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名探偵は嘘をつかない
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名探偵は嘘をつかないの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.44pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全11件 1~11 1/1ページ
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この作家さんの「午後のチャイムが鳴るまでは」という本を息子がとても気に入ったので、デビュー作である本作を購入してみました とても面白いとのことです | ||||
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探偵機関という組織があるので、まずそこが現実世界と違う。そして、死者が神様の力を借りて幽霊としてこの世に他人の体の借りて生前の記憶を持ったまま戻ってくるという特別な設定の上に出来上がってる作品。レビューを読んで買ったはずなのに、そのことを忘れていて、いきなりの展開にびっくりした。 どうなるのかな・・と思いながら読んでいたけれど、そこはちゃんと辻褄があるようになっていて、ちゃんと納得のいく結末がまっている。なかなか読み応えのある作品だった。ただ、私の理解力が低いせいか、推理の内容がなんど読んでも、ん?と思ってしまう。なので、そこはなんとなく読み進めてしまったが、それでも十分楽しめた。ただ、ネタバレになってしまうかもしれないけれど、幽霊として戻った兄の存在をしって、簡単に姉さんと呼べるようになるものか・・・それがずっと気になっていました(笑) そして、"優玲"という明担当の"神様"の下僕が実は阿久津が中学生の時に犯した殺人の被害者の早苗(9歳)である点、優子が既に誰かに<転生>した事、このため明が<転生>するための条件を"神様"に尋ねるが、そのルールの説明がロジカル・ミステリの香り満載。特に、"神様"の担当範囲が肉体(例えば、バラバラ死体でも修復出来る)であって<魂>は本人のモノがそのまま残るという<転生>のルールの障壁が可笑しいと共に肝("神様"は早苗をワザと<魂>のまま残している)。一方、告訴側の代表者は19年前の早苗の事件の担当刑事の黒崎。結局、早苗の事件が<弾劾裁判>の鍵となる訳だ。そして、この事件に関する阿久津(被疑者だが)の推理はロジックの連鎖で精緻を極めている。一方、早苗の陰謀(?)で阿久津のために自殺(自殺者が<転生>に相応しいというルール)に追いやられた星影へと明が<転生>して裁判に臨む("つかさ"を見守り、<転生>した優子と再会する)という展開も気が利いている。 そして、<弾劾裁判>が劇的な終幕を告げたと思った瞬間、地震が起きて裁判所が崩れ、そこから<非公式裁判>が行なわれるという点が作者の狙いだった。ここでも、それまでの伏線を全て回収して精緻なロジックを展開する作者の姿勢には感服した。「真相を明らかにする事が必ずしも人々を幸せにしない」という隠れテーマは後の「**館の殺人」と通底しているが、本作のエンターテインメントに徹した作風の方が数段優れていると思った。<転生>が多過ぎるといった瑕疵を"荒業"で乗り越える辺りの剛腕にも感心する傑作だと思った。 | ||||
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阿津川氏の作品は数作読んで、どれも凝った設定で楽しめた。このデビュー作はなんとなく装丁が子供っぽくて読んでなかったのだが、作品が無くなってきて今回読ませてもらった。 ジャンルで言えば緻密なロジックで殺人事件の真相を追いかけるわけだから本格モノになるが、この凝った『探偵』と言う職業の設定に始まり、二転三転するだけでなく、次々と起こる事象はこちらの想像の斜め45度上をいく展開。 もはやロジック遊び的な部分もあるが、それすらも本格モノの真髄の一つではあるから、話の展開に身を委ねて楽しんだ。 それにしてもよくぞこんなストーリーを考えられるものだ。まさに異才。 | ||||
