モーリスのいた夏
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殺人事件が頻発して、どうやって丸く収めるつもりだろう、と、思っていたら、さすが、上手にまとめます。 読んでいてふつうに楽しかったです。 まあ、予想の範囲内でもあるのですが、ちょっと切なくて好きなお話でした。 | ||||
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最後まで読んで、オチを知って、なーんだって感じでした。それがオチ?みたいな。 千鳥玲子のカメラが無くなった理由があまりに子供っぽくないですか?そんな理由? 犯人の殺人の動機も「え、そんなことで?」って思いました。モーリスも何の為に登場したのかよく分からない。 文体は好きです。読みやすい。 文章も上手いほうだと思います。 でも最後のほうがいまいち好きになれませんでした。モーリスの存在も好きになれず。 一番好きなのはエピローグ。あと、途中までは面白かったです。 | ||||
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子どもの頃、というか小学生が終わるくらいまで、妖精とか幽霊とか人ならぬ不思議な存在を信じていた。主人公のヒロインが、夏休みをお屋敷で過ごすことになり、そこで訳ありな美少女と出会う。別荘地の森には不思議な言い伝えがあって…。懐かしさがこみあげる、ミステリでもあり、お母さんも娘も孫娘もいつか子どもでいつか大人になるという物語でもあり。読んでよかった。 | ||||
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2008年に理論社から出た単行本『人くい鬼モーリス』の改題・文庫化。 中高生くらいを対象とした「理論社ミステリーYA!」の一冊。 「人くい鬼」という異様な存在を物語に持ち込み、そこからトリックを練り上げている。しかし、工夫は認めるが、思ったほどの効果は上がっていないのではないか。結末があっけない。 また、松尾さんに独特の文章の迫力といったものもあまり感じられない一冊であった。 | ||||
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女子高生信乃は、アルバイトとして、避暑地の別称の10歳のお嬢様芽理沙の家庭教師にやとわれます。 なぜ選ばれたのか、それは「人くい鬼」の怪物モーリスが見えるか見えないかでした。センダックの絵本に出てくるような怪物モーリスは、死体を食べて消してしまうが、無害なおとなしい生き物のようでした。 芽理沙の家の使用人たち、老医師、隣の別荘に遊びにきた俳優、映画関係者、テレビに出ている霊能者、アニメ監督とその弟などがにぎやかに集う閑静な森を舞台に、事件が起き始めます。 取材にきたライターの墜落死と死体消失、ここで一般的な殺人事件捜査が入り込んできます。 土砂くずれが起き、現地ははからずしも「雪の山荘」的孤立状態となります。 そこに家政婦の殺害という第二の事件と、死体消失。少女ふたりはモーリスが、実はもっと危険な生き物なのではないかと疑い、彼女たちの葛藤と、モーリスの見えない一般人たちの推理とが、交互に表面に浮上する構成は息苦しいほどで、ドラマはどんどん緊迫感を強めてゆきます。 そして第三の殺人? 急転直下の交通事故・モーリスの消滅? このあとからの物語のほぐれ方は納得のゆくもので、欧州から帰国した芽理沙の母が、幼児時代の記憶を取り戻したり、信乃が、突然おとなになった自分を自覚したり、三人の女性のかかえていた欠落感がモーリスという焦点からはっきり見えてきます。これは思春期の彼女たちの成長の物語、つまり『かかし』(ウェストール)のようなサイコ・ファンタジーであったと読むほうが自然かもしれません。 小説の流れとして不自然と思われた同級生大門の登場、警官と土地の老人が手錠で結ばれてしまう事件などが、このラストでその意味を(なぜ、それが必要だったか)ひととおりあかしてくれました。 しかし、すべてがきっちりおさまったわけではなく、筋のうえできしんでいる蝶番もあり、ことに霊能者はまったく何のために出てきたのか、うまく使われませんでした。 モーリスが何であったのかも腑に落ちたわけではありませんが、殺人・死にまつわるダークな衝動を、日常の面、そして深層心理の面、両方から立体的にたちあげてみせた作品と言えるでしょう。 腑に落ち切らないところもまた、読後感の重さとなりました。最後、成長した芽理沙からの手紙が、この小説の息苦しくぬくもりのある美しさをよく伝えていると思います。 | ||||
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