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銀河鉄道の父
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銀河鉄道の父の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.51pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全104件 61~80 4/6ページ
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直木賞と芥川賞も、今回は共に宮沢賢治に絡んだ物だった。それも面白く、両方読みました。 おこがましいが、一言で上手くなったな~と思った。以前読んだ著者の作品は、何か足りない気がしていたが、この作品は過不足なく、読みやすく、自然な流れで引き込まれた。 また一つの新しい"宮沢賢治"を知りました。 | ||||
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恥ずかしながら宮沢賢治については、国語の教科書レベルでしか知らなかったのですが…その父親の話、ということで手にとってみました。 今まさに男子の子育てに関わっており、父親とは何なのか、というところは常に考えるところです。 壁として立ちふさがりたいとも思うし、とにかく尽くしてあげたいとも思う。そして、無常にも、自分よりも先に息子、娘を失うということ…。 頑固一徹を気取りながらも、心は迷いつつ、でも決して押し付けがましくない。常に息子ファーストであろうとする、そんな賢治の父、政次郎。 父親のロールモデルが思い当たらない…。そんな悩める父親世代に、一つの指針を与えてくれるかもしれません。 | ||||
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妹はともかく賢治までが逆縁とは知りませんでした。童話も最初は自費出版、父が100部を買って協力したこと。100億部の発行作品もこうして始まったと感激。小学校の国語の教科書とは随分違う賢治の人物像が描かれており、親しみを覚えました。 | ||||
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キュンキュンした。家長としての威厳を保とうとしつつも、最愛の息子に振り回されるのを止められない。賢治のワガママに渋い顔で付き合い、病気になったと聞いては動転し、将来のことで揉めても結局は折れてしまう。仲良くなりたくて。 次から賢治を読むときは、愛しげに目を細めるお父さんの姿が脳裏に浮かぶだろう。 | ||||
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静かな筆致、柔らかで木綿の様な肌触りの筆致。春、夏、秋、冬の自然豊かな岩手花巻の描写は我ら日本人の心のふるさとの 原風景を想像させます。頭脳明晰で何不自由なく育った「賢治」への愛情をどう伝えたらいいのか、伝えない方がいいのか、 明治の親父はなんとも不器用です。でもその姿に私は微かな矜持を覚えます。子供のいない男には想像したくないし、想像で きない深奥の風景なのでしょうか。現在の親父の姿は子供にあまりにも近すぎると感じるのは、私のひがみでしょうか? | ||||
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父親から見た賢治で、父親の苦労もあって、宮沢賢治が育ったという事が分かった。私は、読んで良かったと思っている。 | ||||
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タイトルからも分かる通り、宮澤賢治の父親政次郎が主人公です。 この本を読んで一番感じたことは、父親の子どもを思う心です。 主人公は、五人の子どもを持っていますが、明治の父親だけに、「家」の中で大きな権威を持っています。 しかし、その子どもを思う心は、今も変わらない心があります。 ただ、そこは「威厳」を示さねばならぬところもあって、すべての場面で直接示される訳ではありません。 それでも、行間にその父親の心が、しっかりと書き込まれています。 私自身の「父親」としての経験にも、ピッタリと来るところが沢山ありました。 子どもが大きくなるにつれての父親としての対応についても、自分の経験に照らし合わせ納得しました。 その優しさをテレから示せない場面もあり、良く理解できます。 それにしても、箱膳の並べ方などにも、確かにそうだったなあと感じました。 更には、卓袱台の登場や黙読がまだまだ一般的でなかったことなど、改めて知ることも沢山ありました。 | ||||
