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横浜1963
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横浜1963の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.47pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全17件 1~17 1/1ページ
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主要人物の人物像などしっかり描けてあり読みやすかった | ||||
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先月読んだ琉球警察(2021)がとても良い作品だったので、数年前に初の社会派ミステリーとして上梓したこの作品を購入。琉球警察と同じく戦後の米軍基地と住民、警察との関係を描いている小説。まるですでに映画化されているかのように、当時の横浜の雰囲気が脳内で映像化され、様々な音楽が流れるてくる。 主人公は、娼婦と米兵との間に生まれたハーフの警察官と戦時下に日系人強制収容所で幼少期を過ごし、米国に忠誠を誓う日系3世の兵曹長。見た目と国籍が正反対の二人の生い立ちを知ることで、戦中戦後、我々がたどってきた苦悩の歴史の一端を知ることができる。 二人はある猟奇的殺人事件を追っていくのだが、伊東潤さんの作品の真骨頂は、やはり史実に基づく、こだわり抜いたディテールの積み上げではないだろうか。つまり細部に魂が宿っているのだ。 例えば、事件の鍵を握る米軍将校の車「ポンティアック・テンペスト」には、まだ日本にはなかったカーステレオが付いており、4トラックカートリッジでボブ・ディラン「風に吹かれて」を聞くことができる。思わず「カーステなんて当時、日本にあったのかよ」、「おいおい、ボブ・ディランって当時の日本人は知ってたのか」と読み終わった後、グーグル検索してしまう。 作品を仕上げるための歴史調査や時代考証にどれぐらいの時間をかけるのだろうと感心するとともに、意地悪なアラ探しさえ、したくなってしまうのだ。またそこが楽しいんだけど。 そして物語は、ベトナム戦争、ケネディ大統領暗殺などの史実を織り込みながら、思わぬ結末をむかえる。この作品も大満足でした。 | ||||
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前のオリンピックを控えた横浜での事件です。 とても、硬質で面白いミステリーです。50年程前の横浜と横須賀とが舞台になっています。風俗を読むのも楽しいです。 | ||||
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自分の近しい場所が散りばめられた この小説は よりイメージがデフォルメされてまるで映像で見ているようにワクワクしました。 | ||||
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自らが属する社会の周縁に押しやられざるを得ない者たちが人としての尊厳とプロの矜持をかけて巨大な敵に立ち向かう。ハードボイルドの王道をいく傑作です。 同じく作家の誉田龍一氏の解説が素晴らしい! この作品を鮮やかに読み解いた上で、「作家・伊東潤論」に達しています。伊東潤ファン必読の解説です。 | ||||
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1963年の横浜。私は中学生だった。関内、本牧あたりでよく遊んでいた。確かにフェンスの向こうはアメリカだった時代である。クリフサイドに入れるようになったのは、ずっと先のことだが、66~68年にかけて、ゴールデンカップには何度か出かけた。かなり怖い雰囲気だったのを覚えている。 1963年の横浜を中学生ながら眺めていた人間としては、いささか時代の空気間に違和感も持った。ミステリとしては、骨太で楽しめたが、何となく雰囲気が違うのだ。 ハーフはむしろ憧れの存在だったような気がする。英語が話せる人間はそれだけで、重宝がられ、米兵も身近だった。 ヨーハイ(アメリカンスクール)の子たちも、ふつうに日本人や台湾人と遊んでいたものだ。 主人公ソニー沢田よりも、はるかに年下なので、そう感じていたのかもしれない。 横浜の輝きを描いた小説が好きだ。 『横浜グラフィティ」は68年の頃の、『ヨコハマ関内署』は昭和の最後の数週間を、『黄金町クラッシュ』は2000年代の終わりを、『横浜アンダーサイド』は最近の、横浜の独特な雰囲気をキラキラと描いている。 この「横浜1963年」にも、横浜フェバリットが溢れているのは間違いない。 | ||||
