■スポンサードリンク
理由
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!
理由の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.67pt |
■スポンサードリンク
Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全150件 61~80 4/8ページ
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
この理由、はとある豪雨の夜の事件を扱っています。 内容は口で説明するのは大変難しいのですが、複雑で、異常で、家族の在り方等 色々詰め込まれています。 とにかくはっきり言えることは、狂気というのは本当にいつでも誰にでも襲い掛かって くるものだなあと感じさせられます。 凄く内容的に不気味で怖いのですが、その中にも日常が当然ある訳で、そのミックス のされ方が巧い!家族への愛情も良く描かれていて、泣いてしまったりもしました。 続きが気になってドンドン読んでしまいます。 一気読みしました。読んだ後も余韻が凄くてぽわんとしてました。 是非おススメします。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
読み応えのある作品です。 かなり登場人物も多いにも関わらず、 それがうまく組み合わさっている。 やっぱり人は着丈に合った生活を送ることが何より大切。 そして、うまい話には大抵落とし穴がある。 事件の関係者それぞれの話を細切れにしながら 真相へと導いていく手法は読み辛くもあり面白くもあった。 前半はいいところで他の人物の話へと ころころ変わるので切り替えがうまく行かず 読み進めるのに苦労したけど、 後半に差し掛かりそれぞれのつながりが出てきて 事件の全貌が少しずつはっきりして行くにつれて どんどん引き込まれていきました。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
この小説において、ルポなので当然ではあるが、事件はもう解決している。その事件が解決してゆく過程がルポの形式で、様々な人の視点から語られていく。主要線である事件の真相を知るのも、もちろんこの本の読みどころではあると思うが、その主要線の周りをらせん状にめぐっている『二次的な事件』も、またもう一つの読みどころであると思う。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
登場する人々の家族構成や背景をここまで緻密に描いた作品は稀有である。 1つ1つのエピソードが物語の結末を考える上で外せないものであり どれ1つとして無駄なものはないと思う。 読了後、私はカラマーゾフの兄弟を再読したくなった。 家族に振回される人物、家族に守られる人物、家族そのものを否定する人物、 それぞれの立場で私は共感できる。 どの立場が悪いとか、良いとかではないがそういう状況に追いやっている時代 に私は生きているんだと思った。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
登場人物が非常に多いが、混乱することは全くなく一気に読めた。通勤時間を利用して2日で読み終えたミステリーということになっているが、その謎ときはそれほ凝ったものではなく、意外性もない。三分の二ほど読んだところで結末はわかる。むしろこの小説の魅力は(賛否両論がかなりあるようだが)、ルポルタージュの形式で語られる多くの人々の息遣いである。登場人物はいずれも、どこかが上手くいかない、不器用な人たちばかりである。勉強や仕事がそこそこできる人、そこそこ感じの良い人はいるが、能力を有効に生かしてかっこよく生きられそうな人はいない。そしてその誰もが、家族に関わる厄介なしがらみを抱えている。悲惨な事件の舞台となったおしゃれなマンションのイメージからは程遠い、前近代の湿っぽい臭いを漂わせた人たちばかりがこれでもかというほど登場する。考えてみればこれは無理からぬ話かもしれない。しがらみから逃れようと夢中でもがくうちに、バブル期に小金を持ってドライで清潔な都会の暮らしに足を踏み入れることができたのだろう。「家族の絆」などという甘い言葉では呼びたくない、しがらみと適度に付き合う(絡まって身動きがとれなくなったり、無理に断ち切ったりすることなく)ことの難しさを考えさせられた。そして、そのなかでささやかな希望なのが、親や祖父母たちのしがらみに振り回されながらも、健気に地に足をつけて生きようとするタワーマンションの少年小糸孝弘と、宿泊所の少女、片倉伸子である。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