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賢治の父、征次郎は家長として、父としてこうあらねばならぬという強い信念を持ち、また子どもの長所も短所も客観的に判断できる冷静さがある人物だ。一方で、時に自分でも当惑するほど子への愛情や想いがあふれ出し、ここぞというときには惜しみなく子どもに手を差し伸べる。 読み進めていくうちにそんな征次郎に感情移入して、「がんばれ、お父さん」と声援を送りたくなる。 賢治とその妹のトシ、二人の子どもを逆縁で亡くすわけだが、それぞれの死に際しての征次郎の有り様に心を打たれる。 読後もしみじみと感動が広がる作品。 | ||||
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お父さんの気持ちがよくあらわされています。この親あっての賢治なのだろうと思います。 | ||||
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昔、宮沢賢治の伝記を読んだ時、 「賢治が中学校入学時に、質屋を経営する名士の父が、皆の前で懐中時計を出して時間を確認したのを、 貧しい者からの搾取を感じ、恥ずかしく思った。」という類の記載があった記憶がある。 ところがどっこい、 この作品では、あくまで小説なのですが、 知的で優しくて、ちょっと甘やかし過ぎ感もある、すごくいいお父様として宮沢政次郎が描かれています。 「懐中時計」の件は、宮沢賢治の父としては外せないエピソードのようで、 表紙にも懐中時計の絵、政次郎サイドからの懐中時計エピソードが描かれている箇所があります。 一見、宮沢賢治作品を「社会・共産主義的」という人もいるけど、 後世で評価を受けた作品は「実は貧乏臭さが微塵もない」「霞を食って生きているのか感」が漂う、 単なる金持ちじゃない、ある意味「田舎の新興貴族」の、金と知性・教養があるのが前提の世界観。 お父様、宮沢賢治を「夢想家のお坊ちゃま」のままでいさせてくれてありがとう。 家族が皆、知的で品がある、ほのかなユーモアの余裕もある。 まぎれもなく宮沢賢治は一族の一人であることが伺え、「血統と環境って重要だ」と感慨深くなった。 最後までほのかな暖かさ感じながら、中だるみすることなく読み進めました。 | ||||
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これは宮沢賢治の父・政次郎を主人公にした小説である。父親の目を通して描かれる賢治の姿は、これまで私の信じてきた賢治像とは大きく異なる。宮沢賢治は、貧しい農民に尽くしながら文学の道を歩んだ聖人君子のような青年ではなく、相当に変人で、生活力に乏しい、夢を追い続けた男だったというのである。 政次郎は商家の2代目に生まれた。学業優秀であったが、父に「質屋に学問はいらない」と言われ、小学校卒で家業を手伝った。彼は辣腕の商人となって事業に成功するかたわら、長く町会議員を務め、東京から文化人を招いて講習会を開くなど、地方の名士として尊敬を集めた。彼は家長らしく厳格に振舞おうとしたが、子供たちにはつい甘い顔を見せてしまうのだった。 賢治は子どもの頃から病弱で、気に入ったものには異常に熱中する、かなり変わった少年だった。彼は強く希望して盛岡中学校へ進学し、やがて盛岡高等農林学校へ進む。卒業後は家出して上京したが、父はそれを咎めるどころかむしろ温かく見守り、賢治にせっせと送金した。親バカではあったが、親は子どもの壁になってはならないとの自覚からの放任であった。賢治を冷静に見守りつつ、援助を惜しまない父親の心情には 胸を突かれた。 政次郎が賢治の特質を見抜いて彼の望むようにさせたことで、賢治は独特の世界観を育むことができた。彼の作品群は父の財力と庇護のもとでこそ生まれたのである。そこが同郷の天才歌人・石川啄木との違いであろう。一般に父親は自身が果たせなかった夢を男の子に託し、男は父を超えたいと願うものだ。政次郎と賢治は互いに尊重し合いつつ、思いはすれ違う。読み終えてタイトル「銀河鉄道の父」には深い意味が込められていることに気づく。まさに政次郎が「宮澤賢治」をつくったのである。 終章の賢治没2年後の夏、政次郎が孫たちを前にして「雨ニモマケズ」を読みあげる場面に泣けた。創作ではあるが、限りなく史実に近いのではないか、と思わせる力を持った父と子の物語である。 | ||||
