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理由
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理由の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.67pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全150件 41~60 3/8ページ
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再読、10年以上前に,単行本で、読んだ後、あまりの長さに閉口したが、今回は、それほど苦痛を、感じなくすらすら読めたが、登場人物が多くて、状況説明が、著者野作品は、いつもそうだが、くどすぎる、それでも、興味深い不気味な雰囲気は、改めて、面白く感じた。 | ||||
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物語というよりかは、ある事件があってそれがどういう紆余曲折を経てこうならざるを得なかったのかという事件背景が、ページが進むにつれて少しずつ異なった方向から明らかになってゆきクライマックスには1つの線になるという、その過程を楽しむ本だと思った。 確かに人によってはじれったくて好き嫌いが別れそうだけれど、自分は割りと好きなタイプなので結構楽しめた。 宮部みゆきらしい緻密で濃い内容だったし、買ってよかったと思う。 | ||||
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宮部みゆきの作品を最後まで読み終えたのはこれが最初。 模倣犯を途中まで読んだことがあり、宮部作品に興味はあったので、直木賞受賞作ということでこれを読んでみた。 まず、他の方がレビューで書かれている「冗長である」という批判についてであるが、これはたしかに僕もそう思う。冗長なところはある。ここまで各登場人物の家族のことを微に入り細をうがって書く必要はあったのかという疑問はある。これが宮部みゆきにとってはじめての新聞連載小説であったことが、冗長になってしまった理由のひとつなのかもしれない。 一方で、これも他の方がレヴューで指摘していることではあるが、競売と執行妨害としての占有という当時の社会問題を扱った小説としての面白さというのは確かにあると思う。 ただ、僕がこの本を読んで感じた一番重要なこと、というかおそらく宮部みゆきが一番言いたかったことは何かといえば、家族の煩わしさから逃れて自由になろうとする人々(特に男性)への警鐘なのではないか。 ハードカバー版498ページで、宮部は「おかしなものだ。家のくびきから逃れ、一個の人間として自立するために努力し、それを渇望しているのは「女」という性の人間たちであるはずなのに、その一方で、ただひたすら血や親子のつながりのなかに回帰しようとするのも「女」たちばかりだ。そして「男」はと言えば――逃げてばっかりだ」と書いている。現に、この小説のなかの重要人物である八代祐司は、「家族」の煩わしさから逃げようともがき続けた果てに、その「家族」を殺してしまうという結末になっている。だから、最後の最後、片倉幸恵と信子の会話のなかで、八代祐司は、家族という煩わしいものから逃れようとして「失敗した」男として語られるのである。 そのように考えると、この小説が、登場人物の家族を描き続けた(その結果冗長になった)ことにも納得がいく。家族の煩わしさ、それから逃れようとして失敗する男、その一方で家族の煩わしさを感じながらも、女は家族から逃れようとはしない。宮部みゆきはそういうものを描きたかったのではないか。もっと踏み込んでいえば、(男性が)家族の煩わしさから逃れようとすると悲劇が起きるのだと、警鐘を鳴らしたかったのではないか。 | ||||
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話の展開が早く、また様々な角度からそれぞれの人々の立場の話しが進み、最初は手探りでミステリーの駒をジグソーパズル並みに揃えてゆき、最後に全てがピッタリとはまる。読む人に納得を与え、まさに最後までドキドキさせる宮部さん独特の執筆の手法が素晴らしいです。人情味のあるキャラクターを 登場させ残虐な事件でありながらも読者に一抹のホッとする手心を加えているあたりが又宮部さんならではのミステリー小説であると思います。 | ||||
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年齢とともに、場面がとびとびになるストーリーが苦手になってきた。それが★五つにできなかった理由。 | ||||
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ネタ晴らしになるが殺害の「理由」はそれだけだった・・・。けど、残る。残るのは「あの幽霊」だからだろうか。宮部先生はこれで直木賞をお取りになった。満足だが出来たら「火車」でなぜ取れなかったのか、というのが宮部ファンの望みだったろう。 星5つは「たいがい救いがある宮部作品の中でも異色」だったからだ。宮部作品には「暖かな共感」があるがこの作品には殺伐とした 何かがある。殺伐さでも書ける。そのポテンシャルの大きさが宮部みゆきのすごさだ。 この作品を読んだ後はしばらく夕方ビルの上の窓をのぞけなかった・・・・ | ||||
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家族の歴史までさか上っているので面白さに深みが出る。しかし石田さんの行動は理解しがたい。 | ||||
