マルチエンディング・ミステリー(犯人選挙)



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長編小説

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マルチエンディング・ミステリー (講談社文庫)

2023年12月15日 マルチエンディング・ミステリー (講談社文庫)

密室殺人の犯人を「7つの選択肢」からセレクトする、まさに「マルチエンディング・ミステリー」 『最後のトリック』『ミステリー・アリーナ』の著者による新たな挑戦。 築30年の「大泰荘」で8人の大学生が共同生活を送っていた。 ある朝、マッチョな男性住人が鍵のかかった自室において遺体で発見される。 深夜には建物の玄関にチェーン錠がかけられるため、 たとえ鍵を持っていても中には入れない二重の「密室」で誰が彼を殺したのか? 住人の誰もが怪しく、誰にも動機が……。「7つの選択肢」から犯人を決めるのは、あなた。 読者投票の結果も収録。 文庫化に際して、『犯人選挙』を改題。(「BOOK」データベースより)




書評・レビュー点数毎のグラフです平均点6.50pt

マルチエンディング・ミステリー(犯人選挙)の総合評価:6.00/10点レビュー 7件。Cランク


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サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

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全4件 1~4 1/1ページ
No.4:2人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(8pt)

超ユニークで超メタ的小説

7つの答があるミステリー小説というテーマだけで、興味を惹かれました。さすがメフィスト賞出身の作家だけに、超ユニークな小説です。他の誰も書かないような挑戦的なミステリは好きなので、高評価となりました。文体も軽妙で読みやすいです。
マルチエンディング・ミステリー(複数の結末のある作品)という少し長ったらしいタイトルですが、改題前の『犯人選挙』の方がスッキリしていて、私は好みでした。おそらく、同じく多重解決モノの、作者の『ミステリー・アリーナ』と方向性が同じなので、タイトルを片仮名で揃えたのでしょうね。
舞台は大泰荘というシェアハウス。主人公は純文学の作家を目指す文学青年。住人の一人、ボディビルダーを目指す、マッチョの男が密室で殺され、一体誰が、どうやって殺したかを推理します。
容疑者は主人公を除いた他の住人六名。それぞれ犯人の場合と、犯人が外部の者という、計七通りの解答が提示されます。珍妙な解答もありますが、なかには説得力のある解答もあり、なかなか楽しめます。

一つ、評価が分かれるとしたら、本書は本格ミステリと呼べるか怪しく、脱力的な話ということでしょうか。なので、冒頭に"本書は三人の人物が殺されるので、殺人が嫌いで日常ミステリを楽しみたい方は本を閉じてください"と注意書きされていますが、あまり気負わず読むとよいでしょう。そして、三人目に誰が殺されるか、予想しながら読んでみてください。
こういう話があるからこそミステリは面白いと実感できる小説です。きっと作者は、楽しみながら執筆されたのだと思います。
超ユニークで超メタ的、脱力できる良作でした。メタ的描写は、以前に読んだ瀬名秀明さんの『八月の博物館』と類似していました。登場人物の存在についてフォーカスしていて、かなり面白いです。

登場人物の若い刑事が、頓珍漢なことを言って上司に叱られるという描写は、軽妙すぎるきらいがあります。実際、こんな刑事がいて事件が迷宮入りしてないことを望みますが、、、。

bamboo
NU17PFML
No.3:1人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(7pt)

犯人選挙の感想


▼以下、ネタバレ感想

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氣學師
S90TRJAH
No.2:
(4pt)

犯人選挙の感想

回答編を読む前に
犯人投票に参加する気持ちで考えればよかった。
普通に電車の中で読み進めてしまったので
新しい試みは楽しめなかった。
アリーナはクイズ番組形式で笑って読めたが
今回はイマイチ

jethro tull
1MWR4UH4
No.1:3人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(7pt)

犯人選挙の感想

深水黎一郎作品は1作ごとに個性的なテーマを感じます。本作は『読者が犯人を決める』というもの。

事前にネット上で問題編を公開し、誰を犯人にしたいか投票を行った企画作品です。
誰が犯人かを読者が考えるのではなく、投票された人物を犯人にする為に作者はどのような物語を作るのか?という趣旨。
誰でも犯人にできるという事から本書は7つの解決編が収録されています。
一昔前なら多重解決ものと呼ばれる作品ですね。そこを読者参加型にする事で新しさを生み出しています。SNSが一般的になった今の世だからできた作品であり、その着眼が見事です。

講談社は昔から読者を巻き込む企画が多く、金田一少年の犯人当てや最近のメフィスト賞なら木元哉多『閻魔堂沙羅の推理奇譚』でもWEB投票をしています。読者に犯人を決めてもらうという応募企画と作品の実現は版元と著者が見事にマッチした結果だと感じました。

一方この企画に参加していない人。本書単体で楽しむ人にとっては、誰でも犯人になる事からミステリにおける推理や驚きを楽しみ辛い作品となります。一番のネックは、各解決編はご都合主義が多く、ルールに沿った上で何でもアリだと感じてしまう所。指定の人物を犯人する物語を書けばよいので追加設定が多いのが敬遠されそうです。またバカミスのように笑って誤魔化せるような軽い雰囲気で描かれるので好みが分れる事でしょう。

