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ロジャー・マーガトロイドのしわざ



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ロジャー・マーガトロイドのしわざの評価: 3.25/5点 レビュー 8件。 Cランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点3.25pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全2件 1~2 1/1ページ
No.2:
(1pt)

我が国の先行作品に遠く及ばず

ほぼ同じトリックを使った日本作家によるミステリーが1992年に刊行されています。「閉ざされた雪の山荘」という設定まで同じです。恐らくアデアはその作品を参考にしたのでしょうが、換骨奪胎が不充分のように思えます。チェーホフの『狩場の悲劇』とクリスチィの『アクロイド殺し』の間にある画期的な飛躍が全く感じられません。真相が明らかになった瞬間の衝撃度も我が国の先行作品に比べて圧倒的に弱く、心寂しさだけが残りました。
ロジャー・マーガトロイドのしわざ (ハヤカワ・ポケット・ミステリ1808)Amazon書評・レビュー:ロジャー・マーガトロイドのしわざ (ハヤカワ・ポケット・ミステリ1808)より
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No.1:
(2pt)

"ミステリとしてのリアリティ"に欠けたパスティーシュ

2006年刊行の作品だが、ミステリ黄金時代へのオマージュの香りが濃厚。クリスマスの夜、閉ざされた雪の山荘で起こる密室殺人。被害者レイはゴシップ記者で、家人や招待客の醜聞を握っていた嫌われ者。招待客の一人である女流ミステリ作家イヴァドニは盛んにカーの名前を口に出す。そして、探偵役は近所に住む元スコットランド・ヤード警部。道具立ては揃っているが、重厚感や怪異性と言うよりも軽妙洒脱を狙った書き振りである。
山荘の主人ロジャー・フォークスの娘セリーナはレイに想いを寄せた事があり、招待客も女優、牧師夫妻、医師夫妻、セリーナの恋人のアメリカ青年、と多彩。各自が持つ古傷も絡んだ複雑な人間関係が予想される。そして全員の尋問の前、ロジャーが元警部に自分の姓が偽名である事を告白する。題名と合わせると、これって大胆なミスリード ? 何れにせよトボケタ味わい。尋問後、各自の醜聞と恐喝屋としてのレイの卑劣さが明るみに出る。だが、密室事件なのに、現場検証や犯行方法の検討シーンが出て来ないのは何故か ? 物語に緊迫感が感じられない。不自然な進行であり、"ミステリとしてのリアリティ"に欠けている。そしてロジャーが荒天の庭で銃撃され、重傷を負う。そして、ミステリ黄金時代を彷彿させるように、最後は関係者全員を集めてイヴァドニによる推理の披露...。
これを意外な犯人とか、工夫した密室構成と呼ぶのだろうか ? 最初から現場検証していれば、10頁で終ってしまう内容である。パスティーシュである事は理解できるが、ミステリとしての出来が悪ければ意味がない。狙いが空回りした残念な作品。
ロジャー・マーガトロイドのしわざ (ハヤカワ・ポケット・ミステリ1808)Amazon書評・レビュー:ロジャー・マーガトロイドのしわざ (ハヤカワ・ポケット・ミステリ1808)より
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