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(短編集)

怪盗ニック全仕事4



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【この小説が収録されている参考書籍】
怪盗ニック全仕事4 (創元推理文庫)

怪盗ニック全仕事4の評価: 4.50/5点 レビュー 4件。 Cランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点4.50pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全4件 1~4 1/1ページ
No.4:
(5pt)

細切れ読みに

読み切りのショート、どれも上手く落ちがついている。飛行機の乗り継ぎ時間にも最適。
怪盗ニック全仕事4 (創元推理文庫)Amazon書評・レビュー:怪盗ニック全仕事4 (創元推理文庫)より
4488201172
No.3:
(4pt)

凄腕の女怪盗にも恋人の突然の心変わりにも全く動じず我が道を行く怪盗ニック第4弾!

短編ミステリーの達人ホック氏が実は自作中で最もユーモアの味に力を入れてきっと執筆しながら終始クスクスと笑っておられたのに違いないと思われる「怪盗ニック」短編全集第4弾です。著者は基本的には真面目なミステリー職人で決してあからさまな笑いを演出する様なタイプのお方ではありませんが、想像するに「取るに足りないつまらない物の窃盗事件」を論理的に成立させてみせて「どや!また普通では有り得ないけったいな話を立派にミステリーとして完成形に持っていったぞ!」とばかりにご自身でも誇らしげに大満足されていたのだろうなと思いますね。今回も帯とあとがきのとぼけた笑いのセンスが漂うキャッチ・コピーで楽しませて頂きましたが、ここで私も思いついたギャグを一つ披露させて頂きます。アメリカで女怪盗サンドラが華々しくデビューした訳ですが、意外に知られていない物の日本で怪盗と言えばやっぱり愛子ちゃんでしょうね。その心は「皆藤(怪盗)愛子」と字は若干違っているのですが・・・・何ともくだらなくてすみませんがお後がよろしいようで。私はこういうお笑いが滅法大好きな性分でして、逆に生真面目で冗談がお嫌いな方に対しましては誠に申し訳ございませんがどうかお許し頂きたいと深くお詫びします。さて、本巻では凄腕の商売敵である女怪盗サンドラが現われた途端に長年の恋人グロリアの突然の心変わりという事で何となく男女三角関係のもつれめいた物も連想しましたが、それはまあ考え過ぎだったみたいでありまして、何れにせよ著者は前巻の相思相愛のラブラブ・ムードなぬるま湯的展開が永遠に続いて行く事に満足せずに多少の緊張と刺激を入れて人間関係の上でリアルさを追及したかったのだろうと推測されますね。我らの怪盗ニックはそれらの変化にも全く動じず我が道を行く人としてもプロとしても人生の修羅場を数々くぐり抜けて来た逞しさがあって全く心配する必要がなく本当に頼もしいばかりですね。これで著者が「変り種の怪盗」テーマに挑んだ全87作のヴァリエーションの内の59作までを読み進んだ訳ですが、残り2冊の28編でどんな風に愉快に楽しんで本格ミステリーのパターンを料理されたのか絶品のアラカルトを期待しながら(併せてニックを巡る人間関係の変化にも注目しつつ)ベテランの職人芸を存分に味わい尽くそうと思いますね。
『白の女王のメニューを盗め』「不可能を朝食前に」が売りの白の女王サンドラ・パリスが現われニックの断った依頼を引き受けて鮮やかな手並みを見せつけるのだが・・・・。贅沢な3つの不可能トリックも手品の種を明かされてみれば少し拍子抜けもしますが何れも如何にも手堅い匠の技ですよね。また派手さはなくてもプロの先輩としてニックは生き残りの才に長けており人間の器がサンドラよりも数段の格上ですよね。『売れない原稿を盗め』素人が書いた短編小説の原稿を盗み出す依頼には過去の戦争の秘話が関係していたのだが・・・・。これは冷静に考えると後半がかなり乱暴で理解が困難な展開ですが、スリル&サスペンスと悪党が自滅する勧善懲悪のドラマはお見事でした。『ハロウィーンのかぼちゃを盗め』ハロウィーンのかぼちゃに書かれたダイイング・メッセージ「247」の意味とは?シンプルながらも実に巧みなアイディアですね。『図書館の本を盗め』白の女王サンドラが再び現われ愛犬が見張る飼い主の男をまんまと誘拐してみせる。図書館の本を盗む理由については割と単純でしたが、片や特異な条件下での人間誘拐の不可能トリックは秀逸な出来栄えでまさに目から鱗の鮮やかさでしたね。『枯れた鉢植えを盗め』急に別れ話を持ち出したグロリアに驚かされたもののニックは予定通りに枯れた鉢植えを盗む旅に出る。古典的な本格ミステリーの良作で意外な結末にも大満足です。ニックが二度目のグロリアとの共働き作戦を選択した理由は明らかに復縁を狙っての策略でしょうね。でもグロリアが今一度考え直した理由はきっと堅気の男との平凡な人生とニックとの刺激的なスリル満点の生活とを比べたからだろうなと密かに思うのですね。『使い古された撚り糸玉を盗め』ブラジルの詩人で政治犯という男をアメリカへと脱出させた疑いのある人物の家から撚り糸玉を盗む仕事を易々と片付けたニックだったが・・・・。ニックの依頼人は気前が良過ぎで金銭感覚が麻痺していると何時も思いますね。また今回も金を稼いだらそれであっさりオサラバではなく人命を強く心配して必死で行動するニックの正義感には心から感動しましたね。『紙細工の城を盗め』ニックは紙細工の城を盗むという楽勝の仕事を終えようとした瞬間にいきなり刑事が現われ部屋にあった主の死体の殺人容疑もかけられて現行犯逮捕されてしまう。白の女王サンドラ3度目の登場は不可能興味としては肩すかしでしたが、今回はニックが運の悪さから容疑者から脱獄犯となる成行きの終始弱い立場で探偵の推理はお見事でしたが後輩の彼女に初めて一本取られたなという感じですね。『人気作家の消しゴムを盗め』ベストセラー作家の消しゴムを盗むという仕事自体は容易かったが、予期せぬ手違いが起き何とニックは作家の死体の発見者となってしまう。いつもながらこんなにあっさりと無駄になってしまう様なつまらない事の為に大金を払う依頼者の気が知れませんよね。ニックは今回無報酬でお気の毒でしたが、無能なプロの警官に懇願されて渋々と殺人犯を教えてやる頭脳明晰な名推理がお見事でしたね。『臭腺を持つスカンクを盗め』スカンクを盗むという奇妙な依頼の理由を正当化する為にかなり苦労されていますが、ニックが生死を賭けて一か八かの勝負に出た咄嗟の機敏な判断と観察眼の鋭さが光りましたね。『消えた女のハイヒールを盗め』恋人グロリアの兄アーニーの依頼で現在失踪中だという成功したモデル女性の片方の靴を盗む仕事を引き受けたニックだったが・・・・ロマンチックなシンデレラ・ストーリーと思いきや殺人事件も絡んで最後は殺伐とした誠にほろ苦い結末でしたね。『闘牛士のケープを盗め』闘牛士である兄からケープを盗んで欲しいという妹の依頼は彼によく似た男の殺人事件を呼び込んで・・・・トリッキーなからくりに驚かされサスペンスフルな最後の場面は悪党に襲い掛かる非情な運命を予感させますね。『社長のバースデイ・ケーキを盗め』夫のバースデイ・ケーキを盗んで欲しいという妻の依頼を楽々と成功させたニックだったがその後思わぬ事態に・・・・誘拐事件の犯人を冷静に暴き出すニックの論理的な推理には脱帽ですね。尚、前回の「オカルト探偵シリーズ」を既読の方は本編で言及されたトリックを思い出されたでしょうね。『色褪せた国旗を盗め』小国コロナードの大使館にかかる色褪せた国旗を盗む仕事を依頼された途端にニックはライバルの白の女王サンドラが乗り出した事を知る。今回は珍しく二度も白の女王に出し抜かれたニックが三度目の正直とばかりに奮闘し鋭い推理で真相を突き止める国際陰謀小説の味わいが素晴らしくラストでのニックの負けず嫌いの仕返しが微笑ましいですし今後も続く二人の勝負の行方がとても楽しみですね。『医師の中華箸を盗め』シカゴに来たニックは年来の友人であるレストラン経営者から医師の中華箸を盗む仕事を依頼されるが意外にも・・・・。今回のニックは労せずして報酬を得る幸運をスンナリと受け入れず裏の事情を探り最後に遺産相続の絵画が絡む複雑怪奇な謎を解き明かすと同時に善行をも成し遂げる誠に天晴れな活躍でしたね。『空っぽの鳥籠を盗め』空っぽの鳥籠を盗んで一体何になるのか?珍しく今回は恋人のグロリアを笑わせるという誘惑に著者は逆らえませんでしたね。ハードボイルドの名作「マルタの鷹」を下敷きにして財産絡みのお宝探しと殺人事件のフーダニット・ミステリーに仕立て上げた著者のセンスを賞賛したいですし、シンプルながら最後のオチもバッチリと決まっていましたね。
怪盗ニック全仕事4 (創元推理文庫)Amazon書評・レビュー:怪盗ニック全仕事4 (創元推理文庫)より
4488201172
No.2:
(5pt)

