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狐笛のかなた
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狐笛のかなたの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.63pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全134件 121~134 7/7ページ
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領地をめぐる二つの国の長い争いを背景に、霊力を持った娘小夜と呪者の使い魔・霊狐の野火のせつない愛の物語世界が広がっていきます。 りょうりょうと風が吹き渡る・・の一行目から桜の花びらが舞い散る・・の最終行まで、一遍の叙事詩として、たっぷりどっぷり上橋菜穂子のファンタジーの世界に浸ってしまいました。 堪能したと思えるのは、物語の面白さもありますが、物語を支えている多彩な登場人物の一人一人が自分の人生を生きているという濃い陰影を持っているからでしょうか。例えば、ほんとうはすごい悪人であるべきはずの呪者・久那にさえもどこか悲哀が感じられるのです。 これは本の世界、文字で表現され、読むことによって読者の内に広がっているファンタジーの世界なのです。言葉の力を強く感じさせる物語でした。 | ||||
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~人間と精霊の渾然とした世界を美しく、そして力強く描いた守り人シリーズが大好きで、同じ作者の狐笛の彼方を手に取りました。期待に違わず本書もすばらしい作品です。場所と時代を設定していなくても、私の中では守り人シリーズは李王朝時代の韓国のイメージがあり、そして狐笛のかなたは日本の原風景が見えてくるようです。霊的な力を持った少女、お互いの~~つながりを知らずに遊ぶ幽閉された少年、そして霊狐。柔らかくて美しい文章を読み進んでいるうちにだんだん切ない気持ちになってきます。また挿絵もとっても雰囲気があり優しい気持ちになりました。私もジブリ作品にすればもののけ姫を超えるものが出来るのではと思っています。~ | ||||
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とても心があたたかくなる。こんな本には暫く出会っていなかった気がする。「野火」「小夜」「小春丸」・・・日本の文字の風合いもいい。出会いから謎へそして最後は皆・・・、展開が穏やかにそしてハラハラと進んでいく。でも気にはなっても一気に読んでしまうのは惜しいと思ってしまう。誰の心の底にも存在するような日本の原風景のなかにゆっくりと浸っていたい。 そんな本です。 きっと貴方も「若桜野」をゆったりと歩いてみたくなる。 | ||||
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学校で読書感想画を描かされる事になって、選んだ本でした。 最初は「面倒だな」と思っていたので読む気になれなかったのですが、締め切りも迫っていたので読み始めました。 読めば読むほど引き込まれていく。 臨場感があってドキドキする。 主人公小夜の感情が自分に流れ込んでくる。 泣かずにはいられない。 本当にそんな感じでした。 描かれる世界は分かりやすく、背景は淡い感じがします。 とても想像しやすい物語でした。 読書感想画の為に読んだ本でしたが、買ってしまいました。 何度読んでも泣けてきます。 一度読み始めてしまうと先を読まずにはいられなくて、時間が有れば読んでいました。 これは心からおススメできる作品です! | ||||
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ほんわかとした桜の雰囲気。 狐と人間の心のふれあい。 昔話のような懐かしさ。それでいて新鮮さをも感じる。 彼女の作品は絵が浮かび、色がついて想像できる。 めったにないことだけれど。 心が穏やかになる。このまま映画化できそうだ。 ジブリさん、いかがでしょう? | ||||
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具体的に時代や舞台を実在の古代日本に設定したのでは無いそうですが、どこか懐かしい気持ちにさせてくれるお話です。 装丁・挿絵が素敵。 想像を掻き立てるのにちょうどいい、淡い感じの水墨画風のカットが各章の初めに入っています。 この物語の優しい雰囲気にもぴったりです。 全体的に展開が地味というか、あっさりしていた感はありましたが、そのシンプルさも作品に貢献している部分があるので星四つつけました。挿絵も含めれば4.5というところでしょうか。 「守り人シリーズ」などに比べれば、物足りないところはあるかもしれませんが、荻原規子・たつみや章によって確立された児童文学内の古代ファンタジーというジャンルの代表として新たに肩を並べた一作 | ||||
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まず装丁が美しかったです。一目見て心を奪われました。 いつまでも見ていたい、そんな思いに駆られます。 話は、日本の古来の風景を背景に展開されていきます。 主人公の小夜と出会う小春丸、そして野火。 彼らの幼いながらもお互いを思う心の絆を感じた作品でした。 どんな風に話が展開していくのか、どきどきしながら先を読み、そして迎えたラスト。 これもまた、一つの幸せの形なのだと思いました…。 とても美しい日本古来の風景に出会えた作品でした。 | ||||