高級マンションで起きた一家3人の殺人と1人の転落死の真相を追うルポタージュ形式のミステリー. バブル期の高級マンションとローンの焦げ付き, 競売と占有屋という社会の変動を背景とした事件の真相を迫っていき, 後半では事件の裏に見え隠れする家族というシステムの崩壊が描かれている. この作品のテーマは犯人探しや謎解きではなく, 事件の当事者たちや社会背景にある事情であって,まさに「理由」がテーマなのである. 当事者たちのインタビューという形式で, それぞれがときに視野狭窄的な,ときに身勝手な言い分が主張されるのもリアリティを増している. 真相に至るプロセスと社会の縮図を描くという文学性が高い水準でバランスした作品. | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
過去のレビューを読むと、人物描写がくどすぎるとか、関係の無い部分を掘り下げすぎという意見が目立つが、決してそのような内容ではない。この程度で冗長であるという人は普段どのような作品を読んでいるのだろうか。 まぁ、それはさておき、この作品は宮部さんらしい読み応えのあるものに仕上がっている。 読み終わって、題名の意味をあらためて噛み締めることになるのだが、簡潔に言うと人間の行動原理にはそれぞれの理由があり、外見の事象のみで善悪をつけることは出来ないということだろうか(この考えは宮部作品に共通した主題だと思われるが)。ただし、一人の人間を除いては・・。また、今後理由無く行動する人間が増えていく時代になるのではという警告も付け加えられているのも興味深い。 また、この作品では誰もが経験する住宅ローンというテーマを扱い、作品内で起きている事柄が非常に身近に感じさせるのも火車同様読み手を惹きつける。 長くはあるが、一気に読め、もう一度読み返したくなる作品である。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
これはおもしろい作品でした。インタビュー形式で進められていくという手法と、その事件の内容がマッチし、さらに話す人によって様々な視点から事件をみることになる。今のマスコミが抱える問題を内包しているかのような作品でもある。みんな自分の中ではそれが真実なんだろうけどね〜、という問いかけ。大林宣彦の映画も見てみたくなっちまったよ…。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
推理小説は子供の頃から好きだったが、古典期(?)のものに読書対象が著しく偏っており、たとえば邦人では、江戸川乱歩はほぼすべて読んだが、彼以外は逆にほぼ全く読んでいない。(松本清張やなんかですらも...) したがって、宮部みゆきという、わたしとさほど年齢が違わない作家の近作等、本来なら対象外だったのだが、しばらく前、映画化された時の宣伝フィルムなんかを見ていて、絶対映画化不可能、登場人物数十人(?)、また、出演した俳優陣も、原作読んでもよくわからない...etc、逆にそこで興味をかき立てられ、古本屋に文庫が並んでいるのを見つけ購入、一気に読了した。 最初に書いた通り、最近の日本の作家のこの手の作品は全く疎いので、熱心なファンの人がどう評価しているかよく判らないが、個人的にはとても面白く読めた。 表題にも書いた通り、第一印象を言えば、現代版に、さらに緻密に、しかもスッキリ読み易くしたクロフツ、という感じである。 しかも、クロフツの作品世界と違い、舞台や登場人物たちの背景や心理も、自分に馴染みの有るものや充分類推が効くものが多く、非常に読み易かった。 映画は録画しただけで、まだ見ていない。原作を読み終わった今、この作品がどう料理されているか、あらためて観てみたいと思う。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
家を購入することなどを考えられている方の中には、裁判所競売物件は一般の不動産よりは安い値段設定のため、興味を持たれている方もいらっしゃるのではないでしょうか。 その反面、裁判所競売物件は「理由(わけ)あり」商品が多く含まれているようです。 シークレット・コードほどじゃないんですが、これがタイトルの理由の1つではと個人的に考えます。 競売物件は安いようですが、何事も得をしようとし過ぎ、欲張ってはいけません。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
