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(短編集)
シルエット
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シルエットの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.78pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全27件 1~20 1/2ページ
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島本理生さんの原点です。 | ||||
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テレビで偶然話題に上がった作家さん。なぜか頭の中に残っていて、その名前を見つけたので読んでみました。うん、深いようで浅いというか薄い印象。感覚で読めないと面白くないのかな。人気のある作家さんらしいので他の本はおもしろいのかしら。この本は考えたくないときには良いのかも、です。 | ||||
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10代の孤独感と熱い想いが甦ってキュンとなる。 一瞬で、作品世界に没頭出来た。 10代の頃の作品とは…。凄い。 | ||||
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島本さんの作品はたくさん拝読していますが、未読であった、ナラタージュ以前の作品を、今更ながら読んでみました。表現や構成の粗さも少しあると思いますし、ラストシーンでの、最初の恋人のエピソードは少し安易な気もします。 しかし、筆者が17歳で執筆したこの作品が、島本文学の源流であることに疑いの余地はありません。作中で、ラストを暗示しているような部分があります。 『きらきらと小さなビーズのようにこぼれた血は、あっという間に流れ落ちて指先を赤く染めた。(中略)切った瞬間にはほとんど痛みを感じないのはなぜだろうと、私は回転の遅い頭でぼんやりとあふれ出す血をながめながら考える。どんな傷でも痛みだすのはきまってしばらくしてからだ。そうして強くなった痛みは目に染みるような血の鮮やかさと一緒に心を揺さぶり動揺を与える。』 傷はいずれ、かさぶたとなり、最後は傷跡だけが残ります。傷跡は、人を愛し、傷つき、それでも前を向くことを決意した証だと私は思うのです。傷跡の多い人は人を愛し、愛されたのだ、そう思いたい。傷跡が消えなくても、たとえいつまでも疼くことがあっても、それは幸せな事実だと私は思います。 私は先に引用した部分からも、17歳の筆者から、このような、恋愛に対する成熟を感じるのです。瑞々しさを感じさせながらも、彼女独特の登場人物の描き方や、男女の交錯の描き方、恋愛への深い思いは、のちの島本作品と何ら変わらないもののように思います。 「シルエット」は、青々とした若葉のような島本さんと、今も彼女が持ち続ける熱の両方を味わえる、「貴重な」作品だと思うのです。 | ||||
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とても面白く 女性の心理を学べました。 | ||||
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島本理生という作家を今まで知りませんでした。直木賞を受賞されたのを今回知り、群像新人文学賞優秀作を高校生で受賞された『シルエット』を手にとって見ました。高校生がどのような文章を書いて新人賞を取ったのか興味があって読んでみました。 読んでみて、平易な文章で非常に読みやすいというのが第一の感想でした。 文章表現が詩的で面白いと思いました。比喩表現がとても上手だと思いました。 高校生でここまで描写できるとは、驚きです。島本さんは、たくさん書籍を出しているようなので触手を伸ばしてみようかと思いました。 | ||||
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『他人というのは異物だから、絶対に溶けあうことのない部分がある以上、深く受け入れようとすると、どうしても苦しまなければならない。その息苦しさや、それでもだれかを強く必要とする気持ちを、この本から感じ取っていただけたら嬉しい』 -シルエット-島本理生 [それでも]という言葉が好きだ。人が決して互いに分かりあえないことを知って、それでも誰かの傍にいるとしたら、それは強さなのだろう 一人であること。そして、それでも人を求める事・・・。島本理生は血を流しながら書いている あなたの流す血もあなたの痛みも好きです。 | ||||
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降り注ぐ雨、黒く塗りつぶされた心…端正な心理描写に魅了されました。純な色気や苦味のある文章は、私には少しありふれた構造に思える物語の甘さを引き締めています。そして単なる恋愛小説ではない、と感じさせる著者の底力のようなものを匂わせています。 | ||||
