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鯖
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鯖の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.14pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全35件 21~35 2/2ページ
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この著者の作品は、読み出すとはまって止まらなくなるものと、 いまいち良さが解らないものがありますが、こちらは前者でした。 本書では、雑だったり荒っぽいところがあっても基本的には善良なのにも関わらず、 今の時代では経済的な見返りをそれ程得られない魚の一本釣りの技術を持つ漁師の人たちが、 よそから来た人からより大きな仕掛けを提示され、 それによって経済的な豊かさと社会的な立場を得られそうになり、それに呑まれて その中で利用されていくところは、「らんちう」とも通じるところがありました。 外からきて新たなことを考えて提示する人達は、外のもっと冷酷な世界でもまれてきた人なので、 漁師の人たちには想像も出来ないやり方で、自分たちの事業の駒としてどんどん呑み込んで行っていました。 日本の様々な衰退している産業では、いろいろなことが起こっていて、 それを著者は見てきているのだろうと思わせる内容でした。 引き出しが多く、これからが楽しみな作家だと思います。 | ||||
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漁民をテーマにしたのは興味深いが、それ以外の中身が使い古されたマンネリ犯罪ドラマレベルでしかない。 キンドルで無料になれば読めばいい。 | ||||
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他の作品もそうだけど なんか最後まで止まらない | ||||
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ひどい。ストーリーのスピード感がめちゃくちゃで素人丸出し。 なんか魚の話だけ詳しい。おまけに肝心な部分は中国人登場させて煙にまく。買うほどじゃない。 | ||||
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衝撃のデビュー作「藻屑蟹」に続く赤松利市作品、「鯖」は「藻屑蟹」以上にぶっ壊れていました。 読み進める中では登場人物のキャラに一貫性がなかったりストーリーがギクシャクしたりしているように感じることもあったのですが、そんなことを超える圧倒的なインパクトと熱量が凄まじいです。 恵まれない男たちの群像劇に怪しい女たちが絡むことでさらに事態はぐしゃぐしゃになり、世間一般のモラルとは全くかけ離れたところで男たち、女たちが暴走していく様子が鮮やかに描き出されます。 この人の小説には救いのない状況を描いても何か不思議に後味が悪くなり過ぎない「何か」が感じられ、個人的にはその「何か」こそがこの作家のコアの部分なような気がしています…。 | ||||
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藻屑蟹、ボダ子と読んで3冊目ですから、読み始めたら止まらなくなるのはわかっていても、破滅の予感に1月以上枕元に置いたままでした。 このストーリー、終盤に近づくまではけっこうなビルドゥングスロマンで、心地いい。ひょっとしてこのままうまく成り上がっていくのかという淡い期待もしましたがやはり・・・。最後はまるで、今はなき船戸与一ですな。 年齢的にあと何冊書けるのかわかりませんが、久々に全作品を買い求めることになりそうな「新人作家」の誕生です。たとえ寡作に終わっても、この作者の出現自体が伝説として残りそうです。 | ||||
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鯖 新聞で大きくカラー写真で載っていた作者のなんとも言えない風貌と、住所不定、活字中毒という人物紹介に興味をひかれて読んだ。 鯖の一本釣りの漁師たち、そこに金脈を見い出す女達のおどろおどろしい人間模様が生々しく描かれている。 前半の漁の様子や、漁師一人ひとりの個性の描き方が素晴らしく上手いので、ぐんぐん引き込まれて読んでしまう。 しかしそこに金儲けをしようとする人物たちが入りこむことで、一気に韓国映画のような不気味な惨虐さを帯びる。 土地の言葉を使って交わされる会話や、人物それぞれのキャラがしっかり描かれていて、作者の筆のうまさを感じる。後半のドロドロした展開も一歩間違えばホラーになるところだが、最後まで飽きずに読める。 韓国映画のR指定ものの雰囲気がありありなので、ソン・ガンホあたりで映画化してもらいたい。 | ||||
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読んでいて、その場の鼻がひんまがる匂いを感じる。 生臭さ。 その人間模様。 それぞれのキャラにすごい個性があり、興味深い。 高揚感がありつつも、どろどろのなか。 鮮度が落ちていく。 蕁麻疹がでるほどに。 あれやこれやの欲望が渦巻いてくる。 終いにはなんとえげつない、ぷち・ホラーに。。 ボロ船の勘の職人ワザか、ITによる最先端ワザか。 ポロっと出るコミカルなくだりにすんごい笑えてくる。 ストーリーが直球でドカンと伝わってくるので痛快。 | ||||