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横浜ファンである。(ベイスターズではない)。60年代ファンでもある。音楽ファンである。 そういう自分にはたまらない作品だった。タフな男ふたりのハードボイルドテイストに、どんでん返しというミステリーとしての面白みもあった。 しかし、なによりも心を打たれたのは、この時代の「ハーフ」という人たちの宿命である。現在では考えられない境遇にあったということだ。 キーワードになるボブ・ディランの『風に吹かれて』。答えは風に吹かれてる。懐かしくなったすぐに聴いた。 傑作である。 欲を言えば、クリフサイドの中の様子を描いて欲しかった。ゴールデンカップのライブシーンも欲しかった。 そうすれば、元町と本牧という対比がもっと出たと思う。 | ||||
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気に入ったこと 焦土と化した横浜の中心街の風景を微に入り細に亘ってまるで絵画芸術に昇華されたように描かれている。 東京オリンピック前夜の貧しいながら何処か希望にあふれた懐かしい時代を思い出させるのである。 気に入らなかったこと ミステリー小説的、ハードボイルド調 | ||||
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翌年に東京オリンピック開催を控えた1963年の横浜が舞台。横浜港で若い女性の他殺体が浮かび、遺留品などからホシは外国人と推測されるものの、捜査には米軍の壁が立ちはだかると懸念された。神奈川県警外事課でハーフのソニー沢田は事件の専従捜査員となったが、犯人の目星をつけても検挙できないことに忸怩たる思いを抱きつつも、ソニーはまずは第一発見者への聞き込みを始めた。 第一章はソニー刑事、第二章は主に日系三世で米海軍基地の犯罪捜査部ショーン坂口兵曹長、それぞれの捜査目線で書かれています。細かい時代考証は別として、戦後の復興期の横浜の街の風景が良く分かります。本書は警察ミステリーであるのと同時に、この時代であるからこその二人の生い立ちにかかる苦悩や葛藤も読みどころで、文体は軽めながらも濃い人間ドラマでもあります。 | ||||
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人は多面的であり、置かれた環境やその場面ごとに、その表面的な人間性を変化させるのだとすれば、多面性が強い人ほど評価されやすく、いわゆる裏表のない人ほど評価されにくいのだと思いました。 また、置かれた環境に合わせた自分なりの人間性は、時間の経過が長いほど身に染みて、それが本当の自分の姿のように思えてくるのだと思いました。 鯨小説の印象が強い伊藤潤ですが、この小説は方向性が違って、また面白かったです。 ショーンと太地と絡めるあたりは面白く読めました。 | ||||
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優れたハードボイルドであり、ミステリーです。そして、日本とアメリカの「はざま」にあって、「どちら側でもない」立場の人間たちが繰り広げる濃密な人間ドラマです。 グローバル化が進み、私たちの誰でもが、異なる国家や文化の「はざま」で「どちら側でもない」存在になってもおかしくない現代にこそ、読まれるべき本です。 | ||||
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古き良き横浜、生まれ育った街が思い出しました。懐かしい限りです。 | ||||
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ハードボイルドな感じが渋くてかっこいいです。 すらすら読めました。続編に期待します! | ||||
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期待して読み始めましたが文章や、プロットに深みがなく何度も挫折してやっと読み終わりました。説明文章が、多すぎてなんとも小説のような気がしない。少なくとも矢作俊彦を好むような読者には薦めません | ||||
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歴史小説の旗手、伊東潤さんが満を持して発表したハードボイルド調のミステリー作品。伊東ファンならずとも、読みたくなるのは間違いないだろう。期待に違わぬ力作で、ストーリーには引き込まれるものがあったし、現代日本に今なお残る米軍基地の古くて新しい問題点を抉り出した功績も大きいと評価できる。ただ、物足りない点がいくつかあることも事実だ。全体的に評価すれば、やや期待はずれ、というところだろうか。 1点目の不満は、昭和38年という時代背景が、この時代に小中学生であった私にとって、すこし時代のズレを感じざるをえないことだ。 まず、基地周辺で米軍軍属を相手に性風俗の商売に携わる、いわゆるパンパンと呼ばれた女性たちの姿が小説の背景にときどき出てくるのだが、パンパンは昭和20年代末をピークに姿を消していき、昭和38年には皆無ではないにせよ、町の風景の中にはほとんど存在しなかったはずだ。私たちの世代でさえ、松本清張の「ゼロの焦点」などではじめてそんな人たちがいたことを知ったくらいである。傷痍軍人の姿も30年代初頭には見られたものの、この時期には目にすることがなくなっていたと思う。 次に、コカコーラが時代の雰囲気を表すアイテムとしてそこかしこに使われているのだが、昭和32年に発売されたというコーラを、当時の我々はそんなに愛飲していなかったという点だ。