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(短編集)
宇宙探偵マグナス・リドルフ
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宇宙探偵マグナス・リドルフの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.80pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全10件 1~10 1/1ページ
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主人公は白髪白髭の数学者であり、哲学者でもあるマグナス・リドルフという老人で、本書はリドルフが優れた頭脳をフル回転させて、宇宙のバラエティに富んだ10の惑星で発生したトラブルを、鮮やかに解決する活躍を描いた10篇の短篇集だ。 マグナス・リドルフは一見紳士だが、金儲けには目がなく、トラブルを解決する中でちゃっかり自分の懐を温めるし、侮辱された場合にはしっかりお返しするところも面白い。 本書を読み始めてすぐに僕の大好きなジョージ・R・R・マーティンの「タフの方舟」に似ていると思ったが、後書きを見てびっくり。ジョージ・R・R・マーティンはマグナス・リドルフの大ファンで、この作品を愛するあまり自分なりのマグナス・リドルフをものにしたとあったからだ。自分は最新SFと思って読んでいて違和感がなかったので、1940年代に書かれたにも拘わらず全く古さを感じさせないことにも驚いた。 こうなると著者の他の作品も読むしかないと思った。 | ||||
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昔、魔王子シリーズにはまった。 ヴァンスのSF推理物って、中学生の頃に読んだ「SF九つの犯罪」というアンソロジーで一本読んだだけなんだけど、その話に出てきた探偵の短編が10作もあると聞いてさっそく購入。 マグナス・リドルフは頭脳明晰で贅沢趣味で上品で意地悪だけど、浮き沈みが激しくて投資の失敗で借金まみれになるのも日常茶飯事な、トラブルシューター。颯爽とした快男児ではなくて、物腰柔らかな切れ者の白髪で白鬚のお爺さんだ。 安楽椅子探偵っぽいお話から、自ら潜水スーツを着て海に潜ってミサイルをぶっ放されたりするお話まで、色々なトラブルを、上品なお爺さんが知性を武器に飄々と解決していくのだ。実にカッコいい。 争いは好まないが、やられたらきっちりやり返すのもいい。意地悪老紳士。 けっこう乱暴な結末の話もあったりしたけど、作中にヒントは提示されていて結末で解答にいたるところが、きちんとミステリーしている。 ミステリーの雰囲気といい、SF感といい、表紙絵の石黒正数さんのイメージがぴったりだとも思った。 どの話も面白かったけど、「ユダのサーディン」と「呪われた鉱脈」が好きかな。そうそう、中学生の頃に読んだことがあったのは「とどめの一撃」というお話だった。これも面白い。 さあ、次は二巻目のファンタジー「天界の眼 切れ者キューゲルの冒険」を読むとしよう。 | ||||
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リドルフは探偵じゃなくてトラブルシューターか香具師といったところですね。 推理物ではありません。 解決法もなんかインチキ臭いのばっかりだし。 そのインチキ臭さがいいという人もいるかも知れませんが、 最後のメルカトル図法なんかはできるなら技術として確立してるだろ。 探偵という先入観が邪魔しました。 | ||||
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宇宙探偵とありますが、推理モノじゃありません。 主人公のマグナス・リドルフは超が付くほどの天才で、異星人や惑星の特異な性質を利用して依頼を解決していきます。 面白いのはこの主人公、性格が悪い! 依頼は鮮やかに解決するのですが、めっちゃ根に持つタイプで、ちょっとした仕打ちを何倍にもしてやり返します。 作中で「復讐の酒ほど甘美な美酒はない」と言っているように、マグナス・リドルフは復讐が生きがいみたいなところがあり、わざと依頼人を挑発して、自分から敵を作るような節もあります。 まあ、ほとんどの登場人物は嫌な奴ばかりなので、マグナス・リドルフにやっつけられて爽快なラストを迎えるんですけどね。 惜しむらくは、マグナス・リドルフ自体については、ほとんど語られず過去も謎のままな所です。 あらゆる事件を解決する知識と頭脳をどうやって手に入れたのか。 マグナス・リドルフシリーズはこの一冊で完結しているようですが、もっと続きが読みたかったですね。 | ||||
