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しろいろの街の、その骨の体温の
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しろいろの街の、その骨の体温のの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.16pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全45件 21~40 2/3ページ
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この作家のストーリーが好きです。次回作も期待してます。 | ||||
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よかった | ||||
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最高でした。読み終わったテンションでレビューしてます。初めは、太宰の女生徒のような物を期待して読み進めていました。しかし、読み進めるにつれ、この作品はそれ以上の魅力、エネルギーを持っていることに気付きました。自分は十九歳の男で主人公とは全く違う境遇です。幸いなことにスクールカーストも意識したことはありません。しかし、この作品の強い普遍性は僕の心に強い渦を残したのです。知らない誰かの作った、強くて、抗い難い価値観を人はみな信じ込んで生きています。そして、そこから外れたものは変人として処理され扱われなくなっていきます。後半で、そんな何処にでもある当たり前の社会から脱した主人公の見る人や物は本当に色彩を持って描かれており、自分も、自分の好きなものを好きでもいいのかもしれない、と言う勇気を与えてくれました。文学を美男美女の物から、人間の物に取り戻した作品とすら言えるかもしれません。価値観を問う一作でした。 | ||||
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衝撃的だった。 心がギュッで潰されそうなくらい苦しくなるけど、一気に読み終えてしまった。 私はこの本に出会えてよかったと思っている。 悩みに対しての答えも出ないし急に何かが変わることなんてないけれど、救われたような気分になった。内容や好き嫌いも含め友達に「これ読んでみて」と声を大にして勧めることは私には出来ないけれど、この本に出会うことがあればぜひ手に取ってみて欲しいなと思った。 | ||||
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村田さんの作品はどれもそうだけど、エンタメじゃなくてあくまでも文学・芸術作品だからリアリティやカタルシスを期待すると肩透かしを食らう。イジメ男子は最後まで底辺女子をいびり倒したままでラストで信子に刺し殺されるわけでもないし、同級生を見返すのが人生の最終目標である信子が、発狂して屋上から飛び降り自殺してその死を以て自分をいじめた人間に復讐するといった、読者に衝撃を与える展開も特になく、主人公の欲望に対する向き合い方と未発達な体へのコンプレックスが淡々と紡がれていくだけの話だから、人によっては読んでて眠くなると思う。私は読んでてちょっと疲れましたね。主人公が思春期の少女なのにあまりにも冷静に客観的に自分や他人を観察して、人間味がなくてあんまり共感出来なかったのが残念です。 文章というか、心理描写は素晴らしいと思います。私には難しいことはよくわかりませんがね。 総評すると、なんか芸術的。 あと、これだけはツッコみたい。うぶな中学生男子がむりやりしゃぶられて射精なんか出来るわけないですw | ||||
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コンビニ人間、消滅世界の次に読みました。消滅世界の設定にはついていけないところがあったのですが、本作品は素直に読めました。文章がきれいで美しいと感じますし、自分は男性ですが、学校内における身分に対する考えなど、この主人公の気持ちが分かる部分も多くありました。読後感も良かったです | ||||
