形ではあったが、その最後の台詞に恐らく、いくつかの意味が同時に込められている。 ~えるのか。~えないのか。 物語としては、責任を取らずに投げっぱなしだとは思うし、糞詰まりな印象はあるのだが、このラストの切り取り方は、センスがあるのだろうなと思う。 追記:読了して数日後、そういえば前半から中盤への『引き』となっているおっさんの顛末は作中において、シンボリックな存在であって、それがタイトルへ繋がり、全体の俯瞰となる視座が用意されるという構造も、巧みではあると感じるに至った。恐らく短編を水増ししたから全体が薄まった印象になったのもあるか。 | ||||
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震災後、被災地に金と人が流れこんできた。「最初に流れ込んできたのは、復興目当ての土木作業員だった。・・・次に流れ込んできたのが、除染作業員だった」。そこから物語は始まる。除染作業員は「ただ作業服を着ているだけの、みすぼらしい連中だった。そして除染作業員以上に俺らの神経を逆なでしたのが、原発避難民だった」。除染の元請けと下請け。電力会社と原発避難民。彼らをつなげるものは金であり金でしかない。主人公は「どうしても稼ぎたかった。稼いだ金で何を買いたいとか、何をしたいというのではなかった。悪い夢から逃れるために、俺は稼ぎたかった」というこじらせている青年。一攫千金を狙うチンピラだが、人を狂わせるほどの金の奔流に飲み込まれていくなかで彼は逆に正気を取り戻していく。そして親友を唆して死に至らしめた「国士」ジャーナリストの言葉でもやもやしていた霧が一気に晴れ、この金の流れとその背後にあるものを目の当たりにする。「過剰とも思える賠償金の狙いが、原発避難民と一般市民の分断を意図した施策だと考えればどうでしょう」。異常な人の流れと金の流れが発生することのダークサイドをリアルに見せてくれる。 | ||||
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第1章から4章まであります。 このうちの第1章が、短編小説として、大藪春彦賞を受賞しているようです。 第1章だけを読んだ限りでは、キレのよいエンタメの短編という感じです。 しかし、2章~4章をつなげて、1本の長編小説として読むと、どうにもエンタメという印象は薄くなります。 原発の除染作業の実態を描いたルポという感じが強いのです。 筆力があって、ルポはルポなりに読ませてくれますが、エンタメ小説として、楽しませてくれる要素は少ないと感じました。 | ||||
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