競売物件を巡るミステリー。 執筆された当時とは状況が違うかもしれないけれど、自己実現のために手に入れた 家を競売で手放す際の往生際の悪い債権者と、そういった事案を虎視眈々と狙う 狡猾な買取人、両者から利鞘を得ようとする第三者の存在。それぞれが描かれた この小説は、その描写だけでも充分読む価値があると思う。 殺人事件をルポ形式で丁寧に読み解いているので、ちょっとずつ読むと良いと思う。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
ルポ形式という表現方法のため、物語のUp and Downが伝わり難い。 事件は淡々と語られていくのみ、といった印象を受けた。 しかし、事件に関わった人々の家族模様の描写が細かく、 人生に悩み苦しんで、虚勢を張って、 時にいがみ合って、時に支え合って生きている、 普通の人々が登場人物であるため、リアリティに富んでおり ぐいぐいと事件に引き込まれていった。 最後まで読むと、 この小説で本当に宮部さんが語りたかったのは ミステリーの謎解きなんかではなく、 「家族の絆」だったんだということがわかる。 少々切ない読後感が残った。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
一家四人が高級マンションで殺された事件をドキュメンタリータッチで浮き彫りにする物語。 インタビュー形式で関係者たちが事件を振り返り真相を突き詰めていく手法。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
直木賞受賞作ということですが、レビューを見ていると結構好みが分かれる本作。 宮部氏の作品は最近ファンタジーものや時代ものが多いですが、 個人的には火車や模倣犯のような本格的なミステリーが好きです。 ミステリーといっても活劇的な部分は皆無だし、ストーリーも 説明的なところが多いのが本作の特徴。 レビューでも一部の人が指摘しているように展開が遅いというのは一理あります。 しかし私は逆にそれこそがこの作品の真骨頂ではないかと思います。 一人一人の登場人物に事件そのものに大きく関わってない部分も含め、 かなり詳細に説明してるのが一部の方には退屈なのだと思います。 そのような一見無意味な細かい設定の連続性が登場人物に存在感をあたえ、 この作品にリアリティーを生み出しているのではないかと思います。 この作品は事件の表面からスタートし、その全容を関わる人物のエピソードから 少しずつ解明していきます。 私たちが普段ニュースで知る事件はその被害者や加害者のほんの一部しか知ることができません。 この本を読んだあと、普段その一面だけを見て理解したつもりになっている世の中の 事件にはきっと多くのストーリーを含んでいるのだろうなと思いました。 関係ないですが私はこの作品を荒川の自宅マンション(15階)で読みました。 読んでいる最中何気なく窓の外を見てしまいましたw | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
私達は日常、新聞報道などで様々な事件に遭遇していますが、その「事件」というものが辿る不思議な世界を斬新な手法で描き出した小説だという感想を持ちました。ここに取り上げられる事件は、一家四人殺人事件ですが、その事件には膨大な人間が関ってきます。目撃者、証言者、関係者などそれぞれが一部分を担っていますが、バラバラに存在している情報はそれぞれが孤立しており、事実と思い込みや空想との距離が測れません。一枚一枚のカードを丁寧に並べなおしてゆくことで、事件は素顔を覗かせ始めます。普通の人が突然事件に巻き込まれてしまう日常に潜む罠を宮部さんはよく使用しているように思いますが、この作品でも、そのリアリティーが遺憾なく発揮されていると思います。導入部での圧倒的な迫力は凄いです。ぐいぐいと文章に引きずられてゆくような文体が圧巻でした。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
