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ロジャー・マーガトロイドのしわざ
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ロジャー・マーガトロイドのしわざの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.25pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全3件 1~3 1/1ページ
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発表当時に物議を起こしたアクロイド殺害事件のパロディーでしょう。 でも、それなりに本格の薫りがして私の好みに合った作品でした。 | ||||
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閉ざされた《雪の山荘》で起きた密室殺人――というベタベタな設定で、黄金期の 本格ミステリのパロディをやりつつ、同時に、周到な騙りの詐術も施している本作。 本作の大半が、殺人の動機を探るために関係者全員の前で行われる元警部の尋問 ――関係者それぞれの過去の秘密についての告白――で占められているのは×× と同じパターンの騙りを成り立たせるために要請された、必然的な構成だといえます。 一方、密室トリックは●●も吃驚! なトホホな代物で、しかも読者 には、事前に手がかりを示さないという確信犯的なアンフェアを断行w ただその代わり、読者には、前述した騙りがメタレベルの 手がかりにもなっていることを見逃してはならないでしょう。 探偵役と読者、それぞれに別の手がかりが用意されているというわけです。 ある意味では、日本の新本格作品を思わせるメタ趣向&パロディなのですが、 海外作家ということで、おのずと味わいに違いがあるのが興味深かったです。 | ||||
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ポストモダニズムの才人アデアが、真っ向勝負で本格推理小説に挑戦した超意欲作です。ポケミスの帯には‘ミステリの枠を打ち破る超ミステリ’と書かれています。この文句は確かに当っている所も無くはありませんが、例えば超自然的な存在が出て来る可能性を連想させる意味で誤解を招きますので、やや不適当だと思います。実際はオーソドックスな正統派のパズラーで、作者はアガサ・クリスティー女史の全長編作品を読み返して研究し、ミステリの女王としての新作を書く意気込みで取り組まれました。とは言っても真面目なだけでなく、軽妙な遊びの部分もたっぷりと含まれています。本書の原題は名作「アクロイド殺し」のアナグラムになっていますし、作中に人気女流推理作家を登場させてクリスティー女史をライバル視させたり、登場人物の名をドナルド・ダックワースという名にしたりと、思わずにやりとさせられます。それから本書の最大の特徴は、「オリエント急行の殺人」や「そして誰もいなくなった」に見られる女史得意の‘複数動機を持つ容疑者’の趣向に挑んでいる事で、勿論そのままでは駄目ですので、そこをどう料理するのかが作者の腕の見せ所ですが、結果は見事に課題をクリアしています。その他、吹雪に閉ざされた邸、密室殺人、容疑者全員を集めての謎の解明、と本格派ミステリー・ファン垂涎のストーリーが凝縮されています。物語の舞台を1930年代のイギリスに置いて黄金期の推理小説の雰囲気を現代に甦らせる事に成功しており、作者の健闘努力は充分に讃えて良いと思います。唯、惜しい事に先達の残した偉大な作品と比べるとやや見劣りはします。トリックは驚天動地とは行きませんし、愛憎ドラマの小説としてのコクが今一歩という所です。大傑作とは云えませんが、大いに楽しめる秀作である事には間違いありません。尚、通の方は最後の方で乱歩とドイルを思い出されるでしょう。 | ||||
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