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監獄舎の殺人



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    初公開日(参考)2016年12月
    分類

    アンソロジー

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    監獄舎の殺人 (ミステリーズ! 新人賞受賞作品集) (創元推理文庫)

    2016年12月21日 監獄舎の殺人 (ミステリーズ! 新人賞受賞作品集) (創元推理文庫)

    「ミステリーズ! 新人賞」から、数多くの才能が見出されてきた。さる旧家の美人姉妹の鞘当てから起きた悲劇を、圧倒的な筆力で描く美輪和音。胎児に憑依した“幽霊探偵"の謎解きを、緻密な構成で魅せる近田鳶迩。深夜の公園で起きた奇妙な事件を軽妙に描く、ユーモアミステリの新星・櫻田智也。脳外科の臨床講義を舞台にしたミステリを発表、医療ミステリの新たな書き手と期待される浅ノ宮遼。明治時代の監獄舎で囚人が殺害される謎を描く、時代ミステリの旗手・伊吹亜門。新鋭たちの輝かしい出発点となった受賞作五編を収録した作品集を贈る。(「BOOK」データベースより)




    書評・レビュー点数毎のグラフです平均点7.00pt

    監獄舎の殺人の総合評価:7.75/10点レビュー 4件。Cランク


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    全1件 1~1 1/1ページ
    No.1:
    (7pt)

    「監獄舎の殺人」の感想です。

    この本は東京創元社の「ミステリーズ!」という専門誌の新人賞を獲った作品を集めた短編集です。
    それぞれの作品をみていきましょう。


    「強欲な羊」美輪和音・著

    最初の「強欲な羊」美輪和音・著。これは大豪邸を舞台にしたサイコサスペンスものです。大きなお屋敷に二人の美少女が住んでいます。姉の麻耶子は大輪の薔薇のように艶やかで気性が激しく、妹の沙耶子は桜のように可憐でどこか儚げで優しい。この2人の対照的な姉妹をめぐる屋敷内での様々な殺人事件。「強欲な羊」とは果たして誰のことなのか。物語はこの屋敷に住む使用人の女性の視点で語られます。文章も非常に手慣れて巧みでなかなか読みやすかったです。そして最後にどんでん返しもあり、非常に面白いそんな作品でした。少し読み進んでいくうちにある程度このストーリーの展開は読めるのですが、最後の本当のどんでん返しはちょっと想像できませんでした。そういう意味では非常に上手く書かれた作品だと思います。 美輪和音氏は映画, 『着信アリ』シリーズの脚本家だそうです。

    「かんがえるひとになりかけ」近田鳶迩・著

    これはいわゆる最後の1行であっと言わせるそういう小説ですね。もしかすると頭のいい読者の中には途中で気がついた人もいるかもしれません。ただ私は気づきませんでした。この作品は胎児の視点から語られます。まずそのことが非常にユニークです。胎児の視点から語られた作品、私はあまり読んだことがありませんが、実に面白いと思います。ただこの胎児はただの胎児ではありません。実は この「胎児=私」はある女性に殺されていたのです。殺された私がこの胎児に憑依したのかあるいはまた別の理由があるのか、そこの部分に触れるとネタバレになるので触れるわけにはいきませんが、何のために私は殺されそして殺した犯人が誰なのか、そこがこの作品の中心となる謎の部分です。途中までどういう展開になるのか全く予想がつかず一気に読んでしまいました。そして最後の最後に書かれたその1行、確かに驚きではありますが、ちょっとユーモラスな印象を持ちました。思わず笑ってしまいますね。 驚くというよりも何だこれはとニヤニヤしてしまうそちらのほうが、感想としては正しいかもしれません。

    「サーチライトと誘蛾灯」桜田智也・著

    この本の中では、これだけが面白さが分かりませんでした。確かに会話の部分は漫才の台本みたいででおかしいのですが、ミステリとしてはまったく楽しめかったというのが、正直な感想です。逆にどこが面白いのか選んだ人に聞いてみたいほどです。公園の見回りをしている吉森という男が、殺人事件に出くわすという話なのですが、謎の部分がまったくありません。なんせ犯人が出頭してしまうのですから。「あの方を本当に殺してしまったのは私かも知れません」と言って。もしかすると私の知らない楽しみ方があるかのかも知れませんでしたが、私には理解できなかったということです。


    「消えた脳病変」浅ノ宮遼・著

    これはちょっと変わった医療ミステリでした。 ある大学の医学部の脳外科の授業で 榊という教授が授業をするのですが、その授業はこの教授の医師としての経験に基づいた問題を学生に対して投げかけます。それに対して学生がどう答えるか、それによって教授は点数をつけるわけです 。榊の出した問題はこうです。「目の前に1人の女性が意識を失って倒れているどんな処置をすべきかどんな、検査はすべきか君たちになりに考え病気の原因を探って欲しい 。」榊が担当していた患者の中に Aさんという女性がいました。この女性がある日病院で急に意識を失って倒れてしまいました。彼女の脳にはもともと脳病変がありました。ところが、これが検査の結果全く消えてしまっていたのです。じゃあなぜ倒れたのでしょう。一体どういうことなのでしょうか。この謎に対して学生達は様々な回答します。しかしほとんどがはずれでした。ある学生が答えたその正解は実に驚くべき内容のものだったのです。
    この作品はあまり読んだことの無いタイプの医療ミステリで、作者は医者のようですが、難しい表現もなく素人にも分かりやすいもので、面白かったです。