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今日の昼に読み始めて、一気に読み終わりました。 思春期の少女のこころとからだの変化のお話です。わざとひらがなにしたのは、ここまで丁寧に描いたものを読んだことがないからです。 中学校のクラスでの人間関係。本当は好きなのに好きだと分からないまま、突き進もうとする一方的なあり方。身体の変化に対する戸惑い。性を暖かいものとして受け入れていくプロセス。 作者の視点と、それを描く能力にしみじみ感動しました。 作者を知ったのは、コンビニ人間が初めてでした。すごい人が出てきたと思い、読んだ二作目がこの作品です。 思春期文学というジャンルがあるなら、この作品は間違いなく第一位になるのだろうと思います。 | ||||
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読むのを止められず、二時間で一気に読んでしまった。 思春期の行き場のない苛立ちや、上手く表現出来ない性への興味と 自分自身の身体の変化と、単なる無邪気さだけでは生きられない苦しみ。 思い出すだけで息苦しかった思春期の記憶と重ねて読み進みました。 作者の綺麗事だけでない想いが、あまりにも正直過ぎて切ないですが それが逆にリアルで、まるで同じ街に居るような錯覚を感じました。 思春期は本当に辛いものですが、大人のつまらない日々と比べると どっちが良いのか、いろいろと考えさせられました。 | ||||
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自己完結には二つあって、相手を顧みないこと、そして自分の輪郭を確かなものにすること。作者は前者から後者への前進を、リビドーを媒介にして克明に描いている。 人が人であるために、人が人と交わるために必要なイニシエーションを題材にした作品と言えるだろう。 | ||||
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『コンビニ人間』に引き続き村田沙耶香氏の本を手に取りました。ニュータウンに生きる中学生の日常と初恋がテーマ。 スクールカーストの「下」から見た教室の力関係、教室をうまく生き抜く処世術のような、決して言葉にはされないけど厳然としたルールのようなものをドロドロしたところまで描ききっています。自分より劣っている他人を見下して集団のなかにいることを確認する、過去の自分を重ねて心が痛くなりました。 ある事件をきっかけに結佳が既存の考え方の枠組みから自由になり自分の価値観を表現することに気づき、飾りやわだかまりから解き放たれるラストを美しく、気高く感じました。 | ||||
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嘘をつかずに実直に書かれた文章で本当に好きです。 コンビニ人間も読みましたが、この著者の話には多少設定の無理があっても、文章に圧倒的な実直さがあるので全然気にならず最後まで読めてしまいます。表現ってこうあるべきだと思わされます。 | ||||
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ちょっと、衝撃を受けました。 こんな小説に出会ったの、初めてです。 中学女子達の葛藤の描写が非常にリアルで、残酷で・・憂鬱な気分で押し潰されそうになりながらも、一気に最後まで読み進んでしまいました。 個人的な感想ですが、この小説からは体裁とか、巧い計算とか、奇をてらうとか・・そういったものが感じられません。無論、読者の期待に応えるようなカタルシスもありません。 僕は小説とか文学とか、全く詳しくないのですが、まるで、この小説はほとんどアドリブで執筆されたのか?と思ってしまうくらい、切迫感というか、緊張感を覚えました。 終盤、カタルシスはあるのかな?と期待させつつ、けっきょく、憂鬱のままどん底に沈んでしまいそうになる(または沈んでしまう)のですが、最後、全く別の扉が開けて、結佳の世界がなんともいえない愛おしいものに変化しました。けっして素直にハッピーエンドとは思えませんでしたが、なんというか、上手く言えませんが・・ ひとつ気になった点を挙げるなら、この物語のキーパーソンである伊吹については、妙に紋切り型だなという印象を受けました。なんか、ふわーっとした綿菓子みたいな存在。上澄みの綺麗な部分でしか存在しえてない、例えるなら、少女マンガに出てくる『白馬の王子様』的なステレオタイプな存在。 ただし、それも、結佳の”情念”をリアルに表現するために逆に必要不可欠な存在なのかなぁとも思いました。男子はいつまでたっても女子に『人形的なかわいらしさ』を求めるし、女子は自分だけの『白馬の王子様』を求めるのかなと。 | ||||
