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傲慢と善良
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傲慢と善良の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.57pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全486件 361~380 19/25ページ
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ミステリー小説と思って読み始めたら、心理小説でした。男女二人の心の旅路。恋愛における傲慢(上から目線、見下した態度)と、善良さ(あるいは世間知らず、鈍感)が描かれています。たくさんの登場人物たちは、「いるいる、こんな人」と思わせてくれます。そして、自身もひとごとではなく、心にグサグサ刺さりながら、読み進めていくことになります。最後は随分キレイに着地したなあと拍子抜けしました。私の中ではすこしモヤモヤが残りましたが、作者は苦しんだ二人にせめてご褒美をあげたかったのだろうと思うことにしました。 | ||||
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辻村さんの得意とする学校で大人しく目立たない子と揶揄される外部に発信力のない子と、それを軽々しく評価する人間の軽率さを描写する解像度の高さにいつも自身の心が抉られる思いがする 今回はそんな発信力のない子が力をつけぬまま大人になり、ミイラ取りがミイラになるように、傲慢になった心を善良な態度で取り繕い婚活をする 真実の自己愛がSNSで見え隠れする描写はゾッとするし、読者の身近な、または自身の体験を想起させ、またそれを周囲に見透かされていると知った時は自分事として心をいい具合にかき乱してくれる 自己愛が強い者が、周囲の評価と自身の評価のズレに耐えきれなくなって起こす突飛な行動も辻村さんの得意とするところだと思う 真実の内的な傲慢さと対比されるのが、架の女友達の外的な傲慢さだ 内実は同じで、自身の事を善良で正しい事をしていると思っている点も同じはずなのに、内的傲慢さに歪みを感じてしまうのはなぜだろうか 思うに人間は自分のレンズで見たまま人を評価し、そのレンズとズレる部分があると歪みを勝手に感じてしまうのかもしれない この小説を読んだ後、自分自身を振り返る 自分は自身に何点の価値を付けているのだろう 持ち物や友人、習慣などを見てみるとどうやら私は物が自分を変化させてくれるという期待が大きい事が分かった 物は所有する事が目的ではなく、使う事でより生活を豊かにする事が目的であるのに、どうやら私と物は対等ではないようだ 真実も相手と自身が対等ではなく上か下かで、そして関係を作るというより所有する事を目的に行動する そんな真実が最後に架と対等と思えた所は非常に感慨深いものがあった 婚活中の人には、心の汚さや狡さを綺麗に詳細に描く今作はお勧めできない 巻末の解説が就活中の心の汚さや狡さを描いた「何者」の作者、朝井リョウなのも面白い つらつら書きましたが、やはり辻村さんは天才!面白かったです | ||||
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話の引き込みやすさが秀逸。 | ||||
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なにかと登場人物が陰湿だったり、 作者がのりうつった相談所のいい歳したばーさんの、 結婚観がうすっぺらで独りよがりで鼻白んだり、 震災ネタも使い方がなんだかなーともやもやしたり、 この作者の本はいつもどっか深いところで、 適当だなと思わされるばかりだったりで、 悪いところはそこそこあるんですが、 最後の総括でそういう悪いところ含めて、 気持ちのいいものにしてくれたので、 読んで良かったです。 | ||||
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小説を読んで、架、真実の恋の謎を追っていく内に、次に待ち受けるのは、自らの恋や家族についても深く考えることだった。 是非一度読んでほしいと思った。 | ||||
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結婚して読んで感じるこの違和感さえも、傲慢なのかもしれないと改めて考えることになりました。 | ||||
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どう落とし所をつけるのか楽しく読めましたが、ヒロインの他責的な部分には共感できず、私も真実とは仲良くなれないなと思いました。人間には誰だって裏も表もあるけど、自覚して向き合って折り合うことで前進していけると思います。色々な選択肢があってその中でも納得できること、できないこと色々ありますがどれも自分だなと慈しめるように、読後さらに感じることができました。 | ||||