超高層マンション内に住まう身元不明の一家四人が、一夜にして殺害された。事件の真相をルポタージュ形式で追う、"真相追求型"のミステリ小説。 すべての証拠は、マンション内に住まう住人たちの中にしか転がっていない。捜査を進める中、マンション内に住まう住人たちの様々な家庭環境が捜査当局に去来する。 それぞれの事情を抱え、互い違いに、"よそ"についての虚像を抱く"家庭"。 どんなに幸せそうな家庭でも、自分の家族に充足し続けられる家族はどこにもいない。誰しもが不満を見つけ、幸せな部分は見えなくなるのだ。いったいどこに隠してしまうのかと思う程に。 読み進めるごとに、事件の経緯以上に、書き込まれた家族群像の方に目を惹かれていく。 そうさせる程、宮部みゆきの描く人間像は、実にリアルで着飾る所がない。彼らは各々の観点から気儘(きまま)に語っている。 よく書いたな、と感心するほど、登場する人物背景も多種多様だ。心に伝わる生々しい感情が描かれる: 子供の社会、主婦の社会。老人を支配し続ける過去、悪妻とその周縁の人々、闇業者とそれに転がされた人々、嫁姑の微妙な関係、家族に見捨てられた女、家族を憎悪する男ーー。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 自分が思うにこの本、一家四人殺しというミステリ的部分は、話を600ページ引っ張るためだけにあるのだと思う。 むしろ、家族がお互いの考えを言いっ放しにしている、この状態をこそ比較して楽しむものなのではないかと思う。 全く関係のなかった多くの家庭も、見方を変えただけでいつ破綻し、いつ殺人が起こるかわからない。些細な契機(きっかけ)を与えるだけで、波紋は大きく拡がっていくーー。 この事に気づくと、すべての家族の物語が連鎖的なものとして立ち上がってくる。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 他の宮部作品に比べ、比較的読み進めるのに時間がかかる作品。じっくりとした文章で、言い換えれば十分な読み応えがある。 過去の作品「火車」に近い部分があるが、自分の口には「理由」の方が合う。 軽い本ではない。そこがお勧めできる所である。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
直木賞を取ったのが、『火車』でもなく『模倣犯』でもなくこの『理由』だったのが、わかるような、わからないような・・・着眼が素晴らしい、一人一人の心理や状況説明は丁寧、都会の中の寂しさはせまってくる・・・面白かったし、読み応えあった。 ただ、ちょっと真面目に説明しすぎたかな?ところどころ重たいな、というのはありました。 でもやっぱりさすがだな。地味な、まっとうな人間を軽んじないで描く。たまたまでも、むりやりにでも、家族という単位から外れて、まっとうからはずれてしまった人を、悲しみながら書く。そこに優しさをすごく感じるので、いつも読み終えた後いろんなものが残ります。 で、またそれを味わいたくて読むんですよね。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
とても面白かった。すらすら読めて、長さがちっとも苦になりませんでした。 でもそれは、膨大な数のキャラクターひとりひとりに感情移入ができたからだと思います。 評価の中には「長すぎる」という声がありますが、確かに、キャラクターの言動や思いの細かい部分に、共感あるいは一喜一憂する気持ちが起こらないと、ただ長いだけの読むのがつらい小説になることと思います。 ひとつの都市を中心に、複数の家族物語を描いていった作品という感じ。 ミステリーよりも、様々な人間ドラマに「ミステリー要素を加えた」小説だと思いました。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
素晴らしい文章の力と構成。題名が効いている。他人が理解出来ようと、出来まいと私たちの行動にはなんらかの理由がある。その理由は個人の過去とつながりがある。そして過去なくしては人間の実体はないのだという作者の説明はわかりやすい。しかし、直木賞授賞作としてこの本を見直すと、物足りない気がする。現代社会の澱を分かりやすく説明しようとするあまり、情報提供小説のようになってしまった感があるからだ。しかし、宮部みゆきという人が作家として抜きんでた才能を持っていることもよくわかる一冊である。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
ルポタージュ形式のミステリー小説という形式に新しさを感じた。老若男女さまざまなな登場人物を過去から現在まで堀りおこし、彼らがどう殺人事件に吸い寄せられていったのかが詳しく描写されている。若干中だるみの感もあるが、数多くの要素がルポ形式で解きほぐされていく過程は面白い。 | ||||
| ||||
|
■スポンサードリンク
|
|
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!