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蹴りたい背中
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蹴りたい背中の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.63pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全29件 21~29 2/2ページ
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確かに賛否両論だろうなあ……。 物語自体(どんでん返しとか意外性とか)に面白みを求めてる人には多分受け入れられない話だと思います。山もオチもないので、エンターテイメントが好きな方にはちょっときついかも(かくいうわたしもその一人)。 でも心理描写がとにかくきれいで、独特な世界観を持った人なんだなって思います。19歳の時の作品とは思えない巧みな表現で、物語に引き込まれます。読みやすいです。モノの見方とか、考え方とか、感銘を受けます。どこに重点を置くかでこの作品の評価はだいぶ変わってくるのではないでしょか。 読んで時間とお金の無駄とかは思いません。だけど人に勧めようとは思わないかな。 これが受賞したのが直木賞だったら、納得いかなかったと思います。でも芥川賞なら、確かにそうかもな、って感じです。純文学です、この作品は。 | ||||
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リアルな女子高生象に的を得ている作品。 それも、孤立した女子高生の心情が非常によく現れている。 ただ、読み方によっては理解されない作品であることも確かだ。 タイトルにもしたように、文芸作品としては非常に勉強になる作品だろう。 書くのが甘いというのではなく、この作品の優れた点は 小説の形式美を打破し、新たな形式を作り出すその芸術性を孕んだ点にある。 変わった作品、しかし、心情はよく描かれているし、小説の「承」である 言い回しの巧みさが見て取れ、今後が大いに楽しみな作者である、 しかし、物語を起承転結で表すならば、感情曲線が平坦な作品だといえる。 良いところ中の上キープで、おもしろいが際立って面白くもない。 そして、つまらなくもない。形式美にはまってないからこそ、 書ける作品ではあるが、エンターテイメントとしては評価は☆☆☆だろう。 ただ、文芸作品としては間違いなく☆☆☆☆☆。 物語の視野は狭いが、女子高生の心情では蹴りたくなる背中というタイトルを 表現するために一冊書き上げた作者の書き力に目を見張る。 小説は自由であるからどちらの好みもあるため、万人に好評価は得られないだろうが、 個人的には物語にもっと抑揚のついた作品であればもっと楽しめたと私は思う。 | ||||
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ハツは高校一年生。中学のときの親友だった絹代はグループに入ってしまって、ハツはクラスで浮いている。クラスで浮いているもう一人、にな川は、雑誌のモデル、オリチャンのファン。無印の店でオリチャンに会ったことがあると言うハツから、もっと情報を聞き出そうとするにな川とハツ、孤独な二人の奇妙な交流が始まる。 ティーンエイジャーの居場所のなさ、清冽なやるせなさ、鋭敏な感情の動き、観察眼といったものを、突き放すでもなく、それに浸りきるわけでもなく、絶妙な距離感で、淡々と描写していくのは、つい最近までティーンエイジャーそのものだった綿矢氏の目線のするどさでしょうか。大人になる一歩手前の少年、少女の言葉で表現しきれない感情の塊のようなものを、うまくつかみとっています。 | ||||
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史上最年少で芥川賞を受賞した綿矢りささんの作品ということで読んでみましたが・・・ 金原ひとみさんの「蛇にピアス」を読んだ時と同じように、「えっ、こんなのが芥川賞???」という感想を持ちました。 高校1年生の「ハツ」は、自分と同じようにクラスのあまり者の「にな川」に奇妙な関心を持っていきます。 「ハツ」の目線で「にな川」を描いている作品なのでしょうが、「ハツ」の考えも「にな川」の行動も、何だかさっぱりわけがわかりませんでした。 「ハツ」は「にな川」の背中を蹴りたいようですが、少なくとも1回は蹴っています。 もっと蹴りたい理由は何なのでしょうか・・・? 私も思いっきり蹴り上げてやりたいヤツがいます。 でも、それはそれなりの理由がたくさんあるんです! | ||||
