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湖畔荘



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湖畔荘の評価: 4.33/5点 レビュー 27件。 Bランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点4.33pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全27件 21~27 2/2ページ
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No.7:
(5pt)

hiroko

新作が出るといつも楽しみにしています。ページを繰る手がとまらなくなります。ほっとする結末でした。
湖畔荘〈下〉Amazon書評・レビュー:湖畔荘〈下〉より
4488010725
No.6:
(5pt)

湖畔荘

期待通りの面白い作品でした。最後の結末が気持ちよく読めました。
湖畔荘〈上〉Amazon書評・レビュー:湖畔荘〈上〉より
4488010717
No.5:
(5pt)

綺麗で、素晴らしい作品だと感じました。

手前勝手に純粋なミステリー作品だと思い読み始めましたが、読み終えた心地としては、訳者の方があとがきで語られていた通り、大人のためのお伽噺という評価に納得してしまいました。正直、「偶然」という言葉が重きを置くような作品はあまり好きではなかったのですが、それを飛び越えて読み心地の良い作品でした。また、私は文章から描かれている情景や風景を読み取るのが苦手でしたが、この作品では素直に湖畔荘を取り巻く自然の姿に感じ入ることができました。恥ずかしながらケイト・モートン氏の作品を初めて読ませて頂きましたが、ぜひ他の著書も読んでみたいと思いました。
湖畔荘〈下〉Amazon書評・レビュー:湖畔荘〈下〉より
4488010725
No.4:
(5pt)

面白かった!

読み終えた感想は、面白かった!最後でピタリと収まるとは、途中では想像もつかなかった。読みはじめの頃は、登場人物が多くて、誰が誰や誰やら・・・。何度も前のページに戻って読み返しました。ケイト・モートンは初めて読んだのだが、他の作品も読んでみるつもり。
湖畔荘〈上〉Amazon書評・レビュー:湖畔荘〈上〉より
4488010717
No.3:
(5pt)

「とても耐えられそうにないことにも耐えられる勇気を、与えてくれるのが愛なんだよ」

英国南西端コーンウォールに荒れ果てた屋敷・湖畔荘がある。1933年、屋敷に暮らすエダヴェイン家の幼い息子セオが姿を消した。あれから70年。屋敷の現在の所有者はセオの姉アリスで、事件当時16歳だった彼女は今、著名な推理作家となっていた。
 一方、ロンドン警視庁の刑事セイディは捜査情報をメディアに漏らしたことを咎められ、祖父が独りで暮らすコーンウォールで謹慎の日々を送っていた。そこでエダヴェイン家の幼児失踪事件に興味を持ったセイディは、真相を追おうとアリスに連絡を取るが、なぜかアリスは返事を寄こそうとしない…。
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 オーストラリア人作家ケイト・モートンの最新邦訳作品です。これまで東京創元社は青木純子氏の翻訳で『』、『』と、この作家の素晴らしいミステリ小説を紹介してきてくれました。同じ翻訳者の手になるモートンの新しい邦訳が出たと聞き、一も二もなく手にしました。
 今回も前二作同様、過去と現在が交互に描かれ、女性たちの悲しい秘密が徐々に明らかにされていきます。
 今回の『湖畔荘』では1933年と2003年それぞれのイギリスに暮らす女性たちの母とその子供をめぐる3つの事件が交錯していきます。そのぶん、小説全体に登場する人物の数は多くなり、その相関図も複雑になりがちなはずですが、この作品では人々の関係を一度として見失うことがありませんでした。これまでと同じく、上下巻で600頁を超える大部の著ですが、最後まで倦むことなく読み通すことができました。それもやはり青木氏のリーダビリティの各段に高い訳文に助けられたからでしょう。
 今回は物語の背景に第一次世界大戦の悲劇があります。戦争は、それが終わった後も、いつまでも執拗に人々をむしばみ続けるのです。戦争のいつ果てるともわからぬ悲しみが迫ってきます。