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上橋菜穂子さんの新作ということで期待しすぎたせいか、 あまり惹きつけられるものはありませんでした。 描写の確かさ美しさはさすがだとは思いましたが、 なんとなくキレがないという印象でした。 聞き耳の能力を持つ小夜が、その能力を発揮する場面が 少なかったのも物足りないですし、野火と惹かれあう想いが 恋愛という意味ではあまり伝わってきませんでした。 結末はここのレビューを読んで、自分なりに想像していたら 見事にその想像を裏切られました。でも(詳しくは書けませんが)、 納得できる結末でした。 | ||||
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とにかく良かったです。 命の大切さとか、他人を思いやり、信じることの大切さを感じました。 それにとても物語の中に入り込めましたし、舞台が日本でそれぞれの風景が思い描きやすかったです。 | ||||
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人の「業」とは、なんて凄まじいものなのだろうか。 古い怨みが積もり積もって、孫子の代まで続くとは。 現代の私たちにも通じるテーマがここにある。 読みながら、自分が子どもの頃遊んだ里山を思い出していた。 自然に対して敬虔な気持ちを抱きつつ、その懐にすっぽりと甘えていた時代のことを。 白井さんの絵もさることながら、何より地名・人名のネーミングがとても良く、 野火、木縄坊、春名ノ国、若桜野など、人物も風景もとてもイメージしやすかった。 怨みの連鎖を断ち切るのは容易なことではないけれど、争い続けていては人は幸せにはなれない。 自分が好きになった相手のために、命まで投げ出せるような生き方ができるか。 親として、大人として、人間として子どもに伝えたい大切なことを、 この本を通して話し合いたいと思っている。 もちろん、場所はあの桜の満開の下…。 | ||||
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始まりはただの二人の領土争い、それがその上に争いを利用する人物、そして争いの愚かさが分かっていながら止められない・・・そんな大人社会の醜さの中にあって(でも、その「止められない」気持ちが分かるような気がする私)、小夜と野火が命をかけて互いを守る姿に涙が出てきました。 ラストの小春丸の呟きは、私も同感です。でもラストを「哀れ」と思うのは、読者の傲慢かも知れません。小夜と野火が自分達に出来る精一杯をして、そして幸せと思うなら、それはそれでいいではないかとも思います。いつもながらその民俗社会、人の心の描写がとても大切に書かれていて、さすが上橋さんの作品だと思いました。 | ||||
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守り人シリーズが好きでこの本を手にしたのですが、期待を裏切ることなくいいお話でした。守り人シリーズとはまた違った雰囲気で、日本の美しさが目に浮かんでくるような、心に春の暖かさや清々しさがしみこんでくるようでした。 呪者に縛られた霊狐の野火、おばあさんに育てられた小夜、人里はなれた森の中の屋敷に閉じ込められていた小春丸。この三者がまるで運命かのように権力者の争いに巻き込まれていく。そんなふうにお話が進んでいきますが、野火や小夜のまっすぐな愛情に胸をうたれるでしょう。 終わり方も後味が悪い、というような事はないので、気軽に手にしてはいかがでしょうか。 装丁は和紙のような手触りのいい紙質で出来ていて、大事に扱いたくなるような仕上がりでいいですよ。カバーを外すと表紙とはまたちょっと違った絵が書いてあったりして、長い間大事にもっていたい気にさせてくれる一冊です。 | ||||
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まるで映画を観ているかのように,場面場面が綺麗に浮かんでくる。 著者の上橋さんも書いていたように,これは「なつかしい場所」の物語。 日本に生まれ,日本で育った私たちの中にある,遠い昔の日本の姿を味わえる事にまず,感謝。 物語は領地争いが発端で長く「怨み」という感情に囚われ,巻き込まれてしまった人々と霊孤たちによって展開されます。呪術などの飛び交うファンタジー小説。しかし,大胆な表現や時代感を損なわない言い回し,複雑に絡んだ人間関係がファンタジーと言い切らせない現実味を与えている為,子供も大人も楽しめます。もしかしたら,大人の方が楽しめるかも。 人物の心情の表現が上手で感情移入がし易い! 陰の薄いキャラもいますが,確かに本の中に彼らの鼓動を感じます。 本棚にずっと置いておきたい本です。 受け入れられない事を受け入れて前に進む。 たとえ痛みを伴っても,それがより良い未来に繋がるのなら。 そんなことを考えさせてくれた,とても綺麗な物語です。 | ||||
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人間の運命は「生まれ」によって定められるのだろうか?上橋氏の作品からは、時間の大きな流れの中で個が別の個とかかわりを持つことでダイナミズムを発揮し、ひとが心の中にしまい込んでいる闇を深く見つめるまなざしが感じられます。 ひたむきな登場人物たちの行動は現代社会への警告とも感じられ、私は大人としての自覚を迫られた点もありました。 | ||||
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