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芥川賞をとったとのことで遅らばせなが読んで見ました。正直ただの流行り物で芥川賞も話題性を呼ぶためじゃないのかと、少々見くびっていたのですが、芥川賞はダテではないと思います。読むものを惹きつける文章力というものがあると思いました。 この小説で問題となるのは、にな川は長谷川にとってどういった存在なのか、そしてどうして、彼の背中をそんなに蹴りたいのか、痛めつけたいのかという謎です。このは常につきまとい、読むものを作品の中へとぐいぐい惹きつけます。そして結局それは明確な形で回答されることはなく物語りは幕を閉じます。 この辺は、読者にゆだねられるところなんでしょう。優れた文学作品にはこういった謎というものが多分にちりばめられているものです。 私は、にな川は長谷川にとって一つの慰めのような存在だったのではないかと思えます。周りに無理をして合わせることへの欺瞞は多かれ少なかれ誰でも持っているもので、彼女はそれが大変に強く、自然と周囲から孤立していきます。しかしやはり寂しさというものも当然あります。特に高校生くらいであるとそういった状況はどんなに一匹狼を気取っていても、辛いものです。そんな中で自分と同じような境遇にあるにな川をどこかで慰めの対象に見ていたのではないでしょうか。人は心のどこかで自分より劣った、自分より悲惨な境遇である人間を求めるもののように思えます。 蹴りたいというのも相手に対する支配欲ではないでしょうか。 それにしても、にな川、なかなかおいしいポジションです。こんな性格でありながら女を家に呼んだり、一緒にライブにいったり、あげく家に泊めたりと。にな川ほどでないにしてもオタクな私からすればうらやましいかぎりです(笑 | ||||
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密かにこの作家を応援してたんだが、何で芥川賞?と思ってしまった。 とりあえず、芥川賞は置いておいて、可もあり不可もありな作品だと思う。 感想は、まぁ、普通に面白かった。 この蹴りたい衝動が共感(理解?)できるかどうかだと思う。 単純に恋愛とか言っちゃうと、この話はつまらないと思う。 でも、全体的に力量不足。 | ||||
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「インストール」に比べると、がんばった感が伝わった。 言葉も選んでひねろうとしているようだし少しは理解しやすくはなっているが 単に普通のレベルの本だと思う。 | ||||
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学校で仲間とうまく過ごせないハツ。 外れものになりがちで、孤立感を味わっている。 そんな彼女の前に、一人孤独な世界に住むにな川青年が現れる。 彼の世界に唯一住んでいるのは切り抜きのモデル。 実物に会ったことのあるハツの記憶に、にな川は「人間」オリちゃんを 求め始める。 ハツは、一人の世界を築いて満足する彼に惹かれるかたわら、 実際の人間オリちゃんに接して傷つくにな川の背中を、蹴飛ばしてやりたくなる。 架空世界でモデルと円満に暮らす青年に、 実際に人間と生きるっていうのは痛みがつきまとうものだと つきつけたくなった女子高生の物語です。 顧問の先生のことで、部活のメンバーがうまく彼を利用していると言うハツに 先生と自分達は味方同士とメンバーが主張する場面が個人的に印象的でした。 「虚勢」という言葉がハツの心のなかに浮かびますが、 加藤諦三あたりを読んでいるのでしょうか。 | ||||
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適度な長さの小説。小気味よい比喩。技巧のある文章。一つの読み物としてはまとまっている。だが内容の稚拙さは否めない。 この小説は「世界観が狭い」と言われがちである。私自身の考えでは小説世界の広い、狭いは問題でなくその広さに見合っていかに濃さを出せるかだと思う。しかしこの小説は世界観も狭いし濃さもない。話は終始意外な展開はせず、少し世間から外れた(またはごく一般的な)男女にも大きな変化がない。正直もう少し長ければ退屈になっていたかも知れない。 けれども、高校生が読むに適していると思う。すこし胸を締め付けられるような恋とも言えない儚さ、学校生活の期待からくる苦しみは彼らの興味はくすぐるだろう。 芥川賞最年少受賞は芥川賞最年少読者向け図書なのではないか。 | ||||
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