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理由
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理由の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.67pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全150件 81~100 5/8ページ
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図書館や古本店で、必ずといって良いほど在庫過多な感じで並んでいるこの本。 「そんなに面白くないのか?若しくは、過去に人気があった証拠か?」と、見かけるたびに気になってました。 実際はとても面白かったので、きっと後者ですね。 読んでる間、かなり物語に入り込んでました。 タワー型マンションの住人とすれ違うたびに 「あ〜この人もひょっとしたらなんかワケありなんじゃ・・・。」 みたいなことばっかり考えてました。 | ||||
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この作品のストーリー、技法等については、他の方々がレビューで書かれているとおりである。作者がこの作品を書いた理由は何であったのだろうか?解説の重松氏も指摘している一文「磁石が砂鉄を集めるように、「事件」は多くの人々を吸い寄せる」(86頁)が印象深い。作者は、実際に存在していても不思議ではないこれらの人々が殺人事件に吸い寄せられた理由を書きたかったのではないか。今の社会に生きるこれらの人々は皆、何らかの弱さを持ち合わせている。作者はその「弱さ」を丁寧に描写しており、殺人事件はその多くの「弱さ」が結晶化したものだ。今の社会はこれほどまでに病んでいるのか。 | ||||
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もしも隣に住んでいる家族だと思っていた人が、実は全然別々の他人同士の集まりだったとしたら・・・。バブル崩壊からの現代社会の歪みを描いた傑作である。この作品は、珍しくドキュメンタリータッチで描かれ、一瞬戸惑うところもあったが、ラストに向かうにしたがってこの手法が最適だったと感心させられた。但し「火車」の様なスピード感はあまり感じられないうえに、かなりの長編であり、内容も濃いのでじっくり時間をかける覚悟はいる作品だと思う。 | ||||
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小説というよりは事件のルポのような文体。 どこか無機質な文章の中にさまざまな要素が織り込まれている・・・。 そんな印象の小説です。 最初っからとてもおもしろくて すっかりはまってしまいました。 事件そのものも凄惨だけれど、 それ以上に関係者の家族やその人の人生観が透けてくるところがすごい! とても緻密に作り上げられた作品だなーと思います。 | ||||
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謎の一家殺人事件、犯人と目される男は話の冒頭で捕まる。 それはこの作品が犯人を追いつめるというよりは、タイトルどおりなぜ事件に至ったかをたどる物語だからと思う。 この作品の圧巻は、この事件にかかわる人たちの数とその人生模様の背景である。 まず殺された一家の人間から、事件の鍵をにぎる姉と弟、集合住宅における独自の事情、実は殺された一家は、本来の持ち主ではなく、居座り屋であると言うこと、 またこの物件を買った男のそれにいたる事情など、あげればきりがない人々の事情が交差し、からみあい、事件の概要とその謎に近づいていく。 物語は、インタビュアーとして関係者から意見を聞くという形式をとり、まるで実際に起きた事件のドキュメンタリーではないかと思わせる。 この作品は、「火車」と同じように社会問題をとりあげていて、宮部みゆきの作品は、こういったテーマを扱った作品が一番面白いと思える。 ぶあつい作品だけれど、それでも次に次にと頁をめくらされた。 | ||||
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読み始めてすぐにそのプロットが秀逸であることに驚かされる。殺人事件が起きたようだが、読者にはまだその事件の全貌が知らされない。語り手はどうやらその事件が解決した後に、関係者達への取材から真実を明らかにしようとしているジャーナリストらしい。つまりドキュメンタリー作品のようだ。しかし真相は徐々に明らかになっていくので読者の興味がそがれることはなく、小説の世界にぐいぐいと引き込まれていく。登場人物は多岐にわたるが、その一人一人の背景が詳細に描き込まれているので、描かれるその世界はリアルだ。叶わないマイホームの夢、バブルの崩壊、法律の網をすりぬける悪徳商法、家庭崩壊、孤独な老人など現代社会の産み出した闇の部分をさらけ出し、それらに厳しい視線を当てる。670ページが長くは感じられない傑作である。 | ||||
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バブルがはじけ、不良債権という言葉がはやり文句になっていた時代。 バブルで見失った、自分の身の丈に合った生活に戻れず、怨念のように幻にすがりつく人。 家庭が壊れているのに気づかず、器である家にこだわる。 器が家族だと誤解する人。 バブルで見失った、絆は修復できるのだろうか? 血がつながっていさえすれば、家族になれるのだろうか? この中で、一番家族だったのは、占有屋の他人たちだったのは皮肉である。 | ||||