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一見温厚そうな老人だが実は宇宙一のトリックスターである事件屋マグナス・リドルフを主人公とした連作短篇集。長篇の魔王子シリーズにも見られた作者の人の悪さが爆裂している。短篇であるだけに、そのインパクトは凝縮されて凄まじい。この人の悪さは昔噺に登場するトリックスター吉四六さんに通じるものが有る。 最初に纏められた作品集には最初の二話が外されており、後に刊行された完全版で漸く全話揃って日の目を見たのだとか。本書はその完全版の翻訳。最初の二話は良く出来たSFミステリで、まだ主人公の菱の悪さはあまり見られない。日本では宇宙探偵としているが主人公自身は金に困るとトラブルシューターで稼いでいるが、どうやら本職は資本家、いや山師らしい。 | ||||
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全十作を収録した完全版である。名探偵にして稀代のペテン師マグナス・リドルフが銀河狭しと大活躍する。 痛快・爽快、文句なしに面白い。探偵とはいうものの、交渉もやるしトラブルシューターの相談も引き受ける。 鮮やかに難題を解決するだけでなく、自分を侮辱したり利用しようとした相手に容赦なく報復して、ついでに大儲けする。 ダーティーヒーローというのかトリックスターというのか。 ひとたびこの爺様の魅力に取りつかれたら、一気読みは必至だ。特に気に入った作を簡単に紹介すると、 『ココドの戦士』 惑星ココドの住民たちは、部族ごとに定期的に戦争する。戦わないと生きられない体質なのだ。 その習性に付け込んで、悪質な地球人が戦争見物用ホテルを建てて儲けている。 依頼を受けたリドルフが悪質業者をやっつける。皮肉と黒いユーモアに満ちた傑作である。 『禁断のマッキンチ』 オーソドックスな犯人探しだが、容疑者が巨鳥にムカデ人に両棲人間にヒラメ人間というのだから、こたえられない。 思い切りバカバカしくて楽しい。 『盗人の王』 惑星全土が泥棒の巣という設定に唖然とする。最も腕のいい泥棒が王となるのだ。超絶コン・ゲーム小説の元祖と言えるかもしれない。 『ユダのサーディン』 オイル・サーディンてこうやって作るのか(違うって)。海洋ジェットコースター・ノベルだ。 オチに抱腹絶倒。このあとどうするのか、少し心配になった。 他の作品もホラー風味あり、アクションあり、もちろん謎解きとユーモアは満載でバラエティに富んでいる。 ああ、やっぱりヴァンスは別格だ。予定の二冊がちゃんと出版されますように。 | ||||
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アメリカンナイズされた、コメディータッチの軽快なSFなのに、ハードSFの要素+推理小説の要素も兼ね備えた内容。 | ||||
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B級短編の連作集で物足りないと思いながら読み進めると,少しずつマグナス・リドルフのキャラが立ってきます.確かにジャック・ヴァンスの主人公です.どこが面白いのか聞かれると,まあ読んでみてと答えるような種類の小説でした. キャラの薄い初期短編が最後に配されているのもうまい.初期作品から始まれば,かなりがっくりくるでしょう. 読み終わってみると忘れられない主人公の一人になりました. | ||||
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ヴァンスは多作だと聞いていたのに、「奇跡なす者たち」だけで続刊はないのか…と残念に思っていたら、なんとヴァンスだけの叢書が出るとは。私にとっては評判すら知らなかった未読作ばかりなので、初回刊行を読んで続刊を揃えるかの判断になるかなと考えつつ予約していました。 いやあ、これは他の巻も当然買うでしょう! 「痛快」としか言いようのない娯楽性の高い作品たち。設定やアイデアが未だ古びていないというだけでなく、その独特の色彩感覚にすっかり参ってしまいました。 多彩な水晶かなにかをガンガン削っての破片を取り出して見せているような、色鮮やかな世界--これに子供の頃出会っていたら、相当影響を受けただろうことは想像に難くないです。 もし小学5,6年くらいのときに読んでいたら、きっとうんと嵌って感化されて、コミックやアニメの好みなんかも変わって...そうしたらもっとずっと世界を鮮やかに感じる人間になっていたかもしれない--本気でこう思えてしまう作品であり、作家です。 「コレクション」でも「アーカイブ」でもなく「トレジャリー」はまさにうってつけの叢書名。続刊が楽しみです。 | ||||
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大いなる惑星や竜を駆る種族のあとがきなどで目にして30年? 数年前はもう今生で翻訳を読むことはないのかと思っていたマグナスリドルフ 近々出版されることは知っていたがふと見たら上梓されてるではないか! 価格など見もしないで即購入です 本編はマグナスリドルフが主人公の連作短編集です 第一話からヴァンス節炸裂です~中略~と最後まで期待を裏切りません 元々最先端の話題を取り込む作家ではないので逆に古さを感じさせません 本編のあとがきには好事家以外に受け入れられるか心配しているが 私もとても心配です(配本中止とかないよね?) | ||||
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