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辻村深月はそれなりに読んでいて、好きな作家の一人だが、この小説には驚いた。現代社会の男女の心の綾について彼女はそれほど書いてこなかったと思うけど(私が無知だったらごめんなさい)この小説は本当に深いところ(というか隠したいところか?)を残酷なまでに現実的に描いている。そのような描写は、彼女の小説だけでなく他の作家のものでもあまり読んだことがない(これは間違いなく私が無知なせいでしょう)。打算的な、あるいは、無頓着な登場人物の行動には、確かにそういうこともあったなと自分を振り返り胸に痛みを覚える。そんな読み方をした人は私だけではないであろう。 打算的でも無頓着でもやっぱり世界は廻っていて、そんなものを超えたところに人間の有り様、あるいは、幸せがあるのだという話は他の小説とは毛色が異なってはいても辻村深月の信念があるように感じた。 | ||||
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とても良い商品です | ||||
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一気読みでした。 | ||||
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はじめは事件ものなのかな、と思いましたが意外や意外、レビュー通り 婚活、恋愛ものでした。 私も婚活をしていた時期は、辛かったなぁと思い出しました。 ただ、小野里さんのおっしゃるピンとこないの定義よりも 真実さんの回想の時の意見の方がきっと本当に近いと思いました。 自分を高く見積もる、いいじゃないですか。 私は自分の言うことを聞いてくれそうな人、が絶対条件でした。 きっと小野里さんに言わせれば、傲慢なんでしょうが、 ある意味ビジョンもめいかくだったので、相手に出会った後は早かったです。 おかげで結婚生活もうまくいっています。 最初の真実と架の関係のように、真実が架に気後れしたままだったら うまくはいかなかったと思います。 周りは人の結婚にたいして、あれこれいうものなんですね。 特に地元の狭い世界に生きていたら、尚更なのかもしれません。 周りの意見に左右されない、という決断ができたことが一番の収穫だったように思います。 特に結婚生活においては。 | ||||
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辻村さんの本は多分3冊目くらいです。今回はタイトルに惹かれて読んでみました。感想は一言では言いづらいほど、作中人物ほぼ全員の内面のえぐり出しが深く、そこまで入らなくともいいのでは?と感じるところが多々ありました。特に主人公とその婚約者の直向きなほどの掘り下げ方は半端ではありません。読後感としては、読み終わってほっとしたというか、どう表現すれば良いのか分かりませんが、ちょっと具合が悪くて医者に行ったら、内蔵までえぐり出されて、ここが悪いと直接見せてもらった様な、そんな感じ。傷口が治るまでは少し時間がかかるかも。最後に主人公が仙台や石巻での震災復興がらみのボランティアで立ち直りのきっかけを見つける場面は良かったです。なるほどと素直に感じるところと、何もそこまでしなくてもと思えるところがありました。体の奥深く覗かれた感のある作品でした。 | ||||
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期待以上に面白くハマってしまいました。 厚めの小説ですが、続きが読みたくなる本です。違う作品も読みたいと思いました。 | ||||
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私も20代後半で、結婚はまだまだと思っていますが、自分がどうなりたい、とはぼんやりとしか考えておらず、それだと今後、後悔することになるかもしれないと、この本を通じて思うようになりました。結婚に限らず考えがあればこそ、行動に移せると。また、他の人の大恋愛を覗かせてもらえるので、恋愛好きの人にはお勧めです。 | ||||