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「自分の中で、なにかが終わってしまったり過ぎ去ってしまったと強く感じたときって、あった?」 女子高生の“わたし”は、元恋人の冠君を理解してあげられなかったことを悔やんでいる。 でもある日、彼女は二人の共通の友人である、はじめの言葉から、彼の中に意外にも深い想いが隠されていたことを知る。 すれ違った想い、叶わなかった恋に思いをはせる瞬間に、胸が痛くなります。 私はどちらかと言えば、せっちゃんのほうが好きですが; せっちゃんとのセックス場面。 ボストンバッグ一つで藤野の部屋に家出する場面。 冠君と二人きりで雨に降り籠められる場面など、たくさんの印象的な描写で構成されています。 読みやすい、あたりの柔らかい文章ではありますが、全体的にある種の緊張感も感じさせる、とても“美しい小説”だと思います。 | ||||
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『シルエット』です。群像新人文学賞優秀賞を取った表題作と、「鳩よ!」掌編小説コンクール年間MVPの『ヨル』と、もう一編の掌編を収録した本です。デビュー作と出世作を同時に味わえる、という意味では美味しい本かも。ただ、そこそこ長さのある表題作と掌編2作を同じ本に入れるというのは、バランス的にはちょっとどうだったでしょう。 恋愛小説です。といってもベタベタの甘々ではなく、文章表現が純文学的なので甘さ控えめです。とはいえ内容的にカロリーは高い、といった感じです。 文章はどちらかというと詩的に感じられました。だから絵画的イメージが強かったです。十代の若い作者が若い感性を活かした作品。別の人と付き合っていても、別れた好きな人が忘れられない、という主人公のせつない感情を表現するには、この文章で的確なのかもしれません。 この著者の、恋愛小説以外の作品を読んでみたいです。 | ||||
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デビュー作でだけあって、いま見ると、島本理生の中では習作にすぎないと思うけれど、高校生が読んだらとてもおもしろく感じると思う。 この頃は文章があまりに村上春樹的すぎてどうなんだろうと思う。ときどきへんな文章があるし。 「終わるころにはいつも彼の愛情の海に侵されて起き上がることすら困難なわたしがいる。」 愛情の海って……。こんなアホなことを書いていた時期があるんだな、と思うと、少しだけ微笑ましい。 表題作のほかに、二本の掌編が収録されていて、「植物たちの呼吸」はどうでもいいけれど、「ヨル」のほうはすごい。彼に無視されたときの描写がうますぎて、この本での中でいちばん優れている部分だ。 | ||||
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島本理生さんの本は『生まれる森』に続いて2冊目でしたが、こちらの方がよかったです。17歳とは思えない表現力に脱帽です。江国香織さん的な、なめらかで心地よい文章です。 主人公は女子高生。そして、同じ高校生で元恋人の「冠くん」と、大学生の現恋人「せっちゃん」。冠くんが忘れられず、でもせっちゃんも大切で・・・。 読んでいくうちに、自分の高校時代が鮮明に蘇ってきて、心がちくちくしました。高校生の私は、主人公のように日常から逸脱して苦しみにおぼれることすら、怖くてできなかった。でも、不明瞭ながらもたくさんの気持ちがあって、思いを引きずったりもした。そんな思いがあふれてきました。 私はかなり自分の思い出や経験にかぶらせて、この本を読んでしまいましたが、そういう読み方がお好きでない方には、ちょっと重いかも。 物語のラストは衝撃的で、電車の中でうかつにも泣きそうになりました。本を持つ手が震えました。 ただ、表題作以外の2作は、島本理生の世界観は現れているものの、残念ながら読み応えはなかったです。 | ||||
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島本理生さんは、最初からうまい作家でした。これは絵國香織さんのような世界ですね。主人公と、冠ちゃん、せっちゃん。そのあたりの関係、さらに「引きずり」という絡み具合が、実にうまいんです。自然に、暗くなりすぎず、だけどリアルに。詩的で繊細に描写は、そういった物語をとてもするすると頭に入れてくれます。ただ、それがどうも作品世界の薄さにつながってしまっているようで、残念です。併禄の二作はいらなかったと思います。書き出しこそ秀逸ですが、それ以外の何が良いのか全くわかりませんでした。 | ||||
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この本のラストに行き着いたとき、ああ、この本に出会えて本当によかったと思えた。ほんのちょっとしたことなのだが、決して取り戻す事のできない二人のずれを涙する事もできない彼女。ほんのちょっとしたことの一歩先に行く事が彼にはどんなに難しいか、そして、やっと踏み出した時には、別の大切なものを失っていた。この二人の喪失感が、圧倒的なリアリティをもって迫ってくる。きっと二人は、痛みを他人を深く理解する糧に変えて、大人への入り口をくぐっていくのだろう。 | ||||
