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氷の家
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氷の家の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.00pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全15件 1~15 1/1ページ
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どう考えてみても好きになれそうにない登場人物たちが、不穏でしかない空気の なかで互いに辛辣な言葉をぶつけあって物語が進んでいきます。誰もが怪しくて 何かを隠しているといった様相で、心理ミステリ寄りの印象を受ける一冊でした。 少し読み進めればすぐに気付くでしょうが、作者の思想が強めに反映されてます し、登場人物の造形や言動もクセというかアクが強いので、決して万人に受ける ような作風ではないです。はっきり言って読んでいて疲れるタイプの小説です。 そして個人的にも苦手なタイプの小説ではあるのですが、それでも最後まで興味 を持って読ませてくれたのはある意味凄いところです。確かなことがなく、先の 読めない展開が続くので、結末にかけての二転三転ではカタルシスも得られます。 迷いましたが、好みではなくともよく出来た小説、が最終的な評価です(タイト ルも上手いですね)。ただ、「ミステリ」の要素はあまり期待しない方が良いか もしれませんし、大きく好みが分かれる作品だとは思いますのでそこはご注意を。 | ||||
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イギリスの田舎に3人の女が屋敷に住んでいたが、ある日、使用人が氷室で裸の腐乱死体を発見する。10年前に3人のうちの1人の女の夫が謎の失踪を遂げており、警察は死体の身元を夫であると疑うがどうやらそれは違うようだ…といったオープニングです。 女性作家、ミネット・ウォルターズのデビュー作にして最優秀新人賞受賞作。女性作家らしく、社会の女性に対する偏見に対する抑圧された女の感情が歪んで嘘や冷たい怒りになって流れます。 全体に皮肉で陰鬱なトーンが続き、登場人物が多くて話が混み入っているわりに、取ってつけたようなプロットが重なっていて妙味がありません。この内容で400ページは苦痛でした。 | ||||
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これは私がほしかったものではなく,妻に頼まれた本でしたが,安価ですぐ買うことができ,妻が喜んでいます。 | ||||
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以前より、ミステリーガイドBOOKで上位に入っているので、今回、読んでみました。 氷室の中にある死体は誰なのか? この家の失踪中の主人なのか? 遺体のDNA鑑定が出来ない時代設定なので、犯人を捜査する過程の 心理戦が大変面白い。 村で孤立する一家、女性たちだけで、きりもりされる一家。 謎と噂が交錯する中、ラスト、どんでん返し? 面白いのは間違いない! 久しぶりの海外物、ミステリーでした。 | ||||
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日本ではDVD化されてないので若いダニエル・クレイグの刑事役が見られないのが残念です。 | ||||
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ミステリの体裁を借りた退屈な英国田園小説。10年前に夫が失踪した富豪の妻(夫殺しを疑われている)の屋敷の"氷室"で無残な躯が発見されて......、という発端は如何にもミステリらしいが、その後の進行はミステリから遠く離れている。物語のテンポも非常に悪く、読み進めるのに苦労した。その屋敷には、妻の他に2人の友人の女性が住んでいて、レズビアンとして、村人から"3人の魔女"と呼ばれているのも大時代的で閉口した。この"3人の魔女"が構築する堅固かつ信頼に満ちた世界を描く事が主眼であったと思われる。 この通り、作者の嗜好(主義主張)らしいが、フェミニズムを主体とした(主に女性の)性と愛の自由、あるいはそれに対する偏見の描写に比重が置かれ過ぎていて、ミステリとしてはサッパリの出来である。訳者がジェーン・オースティンの名前に言及しているが、成程、「自負と偏見」をミステリ的に書いたという風に受け取れる訳だ。 ミステリを期待する方にはお薦め出来ない作品。逆に、フェミニズムの様な思想・女性運動に関心を持っている方で、それを英国田園小説の香りの中で読みたいという方には一興かも知れない。 | ||||