充実ぶり

今までの3巻を超える充実した話で、1話1話から目が離せない。
もちろんこれまでの3巻も良かったけれど、4巻になって、たるむどころか、非常に盛り上がる。
怪盗ニック全仕事4 (創元推理文庫)Amazon書評・レビュー:怪盗ニック全仕事4 (創元推理文庫)より
4488201172
No.1:
(4pt)

安心のクオリティ

さすが安心のクオリティ。
1980年代に「EQMM」誌に発表された、いわばシリーズも後半期にさしかかった時期の作品を集めた巻だが、ずば抜けて傑出した作品こそ見当たらないが駄作も皆無という短編ミステリの名匠ホックの見事な仕事。中ではハメットの『影なき男』を巡るビブリオミステリ「図書館の本を盗め」、オチが見事な「空っぽの鳥籠を盗め」がお薦め。
シリーズのフォーマットが確立されており、プロットが組み立て易かった面もあるだろうが、執筆が長期に渡ったのはニックやその妻の愛すべきキャラクターに読者のみならず作者も愛着を感じたからだろう。本書では好敵手となる美貌の女盗賊サンドラが登場、登場人物たちの関係が新たな局面を迎える。

収録作品
「白の女王のメニューを盗め」
「売れない原稿を盗め」
「ハロウィーンのかぼちゃを盗め」
「図書館の本を盗め」
「枯れた鉢植えを盗め」
「使い古された撚り糸玉を盗め」
「紙細工の城を盗め」
「人気作家の消しゴムを盗め」
「臭腺を持つスカンクを盗め」
「消えた女のハイヒールを盗め」
「闘牛士のケープを盗め」
「社長のバースデイ・ケーキを盗め」
「色褪せた国旗を盗め」
「医師の中華箸を盗め」
「空っぽの鳥籠を盗め」
怪盗ニック全仕事4 (創元推理文庫)Amazon書評・レビュー:怪盗ニック全仕事4 (創元推理文庫)より
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