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屍人荘の殺人
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屍人荘の殺人の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点2.97pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全212件 21~40 2/11ページ
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こういうストーリー展開を考えた作者には、拍手を送りたいです そういう意味では、★4 いくつか、ご指摘があるように、本格ものとして捉えるなら、★1未満かも 本格ものなら、読者が結末に至ることができる道しるべを、断片でもいいので、残しておいてほしいものです。 あと、登場人物を増やして、犯人をわかりにくくするのも良いですが、それなら、人物描写をもっと盛り込んでほしいですね。 なんか否定的なコメントばかりですが、ライトノベルとしては、いいんじゃないですかね | ||||
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あまり長々と書くとネタバレになるかと思います。結構面白いです。 まだ読み終わっていないけど、SFミステリーなのかな? 読みやすいです。 | ||||
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前評判が高いために期待値が上がり過ぎなのが評価を下げているのかなと思いました。事前に何の情報もなく読めば楽しめそう。 ただ、確かに文体はライトノベルっぽいのでそれを受け付けない方は止めたほうがいいかもしれません。格式高い本格ミステリを求めてる方には不向きかな。 著者はエンターテイメント小説を目指して書いたようなので、普段本を読まない人でも読みやすいような文体にしたのかな、と思いました。 内容は、私はミステリーもゾンビものも好きなので楽しい読書時間でした! ゾンビ好きならオススメします。 謎解きはきちんとしてますが普通な印象だったので、ミステリーマニアの方は物足りないかな? ミステリーを普段あまり読まない方だったら衝撃を受ける楽しさかも? 私は読んで良かったなと思います。 謎解きに驚くというより、そこまでの過程が楽しかったです。 登場人物は明智さんが好きでした。 文中に出てくる睡眠薬の説明は若干間違ってるかな。 | ||||
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まさかの事態で閉鎖された空間で起こる連続殺人事件。閉塞された緊張感と巻き起こる連続殺人の緊張感。2つの緊張感が新しい感覚で最後まで一気に読んでしまいました。今までにないミステリーと別ジャンルの話の融合がとにかく面白い作品でした。 探偵少女比留子のキャラクターが魅力的で最後まで読んでもまだ謎が残るようなキャラクターです。比留子を活かした続編やアナザーストーリーを読んでみたくなりました。 メモ 2018年「このミステリーがすごい!」第一位 オススメの方 1.新しい形の小説を探している方。 2.ミステリー好きの方。 3.映画を見た方。 | ||||
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今回は密室物のミステリー。大学生たちが合宿をしていた館に、ゾンビがやってきて密室状態にする。そこで次々と起こる殺人事件。 ゾンビの存在がスリルを生んで、一気に読むことが出来た。登場人物も魅力的だった。ミステリー初心者の私には、謎も面白かった。 | ||||
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3年前に読み、ストーリーを忘れかけたこのタイミングで読みました。 しかし、面白かった。クローズドサークルの形成のしかた自体が現代的で、綾辻氏や他の作家の作るものよりも(非現実的とは言え)奇抜でなかなかのアイデア。非現実的でない、と批評する人がいるがミステリーなんだから、自分自身をそのような世界に埋没させることも楽しみ方ではないか。 エレベータのトリックや2度〇〇すというアイデアも、おもわず ”あっ”と叫んでしまった。3作のうち、やはりこれが一番か。今後の次回作も大変期待したい。 | ||||
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面白かったです。予備知識なしで読み始め、あまりにぶっ飛んだ設定に好奇心と違和感を感じつつも楽しく最後まで読みました。こういうのもありか。小説の世界の新しい広がりを見せてもらいました。 | ||||