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正直言って,なぜこんなに評価が高いかわからない。謎も特に魅力的だとは思えないし,なにより嫌なのは登場人物がすべて一癖あって爽やかさのある人物がいないこと(真相が判明してから少し変わるけど)。刑事二人の行動も悪意に満ちているし,マクロクリンの描き方がある種スラップスティックな効果をねらっているのなら,ゴメンナサイ,私はついていけません。同じ女性作家でも,レンデルのように「いかにも女性にしか書けないいやらしさ」というのは男が読んでいてもついつい顔をそむけつつ納得する感覚だけれども,この作品にはそれがない。特別なサスペンスもなく,けっきょく動機も生理的な疎ましさしか感じないし。いずれにしろ,好き嫌いの分かれる作品だと思います。先のレンデルや小池真理子のような「うーん,こりゃ男には書けないわ」というブラックなサスペンスを期待してはいけません。と言いながら,いちおうもう一つ読んでみるけど…どれがいいのやら。あ,最後の解説も持ち上げすぎだよ,いくらなんでも(しつこくてスミマセン)。 | ||||
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1992年のデビューでありながら、 早くもミステリの新女王の異名を取っている ミネット・ウォルターズのデビュー作が、本書「氷の家」です。 メイベリー家の邸宅の氷室から見つかった死体。 それは10年前に行方不明になった当主、 デイヴィッドのものなのか。それとも・・・。 本書は館の中で起きた事件とそれを巡る人間模様が描かれていきます。 主たる謎は、死体は一体誰なのか、ということですが、 次々と明らかになる新事実に、謎は深まるばかり。 二転三転する物語展開に読者は翻弄されてしまいます。 この作品、館での事件という古典的なミステリの舞台設定ですが、 内容は、個性的な登場人物たちの人間描写が中心。 特徴的なのは、物語の中心人物が ストーリーの進行とともに変わってくるということ。 館の住人側の登場人物では、 最初、当主の妻フィービが主に描かれますが、 段々と同居人のアンに重点が移っていきます。 警察側の登場人物も当初は首席警部のウォルシュが中心ですが、 次第に部長刑事のマクロクリンが活躍していきます。 こんな感じですから、物語の行方もなかなか読めず、 一気に読者は最後まで引っ張って行かれてしまうのです。 ただ、惜しむらくは、結末があまり意外でないということでしょうか。 現代のミステリは結末の意外性だけに こだわるものではないではないことは承知していますが、 二転三転する巧みな物語だけに、 最後も「意外性」が欲しかったような気がします。 | ||||
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ミステリーの新女王といわれるミネット・ウォルターズのデビュー作。 英国におけるミステリーの頂点、「CWA(英国推理作家協会)賞」の’92年度、ジョン・クリーシー記念賞(最優秀新人賞)受賞作である。日本では’94年に翻訳・発表され、その年度の「このミステリーがすごい!」海外編第7位にランクインしている。 10年前に当主が失踪したストリーチ邸の敷地内の氷室で、正体不明の惨死体が発見される。村人から“三人の魔女”と呼ばれる現在の当主たち・・・。そして、そのうちのひとり、アンが何者かに襲われる。 失踪した当主の行方は?惨死体の正体は?アンを襲ったのは誰なのか、その目的は?警察当局の懸命の捜査にもかかわらず、ひとつの謎が解けそうになると、また新たなハードルがあらわれたり、いつまで経ってもいくつもの謎が解決されなかったり、展開してゆくストーリーの行方は混迷を極めるばかりだ。 さすがはのちにCWA(英国推理作家協会)賞やMWA(アメリカ探偵作家クラブ)賞受賞の常連作家となるだけの強者。プロットいい、キャラクター造詣といい、これがデビュー作とは思えないほどの充実ぶりである。それでいて一気読み必至のテンポのよさもある。 また、なるほど英国のミステリーらしく、さりげないユーモアとウイットがちりばめられていたり、女流作家らしい細やかな女心やロマンスが描かれていたりするのも読みどころのひとつである。 | ||||
