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(短編集)
シルエット
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シルエットの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.78pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全17件 1~17 1/1ページ
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島本理生さんの原点です。 | ||||
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10代の孤独感と熱い想いが甦ってキュンとなる。 一瞬で、作品世界に没頭出来た。 10代の頃の作品とは…。凄い。 | ||||
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島本さんの作品はたくさん拝読していますが、未読であった、ナラタージュ以前の作品を、今更ながら読んでみました。表現や構成の粗さも少しあると思いますし、ラストシーンでの、最初の恋人のエピソードは少し安易な気もします。 しかし、筆者が17歳で執筆したこの作品が、島本文学の源流であることに疑いの余地はありません。作中で、ラストを暗示しているような部分があります。 『きらきらと小さなビーズのようにこぼれた血は、あっという間に流れ落ちて指先を赤く染めた。(中略)切った瞬間にはほとんど痛みを感じないのはなぜだろうと、私は回転の遅い頭でぼんやりとあふれ出す血をながめながら考える。どんな傷でも痛みだすのはきまってしばらくしてからだ。そうして強くなった痛みは目に染みるような血の鮮やかさと一緒に心を揺さぶり動揺を与える。』 傷はいずれ、かさぶたとなり、最後は傷跡だけが残ります。傷跡は、人を愛し、傷つき、それでも前を向くことを決意した証だと私は思うのです。傷跡の多い人は人を愛し、愛されたのだ、そう思いたい。傷跡が消えなくても、たとえいつまでも疼くことがあっても、それは幸せな事実だと私は思います。 私は先に引用した部分からも、17歳の筆者から、このような、恋愛に対する成熟を感じるのです。瑞々しさを感じさせながらも、彼女独特の登場人物の描き方や、男女の交錯の描き方、恋愛への深い思いは、のちの島本作品と何ら変わらないもののように思います。 「シルエット」は、青々とした若葉のような島本さんと、今も彼女が持ち続ける熱の両方を味わえる、「貴重な」作品だと思うのです。 | ||||
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とても面白く 女性の心理を学べました。 | ||||
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島本理生という作家を今まで知りませんでした。直木賞を受賞されたのを今回知り、群像新人文学賞優秀作を高校生で受賞された『シルエット』を手にとって見ました。高校生がどのような文章を書いて新人賞を取ったのか興味があって読んでみました。 読んでみて、平易な文章で非常に読みやすいというのが第一の感想でした。 文章表現が詩的で面白いと思いました。比喩表現がとても上手だと思いました。 高校生でここまで描写できるとは、驚きです。島本さんは、たくさん書籍を出しているようなので触手を伸ばしてみようかと思いました。 | ||||
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『他人というのは異物だから、絶対に溶けあうことのない部分がある以上、深く受け入れようとすると、どうしても苦しまなければならない。その息苦しさや、それでもだれかを強く必要とする気持ちを、この本から感じ取っていただけたら嬉しい』 -シルエット-島本理生 [それでも]という言葉が好きだ。人が決して互いに分かりあえないことを知って、それでも誰かの傍にいるとしたら、それは強さなのだろう 一人であること。そして、それでも人を求める事・・・。島本理生は血を流しながら書いている あなたの流す血もあなたの痛みも好きです。 | ||||
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「自分の中で、なにかが終わってしまったり過ぎ去ってしまったと強く感じたときって、あった?」 女子高生の“わたし”は、元恋人の冠君を理解してあげられなかったことを悔やんでいる。 でもある日、彼女は二人の共通の友人である、はじめの言葉から、彼の中に意外にも深い想いが隠されていたことを知る。 すれ違った想い、叶わなかった恋に思いをはせる瞬間に、胸が痛くなります。 私はどちらかと言えば、せっちゃんのほうが好きですが; せっちゃんとのセックス場面。 ボストンバッグ一つで藤野の部屋に家出する場面。 冠君と二人きりで雨に降り籠められる場面など、たくさんの印象的な描写で構成されています。 読みやすい、あたりの柔らかい文章ではありますが、全体的にある種の緊張感も感じさせる、とても“美しい小説”だと思います。 | ||||
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島本理生さんの本は『生まれる森』に続いて2冊目でしたが、こちらの方がよかったです。17歳とは思えない表現力に脱帽です。江国香織さん的な、なめらかで心地よい文章です。 主人公は女子高生。そして、同じ高校生で元恋人の「冠くん」と、大学生の現恋人「せっちゃん」。冠くんが忘れられず、でもせっちゃんも大切で・・・。 読んでいくうちに、自分の高校時代が鮮明に蘇ってきて、心がちくちくしました。高校生の私は、主人公のように日常から逸脱して苦しみにおぼれることすら、怖くてできなかった。でも、不明瞭ながらもたくさんの気持ちがあって、思いを引きずったりもした。そんな思いがあふれてきました。 私はかなり自分の思い出や経験にかぶらせて、この本を読んでしまいましたが、そういう読み方がお好きでない方には、ちょっと重いかも。 物語のラストは衝撃的で、電車の中でうかつにも泣きそうになりました。本を持つ手が震えました。 ただ、表題作以外の2作は、島本理生の世界観は現れているものの、残念ながら読み応えはなかったです。 | ||||
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この本のラストに行き着いたとき、ああ、この本に出会えて本当によかったと思えた。ほんのちょっとしたことなのだが、決して取り戻す事のできない二人のずれを涙する事もできない彼女。ほんのちょっとしたことの一歩先に行く事が彼にはどんなに難しいか、そして、やっと踏み出した時には、別の大切なものを失っていた。この二人の喪失感が、圧倒的なリアリティをもって迫ってくる。きっと二人は、痛みを他人を深く理解する糧に変えて、大人への入り口をくぐっていくのだろう。 | ||||