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クローズドサークルものの本格ミステリ。 名探偵が、学生サークルの合宿で起きる連続殺人の謎を解くのだが、クローズドの設定が度肝を抜く。キーマンと思しき人物が早々にアレ?となったり、ポップなのかと思えばシリアスだったりと、良い意味で細かな裏切りにあう。 不可能犯罪のトリックが舞台設定を強く関わっている点で、よく練られている作品である。反面、真犯人が瞬時にこれを利用するというのは現実的ではないのかもしれない。真犯人の動機も連続殺人を犯すほどかというと、疑問符がつく。 テンポが良く、ハラハラドキドキのホラーとしても楽しめるので、満足度は高いだろう。 | ||||
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事前に知ってた概要から、もっとパニックホラー的なエンターテインメント性の強い小説かと思っていたら、あらビックリちゃんとミステリーしている! 他のレビューにも書かれてますが「ラノベ風」ではありますね。登場人物のルックス、発言、思考がアニメっぽいです。薄さを感じるので嫌いな人は嫌いでしょう。 また非現実のものを登場しているので、真面目に推理しにくい。この世界観ではこうですって地の文で定義もされてないので、何でもありワールドに思えて殺人事件部分を推理する気になれなかったです。 でも、小説としての完成度は高いです。各所で好評なだけあり、総評は面白かったです。 それはそうと、表紙の遠田というイラストレーターさんが好きじゃないので変えてほしいなぁ。この人が書くといつも同じ顔ドアップ…表紙がどれも同じに見える。 | ||||
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特殊なクローズドサークルの設定に最初は度肝を抜かれます。そして巻き起こる殺人。 フーダニット、ハウダニット、そしてホワイダニット。 どこに注目して見るかで面白さも変わってくる。個人的には探偵役のwhyの異質感が冴えていて楽しめる。事件を解決する理由、元来の探偵者の探偵とは違った目的を持っています。 また特異なクローズドサークルを作り出している原因、その存在があって初めて成立するトリックもまた通常の密室推理ものと一線を画していて楽しめる内容でした。 不運な探偵さんの今後にも期待したいところです。 | ||||
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一部ラノベ的なノリに批判的なレビューもありましたが、私としては違和感なく最後まで楽しめました。ありがとうございます。 ただ、個人的にちょっと期待したのは(以下ネタバレあり) 一番キャラの濃い明智が早々に消えたので、これはあとで必ずどんでん返しの復活があるかと思い期待していました。明智が実はゾンビ以上のしぶとさであの修羅場を生き延びていて、最後にヘリに乗って救援部隊を引き連れ参上。ペンションの屋上で葉村と涙の再会…なんてやってくれたら泣いてたかも。 その後は葉村をめぐっての明智と比留子さんとの奇妙な三角関係が続く、探偵トリオシリーズ…なんてのはそれこそ完全にラノベのノリですよね。失礼しました(*≧∀≦*) | ||||
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ラノベを彷彿とさせる軽い文。アニメや漫画に出てくるような記号的なキャラクター。 ミステリーに興味はあるけど本格ミステリーは敷居が高い。という方にオススメです。 良くも悪くも軽く読めます。 深い動機や人物背景などはいったん横に置いておいて、そういうエンターテイメントとして楽しむのが吉です。 | ||||
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わたしは単行本で読んだのですが、現在アマゾンでは単行本が売られていません(不思議ですね、わたしはアマゾンで買ったんですよ)。という訳で感想を文庫本の書評欄に書き込ませていただきます。アマゾンは大変便利に利用させていただいていますが、時々こうした現象がおきるようです。もっとも注文履歴から入ると単行本に行き着きます。このあたり、改善できないでしょうか(わたしの探し方が下手なのかも知れませんが...)。 本編の中で主人公の葉村に云わせているように、密室殺人・クローズサークルはかなり以前からもはや種切れになってしまっています。結局葉村が解説するとおり、何種類かのトリックを組み合わせることによって何とか新しい物を作り出しているのだ、というのはみずから大のミステリファンである作者の実感・本音であると思いました。 そんな中で生物化学兵器が生んだゾンビの出現によるクローズドサークルという突飛な発想、しかもそのゾンビをうまく利用した殺人というのは確かに面白い工夫だと思いました。作者がデビュー作で第27回鮎川哲也賞を受賞し、大変に玄人受けしたというのも頷けます(審査員が全員Aをつけたそうです)。