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当代随一のミステリー作家と言われる宮部だが、自分はあまり好きではなかった。 作品自身が軽いものが多く、結構筋の運びなどもEasy Goingで社会性もそれほど含まれていない作品が多い ように思っていた。たまたま自分が読んだ作品がそういう傾向のものが多かったかもしれない。しかし、この 作品「理由」は明らかに違っていた。まるで作者が一気にそういった評価を覆したかったのごとく全てが 違っていた。高層マンションでの一家4人殺人事件というsituationから放射線状に被害者達、加害者達、そして それを取り巻く色々な人たちがルポ形式で深く、鮮やかに描かれていく。作品でいうと完全な脇役達が見事な 人物描写ではっきりと浮かび上がっていく。文庫で600ページを超える作品になるだけそういった描写は細やか だ。そのようなまるで大きなキャンパスに細かい人物を何人も描くかのごとき手法で読者を惹きつけて離さない。 そしてテーマは家族だ。無理をして高級マンションを買ってローンが払えずに出て行く家族、競売でそのマンションを買う 父と家族、そのマンションに住んで図らずもこの殺人事件に巻き込まれることになる家族、家族を信じることができず に最後は大量殺人を生み出す男の家族、その男の子を産む若い女と家族、何組の家族がこの作品に登場 することか。「占有屋」として家族ごっこをする男や女はそういった家族を捨てた人間達だ。こういった人たちが 主人公でいることで作品がくらく、重くなるはずが、何となくまだそういった気持ちにならずにすむのはなぜ? 若くして母になってしまう宝井綾子とその一家、逃亡者石田を発見する片倉一家、そして数多い登場人物の 殆どが好人物であること、貧しくとも人を信じて生きる人たちがいて、その人たちこそが本当の幸せをいつか つかむことが出来るのだという作者のメッセージが感じられると思うのは自分だけだろうか。 | ||||
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本格ルポルタージュ、ノンフィクション小説と言えば、佐野眞一の『東電OL殺人事件』であり、沢木耕太郎の『テロルの決算』である。 宮部みゆきの『理由』という作品があくまでフィクションにもかかわらず、作品のそこかしこから重厚なリアリズムを感じるのはなぜか? あれこれ考えたのだが、この、ルポ形式を取っている作風が成功したのではなかろうか? 著者がその事件を追うルポライターとしての役目を担い、事件の一部始終を語り尽くすのだ。 『理由』はあくまでもフィクションであり、宮部みゆきの創作ミステリーであるはずなのに、これほどまでに読者を惹きつけて止まない魅力に溢れているとは、やっぱりスゴイ。 著者のプロフィールなどを読むと、法律事務所に勤務していた経験もあるとのこと。特殊な事情を抱えたクライアントの悩みを小耳に挟むうちに、めくるめく創作意欲が湧いたのかもしれない。 作中の事件が決してウソっぽくなく、リアリティーに溢れていることから言っても、宮部みゆきの作家としての技巧的な能力以上に、事実から着想を得た(かもしれない)ことは有利に働いていると思われる。 『理由』は、ルポライターが「荒川の一家四人殺し」の真相に迫るために、当事者やそれにまつわる親族らに取材し、事件の一部始終を記事にした、という形式を取っている。 事件は雨の晩に起きる。荒川区にある高層マンションのヴァンダール千住北ニューシティ・二〇二五号室で、3人の惨殺死体とベランダから転落した1人を合わせ4人の遺体が発見された。 二〇二五号室の入居者は、小糸信治とその妻、それに小学生の息子であるはずなのだが、捜査の結果、殺された4人は小糸一家ではないことが判明。 小糸一家はマンションのローンが支払えず、部屋は競売にかけられており、すでに夜逃げ同然に他へ引っ越していた。 では、殺された4人は一体どこの誰なのか? 事件の真相を追っていくうちに、意外なことが次々と明らかになっていくのだった。 私はこれまで、都会の高層マンション(億ション)と言えば、富裕層に与えられた特権的な象徴のように捉えていた。だが、世の中には身の丈以上の物へのあこがれからか、低所得者でも何十年ものローンを組んで購入しようとする人がいることを知った。 さらに、その行為によって自らの首を絞めることとなり、ローン返済も頓挫し、いかがわしい不動産屋との共謀で犯罪にまで手を染めてしまう例もあるようだ。 そこからは、物質至上主義がいかに虚しいものであるかが窺える。 著者はこの作品を通して、大切なのは「分相応」であることなのだと言おうとしているに違いない。 その一方で、低所得者に対する同情的な眼差しを向けているのも否めない。お金がないということは、ここまで人間を荒んだ生きものにしてしまうのだという警鐘にも思えるし、そんな低所得者を生み出したのは、この歪んだ社会なのだと痛罵しているようにも捉えられる。 ところで、この小説のタイトルにもなっている「理由」だが、殺人を犯したその理由は一体何だったのだろう? とはいえ、読後はいかなる理由があろうとも、殺人など犯してはならないのだと痛感する。 ベストセラー小説の名に相応しい一冊である。 | ||||
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状態もよく、期待以上の商品で大変満足です。 購入してよかったです。 | ||||
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想像した通りとてもよかった。また次の商品も購入したいと考えている。 | ||||
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以前から読んでみたいと思っていましたが、生活に追われ、仕事に追われて、読めませんでした。子育て一段落のいま、お得な値段でゲットしました。 | ||||