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図書館から忘れたころ順番が来ましたと案内が来たので、今読んでいる本を止めて、こちらを読みました。 事実をどこまで素材として反映しているかわからないが、読みやすく物語としては面白かった。 宮沢賢治も作品だけ読む分には聖人だが、石川啄木と同じで生活力はまるでなかったようだ。 同郷の少し先輩である石川啄木との大きな違いは経済力のある父の後ろ盾の有無ではないかと思う。 「永訣の朝」のエピソードは作家と凡人の意識の乖離が父の目を通してうまく表現されていた。 宮沢賢治全集は全て読んでいたので興味深く読めました。 2年前に出版されたドナルド・キーンの「石川啄木」と本書。 どちらが版を重ねるでしょうか。 また別のサイトでも本書は大評判のようでした。 これをきっかけにもう少し宮沢賢治が読まれることを期待します。 | ||||
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宮沢賢治の父、政次郎の視点で描かれる物語。 父として、商人として、いかに生きるかという彼の苦悩が、きめ細やかな描写でひしひしと伝わってきました。 それと共に息子である賢治の思いも切実で、何度も心を揺さぶられる作品です。 | ||||
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この父があったからこそ、宮沢賢治が残ったんだと思います。 なんだかんだありながら、賢治を囲む人たちがいて数々の名作が生み出された。 最近読んだ本では傑出していました。 | ||||
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家族でも伝わらないことってあると思いましたが、最後まで読んでスッとした良い気分になりました。。 | ||||
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花巻には何度か訪れているのですが、宮沢賢治の視点に立った見方ばかりをしてしまいます。その背景に光を当てた視点は面白いものです。できれば、この3倍ぐらいのボリュームにしていただけるともっと楽しめたと思います。 | ||||
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一気に読める。父親から見る息子。そうだよね。息子を愛おしく思うのはまさにその仕方。女性ファンから見ると賢治が過少評価されているかのように誤解する人もいるかもしれませんが、父が一生懸命息子をサポートしようとする視点の問題で賢治の偉大さにかわりはありません。その偉大な賢治も父からは誇らしくも可愛くて可愛くてしょうがないそんな存在なのですから。 | ||||
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宮沢賢治という個性的で純朴な人を家族に持ったら、その家庭ははどんなだったのかと興味が湧く。その宮沢家の父親の視点で物語は進む。家長としての威厳を保ち、質屋という家業を支える父親の苦労が良く書かれている。そして賢治という破天荒な長男と妹のトシの関係なども微笑ましい。五人の子供を育てる明治の無骨だけれど深い愛情を持つ父親。岩手の厳しいが美しい自然の中で育まれた親子の愛と確執の物語は時に笑い、時に涙し父性という、地底から滲み出てくる泉のような清冽な愛情がある事を思い起こさせてくれた。 | ||||
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正治郎の言葉が印象、本を読み活字との無言の対話で生身の人との対話の苦痛、一緒に成長するということは相手の中に自分にないものを発見するその連続 | ||||
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宮沢政次郎、つまり賢治の父に焦点をあてた小説である。 賢治をはじめ、子ども達に厳しくあたろうとするけれども、結局甘くなってしまう父親。賢治が病気になれば病院に泊り込み看病する。「質屋に学問はいらねー」という隠居の喜助の言に対し、中学校へ行くという賢治の肩を持ち、店を継ぐ話があったにも拘わらずそれを沙汰止みにして高等農専に進学することに承諾を与えてしまうところなどにそれは現れる。宮沢家が「南無阿弥陀仏」なのに対し賢治が「南無妙法蓮華経」を唱えるのに異論を持っても、賢治が亡くなって政次郎は「改宗しようか」と思うのである。 本作は、賢治の所業を網羅せず、父との関係において必要なエピソードのみで構成される。それゆえ、賢治の全体像は見えない。それは、妹トシや弟清六にしても同様である。 | ||||
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