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(短編集)

ニャン氏の事件簿



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【この小説が収録されている参考書籍】
ニャン氏の事件簿 (創元推理文庫)

ニャン氏の事件簿の評価: 3.25/5点 レビュー 8件。 Cランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点3.25pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全1件 1~1 1/1ページ
No.1:
(2pt)

猫好きとしても松尾ファンとしても肩すかし

超のつく猫好きで、松尾さんのちょっと現実から遊離したミステリも好きなので、楽しみに読みましたが、残念ながら肩すかしでした。

持論ですが、ファンタジーは根幹で大きな嘘をつく分(妊婦しかいない町とか、ファミレスにいる幽霊とか)、それ以外の部分ではできるだけリアリティを大切にしないと、瓦解してしまいます。今までの松尾作品では主人公の日常生活の手触りがあり、現実離れしたキャラクターも個性が際立っていたため、うまく世界観を作れていました。

しかし今作は、猫の実業家兼名探偵という嘘を支えられるだけの書き込みが、キャラクターにも筋立てにもありません。毎回主人公が猫に遭遇するまでの展開も不自然だし、謎解きも人工的。
ならばいっそ思い切り弾けた「お話」に徹するかと思えば、元カノが出てきたり進路に悩んだりと、中途半端に現実的な上、キャラクターの書き込みが薄いので、それらの陳腐な悩みに共感できません。

猫探偵という設定もかなり陳腐ですが(三毛猫ホームズしかりシャム猫ココしかり)、鳴き声をそのまま通訳するという設定は安直にすぎるでしょう。他の方も指摘している通り、猫である必然性が感じられず、猫好きとしても不満が残りました。

最終話で、主人公がニャン氏の財団に就職を決めていれば、シリーズ作品として続けられたでしょう。
邪推かもしれませんが、作者も書いていてあまり手応えがなかったから、ここで終わらせることにしたのでは?

ちょっと興味深かったのは、各話のタイトルが名作のパロディになっているらしいこと。「真鱈の日(まだらの紐)」以外では、「ニャン氏登場(クィン氏登場)」「猫目の猫目院家(赤毛のレドメイン家)」に気づきましたが、後はわかりませんでした。
ニャン氏の事件簿 (創元推理文庫)Amazon書評・レビュー:ニャン氏の事件簿 (創元推理文庫)より
448843908X

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