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【本作品を選んだ理由】 最近の若手作家で活躍中の人は?と探っていき、アンテナに引っかかったのが、本作品の作者。 大学在学中に応募した作品を、二人の推理作家の助言のもと、2年以上かけて、改稿、推敲したもの。 また、デビュー作である本作品以後も、順調な活躍をして、評価されているということで、手に取ってみた次第です。 【率直な感想】 この作品では、三つの特殊設定があります。 1. 国家資格としての探偵士 本作品の日本では、探偵大学校というものが設置されており、ここを卒業し、難関国家資格をパスすると、探偵士として、警察庁が所管する探偵機関に所属し、通常の犯罪捜査では解決できない難事件について、解決に導くという任務を負っています。 2. 名探偵弾劾裁判 この探偵士の中でも優れ者の、阿久津透。彼が関わったいくつかの事件に探偵士に相応しくない行為があったとして、彼の罷免を巡り、裁判官の弾劾裁判に準じた名探偵弾劾裁判が開かれることに。メインストーリーの部分でもあります。 3. 転生 人は死ぬと幽霊に。日本の伝統的な考えが本作品に登場。幽霊になった者も、ある要件を満たすと、死亡して間もない人間の中に入り込んで、その人物として生き返ることができる。これが転生であり、もちろん、その転生で甦った人物が登場します。 さて、2.で記した弾劾裁判の展開がメインストーリー。 そこでは、探偵士・阿久津透が関わった複数の事件が扱われますが、その中でも中心になるのは、19年前に彼が中学生の頃に関わった「相島早苗殺害事件」であり、この真相を巡っての推理が本作品の核心部分です。 本作品の楽しいところは、推理する人物が多彩なこと。 弾劾裁判で裁かれる、探偵士・阿久津透の推理はもちろんのこと、他の登場人物も、探偵を名乗れるくらいの推理力を持つ人物が登場し、推理の応酬が読みどころのひとつと言えると思います。 このように、正に本格ミステリと呼ぶに相応しい本作品ですが、後半の推理と意外な真相についてはどうだったでしょうか。 最近のミステリは巧妙化しており、後半で意外な真相が明らかになっても、そこで物語は終わらず、さらに意外な真相が待っている。こんな物語が多く、本作品でもそれを踏襲しています。 そこで、最初の意外な真相(第九章)ですが、これはミステリを読み慣れていて、ここは伏線ではないか、という勘が働くような方は、ある程度のところで予想がつくかもしれません。 一方、最後に用意された意外な真相(第十章)。これを見破るのは相当困難でしょう。 「論理のアクロバット」をいくつか組み合わせないと辿り着けません。 ただ、真相が明かされても、「驚き」は少なかったです。 それは、犯行状況の情景が今ひとつ思い浮かばず、「そう言われればそういう位置関係だけどな…」という感じだったから。 しかし、それはこの作品の低評価には繋がらないです。 本作品では、各章の名称が、既存のミステリ小説の題名になっていて、最後の真相が明かされる第十章は、「死者はよみがえる」。 これは、不可能犯罪ミステリの巨匠、カーの作品名です。 カーの諸作品は、密室トリックが解明されても、「そう言われればそういう位置関係だけどな…」で、今ひとつ犯行状況の情景が思い浮かばないものが多いのです。 この最終章は、カーの作品の特質である「そう言われればそういう位置関係だけどな…」へのオマージュだったりして…。 【全体評価】 応募作品そのままではなく、助言を受けながら、改稿、推敲してきた作品だけあって、紙の本なら500ページ超の長編にもかかわらず、緻密に構成され、破綻がないところは、さすがと言え、高品質の本格ミステリに仕上がっていました。 ★の数は4つ。 | ||||
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力作だと思います これホントに本格ミステリかしら?とは思うものの本格ミステリファンは読んで損はしない…と思います これは素晴らしい!と思うキャラも1人居ましたが、別作品で登場してくれるとうれしいですね | ||||
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警察の下部組織として<探偵機関>という組織が存在し、その<探偵機関>の特務探偵士の1人で真相立証のためには手段を選ばない傲慢さで有名な阿久津が、助手の"つかさ"の兄の明が殉職してしまった事件(RPGを基にした見立て連続殺人で明の恋人の優子も被害者)で職務懈怠として史上初の<弾劾裁判>に掛けられるという大胆な構想のロジカル・ミステリ。この事件で、阿久津が真相立証のために明をワザと犯人に殺させたという事由で"つかさ"が阿久津に恨みを抱き、その"つかさ"の復讐を防ぐために明が"神様"の力を借りて<幽霊>としてこの世に舞い戻るという設定(やや幼稚な印象はロジックで吹き飛ばしている)にも意気込みを感じた。まず、各章の殆どの題名が状況に合わせた古典ミステリの名称という遊びがある。 そして、"優玲"という明担当の"神様"の下僕が実は阿久津が中学生の時に犯した殺人の被害者の早苗(9歳)である点、優子が既に誰かに<転生>した事、このため明が<転生>するための条件を"神様"に尋ねるが、そのルールの説明がロジカル・ミステリの香り満載。特に、"神様"の担当範囲が肉体(例えば、バラバラ死体でも修復出来る)であって<魂>は本人のモノがそのまま残るという<転生>のルールの障壁が可笑しいと共に肝("神様"は早苗をワザと<魂>のまま残している)。