    「監獄舎の殺人」伊吹亜門・著

    これは歴史ものいうか明治維新を舞台にした作品です。京都にある監獄舎に一人の男が囚われていましたこの男の名前は平針六五。罪名は政府転覆を企てた謀反です。 この平針がある日、死罪になることが決まりました。ところが彼はその直前になぜか毒を飲み自害してしまいます。果たしてその原因は何なのでしょうか。長州藩士であり政府高官にまで上り詰めた 彼がなぜ死罪を恐れて自害するなどという恥知らずな行為を選んだのか。そもそも果たして本当に自害だったのか。その驚くべき謎は。この結末はちょっと予想がつかないものでした。


    この本全体を読んでの感想は、それなりに面白かったけれども、ものすごく突き抜けたものはなかった、そういう感じですかね 。合格点ではありますが、新人の作品としてはもっとぶち抜けたものが欲しかったなという感じがします。点数としては10点満点で言えばなら7点ぐらいでしょう。8点はあげられませんね。作品的には最初の「強欲な羊」それから2作目の「かんがえるひとになりかけ」これ面白かったです。 期待できる作家だと思います。





    いわし雲
    78XRDN1A
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    ※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
    未読の方はご注意ください

    No.3:
    (4pt)

    東京創元社からの短編新人賞受賞作をおまとめ

    東京創元社が主催するミステリーズの新人賞受賞作をまとめたシリーズの2作目。
    バラエティに富んだ題材になっており、各作者の持ち味が堪能できる。
    新人賞受賞作なのであまり期待せずに読むとそれなりに上出来の作品が揃っている。
    個人的には医療ネタの浅ノ宮遼氏の作品が一番読み応えがあった。
    監獄舎の殺人 (ミステリーズ! 新人賞受賞作品集) (創元推理文庫)Amazon書評・レビュー:監獄舎の殺人 (ミステリーズ! 新人賞受賞作品集) (創元推理文庫)より
    4488400604
    No.2:
    (3pt)

    煽り文句にひかれたが

    よく考えたら新人賞受賞作品集なので,自分が求めているような読後の爽快感までは
    ちょっとなかった。しかしこれは作者が悪いのではなく,商品を販売する側がつける
    煽り文句がうまかっただけだろう。作者の方々の今後に期待する。
    監獄舎の殺人 (ミステリーズ! 新人賞受賞作品集) (創元推理文庫)Amazon書評・レビュー:監獄舎の殺人 (ミステリーズ! 新人賞受賞作品集) (創元推理文庫)より
    4488400604
    No.1:
    (5pt)

    文庫未収録の作品を一冊でまとめて読める親切設計

    公募短編小説『ミステリーズ!新人賞』受賞作アンソロジー第二集。
    第一集『砂漠を走る船の道』が全五編とも、単行本収録かつ文庫化済みだったのとは対照的にこちらは単行本の文庫化済みは「強欲な羊」の一編のみ。「消えた脳病変」は単行本に収録済み、表題作「監獄舎の殺人」は2016年度の年間アンソロジー『ベスト本格ミステリ』『ザ・ベストミステリ―ズ』に収録されているものの、「かんがえるひとになりかけ」「誘蛾灯とサーチライト」の2編は雑誌掲載以来の初お目見え……のはずであります。
    受賞順通りの掲載なので仕方ないものの、いささかバランスが悪い構成のような。まあ文庫未収録の作品を一冊でまとめて読ませるための親切設計なのだと解釈しておきましょう。

    収録作品を読み通して再認識したのは「強欲な羊」美輪和音先生の、さすがは脚本家出身という抜群の巧さ。資産も由緒もある一族が破滅するまでの顛末を文庫で50ページ少々の文章量で描き切るという職人芸がまことにおみごと。この内容でしたら、普通はまるまる一冊かけますよ。まあ伏線がかなりあからさまなので、早い時点でオチは見えてしまう難はあるんですが……
    いずれも趣向に飛んだ逸品揃いの中、被害者の霊魂が胎児に宿って自分が殺された事件を考えるという奇抜な物語を抜群のリーダビリティとシュールなタッチで読ませ、結末に「え? 謎解きはそっちだったの?」という真相が待っている「かんがえるひとになりかけ」に、ありがちな推理ゲームの医療版と思いきや、終盤にいたって医療とは何ぞやという本質にまっすぐ切り込んでみせる「消えた脳病変」の2編が数歩突出した印象。とりわけ「消えた脳病変」は、不正解扱いの途中の捨て推理という形でほとんど手のうちを明かしてしまっているも同然だということにびっくり。よっぽどメインの仕掛けに自信がないとできることではございません。最後の謎解きで初めて新情報を持ち出してくるようなミステリも多い中、この姿勢はまことに御立派。
    お次は佳作アンソロジーと、前身の『創元推理短編小説賞』受賞作アンソロジーの刊行を御期待しています。
    監獄舎の殺人 (ミステリーズ! 新人賞受賞作品集) (創元推理文庫)Amazon書評・レビュー:監獄舎の殺人 (ミステリーズ! 新人賞受賞作品集) (創元推理文庫)より
    4488400604



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