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ここ最近読んだ本で1番面白い。自分自身の人生に対する無責任さ洗い出されたような気分になった。「ここまでやるか!」と思うほど人の無意識な領域まで深く掘り下げてさらに掘り下げて、他人に触れてほしくないようなところまでスポットライトをあてて描く文章力に舌を巻いた。 婚活をする上での悩みが多く描かれているが、この小説で伝えているのは、婚活の仕方ではない。人生そのものをどうやって生きるのか、という問いを投げられている気がする。人が選択をする時、一体何をもって選択するか。私たちは自分を取り巻く環境に流され、本当に自分が心から望むものは何か、というのを見失っているように思う。 結婚相談所の小野里によれば、相談所に来る人たちは、「自己評価が低く、一方で自己愛が高い」のだそうだ。真美もその一人。私にも思い当たる節がありすぎた。自分に自信がなく、他人に従順な一方で、他人を評価し、批判は容赦ない。自分の考えは曲げられない。人は善良で、傲慢だ。その善良さ故に道を失い、傲慢さ故に決断ができなくなる。 選択する時、逃げの選択をしていないか。誰かに言われたからしてないか。自分の心は何を望んでいるのか。自分自身にきちんと向き合ってきたのか。お金とか、地位とか、社会的認められることとか、全て置いといて、真に自分が望むものに向き合い、決断ができる勇気こそが、今の私に必要なことだと思う。 | ||||
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婚活相手にピンとくるかどうか、それは何で決まるのか。 相手を評価しているようで実は自己評価である。 登場人物の心情描写が的確でわかりやすく、ストーリーの構成も前半が男性側、後半が女性側とわかりやすい。 5時間くらいでイッキ読みしました。 | ||||
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人生に大事なものはなにか? それを「婚活」を媒体にして伝えてるような。 気づかせてくれるような本です。 300ページくらいからは止まりませんでした。 1.色んな人の心理が入り交じって交差する 2.あー、いるこんな人 3.なんでそんな思考になるんだ? 4.どうかハッピーエンドに 5.なるほど。 そんな気持ちになって読んでしまいました。 | ||||
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帯通り、これまで読んだ本の中で一番胸に刺さりました。優れた作品が多い作者の中でも最高傑作かもしれない。 ただ後半の設定に東日本震災が出てきたのは、ちょっとあたり気味。ただ物語の必然性から違和感も無いし、素晴らしいのだが違う設定だったら、という思いがあります。 震災はもちろん、日本人が誰でも感ずる傷痕だが、そこに結びつけようとする作家が多すぎるような気がする。そんなに軽く取り上げて良 いものだとは思えない。この作品がそうだとは思わないのですが、一瞬「またか…」と揺らいでしまった。でも決して安易ではない素晴らしさだったので誤解がありませんように。 | ||||
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本を読んでいるのに映画を見ている様な感覚でした。それほど解像度が高い小説でした。 主人公と自分のいい子ちゃんの部分が重なり、心がえぐられましたが、その事に気が付かせてくれた事に感謝です。 他の作品も読みたいです。 | ||||
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架(かける)の彼女真実はインスタグラムをしていた。きっと本小説には詳細な描写はないが、他の煌びやかな幸せな投稿をしている人に憧れて、自分もそうなりたいと始めたのだろう。 自分の価値を高めるにおいて、情報化社会は相対的な自分の位置付けもわかるが、自分より上の人たちもごまんと見つかる。それは自分にもっと上を目指すよう向上する力もくれるが、険しい遥か高みが先に見えてしまい疲弊だけが強くなる場合もある。 情報を遮断すれば、小さな狭い世界でひたすら小さな一歩でコツコツ突き進み、気付いてたら山の高みのある程度のところまで辿り着いたなんてこともある。大きな高い目標より、小さな積み重ねの方が負担が軽い場合もあるのだ。しかし、見えている小さな範囲で安心して怠けてしまうと井の蛙のように小さい範囲で埋もれてしまう場合もあるだろう。 情報化社会は、全てでではないがある程度俯瞰した世界を見せてくれる。それは幸福か不幸なのか。 情報化が避けられない中、婚活アプリまでやる人は、ある程度の世の中の酸い甘いを自分が実際に経験した以上に見聞きしてしまっている。既に情報収集済みの状態であろう。膨大なマッチング候補が既に存在し理想を求めたらキリがない。昔のように狭い世間でお見合いをするような世界とは広さが違いすぎる。そのため、個人で自分が求める幸せの平均が上がり、事前に不利益と考えられる条件、起こりうる未来を避けようとする。それが、せっかくの出会いが自分にとって基準未満に感じる(傲慢)ようになってしまっているのだろう。 その中で、さらに打算的に割り切れない馬鹿正直な人たち(善良)が損をするような仕組みで社会は支配されている。 それらは、今の婚活事情の、それぞれの人の価値基準の水準の高さ、結婚率の低さに反映されているのかもしれない。 現代社会における男女関係の赤裸々な価値観とそのしがらみを踏み込んで書き綴られている著作。 | ||||
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