一方、告訴側の代表者は19年前の早苗の事件の担当刑事の黒崎。結局、早苗の事件が<弾劾裁判>の鍵となる訳だ。そして、この事件に関する阿久津(被疑者だが)の推理はロジックの連鎖で精緻を極めている。一方、早苗の陰謀(?)で阿久津のために自殺(自殺者が<転生>に相応しいというルール)に追いやられた星影へと明が<転生>して裁判に臨む("つかさ"を見守り、<転生>した優子と再会する)という展開も気が利いている。 そして、<弾劾裁判>が劇的な終幕を告げたと思った瞬間、地震が起きて裁判所が崩れ、そこから<非公式裁判>が行なわれるという点が作者の狙いだった。ここでも、それまでの伏線を全て回収して精緻なロジックを展開する作者の姿勢には感服した。「真相を明らかにする事が必ずしも人々を幸せにしない」という隠れテーマは後の「**館の殺人」と通底しているが、本作のエンターテインメントに徹した作風の方が数段優れていると思った。<転生>が多過ぎるといった瑕疵を"荒業"で乗り越える辺りの剛腕にも感心する傑作だと思った。 | ||||
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第1作のようですが、ほかの本にはない魅力が詰まっているものの、詰め込みすぎで消化不良を起こしている面もある作品だと思います。 ネタバレになるので、具体的なことは書きませんが、物語世界にいろいろな設定を詰め込んだのはいいのですが、せっかくの設定を活かしきれていなくてもったいないように思えました。 キャラクターも魅力があり、せっかくの設定(アイデア)も、この延長線上に新しい物語を作れそうなので、同じ物語世界を舞台にした作品が出たら読んでみたいと思います。 | ||||
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阿津川辰海のデビュー作品。 良い作品だった。ポップなテイストで書かれている様で芯が一本入っており、構成も面白い。新しくも一昔前の本格ミステリを読んでいる様な気分になった。 | ||||
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謎解きですが設定が特殊で楽しめました。肝心の「トリック」は選考委員の名前から途中で連想できてしまったのは残念 | ||||
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ない | ||||
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実にいい味のエンタテインメントである。この手のミステリは苦手という向きもあるだろうけれど、僕は素直に楽しませてもらった。 実によく勉強し、実によく考え抜いたものだと思う。著者は東大の現役学生で、当初20歳でこれの元原稿を書き上げたということだが、まったく大したものである。 僕は、もう50代も半ばのおっさんで、以前には20年近く物書きで飯を食わせてもらってきたが、20歳そこそこで、これだけのものが書けるとは、頭の下がる思いである。表題に「奇想天外」と書いたが、単なる奇抜などというものではなく、発想のパラダイムそのものが、まずもって自由で知性的であり、しなやかな奥行きと、哲学的なきらめきに満ちている。決してうすっぺらな思いつきではないということ。だが、それを何気にさらりと書いているところが心憎い。時代感覚もなかなか鋭く、若い人が読んでも、中年が読んでも、年配者が読んでも、楽しむことができるものに仕上げてある。 もちろん、細かいところで突っ込みを入れることはできるが、この作品においては、それは野暮というものだ。読んでみれば判る。だから、ここは敢えて提灯を持っておく。 「師シャーロック・ホームズ」なんてセリフが、全篇にきら星のごとく著者の熱い素敵な想いがいっぱいつまっているセリフが散りばめられていることを象徴している。 ただ、終章からエピローグに至るところで、透君の「思い」に少し触れてほしかったのと、つかさの決着点までが少し甘過ぎる気がしたことだけ、言い添えておきたい。が、もちろん、著者には、そんなことに左右されることなく、自分の世界を思う通りに書き続けていただきたい。 コナン・ドイル全篇、アガサ・クリスティの大半、クロフツやディクスン・カー、ヴァン・ダインやエラリー・クイーン、エドガー・アラン・ポーや江戸川乱歩をはじめとする様々な作品、また、松本清張、東野圭吾、黒川博行、森博嗣、萩尾望都、池井戸潤、柚月裕子の全作品(松本清張以外は今日現在までのという意味ですが)を読み尽くしてきた、僕の率直な感想である。 皆さん、不思議で、残酷で、華麗で、ミステリアスで、心温まる、未知との遭遇を、ご堪能あれ。 | ||||
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