何しろネタ切れのところに「これでどうだ~!」と暴投気味の剛速球で乱入したのですから、いわゆる本格ミステリ作家たちにとっては衝撃だったのでしょう。 とはいうものの少し穿った見方をすれば、これは確かに本格ミステリにはなかったものかも知れませんが、他のジャンルを見渡せば特に珍しいものではなく、そういうジャンルを越えた組み合わせが新鮮だったというだけだという批判も当然あるとも思われます。しかしこの作者の何が何でも読ませてやる、という気合いには一目も二目も置かなければならないと思います。突き放して批評するのは簡単ですが、自分で実作するとなると話は全く別になるからです。わたしは作者のチャレンジ精神を評価したいと思いました。 という訳で、わたしはこの作品を評価したいと思うのですが、一方かなりの方が指摘されているように文章には改善の余地がありますね。特に会話文はだれが喋っているのか分からなくなって、読み返す場面がかなりありました。男まさりの高木が男臭い言葉遣いをするのはまあいいとしても、気が弱いと設定されている女子まで男言葉で普通に話すというのには違和感があります。作者は工夫したつもりなのかも知れませんが、もっと自然な文体、会話体を使った方が作品の発想が生かされるのではないかと思いました。たとえばまず冒頭のところから、葉村が使う一人称を「俺」ではなくて「ぼく」しただけで作品のイメージが相当変わり、その後の登場人物たちの会ものになっていたものになっていたのではないでしょうか。 | ||||
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文句なしに楽しませて頂きました。 ミステリー好きにも○○○好きにも、2度美味しい展開 ヒロインが災いを招く体質の為に家族からも疎んじられる、という中二病丸出し設定もご愛敬。 ○○○を台風や崖崩れや猛吹雪の代わりに使うシチュエーションは、誰も思い付かなかったというよりも皆思い付いたけどあえて書かなかった、という感じですが危機感と恐怖感を煽るには○○○という存在が 読み手の共通認識として定着している今は、とても上手く配置されています。 お気にキャラが、この手の話では出た瞬間に死亡フラグが立っているオタク系マニア君だったので、 奇跡的に助かって良かったです。(助かった後はともかく) 登場人物のネーミングにイメージを関連付けているようなので、ワトソン君の名前が「新旧交代」を意味する 「ゆずりは」なのが気になるところです。 唯一引っかかるのは、序盤で死亡する探偵に日本を代表する名探偵の名を2人も使い、さらにその二つ名には 世界的に有名な名探偵の名を使っていながら、あっさり○○○の餌食として退場させた意図でしょうか。 「これからはチートな美少女探偵の時代だから、古臭い昭和の名探偵はさっさと退場してね」だとすれば 意気込みと言うよりも、不遜が過ぎると思います。 | ||||
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話題作だし、安く手に入ったので。最初の段階でゾンビが出現して、ミステリーはどこ行った?って途中離脱に耐えながら読み進めると殺人事件が発生。しかも半密室。ゾンビ苦手なのでその描写部分は怖かったけど、推理部分は面白かった。そんなのあり?って考えたらミステリーはつまらない。誰が犯人?どう謎解きするの?あっという間に読み終えた。ゾンビウイルスが蔓延せず終息したのは良かった。現実はウイルスはストップせず天井知らず。本書のように終息してくれたらいいのに。 | ||||
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数年前にTVや映画で流行った〇〇〇でクローズドサークルを作ってしまう発想が斬新だった。 伏線やトリックもほどよく散りばめられていていて読みやすかった。 ただ、犯人の動機が連続殺人を企てるにしては弱いかと。。 あと序盤を読んで活躍を期待していた人があまりにもあっさりと舞台からいなくなってしまったのが残念でした。 過去のミステリ3冠の「容疑者Xの献身」と比べてしまうのは酷だが十分に楽しめた。 | ||||
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. 本作は『『このミステリーがすごい!2018年版』、“週刊文春”2017年ミステリーベスト10、『2018本格ミステリ・ベスト10』で第1位を獲得し、第18回本格ミステリ大賞「小説部門」を受賞。』(「BOOK著者紹介情報」より)とあるように、刊行当時に、特にマニア層からのたいへん高い支持を得た作品であり、その勢いのままにベストセラーになり、映画化もされた作品である。 しかし、文庫版「解説」で有栖川有栖が『優れた作品だからこれほどの成功を収めたのだが、本格ミステリに限らず他のジャンルの小説でも映画でも、出来がよろしくて面白いからヒットするのではない。読者も観客もお代は先払い。まずは、面白そうだからヒットするのである。』