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ひとつの殺人事件を軸に、それはそれは膨大な背景や由来が描きだされます。 あまりに登場人物が多いのと舞台が変わるのもあって、頁を括る手が 行ったりきたりしますが・・・忙しい人は、ギブアップしちゃうかも。証言者の語りが インタビュー形式になっているのも、初めて見るパターンで新鮮でした。 筋書きは違うけれど<他人になりすまし、平然と日常生活を送ること>が、どんなに複雑で 難しいことなのか、テーマが同著者の「火車」と合い通じる所がある作品なので、 まとめて読んでみるといいかもしれません。 やはり、宮部みゆきは面白い!! | ||||
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「火車」の衝撃が大きすぎて、「理由」をそれ程評価してない方もあるようなのですが、ありそうな事件としては「理由」の方がリアリティに満ちているように思います。 なにより、この作品が書かれた当時の短期賃貸借に関する法律関係と、その問題点をきちんとトレースして構成されているのでとても勉強になります。尤も、今では法令が改正されていますので、この作品で書かれたような手段で競売を妨害することは多分出来ませんが。 なにがなんでも安く競売でマイホームを手に入れたい者、どんなことをしてでも手に入れたマイホームを手放したくない者、どちらも家さえあれば幸せになれるという幻想に取り付かれた愚か者。 そして、その両者の間を幻のようにさまよう居座り稼業の偽装家族たち。彼らもまた、幸せな家族愛という錯覚に囚われているか、或いは肉親の情愛なんてものにとっくに失望しているかの両極端にある者たちの集団。 一人一人はみな悪人ではないし、愚直なまでの自分たちの幸せを守ろうとしているだけなのがなおさら切ない。でも、愚直な善人だからといって、手段が正当化される訳でもないし、自身の誠意が相手に伝わるとは限らない。 しかし、それにしても、こうまでして、日本人というのは持ち家願望、幸せな家族に恵まれた家庭というものが達成されないと人間として欠陥品な存在だと自分を思ってしまうものなのでしょうか。この本に登場する人物たち、それにこれを読んで身につまされると感じた方は、一度、西原理恵子作品でも読んで、もっと修行した方がいいかもしれませんね。 | ||||
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法学部生なら民法や物権の時間に勉強する 「占有屋」のお話といえばわかるだろうか。 正確には短期賃借権制度という。 (ただし法改正でもうこういうことはなくなった) この制度を知ってるとある程度は展開がわかる。 そういうことに関係なく、いくつもの要素(事件)が 物語の進行とともに絡み合った全体像を見せるという 宮部みゆきの基本線ともいえるストーリーかと。 普通と違うのは、ノンフィクション(ドキュメンタリー) のようなタッチで描かれていること。 関係者へのインタビューをまとめて、それを基に 真実に迫っていくような構成。 好き嫌いはあるけど、俺は好き。 一人ひとりの心情がかえって浮き彫りになる。 結末に少々納得しきれなかったので4つです。 読み応えのある小説を読みたい方におすすめ。 | ||||
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東京荒川区の高層マンションの2025号室でおきた殺人事件を追ったルポタージュ形式のミステリー小説。 ミステリーといっても、ただ事件の謎の紐解きをする小説ではなく、事件に接点のある人々の過去から生活、考え方にまで焦点をあてて 詳細に描写しており、それぞれの登場人物が必然と偶然が絡み合って接点が生じ、一つの出来事に結びついてく様を見事に表現しています。 言い返せば、この事件の背景にはこれだけの要素があるということでしょうか。 また、この小説の中で、不動産に関する法律の抜け穴をめぐる争いや占有屋なる人たちがいるのを知りました。 小説の形式自体が異なりますが、 「火車」は、登場人物の生活や描写とミステリーがうまく融合し、 最後まで一気に読ませてしまうものがあったのですが、 「理由」は、登場人物の描写に重きがおかれて、 読者を休まずに読ませる小説のもつ勢いといったものが若干色あせてしまった感があります。 | ||||
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これが書かれた当時はおそらく目新しい題材だったんだと思うが、今読むとまったく珍しくもなく、はじめての宮部作品への期待も大きかったせいか、ちょっとがっかりした。ただ人物描写については思ってた以上に細かく丁寧で、読みやすい文体でもあったので、また他の宮部作品にも、今度は旬を逃すことなく挑戦したいと思う。 | ||||