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著者の作品は 火車、小暮写真館 いらいですが、 どの作品も完成度が高く、読むものを引き込む。 少し前の作品ではあるが、当時の時代背景などが克明に書かれ、 人には 「何かする理由」が必ずあることを痛感した。 ミステリーとしても 最後まで誰が犯人なのか? なぜ殺したのか?なぜ逃げているのか? そのへんを推理させて面白かった。 評価が分かれるのは 直木賞作品であり、著者の作品がどれも 一流だからだと思う。 常に 高い位置での作品評価がついて回るので、 読むほうも先入観が入り それを期待してしまうからだろう。 | ||||
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個人読書履歴。一般文学通算289作品目の読書完。2006/04/01 | ||||
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様々な意見があると思います。 別にこだわりがあるというわけではないのですが。 この本で宮部作品に遅ればせながら、出会った。そしてかなりの 衝撃を受けた。その後、気が狂ったように宮部作品を読み漁った。 そのきっかけが「理由」でした。 読み始めは何だコリャ。って感じでした。 暗い。部屋も暗けりゃ、ストーリーもなんだか。なかなか進まない。 いらいらする。 そのインタビュー形式で一つ一つのパーツが少しづつ少しづつ形作る その一歩一歩に魅了されていくのが分かると、驚きました。 力作です。そして天賦の才。語り部としての為せる業。 時折他の作品で、軽いタッチの文章を目にしますが、理由、火車、 レベル7、魔術はささやく、模倣犯の文章のタッチが本来の宮部節なの では無いでしょうか。 「理由」はちょっとその宮部節が重めのトーンに染まっただけかな、 と思います。 ミステリーとか、ジャンルに振り分ける必要は無いと思います。 力作です。勝手な意見かも知れませんが、満点。お勧めします。 宮部作品の傑作の一つ。 | ||||
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ベタな悪人は出てこない。 みんな現代の日本人。人間臭くて、ちょっとづつズレている。誰も決定的に悪くわない。 登場人物全員でシーツの端をもって引っ張り合いっこした結果、一人のところにシワが集まっちゃった、って感じ。 人生の歯車ってちょっとした事で噛み合わなくなるんだってことを実感。 運命といってしまえばそれまでだが。 | ||||
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この作品はとにかく重厚で、 謎解き、よりはむしろ「人間劇」のほうに ウェイトがおかれています。 なので謎解き、犯人推理のミステリー感覚で 読んでしまいますといささか痛い目を見るでしょうから 読む際にはそういうことを念頭において読んでください。 まず、言わせて貰いますと… 「怒涛の人間模様」。 1つの事件から張り巡らされる たくさんの糸。 そしてそこから見えるさまざまな人間模様。 その人間模様は決してきれいなものではありません。 昔、と言う時代が招いてしまった 消えることのもうかなわない悲劇もありますし 今現在、それが関係して引き起こされる 悲しい事件もあります。 それはこの一連の事件の真の黒幕の 人間模様を見れば一目瞭然でしょう。 もし、この黒幕に少しでも 「家族」という形があったならば… おそらく事件は起きなかったことでしょう。 別の「家族」でも黒幕の心は 癒されることはありませんでした… ちなみにこの黒幕のような 行き方をせざるを得ない人は 未だにいます。 フィクション、と言う作品ですが これだけは身に堪えました。 私たちがすべきこと、 それは黒幕のような人間を 作り出さないことでしょう… ラストのあるセリフからもそう思えました。 ただし、結末部には難があること、 ある人のその後(暗いもの)には 言及がないことは伝えておきたいと思います。 読後、打ちのめされる作品です。 | ||||
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たまたま本屋で見かけて、いつか読もうと思ってたので 手に取りましたが、 なんとテレビでドラマとしてやることを知り それまでに読まなきゃ、と思ったら、ぐいぐいと 引き込まれ、あっというまに読了してしまった。 「火車」もそうだったけど、 登場人物がみんなかわいそうで、読後感はせつないですね。 地道にまじめに生きようって思っちゃいます。 宮部さんはどんな人生を歩んでいるんでしょうね。 これだけの登場人物にみんな思い入れをしてたら、 心苦しくなっちゃう。 平凡な人生がいいなあ。 | ||||
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現代の多様な家族の形態を映し出し、その問題をも取り上げています。 | ||||
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家族とはなにかを問うた問題作だと思う。住宅ローンの破綻から、様々な問題が派生し、4人の疑似家族の殺人事件へと収斂されていく。家族の幸せのために、無理して住宅を購入したが、それが却って家族の絆を綻ばせ、崩壊へと導かれていく。 家族という絆を取り戻すために経済活動(お金)を媒介して、社会に絆を求めるが、家族ほどの絆はある筈もない。この作品の真の勝利者は、殺人を実行した青年を、もう一度家族という絆へ導こうとする、恋人の未婚の母である。彼の子どもを通して、彼に愛を注いだ悲劇の女である。彼女の献身的な愛は恋人が犯す殺人と言うかたちで裏切られるが、なにも得られなかったからこそ、献身的であり、無私としての愛が貫かれる。彼女の愛は正しく、天使の愛として昇華される。 | ||||
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