「昭和37年に壜の自販機が導入された」とボトリング会社の年表には載っているのだが、町でほとんど目にすることがないほど珍しいものだった。にもかかわらず、この小説では主人公が今の自販機とかわらずに使いこなしていて、妙に違和感を感じてしまった。同じく、犯行現場の公園内に、どう見ても5年以上前のコーラの壜が落ちている、とあるのも、確かに5年前の昭和33年にはコーラは販売されていたにせよ、公園内に無造作に捨てられているほど一般的なものではなかったはずだ。また、そんなものが転がっていたら、見つけた人は珍しいものを見つけたというインパクトを持っただろうと思う。このあたりに、昭和38年を生身で知っている私は違和感を持ってしまうのだ。 歴史小説と同じように史料を活用し、時代の雰囲気を醸し出すアイテムとして使うことは有効な方法だと思う。ただ、歴史小説の場合、作者も読者もその時代に生きていないため、多少の時代感覚にズレがあったところで受け入れてしまうのだが、昭和30年代を生きた人がまだまだ多く生存しているこの作品のような場合、史料を歴史小説の場合のように安易に使うことへの怖さがあるのではないだろうか。 2点目の不満は、特異な日米捜査官の設定が図式的で目新しくないことだ。作者の狙いはよくわかる。主人公たちの主張も悩みも矛盾も十分理解できる。だが、何故わかるのかと言えば、それは従来繰り返し小説やドラマで繰り返されてきた主題と大きく違っていないからだ。扱われている米軍基地の問題は今なお多くの問題点を残し、日米地位協定への不満として大半の国民が共有する世論にもなっている。そんなわかりきった事柄を、ハーフの日本捜査官ソニーと日系二世の米軍憲兵ショーンというキャラクターをわざわざ設定して、ハードボイルドタッチで喋らせる必要があるだろうか、と感じ、その瞬間に作中に入り込めなくなった。人物造形としては一見ユニークで、ドラマ的には面白いので、違和感なく読み進める人も多いのだろうが、私は読む手が止まってしまった。 3点目の不満。人間ドラマに深みが感じられないことだ。ここでは被害者の赤沢美香子に対する感情がソニーを捜査に突き動かす原動力になっていることの、よってきたる動機が十分描写されていない、という点だけを指摘しておきたい。確かに理不尽な犯罪であり、北海道の田舎から都会に出てきた将来有望で優秀な女性が未来を断たれたことへの同情からだ、ということはわかるのだが、犯罪捜査に携わる警察官ならすべての犯罪被害者に対して同じような感情を懐くはずだ。ことさら美香子に対して同情が向けられている動機がわからなかった。もちろん、話の展開の先には基地と米兵に対する怒りが絡んでくるのだが、捜査の初期からそのような私怨を抱いていたのだとすると、先走りにすぎると思えるのだ。 そして、最後に4点目。ミステリーとして面白くないことだ。ソニーが犯人の手がかりをつかむきっかけが、被害者の美香子とステーキハウスに同伴した米軍人がいたという事実だったのだが、たったそれだけの根拠の薄い情報で、捜査を打ち切れという上層部の指示を覆してまで継続しようとする信念がわからない。犯罪の過程を状況証拠とシナリオで類推していく捜査手法は昨今の冤罪事件の原因にもなっているが、ソニーの思い込みともいえる捜査は、客観的に見ればそれとかわらない。ミステリーを読みなれた人間としては、これは犯人ではないのではないかというドンデン返しを期待したのだが、最後までその期待はかなえられなかった。犯人は想定通り、犯人の処置も想定通りでは、根っこにある政治的矛盾に対する怒りさえ立ち消えてしまうではないか。 以上、生意気なことを書いてしまいましたが、伊東さんの歴史小説は高く評価していますので、ミステリーへの挑戦も今後、期待を込めて見守っていきたいと思っています。いささかでも作者に私の意図が届き、琴線に触れる箇所があれば幸いです。 | ||||
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戦後1960年代前半の横浜を舞台に進駐軍と敗戦国民の雑然とした横浜の空気が再現されてます。 横浜で起こった殺人事件を通して、日米関係の暗部に焦点を当てつつ日米の壁を乗り越え、ハーフのソニー沢田が事件解決に奔走する本格ミステリー。 タイムスリップした横浜の過去が楽しめます。 著者のクジラがチラッと見える・・・(謎) | ||||
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時代小説作家の雄、伊東潤がミステリーを書いたと聞いて、「どんなミステリーになるのだろう」と興味津々でアマゾンで予約して買いました。読み終えた感想ですが「なるほど伊東潤がミステリーを書くと、ハードボイルドになるんだな」と納得しました。 伊東潤の武将ものに共通する「テンポの良さ」は、まさに共通しています。ただ場所と時代背景はまるで違います。私自身が横浜の生まれなので、山下や本牧などの地名を、とても懐かしく思い出しながら読む事ができました。話の筋書きはミステリーなので「読んでのお楽しみ」ということですね。 | ||||
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