 幼子セオ誘拐事件の結末について、私は上巻を読み終えるあたりである種の期待を持つようになりました。驚いたことにその期待どおりの結末をこの物語は迎えるのです。それはミステリの質を下げるご都合主義と捉える向きもあるかもしれない性質のものです。万人の了解を得られるものであるかどうかはわかりません。
 翻訳者の青木氏も「訳者あとがき」で「『うひゃ、そう来ましたか!』と絶叫する人が少なからず出てきそうな気がする」と懸念を記していますが、その一方で「モートン作品はこれでいい、これは大人のためのお伽噺なのだ」とも書いています。作者モートン自身、ベアトリスというキャラクターにこう語らせています。
「もうエリナったら、純情ぶっちゃって! 人生はお伽噺じゃないのよ。本の世界ならそれもいいけれど、魔法みたいなものは現実にはないんですからね」(上巻119頁:エリナの従妹ベアトリスの言葉)

 私自身はといえば、青木氏の言葉にうなずく気持ちがあります。そしてさらに言えば、セオがたどった運命の背後に、いみじくも登場人物のひとりルウェリンが諭すように語る次の言葉が、大きな伏線であったことに思い至り、心が心地よくざわついたのです。
「われわれ人間は、どこでどうやって誰と生きていくかを自分で選べるとは限らないんだ。それに耐える勇気を、とても耐えられそうにないことにも耐えられる勇気を、与えてくれるのが愛なんだよ」(上巻105頁)

 思い通りにいかないこの人生をなんとか前に向かって歩き続ける力の裏に<愛>がある――私はまたしてもそれをこのケイト・モートンの小説から教えられた気がします。

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 東京創元社は老舗出版社ですし、ケイト・モートンの長編小説を出版するのは初めてではないのですが、今回はどういうわけか校閲がかなり杜撰です。前著の時とは校閲者が変わったのでしょうか。せっかくの青木氏の翻訳を、校閲者が台無しにしているところが散見されます。
 いずれ文庫化されるときに修正されることを期待して、私が気づいた誤字脱字、誤訳を以下に指摘しておきます。

*上巻148頁:「ダヴィズ・ルウェリンにインスピレーションを与えた人物として。著者はエリナ・ドシールに光を当てていた」とありますが、途中の句点は読点であるべきです。

*上巻231頁:「アリスは魂が抜けみたいな顔つきになってしまった」とありますが、正しくは「アリスは魂が抜けたみたいな顔つきになってしまった」とするべき。「抜けた」の「た」の字が抜けています。

*上巻234頁:「『さあ行くわよ、おちびちゃん』言ってセオの手についた泥をぬぐう」とありますが、「と言って」とするべきです。「と」の字が抜けています。

*上巻281頁:「障害を持つ娘の介護に明け暮れた」とあります。「障害を持つ」とするか、「障害がある」(あるいは「障害のある」)とするかが日本では平成になってから議論になっています。どちらが正しい/正しくないということは簡単には判断できませんが、徐々に世の中は「持つ」から「ある」へ移行しているようです。文庫化するころにはこの表現に関する議論はさらに進んでいるかもしれません。

*下巻33頁:出征するアンソニーを妻のエリナが見送ったときのことを、「戦地に向かう夫を見送った一九一一年のあの朝」と訳していますが、これは間違い。正しくは「一九一四年のあの朝」です。原文を確認したところ、「the morning in 1914 that she’d waved him off to war」となっていました。第一次世界大戦が始まったのが1914年だったことを校閲者が知っていれば、アンソニーは1911年に出征するはずがないと気づけたはずです。

*下巻35頁:「もしやその後に何かあったのでは不安に襲われた」とありますが、正しくは「もしやその後に何かあったのではと不安に襲われた」です。「と」の字が抜けています。

*下巻52頁:「この店につき合わされるはいつもセイディだった」とありますが、正しくは「この店につき合わされるのはいつもセイディだった」です。「の」の字が欠けています。