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「女の子の未成熟な身体の中で、エピソードは宗教になり、初恋は化け物になる」 教室の下層グループで自意識をこじらせた少女。彼女が大人になっていく姿を、「コンビニ人間」の村田沙耶香が書いています。 小学校・中学校の閉塞感やクラス内カーストをしろいろの新興住宅地の様子とうまくかけあわせながら描写していました。 | ||||
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村田沙耶香さんは、ゆるやかに激しく、狂った人を描くのがとにかく上手な作家だ。 初めてコンビニ人間を読んだ際、『ふつうではない』人の描写の繊細さに肝を抜かれた。 誰しも感じたことのあるちょっとズレた感覚を、シニカルな笑いを含めてまとめあげるセンスに魅了されて、すっかりファンに。 もちろん好き嫌いはあると思うけれど、わたしの中で特に心を動かされたのがこの作品です。 彼女は、人間のどうしようもない気持ち悪さだったり、怖さだったり。そういうものを恐れることなく描く。 誰しも心の中にある、言葉では言い表せない醜い感覚。それはどろっとしていたり、もやっとしていたり、表れたと思ったら消えたりする。 そういう想いに行き場を作ったらどうなるかを見せてくれたのが、『しろいろの街の、その骨の体温の』なのではないだろうか。 文字だけで読むと、なかなかにえげつない。下品と思う人、心がつらくて読んでいられない人…お気持ちはよくわかります。 そんな、人々に嫌悪感さえ共有させてしまう作品を、『ふつう』の人が狂ったふりをして書けるわけがない。 いい意味で、村田沙耶香さんは変態だし、変人だし、狂人だと思う。 村田さんの作品はどれも、村田沙耶香でなければ書けないのだ。 そういう意味でこの作品は、一度読んでみる価値があると思う。これは村田さんの魂の叫びではないか。『ふつう』とズレた感覚で、気持ちの悪い感覚をもって、『ふつう』を装って、自分はここにいるのだと。 かっこよく書いてみましたが、正直気持ち悪いんです、この物語。でも、その気持ち悪さがすごくいい。自分の中にあった似た感覚が呼び起こされて、懐かしい気持ちにさせてくれる。 人と違った生き方をしたいと思っている人なら、きっと共感できると思う。無理して読む作品ではないけれど、わたしはこのどうしようもない気持ち悪さの虜だ。変わった人やものが好きな人なら間違いなく楽しめます。 | ||||
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面白く読んだけど、不満もある。 全員のキャラクターを誇張しすぎてマンガみたいで、 笑ってしまう。 信子みたいなのも若葉みたいなのも 井上くん達も小川さん達も主人公も、たしかにクラスにいたし、 こういう事件はあった、こういう心境も覚えがあるけど、こんなあからさまじゃない。 強制わいせつのシーンもリアリティがない。 抵抗してたら勃たないし、いかない。 | ||||
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私は、この主人公の性の芽生えや、自意識の肥大した苦しさがよく分かりました。成長の早い女の子なら歩んでいる道だと思います。男の子のことは分かりませんが…。 他人を「観察」して自意識を癒す人って思春期に限らず大人の世界にもたくさんいると思います。自分もそうでしたし、今もそれを引きずっている感じがあります。ただ主人公はそこから脱却します。 スクールカーストの描写は昔を思い出して苦しくなりました。ファッションは情報だ、というところも大いに頷けました。本当にこれが欲しい、と思って服を着ている人のなんと少ないことか。 ただこの小説は思春期、性の芽生え、郊外、少年少女の残酷な世界、スクールカーストだけで終わっておらず、後半、ある事件が起きてがらりと物語が面白く動き始めます。どなたかが「実存」をテーマにしていると書いてましたがその通りだと思います。その過程が郊外の、いわゆる多摩ニュータウン的な街の成長と絡めて描かれています。 ちなみに伊吹くんみたいな男の子は確かに小学生時代にいました。クライマックスで伊吹くんが高校三年の男子並みになるのは物語のロジックのためという事で。あくまでもこの物語は肥大しきった自意識の少女が実存を見つけ出していく物語です。 またどなたかのレビューにサカキバラを乗り越えようとしているとありましたが、よく分かります。途中、主人公がクリーンセンターの白い壁を見つめるところは、一歩間違えればサカキバラになりそうだな、と思いましたので。 この作者の特徴でもありますが、相変わらず精神的な意味でグロテスクなので、人によっては合わないと思います。小学生時代に伊吹くんだった人には合わないかな。 | ||||
