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ヤマノケハイ: 裏世界ピクニック3
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ヤマノケハイ: 裏世界ピクニック3の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.71pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全3件 1~3 1/1ページ
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1巻をdisりながらも結局3巻まで買ってしまいました。 なんちゅーか、ありがちな能力バトルみたいになってきましたね。 作者さんも編集者さんもいろいろ知恵を絞って考えたんでしょうか。 ま、こういう話は、想定される読者層もある程度文脈を理解していると言うか、共通認識があるはずですから、 「あ、はいはい、そういうことね」と簡単に読み進めることができます。 ただ個人的には、そこまでベタにやるのであれば、最後、ボス役のウルミルナちゃんが倒されて(?)正気に戻ったら主人公'sにべったり懐くようになる、みたいなチープな改心エンドまで見たかったです。 まだ結末が見えてきませんが、なんとなく自分としては、 裏世界で冴月は自分好みの女の子を集めた理想郷を作るのが目的で、いろんな女の子に声をかけているのに対し、空魚ちゃんがその少女たちを次から次へと自分の女にしていくことで冴月の野望を打ち砕く、みたいな超展開まで予測できました。 | ||||
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ねとらぼのインタビュー記事で、作者自らこの作品は百合であると明言されているので、今後読む人はそのつもりで。 あと、これまでは、「電子版で先行分割出版されていたもののまとめ」+「後書き」=「単行本」だったのが、今回は全体の約1/3が書き下ろしなので、今後は電子分割版には手を出さない方がいいかも。 内容的には、書き下ろし部分が今までとはずいぶん趣が違うので、評価が分かれると思う。(自分としてはかなり微妙) | ||||
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出所不明なネットロアが支配する「裏世界」を巡る二人の女性の冒険譚もこれで三巻目。前巻は一巻の日常が怪現象に侵食される怖さに加えて主人公二人に裏世界へと消えた謎の女性・閏間冴月が絡む愛憎みたいな要素が絡んで多少作品の方向性が変わった気配があったけど、作品の方向性がどっちに向くのか気になりつつ拝読。 物語はDS研での閏間冴月のノートを読み上げた事から起きた怪現象の騒動が収拾した直後から。コトリバコにやられた体を不安視していた空魚と鳥子だったが、検査の結果は大して影響が無かったという些か拍子抜けするもの。池袋の薬膳粥の店で小桜を交えて今後の方針を話し合う空魚と鳥子は既知のゲート間を結ぶ安全なルートを確保したいという事で再び裏世界に潜る事を明かす。DS研でみた第四種接触者の悲惨な有様を見ても怖いと思わず、再び裏世界探索を続けるという二人に小桜は諦め半分で見送る事になるが、二人はお弁当を持ってその日のうちに帰ってくるとピクニック気分のまま裏世界に旅立っていく……。 うーん……怖いと言えば怖いのだけど1巻で感じた怖さとはかなり別種の怖さになってしまったなあ、というのが正直な印象。1巻の怖さが人間の、あるいは日常の常識では捉えきれない怪異その物を主人公にした怖さだったのに対して 、この巻は前巻で導入された「人間の持つ薄暗い感情の怖さ」みたいな物がより強調された内容になっていた。1巻でネットロアの世界がそのまま目の前に現れる様な恐怖を堪能させて貰い一気に惹かれた身としては「こっちの方に行っちゃうのか……」と微妙な物を感じないでもない。 今回は70頁前後の短編二話と140頁ほどの中編一話による構成。お題となるネットロアは「ヤマノケ」と「サンヌキカノ」、そして「地下のまる穴」もしくはネットロアの一系統である「自己責任系」。 今回の大きな特徴としては空魚と鳥子のコンビがあまり裏世界に潜らないという事が挙げられる。確かに第一話に限って言えばお弁当を持って裏世界の安全なルート探しに行く話ではあるんだけど、裏世界が舞台になる話は逆に言うとこれだけという事になる。異形のモノがテンコ盛りな裏世界での空魚たちの冒険譚を期待するとそういう意味では些か肩透かしと言う事になってしまうかも。 それじゃ何がメインになっているのかと言えば、前巻から一気に存在感が増した鳥子が追いかけ続けている裏世界探検の先駆者・閏間冴月を取り巻く人間関係という事になる。前巻で登場した「カラテカ」こと瀬戸茜理が過去に冴月に接触を受けていたという経緯が明かされたわけだけれども、冴月の持つ奇妙なカリスマというか魅了の魔力によって振り回される人間模様、これがこの巻のメインとなっている。 この巻の後半部分を占めるエピソード「ささやきボイスは自己責任」では閏間冴月という魔性によって魅入られた一人の女子高生と、更にその女子高生が閏間冴月によって与えられた異能によって魅入られた集団に空魚と鳥子、さらには小桜までもが追い詰められる展開に。ただ、怪現象ではなく人間が人間を追い詰めるこの展開がスリリングというよりもひどくドロドロした雰囲気になっているのが大きな特徴とも言える。 前巻で閏間冴月に対して空魚は鳥子を取られるという危機感を抱いた事が匂わせてあったが、この巻ではよりその点が明確化されており、空魚自身の鳥子に対する薄暗い独占欲みたいな部分が強調されている。また空魚に関して言えば、後半での展開に絡めてこれまで見せてきた些か頼りない印象のキャラクターとは180度異なる戦闘的な面が見られるのも大きなキャラクターの掘り下げとなっていた。カルト教団に絡まれていた過去の経緯から自分の人生は自分の物だと言い切る空魚の別の面には非常に強い印象を受けた。それだけに自分が閏間冴月に対して持っていた感情を鳥子に知られてしまう事に対する怯えとの落差も大きかったわけだが…… 冴月という巨大なカリスマの持つ重力によって鳥子や茜理の様な今は正常な状態にある人物や、異能の持ち主となってカルト組織を作り上げた女子高生・るなの様な明らかに異常な精神状態になってしまったフリークス的人物が絡み、そこに鳥子に対して独占的な感情を持った空魚が織り成す暗い百合劇とでも称するべき趣向が今回のメイン。 これ以外にも鳥子の奇妙な生い立ちであったり、DS研の汀のどう考えても堅気には思えない背景みたいな物が匂わされて今後更に掘り下げられそうな要素はあるのでまだまだ話は展開されていきそうな気配を見せている。 ……ただ、やっぱり個人的には著者が10年以上も前の2ちゃんねるを中心に漁ってきたネットロアを、その中で描かれる人間の常識を超えた怪異その物を主人公にした様な一巻の趣向がベストだったかな、と思う。勿論今回もヤマノケによって乗っ取られた空魚や茜理の友人を襲った怪現象「サンヌキカノ」の様なネットロアを題材にしたエピソードにワクワクさせられる部分が無かったわけではないのだけど、一巻に比べるとどうにも物足りなさを感じてしまう点は否定できない。 百合作品としての趣向を楽しみたいという方には二巻からこの巻にかけての冴月と鳥子、空魚を巡る人間模様が堪らないという事になるんだろうけど、ネットロア発の怪異とその恐怖を堪能したいという方には「あれれ……」となりそうな好みがかなり分かれそうな印象の第三巻であった。 | ||||
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