囚われの山
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人は過ちを犯す。 日常ならまだしも、死の恐怖にさらされたなら、なおさらだ。 軍も過った、仕官も過った、無論若い兵卒だって、そしてやはり村人も過ったのだ。 そういった人びとの過ちの積み重なりにさらに軍の事なかれ主義が覆い被さり、知られてはいけない秘密は降り積もる八甲田の雪の中に永遠に閉じ込められていくのだ。 今となっては真実は分からない。 自分にだってあっておかしくない人間の業が、ジャーナリストの業により、ジャーナリズムだからこそのペンの力で雪の下から掘り返される、人間の裏側が悲劇を呼び、それをなかったことにするためにまた悲劇を呼ぶ、実に怖い話。 | ||||
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史実をなぞりながら、現代の登場人物を織り交ぜた描写は、実際に現代や遭難当時の八甲田を訪れたかのような感じで読み進められた。 それぞれの登場人物の絡みも面白く、最後の描写には「そうきたか…」と驚きをもって本書のイメージを記憶にとどめおかれた。 読んでよかった。 | ||||
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八甲田山の兵士たちの描写は素晴らしかったです。 でも最終的に斎藤美奈子『妊娠小説』を思い出しました。八甲田山は家庭小説の序章だったのでしょうか(はハーレクインとか海外ロマンスにもこういうプロットはあると思うよ)。 兵士たちのパートの評価だけなら5点でした。残念すぎる… | ||||
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八甲田山雪中行軍遭難事件と言えば、日本最大の遭難事件として余りにも有名だ。 そして、本書の著者・伊藤潤氏はメディアでもお馴染みの歴史小説家でもあるので、その伊藤氏が如何にしてこの事件を描いたのか興味を以て本書を手にしてみた。 だが、結論から言うと、凄く良かった部分があった半面、申し訳ないが非常に残念な部分もあったので評価は平均点と言う所か。 さて、本書は現代の雑誌記者が八甲田山雪中行軍事件の謎を追う設定で物語が展開する。 サスペンスなので結末を詳しくお伝えする事は出来ないが、構成としては、歴史雑誌の売り上げを伸ばすべく八甲田山遭難事件の謎を取材する主人公を軸にした現代パート、そして実際の雪中行軍の詳細を描いた歴史パートが並行して展開する。 先ず、素晴らしかったのは何と言っても遭難の実態を描いた歴史パートだ。 冬の八甲田山の恐ろしさ、体力の限界と死への恐怖、次々と倒れていく同僚とそれを見捨てざるを得ない状況、真の絶望…言葉では言い尽くせない程に人間の極限を描き切っている。 また、とかく当時の軍隊にはマイナスのイメージしかないが、彼等なりの考え…それぞれの立場や責任感、国に命を捧げる姿勢などが感動的に表現されており、決して美化している訳では無いにも拘らず、思わず涙してしまう程の悲壮感があるのだ。 「天は我々を見放した」…正しく、その絶望感を肌で感じる程の臨場感は圧巻でもあった。 因みに、参考資料を良く精査した上で歴史パートを描いているので、この事件の実態を知る事が出来るし、改めて冬山で何が起こり得るのかという事にも詳しく言及している所からは、自然の脅威について多くを学んだように思う。 これに対して、この物語の主人公である記者が登場する現代パートは正直言って期待外れ。まるで時代遅れのサスペンス・ドラマのような展開だし、そもそも登場人物に魅力が無い。特に”バブル期”を彷彿とさせるようないで立ちで色仕掛けでのし上がった女性編集長には嫌悪感を覚えるし、そんな嫌味な女性に翻弄される主人公も情けない。 勿論、彼等は彼等なりに様々な葛藤があるようなのだが、その描写が十分ではないので、残念ながら共感は覚えられないし、然も結末の後味も悪いのだ。 そして、何よりも頂けないのは、結婚生活の破綻や仕事の不満など、所謂「誰もが抱える現代的な悩み」(勿論、こうした悩みを軽んじる積りは無いが…)と、かたや前代未聞の壮絶な雪中行軍をした兵隊達の苦しみを、まるで「同列」であるかのように扱っている点だ。 因みに「知り過ぎた者を抹殺する」展開も定番過ぎて新鮮味に欠けるので、無理にミステリーにしなくとも良かったのではないか…とも思うが、謎が解けた時に名も無き一兵士が”任務”を終える瞬間は良かったので、その一場面を書きたかったのかもしれないと思うと、そこは許容範囲であった。 …と、少々辛辣な事も書いてしまったが、これはあくまでも私個人の好みの問題なので、決して作品の優劣を言っている訳では無いと言う事を明記しておきたいと思う。 | ||||
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雪中行軍の題材は好きで、青森の酸ヶ湯温泉にも5年程通いつめました。そんなわけで本作品をワクワクしながら読んだのですが、クライマックスシーンで『えぇ~?それは無いよぉ。』とガッカリし、ラストシーンで『はぁ?なんだこの終わり方?』と怒りすら覚えました。詳細は星1つのレビューに全面賛同です。 | ||||
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