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スクールカーストが描かれているが、それは表層の話であって、 実際に書こうとしているのは、実存の問題だと思う。 殺人出産の主題にしろ、郊外の街の希薄な実存にしろ、酒鬼薔薇を連想してしまう。 事件当時、彼に深く共感したが、それを乗り越えようとしているのだろう。 | ||||
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主人公が自分の中で作り上げてしまったヒエラルキーや負け犬感情の中で、彼女が泥臭く必死にもがきながら、結果それが幻想となった。その姿が魅力的で、涙が出た。学生時代に読んでみたかった。 | ||||
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一週間に一度の習字教室でずっと一緒だった少年と少女。小学生の時代は好奇心でキス位しても、お互いどちらも傷つかなかっただろう。 中学生ともなると、何気なく行ってきたキスですら、へんな興奮を感じるが、相手の男の子が改まった態度を取るようになると癪にさわって仕方がない。好きだという告白もなくてキスをされるのは、理屈からいっておかしい、そう言われてみると、理屈ばかり言うのは余計腹が立つのである。 行為はあっても、好奇心の方が強い。それを言ったら、失礼になる。わざわざ告白するほど好きだと思っているわけではないのであった。習字教室で会うことができるのはあとわずか、二人は友達であることだけは間違いがない。女の子は体の変化が気になるし、クラスに数人いる人気者ではない地味な子、そのため隠された冒険心、相手に対する性的な執着は秘密にできたのである。どこにでもいそうな女の子と思えたが、たいへん存在感が感じられる作品だと思った。 | ||||
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(以下、ネタばらしご容赦ください) 小学5年の主人公の初潮のシーンに、小柄な同級生伊吹くんがドア越しに立ち会ったことをきっかけに、中学生になって成長が止まり内向的になっていく主人公が、伊吹への秘めやかな偏愛にのめりこんでいくくだりに、こんな展開、現実にはありえないと思いつつも、圧倒されました。この小説、ここだけで大絶賛です。 (ただ、自分の初潮と伊吹の精通を結び付けたいという主人公の願望はかなり観念的で、この年代の女子に男子の精通を見たいという生理的欲求がホントにあるのかなと思います。私は女でないのでぜひ知りたい笑) でも、この小説、スクールカーストの話とからめたために、年齢設定に少し無理が生じているように思います。ラストでの主人公と伊吹の初体験に至るやりとりの流れは高校1年16歳位の感じなのに、幼馴染で同じクラスの同級生という設定では(日本の学制では)中学生にならざるを得ない。中3では受験があるので中2になってしまう。中学2年14歳があそこまで自分と相手の性欲に自覚的な行動をとるとは思えません。他のレビューでも指摘されていますが、中学生じゃまだ単純なガキでしょう(中2ではまだ精通がないのも結構いる)。とくに男子は性を茶化していただけだったと思います。 スクールカーストの描写は誇張しすぎで嫌だなと感じる部分も多かったです。小学生のころ一緒に遊んでいた友達どうしが、思春期に入って各自の個性が露わになるにつれ違うグループになるのはわかりますが、そこに上下関係を持ち出すのは、さらには登場人物たちが「私は下のグループだから」などと口に出して言うのは、かなり違和感がありました。今の公立中学はこんなにも息苦しいところなのでしょうか。 井上という調子こいたヤな男子がデブで醜い信子ちゃんをからかうシーンがありましたが、個人的にはあそこで誰かが(若葉ちゃんあたりが)井上をがつんと一発殴って欲しかったです。あそこで閉塞感を打破するカタルシスが欲しかった(その後に主人公が井上を殴るシーンがありますが、不完全燃焼)。以後全然違う話になってしまいそうですが。 主人公が信子ちゃんを綺麗だと言ったシーンは、泣くことで浄化されたということでしょうが、少々安っぽいかと。 全体的に、伊吹の人物造形がご都合的でリアリティに欠けると感じました(井上みたいな奴をいいヤツと言っているのが理解不能だし、いじめのシーンにはなぜか出てこない笑)。カーストに無理に嵌めこんだために、破綻が生じている部分だと思います。 文庫版、西加奈子の解説が良かったです。これを含めて一つの作品という感じがしました。 | ||||
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