六死人
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原著1931年刊、邦訳刊行1984年、原題 Six Hommes Morts。 五年前、大金持ちになる夢を胸に世界じゅうに飛び立った六人の青年たち。そしいま彼らは再会のため、それぞれが帰国の途に着いていた。だが、そのうちの一人が客船から海に落ちて行方不明になってしまう!やがて、一人、また一人と、何者かに次々と殺されてゆく・・・。(以上、紹介文から抜粋) 主人公サンテール君は犯人ではないとまずは仮定して、姿を消した残り五人の中の誰が実は生きていて皆殺しをたくらんでいるのか?動機は明白、生き残った者が全員の資産を継承できるから。サンテール君が途中で殺される可能性もあるのですが、もし生き残ったら、最後に彼の前に姿を現すもう一人は、間違いなく四人を手にかけた殺人者のはずです。その瞬間を想像すると、この短めの物語の残りページが少なくなっていくにつれ、ハラハラが大きくなっていく。ウェンズ氏が登場しないサスペンスに書き直してもいいくらいです。また、フレンチ・ミステリ特有の’BGMが感じられない’文体も、通常は物足りなさを感じさせますが、本作ではハラハラを増幅させるのに寄与しています。 一方、「そして誰もいなくなった」に先立つ・・・という紹介には少々同意しかねますな。あちらは離島に一堂に会してからひとりずつ減っていくのに対し、こちらは全員が顔を合わせる前の段階で欠けていくのですよね。違いはそれ以外にも人数とか諸々あるけれど、このシチュエーションの違いはけっこう大きいですよ。やはり本作は、あちらよりも作品として小粒です。まあ、古いフレンチ・ミステリはその小粒さがいいのですが。 | ||||
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五年前、大金持ちになる夢を胸に世界中に旅立った六人の青年たち。彼らは稼いだ金をみんなで――失敗した者も含めて――山分けにする約束をしていた。そしていま彼らは再会のため、それぞれ帰国の途に着いていた。しかし、そのうちの一人が客船から海に落ちて行方不明になってしまう! やがて、一人、また一人と、何者かに次々と殺されてゆき……。クリスティの某超有名作型プロットの元祖。〈顔のない死体〉が出てくるため、犯人の見当はつけやすいのですが、暗号とおぼしき入れ墨によって、読者をミスリードしているのが巧妙。また、自分が相続する財産を増やすため、仲間を殺害する――という犯人の動機を読者に想定させることによって、トリッキーな真相を巧みに隠蔽しているのも秀逸です。 | ||||
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ベルギー生まれでフランスのミステリー界に本格推理の風土を根づかせた功績が大な異才ステーマンの出世作で冒険小説大賞を受賞した傑作です。本書はクリスティー女史の名作「そして誰もいなくなった」の8年前に書かれた同じ趣向のミステリーで、彼女の作品の完成度が高くて本書「六死人」の出来が劣るという意見がありますが、それは事実かも知れないけれど後から書く方が先輩を参考にしてより洗練させる事が出来るので有利なのは当然ですので、私は両者を比較して論じるのは避けるべきで適当でないと考えます。やはり一番先に独創的な趣向を思いついて書き上げた功績は讃えられてしかるべきでしょう。どうも著者は日本の多くの評論家諸氏から低い評価をされている様ですが、私はそんな事はなくもっと評価されて良い作家だと思っています。 「5年後に稼いだ金を全員で山分けしよう」と再会を約束して世界中に旅立った6人の青年達が今フランスへ帰国の途に着こうとしていたが、一人が客船から海へ落ちて行方不明になる事件が起きる。一足先に再会した成功者サンテールと敗残者ペルロンジュールは友人の恋人のスペイン人女性アスンシオンに共に恋しながら残り三人の友を待つが、やがて何者かの手で一人、また一人と次々に殺されてゆく。 本書に初登場する名探偵ヴェンス警部は残された者が全ての利益を得ようと企んだのだという常識的な線で捜査を進めますが、殺人者の跳梁を止められず、遂に残りの人間が潔白だと判明した時途方に暮れて、追い詰められ真剣に苦悩する姿が痛々しいです。本書のトリックは前例のある物ですぐに気づかれる方もあるかとは思いますが、初めてこの趣向を読んだ方は迷宮の如き謎に翻弄され怒涛のクライマックスまで一気読みさせられるでしょう。犯人の動機は確かに変則的で無茶かも知れませんが私は許容したいですし、未整理ながらも情熱的な恋や人間的感情に満ちた本書は傑作だと確信致します。 | ||||
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ベルギー生まれでフランスのミステリー界に本格推理の風土を根づかせた功績が大な異才ステーマンの出世作で冒険小説大賞を受賞した傑作です。本書はクリスティー女史の名作「そして誰もいなくなった」の8年前に書かれた同じ趣向のミステリーで、彼女の作品の完成度が高くて本書「六死人」の出来が劣るという意見がありますが、それは事実かも知れないけれど後から書く方が先輩を参考にしてより洗練させる事が出来るので有利なのは当然ですので、私は両者を比較して論じるのは避けるべきで適当でないと考えます。やはり一番先に独創的な趣向を思いついて書き上げた功績は讃えられてしかるべきでしょう。どうも著者は日本の多くの評論家諸氏から低い評価をされている様ですが、私はそんな事はなくもっと評価されて良い作家だと思っています。 「5年後に稼いだ金を全員で山分けしよう」と再会を約束して世界中に旅立った6人の青年達が今フランスへ帰国の途に着こうとしていたが、一人が客船から海へ落ちて行方不明になる事件が起きる。一足先に再会した成功者サンテールと敗残者ペルロンジュールは友人の恋人のスペイン人女性アスンシオンに共に恋しながら残り三人の友を待つが、やがて何者かの手で一人、また一人と次々に殺されてゆく。 本書に初登場する名探偵ヴェンス警部は残された者が全ての利益を得ようと企んだのだという常識的な線で捜査を進めますが、殺人者の跳梁を止められず、遂に残りの人間が潔白だと判明した時途方に暮れて、追い詰められ真剣に苦悩する姿が痛々しいです。本書のトリックは前例のある物ですぐに気づかれる方もあるかとは思いますが、初めてこの趣向を読んだ方は迷宮の如き謎に翻弄され怒涛のクライマックスまで一気読みさせられるでしょう。犯人の動機は確かに変則的で無茶かも知れませんが私は許容したいですし、未整理ながらも情熱的な恋や人間的感情に満ちた本書は傑作だと確信致します。 | ||||
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ステーマンと言えば「六死人」か、「殺人者は21番地に住む」かと言われるぐらい。 自分なら文句なく「殺人者は21番地に住む」を選ぶ。 本作の構想はまあ評価できるものの(某英女流作家のなんたらとか書く人いるけど、ネタがばれるだろ!)、その根底の動機がむちゃくちゃで、とても評価する気になれない。 どこが、どうダメなのか、説明できないのがもどかしいが、動機という物に重きを置くファンなら自分の意見に納得できるはず。何が何でもこのトリックを実現したかった、という事なのだろうが、ちょっとねぇ……。某英女流作家のなんたらとか無しに読みたいよね。 その一方で「殺人者は21番地に住む」は絶版……、面白いのに……。 | ||||
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