プラス面でみれば、各解決方法は人物の性格が様変わりしミステリの趣旨も変化するのが凄まじい。よく考えられており、かつ作り上げる技巧の凄さが味わえます。先程、追加設定が多いのが気になると書きましたが個人的にはアリです。
過去作の多重解決もの『ミステリー・アリーナ』の作者側の視点に読者を立たせた作品であるとも感じます。著者は過去作でもクラシックのオペラにおける解釈の多様性を述べていることから、1つの物語の中にいろんな可能性を生み出す事に一貫していると思います。これはとても好みです。

という感じで、本書はミステリを読み慣れた人向き。さらに著者の過去作品に触れている程楽しめる作品です。
初めて触れる方でも、どの結末が自分の好みであるかで好きな作品傾向が分る性格判断テストになっているのが面白いと思います。自分は開陽界の意外な流れや玉衡界の〇〇ものになる流れが好きでした。今回選択肢がなかったですが個人的には建物が犯人みたいなトンデモ話が好きなので、自分が想像していない所から答えがくる刺激がやはりミステリの面白さだと思いました。

▼以下、ネタバレ感想

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egut
T4OQ1KM0
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※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

No.3:
(1pt)

読者をバカにしてる

つまらない
マルチエンディング・ミステリー (講談社文庫)Amazon書評・レビュー:マルチエンディング・ミステリー (講談社文庫)より
4065333245
No.2:
(4pt)

新しい「試み」として評価したい

問題編を先にWEBで公開し、7つの選択肢の中から、自分がこれだと思うものを投票してもらい、「犯人を読者が決める」という面白いアイディアで登場した作品。

かくいう私も、投票し、推理も記載したのだが、第一位にはならず、推理の方も、ハズレでした。
でも、久々に推理する楽しみを味わえて良かったと思います。

それにしても、読後に思いを強くしたのは、本作品が、著者の代表作にもなりつつある「ミステリー・アリーナー」の別バージョンではないか、ということです。

「ミステリー・アリーナ」は、著者が用意した15もの解決が示されるという「多重解決もの」でした。
本作品では、7つの選択肢を選んでの投票になった訳ですが、どの選択肢を選んだにせよ、そこには、それぞれの解決が示されていた(投票フォームには、犯人とした理由欄がありました)訳で、投票数は分かりませんが、相当な数になったことと思われ、それだけの数の「多重解決」になっていた、という考えです。

もちろん、著者が用意した、7つの選択肢への解決は、さすが、プロと思わせるもので、満足しました。

私は、著者の作品をより楽しむためには、という考えがありますので、そこを少しだけ述べます。

それは、出来れば、過去の著名なミステリを読んでおいた方がよい、ということです。
著者がデビューした21世紀までには、様々なミステリが書かれて、ネタは出尽くしたとも言われるほどです。

そこで、著者の作品は、そうした過去作を踏まえて、現代風に味付けをして表現するものが多いと思います。

「最後のトリック」は、究極の意外な犯人である、読者が犯人。「ミステリー・アリーナ」は、多重解決。「倒叙の四季」では、倒叙推理。などなど。

いずれも、過去作を読んでいると、「こんな工夫があったのか」と、大変に興味深く読めるのです。

じつは、本作品も、解決編の中で、ある過去作に触れています。作品名はぼかしてありますが、その過去作を読んでいれば、「ここで、その趣向を使うのか!」と感心させられることでしょう。

今後とも、著者が読者の想定を上回る、意欲的なミステリに挑戦していくことを、期待しています。
犯人選挙Amazon書評・レビュー:犯人選挙より
4065165571
No.1:
(3pt)

パズル型ミステリのファンでないと楽しめないかも

とあるシェアハウスのようなアパートの一室で、ひとりの学生が死体で発見されます。
犯人は誰か?
というところで、複数の容疑者の、それぞれを真犯人とした結末が、いくつも用意されている――という趣向の謎解きミステリです。

問題編とも言うべき第1部は、まずまず普通に読めました。
視点が切り替わるのに違和感を覚えましたが、そこをこらえれば、普通のミステリとして楽しめました。
しかし、解決編へと向かう第2部以降は、ちょっといただけませんでした。
だれでも犯人でありうる、ということで解決編が提示されていますが、
「すごーい!」
と感心するよりも、どれもが無理やりのこじつけみたいで、しらけてしまいました。
その「無理やり」の部分を緩和するためにでしょうか、おふざけモードで解決編を通しているのも、私にはなじめませんでした。

もしかすると、謎解きが大好きなオタクたちが集まってわいわいやるための、きわめて客層を絞りこんだミステリなのかもしれません。
ケチをつける私のようなのは、
「部外者はお呼びじゃない。出ていってくれ」
なのかもしれません。
だとすると、たまにはミステリのひとつも読むことがある、程度の普通の読書人には、あまりお勧めできない本です。
犯人選挙Amazon書評・レビュー:犯人選挙より
4065165571



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