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モズクガニを読み放題で読破して、すぐに本作を購入しました。 あっという間に読んでしまいました。 一本釣りの漁師の話です。 中国人のアンジのキャラいいですね! どんどん、主人公が壊れていくのが怖かった! 闇金ウシジマくんとか好きな人なら好きと思う。 | ||||
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最初の船舶シーンから引き込まれました。そして、謎の美女が出てきてからの圧倒的な引き込まれ方は、読み終わるまで寝不足になりますから、受験や締切仕事は終わらせてから手にしてください。 | ||||
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設定の汗臭さ、登場人物のキャラの濃さなど笠原和夫脚本の映画を見るような壮大感の一方で、読者や編集者はもとより、登場人物すら向けられた作者の悪意が圧倒的。 これを読む者は読後の爽快感など全く視野にない作者の叩きつけるような敵意と対峙せよ。 | ||||
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中瀬ゆかりさんがあまりにも絶賛していたのでたまらず購入してみました。 まず、著者が「62歳 住所不定 無職の大型新人」というところから期待値が上がってしまう。 物語は、漁師一筋その他のことは何一つ知らないような不器用な男たちが、ビジネスの世界に 巻き込まれていく中で、それまで不自由ながらも安定していた男たちの世界が崩壊していく様を 描いた作品となっている。 多少残酷な描写もあることはあるが、あくまでサラッとした表現に留まっているので そこまでバイオレンスという印象は受けなかった。 ただ、登場人物が卑屈であったり、乱暴者であったり、鬱であったりと一般社会ではまともに やっていけないような人たちが主なので、全体的に廃退的というか陰鬱としたというか 不穏な空気感を出し続けているので、そういう雰囲気が嫌いじゃない方であればお勧めできると思う。 著者が62歳住所不定無職と聞いてどんな奇天烈な作風かと構えていたが、非常に読みやすく また、入り込みやすくてすいすい読めてしまった。結末はいい意味で期待を裏切らないと思う。 登場人物が登場人物なのでハッピーエンドで終わるはずはないのは明らかなので、途中で ある程度最後は予測ができてしまうと思う。 読んでいて、気持ちはわかるけどそこまで振り切れるか?というところを軽く振り切って暴走する 登場人物たち。そういう物語を疑似体験することで、カタルシスのようなものを感じた。 現実社会では、誰も危ない橋は渡りたくないし、人も殺さないのが当たり前だけど、誰もが危ない橋を 渡ってみたいとか、こいつ殺したいとか一瞬思うことはあるわけで、こういう物語ってそういった 皆の隠れた感情を開放することの一助になっているんだなぁと思った。 まぁ総括すると、人間の愚かさ、脆さ、残酷さを浮き彫りにし、平和とは、幸せとはなんだろうか ということを問うた作品だと思う。 | ||||
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荒くれ漁師達の世界観や登場人物はとても魅力的なので、読みやすい。終盤に向けね凡庸なミステリー作品と変わらない展開になってしまうのが残念。 | ||||
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「休日に家族で聴ける音楽をやろうよ」 『デトロイトメタルシティ』の主人公はこんな台詞を言っていた。主人公の才能が活かされているのはデスメタルだが彼はオシャレでファミリー向けの音楽が好きなのだ。 著者である赤松利市氏は御年62歳。『藻屑蟹』という被災地を描いた美しい短編でデビューを飾る。人間の善性を信じるかのような美しい短編の後書かれた本書はまるでデスメタルのようではないか。ラストシーンなどSATUGAIに次ぐSATUGAIではないか。 『デトロイトメタルシティ』の主人公と違うところは『藻屑蟹』が高く評価され受賞しているから「休日に家族で楽しめる」路線にいつでも戻れることだ。いや、被災地を描いたシリアスな作品であるし、オシャレでファミリー向けかというと少し路線が違うけれども。 本書は海を舞台にした漁師たちと中国から訳ありでやってきた女たちの「●さなきゃ生きていけない」物語である。各漁師も苦労しているのだが国際的なレベルで苦労してきた女たちには到底かなわない。 『デトロイトメタルシティ』に登場する歌詞、「父ちゃんを●して母ちゃんと●ったぜ」を「仲間を●してカモメにやったぜ」に置き換えるなどしてラスト付近、残酷描写を頭振って読んでしまった。皆さんも是非、お試し頂きたい。愉しくて面白いから。 | ||||
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最高(最低?)の読後感。万人受けは絶対しない。『赤い高粱』(莫言)に匹敵するといったらホメ過ぎか、というほどに、島国(日本)に犇めく大衆小説群からは一頭地を抜く感がある。主人公その他、特定の登場人物に思い入れできねば気がすまない凡庸な読み手は、最初から本書を手にするべきではないだろう。エンターテインメイント小説にありがちな、半端な読者におもねる半端な要素が微塵もない。にもかかわらず、いったん読みだしたら止まらない。ぜひ映画化してほしい。監督は園子温、シンイチは山本浩司、枝垂恵子は神楽坂恵、アンジェラ・リンは蓮舫にやってもらいたい。ほかはともかく、アンジェラ・リンの蓮舫だけは個人的には譲れない。 | ||||
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