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読み物としては大変面白い。マンションで起こった凄惨な皆殺し事件についてのインタビュー形式だが、インタビューされる人の語り口も面白い。ただいままでの宮部氏の作品に共通してイメージされるが、「都会の人は上昇志向ばかり強くてマンションに住んで現実を見ようとしないので何らかのトラブルに巻き込まれることもある」「下町の人は地面に足のついた生活で明るくてやさしい」という対比構造(敵対構造?)がこの作品では色濃くでている。が、宮部氏の筆力と文章構成は、そのイメージを補って余りあるうまさを持っている。読んで損はない。この物語の象徴的な存在「八代祐司」は後の宮部氏の大作「模倣犯」のピースに通じるイメージがあると思う。 | ||||
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全体の8割位まで、飽きずに一気に読めるのですが終わりに近づくと、ちょっと「ここまで引っ張ってこれが真相?」と思いませんか?宮部作品はどれも好きですが、9.5割位までハラハラ・ドキドキ感がほしいと思います。 しかし、充分に読むに値する作品です。 | ||||
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うーむ。 宮部みゆきを一度読んでみたかった、 という軽い気持ちで買ったのだが、それにしてはやけに重かった。 まずページ数がべらぼうに長い。 というより「説明が多くて長く感じた」というのが感想だ。 読んでいくうちにどんどん飲み込まれていくような感じがあまりなかった。 事件が動き出すのがちょっと遅かったかもしれない。 しかしそうは言っても、説明は多いがリアリティを存分に感じられるのは確かだ。 細かいところまで作者の力がこもっている綿密な構成は絶品で、 直木賞というのも納得できた。 だからこれは、臨場感あふれるミステリーというよりは、 色々な人の人生が交錯するヒューマンドラマといったほうが良いかもしれない。 登場人物それぞれの人生観、過去、対人関係、すべてが事細かに書かれている。 だからこそ、宮部みゆきが描きたかった「理由」が見えてくるのだと思う。 | ||||
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圧倒的に何者かが悪い、というドラマではない。 脛に傷もつ凡庸な人々が集い都会の片隅で、それぞれが歯車のようにかみ合って事件に向かってゴロゴロと進んで行く様子が「事件の発見」から「発生」までリバースされていく。 往年の三面記事ファン(?)としては非常に面白く読めた。 凡庸ゆえに何らかの解決策を探し得ぬまま事件を起こす人間の姿、結局この物語の犯人も「大した」人間ではない。 この物語は、偶然が集い必然となって事件に向かって転がっていく、実際の事件を投影したものの様な気がする。 | ||||
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ミステリー作品と銘打ち,直木賞までもらっている大作なのに,冒頭部分ですでに全て終わりかけているという本書.トリック等の謎解き,犯人探し,名探偵の活躍・・・この本にそういったものは期待しないほうが良い.だからといってこの本がつまらないか,というとそんなことは無い. ドキュメンタリータッチに進むこの物語は,社会派のにおいを漂わせる構成となっている.探偵がいなくても,事件は終わってしまっていてもミステリーは成立する,しかも恐ろしいほどの完成度で・・・ 新しいタイプのミステリーの可能性を垣間見ることが出来た. | ||||
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問答無用の大ヒット作です。ある事件をインタビュー形式で多数の関係者に聞いて回るちょっと変わった視点からのストーリーなんですが徐々に点が線に繋がるこのドキドキ感は宮部みゆきならではの筆力でしょうねぇ。 | ||||
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2025号室で起こった凄惨な殺人事件。ミステリアスな小説ではあるが、それは事件の構造それ自体ではなく、「誰が、なぜ、何のために」その行動をしたのかという点においてだ。ここにおいて、「何のために」というものが指すもの。それは「家族」である。「家族のために」とは言っても、その「ため」という意味は「利益・目的」ではなく、「理由・原因」なのである。現代の家族のあり方が生んだ常人には理解できない理由。しかし筆者はこの考え方に関して警鐘を鳴らす。最後の方が何となく直球で攻めてきた感じがしてちょっと野暮な感じでした。よってマイナス一点。 | ||||
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良かったです。私は登場人物が詳細に描写されている作品が好きで、特に高村薫の作品が好きです。次の作家を新規開拓中にこの作品に出会いました。書店でよく見かけ、売れているのだろうとは思っていましたが、今まで購入には至りませんでした。今回初めて彼女の作品を読みましたが、詳細な人物描写という観点において、この作品は私の趣向に合っていました。双方を比較してみると、高村作品は男の哀愁と非現実性が、この作品には家族や社会のひずみと現実性という相違点があると思います。身近な話題という点は非現実性を求めがちなミステリーにおいて評価の分かれるところでしょうが、それはそれで私は問題なく楽しめました。新しいミステリーを求めている方は、王道ではありますが、おすすめします。新規開拓に成功したという喜びと希望を込めて星5つにしました。 | ||||
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