と書いているとおりで、ベストセラーとしての「数字」を形成した読者のほとんどすべてが、本作に満足したというわけではないようだ。 だが、本作に関し、真っ二つとは言わないまでも、評価が割れた理由は、さほど難しいものではないだろう。 要は、「ミステリマニア」からは抜群に高い評価を受けたけれども、一般の「面白い小説を読みたい読者」には、さほど喜ばれなかった、ということだ。そして、その理由も、比較的簡単明瞭である。 本作が、ミステリマニアに受けた理由は、 (1A)本格ミステリとして、非常に凝っており、よく出来ている。 (2A)マニア心をくすぐる、古典的先行作品などへの言及が多い。 といったことだ。 一方、本格ミステリというジャンルに特にこだわりはなく、ただ「面白い小説を読みたい」というだけの読者にとっては、上の2つのプラス要因は、容易にマイナス要因へと転じてしまう。すなわち、 (1B)複雑すぎて、一読で充分な理解が得られない。 (2B)当然、マニアネタは理解不能。それよりも、もっとキャラクターを立たせて欲しかった。 といったことになってしまうのだ。 (1AB)について言えば、マニアは多くの先行作品を読んでおり、「教養」として、あらゆるパターンを熟知している。そのため、シンプルな「造り」でマニアを驚かせる(あるいは、騙しおおす)のは困難なため、後続の作品はおのずとその構造的複雑度を増すことになりがちだし、本作も、作中で語られているとおり「トリックは出尽くしたと言われているからこそ、合わせ技の工夫」がなされてもいるのだ。 言い変えれば、過去の作品をさほど読んでいない「非ミステリマニア」の読者にとっては、「前例のあるワントリック」だけで十分楽しめるのに、本作ではそれは乗り越えるべき前提でしかなく、その上に二重三重の工夫が施されるため、それを楽しむことはおろか、その複雑さについていくことさえ出来ない、ということになってしまっているのだ。 喩えて言うなら、将棋を指したことがないにも等しい素人が、プロの対局を見せられるようなもので、そんなものを「楽しめるわけがない」のである。 (2AB)の問題について言うと、先行作品の言及というものは、ミステリに限らず、文学鑑賞の楽しみの一つである。古典をおさえているからこそ楽しめる「メタ・テクストの楽しみ」というのは、それが単なる「マニアに対するくすぐり」であったとしても、否定されるべきではないだろう。 ただし、これは「非マニア」にとっては、ほとんど雑音にしかならないものでもあろう。 だからこそ、作家がより多くの読者に読まれることを望むのであれば、つまり「マニアウケの傑作」に満足するつもりがないのであれば、「ジャンルを超えた、読みの楽しみ」を提供しなければならないし、それは単に「キャラクターを立たせる」とかいったことだけではなく、例えば「人間の内面を掘り下げる文学性」だとか「社会性」「哲学性」といったものも含まれてこよう。 つまり、「本格ミステリとして優れた作品」にとどまらず、「エンタメ性においても優れた作品」であるとか「文学性を有する優れた作品」でなければ、「一般性」は持ち得ないのである。 そして、そう考えた場合、本作は「ミステリマニアウケの傑作」ではあったけれど、「エンタメ性においても優れた作品」とまでは言えなかったし、ましてや「文学性を有する優れた作品」でもなかった。 端的に言って、作者自身も、そこまでは意図しておらず、単に「よく出来た本格ミステリは、面白い」という意識で本作を書いたのだが、想定していた以上の広汎なブームになってしまった、というのが偽らざるところなのであろう。 つまり本作は、如上のような作品であったからこそ、読者が「ミステリマニアか否か」という点において、評価が分かれがちなのである。 ○ ○ ○ しかしながら、これは本質的な問題ではない。 将棋の喩えでも示したとおり、本作は「マニア的意識」において書かれたが故に、マニアは喜ばせたが、それ以外の一般エンタメ読者への配慮が充分ではなかったため、「肝心な部分」だけでは楽しんでもらえなかった、ということにすぎないからである。 つまり、本作を評価する場合、「一般エンタメ性」や「文学性」が足りないと注文をつけることは、さほど意味のある批判ではなく、基本的には「無い物ねだり」でしかない。 だから、本作を本質的に批判するとすれば、それは本作を「本格ミステリ」として批判しなければならない、ということになるのだが、そこを批判した人は多くないはずだ。 なぜなら、「マニアは絶賛、非マニアは無い物ねだり」になりがちだからである。 本作の「本格ミステリとしての欠点」は、その「人物描写」にあると言えるだろう。 つまり、トリックそのものや作品の造りの巧緻さは素晴らしいものの、「登場人物」の「心理」描写に無理があり、その点で「そんなことはやらないだろう」とか「そんなやつはいないだろう」といった「本格ミステリとして無理」が生じているのである。 また、その無理を押し通したからこそ、こうした複雑な作品に「いちおう破綻のなく、辻褄を合わせることもできた」のだが、やはり「心理的な無理」は、「本格ミステリとしての欠点」と言わねばならないものなのだ。 