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~店頭で表紙に惹き込まれ思わず手に取ってしまいました。 そんな装丁は「クラフト・エヴィング商會」です。 高校生が主人公の恋愛小説(漫画も然り)のイメージでは、優等生だったり、ドジだったり、あまりに達観していたり…と、様々な定義づけがされていたり、してしまったりしますが、今回の主人公の彼女にはそんなつかみどころはありません。 これが~~「等身大」というものなのでしょうか。 高校生活を送り、本を読み、母親と会話をし、好きな人を愛おしく想い求める女子高生の気持ちが素直に入ってきました。 彼らと「同じ」でなくとも「分かる」気持ちを見つけると思います。~ | ||||
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十代の頃は今思うと人との別れが上手く出来なかったような気がします。 それでも人を好きになり、別れることなど思いもせずに相手の領域に飛び込 んで行き、一時の幸せに喜びを感じ、また離れていく瞬間に絶望を感じる。 その感じ方の表現がとても上手い作品なんですよね。 会社の昼休憩中に読みきったくらい短い作品なんですが、どっぷりとこの物 語に浸かってしまいました。 好きなうちに別れてしまった相手というのは心の中にいつまでも住み着いて いるもの。 主人公の「わたし」の心の中にはずっと冠くんがいて、それでも時が経つに つれ隣には「せっちゃん」という異性がいるようになる。 同じだけど違う「好き」という感情。 自分の全てのパワーを向けて「好き」になる相手と自然と隣にいることで 「好き」になる相手。 多分思春期ってこういう人の好きになり方ってするような気がします。 懐かしさやほろ苦さを思い出させてくれる作品でした。 そして何よりラストが印象的なんですよ。 | ||||
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好きな人から触れるということを拒絶された主人公。好きな人に触れられないことがどれほど辛いものなのか・・・。でもそれはどちらにも言えること。冠ちゃんも辛かったんだ。自分の好きな人と一緒にいることはできるのに触れることは決してできない。ましてやそれを気持ち悪いと思ってしまう。幼い子供の頭に焼きついて離れない過去の出来事。その苦しみから冠ちゃんが抜け出す術を知ったとき、私はすっと涙が流れた。感動した涙とは違う、自分でもうまく説明できない感情が溢れてきたんだ。この作品を読み終えた私は心に何か住みついたような気がしてならないんだ・・・。 | ||||
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閉じ込められるということは、そこに閉じ込めておく為の空間が生じる この話の主人公女子高生は、終わった恋を終わらせずに閉じ込めてしまった 人間の感情なんて永遠ではないのに、永遠と錯覚してしまう若さ 自分の感情に自信が持てなくなることを、罪深いこととして捉えてしまう 故に、過去の思いを閉じ込めてしまう この主人公の純粋さは、高校生ならではの滑稽さでもある でも、過ぎてしまえば小さな事だけど、当の高校生時には重大だ この本は、高校生ならバイブルになりそうだけど・・・ おじさんや年配になればなるほど、時間の無駄に感じる本だと思う | ||||
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好きってなんだろう・・・恋するって・・・かけがいの無い存在・・・一つになる事・・・触れ合うこと・・・ 凄く純粋に読んでた。元彼を愛したまま別れてしまった主人公のココロを、綺麗に書き出してると思う。簡単だけど、簡単じゃない。単純だけど、単純じゃない。そんな矛盾の心地よさを感じました。 島本さんの作品はとても読みやすくて、一気に読んでるけど、何だろう・・・そのぶん後に残るものが在る。 | ||||
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綿屋りさもそうだが、女子高生の鬱々とした日常を書くのが流行っているのかなあ。 文章は品の良さを感じさせるし、読んでいると小説の空気や匂いが伝わってくる。子供っぽい印象の綿屋りさよりも落ち着いた文章を書けている。 繊細で儚く優しい空気や匂いを感じるのに、鬱々とした印象。主人公が良い方向に行っているのに「救い」「癒し」「カタルシス」にならないんだもん。冠くんとの関係が納得行かない。これがリアルと言えばそうだが、もういい加減にして欲しい。作者もこれから伸びていく人だから、色んな経験をして世界を広げて欲しい。 | ||||
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