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虚像のアラベスク



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【この小説が収録されている参考書籍】
虚像のアラベスク
虚像のアラベスク (角川文庫)

虚像のアラベスクの評価: 3.75/5点 レビュー 8件。 Aランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点3.75pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
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全1件 1~1 1/1ページ
No.1:
(2pt)

バレエの高度なポーズが如何に人体構造に反しているかという事、手前勝手な"世界"及び自己弁護を綴っただけで、ミステリと言う印象を受けない駄作

私は作者の通常のミステリのアイデアを越えた新機軸の捻ったミステリ(空振りも多いが)を愛好している。本作は「ドンキホーテ・アラベスク」及び「グラン・パ・ド・ドゥ」の2つの中編及び1つの短編(苦衷の自己弁護と言うべきか)から構成される中短編ミステリ集。

「ドンキホーテ・アラベスク」は、刑事の海埜が公演中止の脅迫を受けている有名バレエ団の創立15周年記念公演(当日はパリの要人が観劇に来るという設定)の警護に当たるという物語。<芸術探偵>こと海埜の甥の瞬一郎がサポートしている。初めからフランス語に依る様々なバレエ用語(特に人体の構造に反した高度なポーズ)の説明や「ドンキホーテ」のストーリー・配役の説明のオンパレードで煙に巻かれた様だが、当初、これが伏線になっていると考えた(「アラベスク=幾何学模様」なのだから、舞台上の高度なポーズ、団員間の人間模様、舞台上の団員の配置(配役替え)などがキーだと思った)。結局、当初の予測がほぼ当たっていた上に、本編で提示されるある人間関係は意外性と言うよりは単なる手前勝手でガッカリした。脅迫者の正体も当初の予測に則したもので、これまた期待外れ。バレエの高度なポーズが如何に人体構造に反しているかを綴っただけで、ミステリと言う印象を受けなかった。「グラン・パ・ド・ドゥ」とは、上述したポーズの一種で前編にも出て来る。夕霧と言うグラマラス自慢の若手"バレリーナ"の一人称で、夕霧が慕うコーチの白姫の装身具の盗難事件及びプロダクションの社長の殺人事件を扱ったもので海埜も登場するが、明かされる"世界"が「十角館...」を想起させる陳腐かつ手前勝手なコメディ風でガッカリした。前編と表題とでミスリードする姿勢は工夫と言うべきか卑怯と言うべきか。

バレエの高度なポーズが如何に人体構造に反しているかという事、手前勝手な"世界"及び自己弁護を綴っただけで、ミステリと言う印象を受けない駄作だと思った。
虚像のアラベスクAmazon書評・レビュー:虚像のアラベスクより
4041058732

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