具体的に書くと「ネタバレ」になってしまうので、一般的な書き方でご勘弁願うが、要は、犯人を含め登場人物が「きわめて不自然で極端な(人格分裂的)行動」をするおかげで、本作は成立し得た作品であり、この「心理的な極端さ(無理)」は、本作に描かれる「フィクショナルな極限状況」のせいにすることはできない、「それ以前のもの」なのである。 本作では「なぜそんな極端なことをしたのか」という部分については、「じつはこんな哀しい過去があって、どうしてもそうせざるを得なかったのだ」という、「後づけの説明」が何度かなされる。 もちろん、多少の伏線は敷かれていて、完全な「後出しジャンケン」にはなっていないものの、そうした伏線だけでは、読者はその「不自然な行動の理由」を論理的に推測することは不可能であり、その意味でこの点が「本格ミステリとしての弱点」となっているのだ。 しかも、この「後づけの説明」における「じつはこんな哀しい過去があって、どうしてもそうせざるを得なかったのだ」というパターンの説明は、本稿のタイトルにも示したとおり、ほとんど「泣き落とし」であって、読者に対し「この理由説明で納得しないのは、心が冷たいからだ。これを聞けば、そこまで極端な行動に走ったのも、やむを得ないところだと、納得できるはずだ」という、一種の「脅迫」になってしまっているところが「問題」なのである。 要は「納得させればいい、というわけではない」のだ。 真に優れた「本格ミステリ」であるためには、「心理の自然な動き」が描くことで、読者を「論理的」に説得させなければならない。 無論、ミステリは「人間心理を描くための小説ではない」から、木偶人形のような登場人物でしかなかったとしても、それがその描かれた世界に矛盾・違和のないもの(としての構成要素になっているの)なら、それはかまわない。 しかし、本作の場合「そんなことはやらないだろう」とか「そんなやつはいないだろう」と、一般読者に感じさせてしまうところで、あきらかな「無理」がある。 その一方、ミステリマニアというのは、マニアというのが往々にしてそうであるように、自ジャンルの好意的な者に対しては、過剰に好意的になりやすい。「この作家は、こちら側の人間(仲間)だ」と思うからであるし、だから「あばたもエクボ」といった評価に流れてしまったりもする。 そして本作の場合だと、この「心理的な無理押し」に対しても「本格ミステリの論理としては、許容範囲内」だと認めてしまう。 たしかに「許容範囲内」ではあるかもしれないが、しかし、それはそもそも、「傑作」と呼ぶべき作品への評価ではないのである。 坂口安吾の『不連続殺人事件』が、この「心理の不自然さ」という一点を正確かつ論理的に描いて、「本格ミステリ」の名作として名を残した作品であるとすれば、本作『屍人荘の殺人』は、その点において、大きな欠点を抱えた作品であり、その同じ点で一般読者の反感を買ったとも言えるだろう。 「むだに暗い(陰鬱だ)」とかいった評価は、確かに主観的で幼い評価だとはいうものの、それは本作の「(泣き落としの)無理」を言い当てている部分もあったのである。 文庫解説で有栖川有栖が言ったような、本作が、綾辻行人の『十角館の殺人』や山口雅也の『生ける屍の死』に匹敵する、時代を画する傑作だと評価するためには、この「本格ミステリとしての、心理的な無理」は、やはり問題とせざるを得ない。 読者を自然なかたちで説得して「納得」させるのではなく、言わば「最後は泣き落とし」の無理押しというのでは、「美しき(スマートな)論理性」を愛する「本格ミステリ」というジャンルにおいては、やはり瑕瑾と呼ばざるを得ないのである。 . | ||||
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漫画を読んで面白そうだったので、読んでみました。 レビューの星をみたときは両極端なので心配しましたが、自分にはあった感じで面白かったです。重苦しくて読みづらいのは苦手なので。 ただ、ゾンビへの恐怖も薄く、意外とみんな冷静だし、ゾンビ自体もあまり暴れまわらないんだなとは思いました。 が、そういうのを強調してしまうとゾンビものになってしまうからなのかな? | ||||
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面白かった | ||||
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良作の教科書じゃ無いですよw 小説賞取りの教科書です。 他ジャンルの融合、 だまし、主人公殺し、伏線張り、 全て小説賞を取るための作品。 小説家になる人は絶対参考になる。 でも文体はもっと磨ける。 おんなじ様な作品が何作も 応募されるんだもん。 いかに常識を壊すか。 大事だよな。 面白さより関心したw | ||||
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