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六死人



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【この小説が収録されている参考書籍】
六死人 (創元推理文庫 (212‐2))
六死人 (1984年) (創元推理文庫)

六死人の評価: 3.50/5点 レビュー 6件。 Cランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点3.50pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全4件 1~4 1/1ページ
No.4:
(5pt)

クリスティの某超有名作型プロットの元祖

五年前、大金持ちになる夢を胸に世界中に旅立った六人の青年たち。彼らは稼いだ金をみんなで――失敗した者も含めて――山分けにする約束をしていた。そしていま彼らは再会のため、それぞれ帰国の途に着いていた。しかし、そのうちの一人が客船から海に落ちて行方不明になってしまう! やがて、一人、また一人と、何者かに次々と殺されてゆき……。クリスティの某超有名作型プロットの元祖。〈顔のない死体〉が出てくるため、犯人の見当はつけやすいのですが、暗号とおぼしき入れ墨によって、読者をミスリードしているのが巧妙。また、自分が相続する財産を増やすため、仲間を殺害する――という犯人の動機を読者に想定させることによって、トリッキーな真相を巧みに隠蔽しているのも秀逸です。
六死人 (創元推理文庫 (212‐2))Amazon書評・レビュー:六死人 (創元推理文庫 (212‐2))より
4488212026
No.3:
(4pt)

名作「そして誰もいなくなった」に先駆ける巧緻な謎解きパズラーの傑作。

ベルギー生まれでフランスのミステリー界に本格推理の風土を根づかせた功績が大な異才ステーマンの出世作で冒険小説大賞を受賞した傑作です。本書はクリスティー女史の名作「そして誰もいなくなった」の8年前に書かれた同じ趣向のミステリーで、彼女の作品の完成度が高くて本書「六死人」の出来が劣るという意見がありますが、それは事実かも知れないけれど後から書く方が先輩を参考にしてより洗練させる事が出来るので有利なのは当然ですので、私は両者を比較して論じるのは避けるべきで適当でないと考えます。やはり一番先に独創的な趣向を思いついて書き上げた功績は讃えられてしかるべきでしょう。どうも著者は日本の多くの評論家諸氏から低い評価をされている様ですが、私はそんな事はなくもっと評価されて良い作家だと思っています。
「5年後に稼いだ金を全員で山分けしよう」と再会を約束して世界中に旅立った6人の青年達が今フランスへ帰国の途に着こうとしていたが、一人が客船から海へ落ちて行方不明になる事件が起きる。一足先に再会した成功者サンテールと敗残者ペルロンジュールは友人の恋人のスペイン人女性アスンシオンに共に恋しながら残り三人の友を待つが、やがて何者かの手で一人、また一人と次々に殺されてゆく。
本書に初登場する名探偵ヴェンス警部は残された者が全ての利益を得ようと企んだのだという常識的な線で捜査を進めますが、殺人者の跳梁を止められず、遂に残りの人間が潔白だと判明した時途方に暮れて、追い詰められ真剣に苦悩する姿が痛々しいです。本書のトリックは前例のある物ですぐに気づかれる方もあるかとは思いますが、初めてこの趣向を読んだ方は迷宮の如き謎に翻弄され怒涛のクライマックスまで一気読みさせられるでしょう。犯人の動機は確かに変則的で無茶かも知れませんが私は許容したいですし、未整理ながらも情熱的な恋や人間的感情に満ちた本書は傑作だと確信致します。
六死人 (創元推理文庫 (212‐2))Amazon書評・レビュー:六死人 (創元推理文庫 (212‐2))より
4488212026
No.2:
(4pt)

名作「そして誰もいなくなった」に先駆ける巧緻な謎解きパズラーの傑作。

ベルギー生まれでフランスのミステリー界に本格推理の風土を根づかせた功績が大な異才ステーマンの出世作で冒険小説大賞を受賞した傑作です。本書はクリスティー女史の名作「そして誰もいなくなった」の8年前に書かれた同じ趣向のミステリーで、彼女の作品の完成度が高くて本書「六死人」の出来が劣るという意見がありますが、それは事実かも知れないけれど後から書く方が先輩を参考にしてより洗練させる事が出来るので有利なのは当然ですので、私は両者を比較して論じるのは避けるべきで適当でないと考えます。やはり一番先に独創的な趣向を思いついて書き上げた功績は讃えられてしかるべきでしょう。どうも著者は日本の多くの評論家諸氏から低い評価をされている様ですが、私はそんな事はなくもっと評価されて良い作家だと思っています。
「5年後に稼いだ金を全員で山分けしよう」と再会を約束して世界中に旅立った6人の青年達が今フランスへ帰国の途に着こうとしていたが、一人が客船から海へ落ちて行方不明になる事件が起きる。一足先に再会した成功者サンテールと敗残者ペルロンジュールは友人の恋人のスペイン人女性アスンシオンに共に恋しながら残り三人の友を待つが、やがて何者かの手で一人、また一人と次々に殺されてゆく。
本書に初登場する名探偵ヴェンス警部は残された者が全ての利益を得ようと企んだのだという常識的な線で捜査を進めますが、殺人者の跳梁を止められず、遂に残りの人間が潔白だと判明した時途方に暮れて、追い詰められ真剣に苦悩する姿が痛々しいです。本書のトリックは前例のある物ですぐに気づかれる方もあるかとは思いますが、初めてこの趣向を読んだ方は迷宮の如き謎に翻弄され怒涛のクライマックスまで一気読みさせられるでしょう。犯人の動機は確かに変則的で無茶かも知れませんが私は許容したいですし、未整理ながらも情熱的な恋や人間的感情に満ちた本書は傑作だと確信致します。
六死人 (創元推理文庫 (212‐2))Amazon書評・レビュー:六死人 (創元推理文庫 (212‐2))より
4488212026
No.1:
(4pt)

クリスティに先立つ「そして誰もいなくなった」

クリスティの「そして誰もいなくなった」に先立つ事8年、同じ構想で書かれた作品である(舞台は孤島ではない)。作者の先進性と独創性が光る作品。
6人の青年が5年後の再会を約束して世界に旅立つ。再会時には、各自の財産を平等に分配するという約束付きで。そして、5年が経ち、青年達は約束の場所へ戻って来るが、一人、そして又一人と殺されて行く。犯人は全員の財産を狙った6人の誰かなのか ? 5人までが殺されて、しかも最後の1人は真犯人ではないという精緻な構成。「そして誰もいなくなった」と同じ趣向である。本作では、被害者の一人が船から突き落とされて遺体確認不能、もう一人は運河で発見されて顔の識別が付かないという瑕疵があり、犯人が絞りやすくなっているが、考えて見ればクリスティの作品でも(少し捻りはあるものの)同じトリックを使っているのだ。また、作品を謎解きだけに焦点を当てて、ムダな記述を一切していない所に潔さを感じる。
作者のもう一つの代表作「殺人者は21番地に住む」では、作中にクィーンばりの「読者への挑戦状」を2度挟む等、作者の本格ミステリへの情熱には感服する。その情熱と斬新なアイデアで読者を驚かせる本格ミステリの傑作。
六死人 (創元推理文庫 (212‐2))Amazon書評・レビュー:六死人 (創元推理文庫 (212‐2))より
4488212026

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