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~店頭で表紙に惹き込まれ思わず手に取ってしまいました。 そんな装丁は「クラフト・エヴィング商會」です。 高校生が主人公の恋愛小説(漫画も然り)のイメージでは、優等生だったり、ドジだったり、あまりに達観していたり…と、様々な定義づけがされていたり、してしまったりしますが、今回の主人公の彼女にはそんなつかみどころはありません。 これが~~「等身大」というものなのでしょうか。 高校生活を送り、本を読み、母親と会話をし、好きな人を愛おしく想い求める女子高生の気持ちが素直に入ってきました。 彼らと「同じ」でなくとも「分かる」気持ちを見つけると思います。~ | ||||
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十代の頃は今思うと人との別れが上手く出来なかったような気がします。 それでも人を好きになり、別れることなど思いもせずに相手の領域に飛び込 んで行き、一時の幸せに喜びを感じ、また離れていく瞬間に絶望を感じる。 その感じ方の表現がとても上手い作品なんですよね。 会社の昼休憩中に読みきったくらい短い作品なんですが、どっぷりとこの物 語に浸かってしまいました。 好きなうちに別れてしまった相手というのは心の中にいつまでも住み着いて いるもの。 主人公の「わたし」の心の中にはずっと冠くんがいて、それでも時が経つに つれ隣には「せっちゃん」という異性がいるようになる。 同じだけど違う「好き」という感情。 自分の全てのパワーを向けて「好き」になる相手と自然と隣にいることで 「好き」になる相手。 多分思春期ってこういう人の好きになり方ってするような気がします。 懐かしさやほろ苦さを思い出させてくれる作品でした。 そして何よりラストが印象的なんですよ。 | ||||
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好きな人から触れるということを拒絶された主人公。好きな人に触れられないことがどれほど辛いものなのか・・・。でもそれはどちらにも言えること。冠ちゃんも辛かったんだ。自分の好きな人と一緒にいることはできるのに触れることは決してできない。ましてやそれを気持ち悪いと思ってしまう。幼い子供の頭に焼きついて離れない過去の出来事。その苦しみから冠ちゃんが抜け出す術を知ったとき、私はすっと涙が流れた。感動した涙とは違う、自分でもうまく説明できない感情が溢れてきたんだ。この作品を読み終えた私は心に何か住みついたような気がしてならないんだ・・・。 | ||||
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好きってなんだろう・・・恋するって・・・かけがいの無い存在・・・一つになる事・・・触れ合うこと・・・ 凄く純粋に読んでた。元彼を愛したまま別れてしまった主人公のココロを、綺麗に書き出してると思う。簡単だけど、簡単じゃない。単純だけど、単純じゃない。そんな矛盾の心地よさを感じました。 島本さんの作品はとても読みやすくて、一気に読んでるけど、何だろう・・・そのぶん後に残るものが在る。 | ||||
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リトルバイリトルを読んで、この作品も気になっていたのですが、どちらかというと、こちらのほうが、私は好みです。さらさらと一時間くらいで読めてしまうけれど。17歳のデビュー作ということで、作品の内容以外のことを付加して評価してしまいがちですが、それでも人を想うことにまつわるこころの動きがとてもよく表れているように思う。「シルエット」は好きだった人と別れて、新しい恋に進もうとするまでの話。「植物たちの呼吸」は恋人の部屋でなかなか帰ってこない彼を待つ話。「ヨル」は失恋した主人公が孤独に触れる話。「ヨル」でカポーティの「夜の樹」を渡されるところがうぅ~ん、て感じ。(作者15歳のときの作品だなんてすごい。)たしかに、「恋愛お花畑」にいる人にはおすすめでしょう。でも、「恋愛お花畑」にまた行きたいな、という人の心にも来るものがあるかも。これから先が楽しみです。 | ||||
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芥川賞の候補に高校生がなって大騒ぎしてたのは知ってたけど、彼女だったとは、、、知らずに読んでました。 良いです。先が楽しみという感じの良いです。 私は村上春樹が大好きなんですが、この著者もマニアなんじゃないかと思いました。 戦前って、作家に弟子が着くような形で文体が波及したようですが、今はあんまり聞かないですよね、でも村上春樹の文体って他にないし、確立されてる。 後に続く人が出てきてもおかしくないなあなんて思ってたらこの本に出会いました。さわやかですとっても。 上記は私の勝手な想像なんですがね。。。 全然根拠ないっす。。ちがかったりして、、 今さわやかで寸ごくいいんだけど、薄っぺらいって感じが残る。 こっからどう転ぶかが楽しみですね。 | ||||
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リトル・バイ・リトル、もいいけど、こっちのほうが好きです。すごく繊細な筆致です。たしかに、高校生なので文は稚拙、だとかいわれるのは仕方ないことだと思いますが、この繊細さや主人公たちの距離感は、正直いって圧巻。 あまりこういう話を好まない人間ですが、話自体よりも行間にあふれるしずけさや言葉のやわらかさに打たれました。(話もいいです。ただ、男の人にはむかないのかな、と思う節もありますが) 星が四つなのは、これからまだ書いていくひとなので、期待をこめて。 | ||||
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このデビュー作よりも、賞にノミネートされた「リトル・バイ・リトル」で有名になってしまった感のある島本さんですが、彼女自身の色がより濃く打出されているのはこの「シルエット」の方ではないかと思います。 とても丁寧に綴られた物語。それほど特別ではない、おそらく誰もがどこかで味わったことのある気持ち(恋愛や、その他ふくめて)を丹念に描きだした島本さんは、おそらく「書く」ことについて、とてもひたむきな人であるのだなと思います。若い女の子が書いた作品、というイメージよりもずっとトーンの落ち着いた、しずかで切ないラブストーリー。 | ||||
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