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何回読んでも何回読んでも何回読んでも、新たな発見があるすばらしい作品。 「デビュー作が最高傑作」というのは、よくある話で、残念ながらミネット・ウォルターズはまさにその人なのですが、そのデビュー作である本作は通常の傑作にくらべても、なお突出しているため、ほかの作品もそこそこ面白い、というぐらいの傑作です。 次から次に出てくる謎、カードをめくるようにひとつのことがあきらかにされると、また次の謎が出てきます。 そして、さらにおもしろさに輪をかけるのは、魅力的な登場人物。 一点だけ残念なことが。 翻訳が読みづらいこと。 日本ではさほど売れない、とふんで、この翻訳になったのでしょうか。 実は一度読もうとした、翻訳があまりにひどすぎて、挫折し、再度挑戦した、という作品です。 その翻訳のまずさをさしひいてもなおすばらしい作品。 何回読んでも、また読みたくなります。 | ||||
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名作だと思います。なんともいえない雰囲気があります。 印象的なオープニングや登場人物。それぞれの思いが凝縮されています。 映像版も良くできていると思います。お勧めです。 | ||||
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実に見事なミステリー。これがデビュー作だという。作者の力の入れ方が窺える内容だ。設定はとてもクラシカル。描写はシンプルでさらりとしているようにみせて、その実、緻密に人物を浮き立たせる。どの人物も、実際の人間と同じように様々な面を持っていて、読んでいて面白い。大小さまざまな謎が飛び交うが、最初から最後まで、一貫してただ一つの謎が読者を誘惑する。そのただ一つが、その他の謎に翻弄されて解けない。誰が主役、と大きく分担される小説ではなく、その視点もまた面白い。清々しい筆致なので、途中グロテスクだが人に勧めたくなる小説。 | ||||
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本を読んでいて、ふと「にやり」としてしまうことがたまにある。 それは、思いがけずものすごく面白い本に出会ったとき。 大抵、前半を読んでいる途中でのことなのだが、 まさに本書がそんな一冊だった。 ウォルターズは映画化された作品を観たことしかなかった。 原作も気になってはいたのだが、ほかに読む本が山積みになっていた せいもあって、今まで手を出すのをためらっていた。 また、タイトルや文庫の表紙の絵からも、なんとなく 『ガラスの動物園』のようなイメージ(ありがちな家庭もの?) を持っていたのだが、実際に読んでみると大違い。(苦笑) 舞台にしろストーリーにしろ、はるかにスケールが大きくて 読み応えも読後感も満点の作品だった。 1日1冊のペースで読んでいるにもかかわらず、 まだこんなに面白い本に出会える余地が残っていたとは・・・。 そんな感動さえ覚えるほど、私にとっては「大当たり」の一冊だった。 | ||||
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すぐれたミステリーというのは、上手な手品と一緒で、見ているものの視点をとても上手く操る。思わせぶりな伏線をそっとおいて、読者の推理を別な方向に持っていって、そしてそれをひっくり返す。もちろん、ひっくり返すための伏線もきちんと置いておきながら。ウォルターズのすごいところは、読者の登場人物に対する視点・評価をも操り、読者の予断、評価を下す立ち位置までをも最終的に掘り崩そうとするところ。読み終わった後には、自分がいかに偏った視点で読んでいたかに気づかされてしまいます。 カントリーハウスでの殺人事件という、英国ミステリの定石を踏まえながら、決してカントリーハウスに閉じこもらずに、外側のコミュニティの抱える問題、ひいてはイギリス社会全体の抱える問題ともつなげているのも見事。邦訳されている5冊の中で、結局一番面白いんじゃないかと思います。 | ||||
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いかにもイギリス的な風景の中に、錯綜するプロットを見事に語るストーリーテリング。これがデビュー作というのは本当に驚きだ。きちんとカタルシスの得られる結末。後味が素晴らしい。 | ||||
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