*下巻68頁:「MTといかう人と食事をする約束になっていた」とありますが、正しくは「MTとかいう人と食事をする約束になっていた」です。「といかう人」ではなく「とかいう人」です。文字の順序が間違っています。

*下巻113頁:「その合間にこちらをちらちらちら盗み見ていた」という記述がありますが、この日本語は奇妙です。「こちらをちらちら盗み見ていた」、あるいは「こちらをちらちらちらちらと盗み見ていた」ならまだわかりますが、「ちら」が3回というのはオノマトペとして変です。

*下巻210頁:「この推理をはじめて口にしたとき。セイディもアリスと同じ気持ちだった。」とありますが、途中の句点は読点であるべきです。
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 同じくオーストラリア人作家が書いた以下の書も紹介しておきます。
◆M・L・ステッドマン『』(早川書房)
 灯台守夫婦と幼い赤ん坊を襲う悲劇の物語です。第一次大戦後がもたらす悲しみの大きさが胸を打ちます。映画化され、『光をくれた人』の放題で2017年に日本でも公開されました。
湖畔荘〈下〉Amazon書評・レビュー:湖畔荘〈下〉より
4488010725
No.2:
(5pt)

さらに面白くなった

これまでの3冊も面白かったけど、今回はさらに面白かった。3つの時代を行ったり来たりしながら話が進みますが、途切れることなく話が進み、テンポが良く、これまで以上に違和感がなく読むことができました。
最後のところは「え〜、こうなるの」と読み返してしまいました。
翻訳も読みやすくて良かったです。
湖畔荘〈上〉Amazon書評・レビュー:湖畔荘〈上〉より
4488010717
No.1:
(5pt)

さらに磨きのかかった謎と驚きの結末に圧倒された

翻訳ミステリー大賞シンジケートのサイトで、訳者の青木純子さんによるケイト・モートン最新作刊行の告知を見たとき、思わず、待ってました、と胸の中で声をあげた。
『忘れられた花園』『秘密』を読んで以来の、ケイト・モートンの大ファンだからだ。
今回も上下巻! どちらも300ページ超! 合計金額4000円超え。

たしかに長いけれど、まったく退屈することはなかった。
作品の長さと登場人物の多さ、複雑な構成に気後れする読者もいるかもしれないが、個人的には、前二作以上に読み応えのある、とても魅力的な作品だった。『忘れられた花園』『秘密』では謎解き要素がやや弱い印象もあったが、今回は豊かな物語にして、見事なミステリになっていると思う。

舞台はイギリス、コーンウォール地方にひっそりとたたずむ古い屋敷〈湖畔荘〉。
ロンドン警視庁の女性刑事セイディは問題を起こし、コーンウォールの祖父の家で謹慎生活を送っている。そしてジョギング中に荒れ果てた湖畔荘を偶然発見、70年前の、屋敷の赤ちゃんが消えた事件が迷宮入りになっていることを知り、この事件を調べ始める。これがこの物語の核となるストーリー。

男児失踪事件の謎解きの興味とともに、この湖畔荘にかつて暮らしていた家族の秘密が徐々に明らかになっていく。今回もまた物語は3つの時制で語られる。2003年は女性刑事セイディの物語。1933年は赤ん坊の姉のアリスの初恋と事件。1910年代はアリスの両親の出会いと戦争。章ごとに過去と現在を行き来するスタイルはケイト・モートンのおなじみの手法だ、でも今回はさらに複雑さを増している気がする。子供の失踪や喪失の事件がいくつか平行して描かれていて、ちょっと混乱してしまう。付箋を貼り、人物相関図をメモって読み進めたが、筆者の推理は次々に裏切られた。

最後に至っては、訳者が後書きで書いていたように、私も〝えー、そうなるの!?〟と叫んでいたしだい。

翻訳ミステリとロマンスの愛好者としては、ぜひこの本をお勧めしたい。

最後に、訳者の青木純子さんによる美しい日本語(特に自然描写」が大好きです。
湖畔荘〈上〉Amazon書評・レビュー:湖畔荘〈上〉より
4488010717

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