猿丸幻視行

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評判

猿丸幻視行の評価:

4.36/5点 レビュー 42件。 B ランク

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平均点4.36pt

Amazonレビュー一覧

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全69件 61〜69 4/4ページ
No.9
(5pt)

折口信夫が探偵とは!

 この本のおかげで 日本書紀を読むきっかけを得た。その意味でも非常に感謝している。
 題材自体は梅原猛の「水底の歌」から持ってきている点で難が付けられている面もあるが 両方を読み比べてみても 小説としての本書の価値は減じないと思う。
 まず 探偵として折口信夫を起用した点に作者の独創性がある。折口は歌人であり民俗学者であり 国学者であるという極めてユニークな方だったが そんな彼に探偵をやらせるという着想には舌を巻くものがある。
 次に他の登場人物も上手い。金田一京助や 南方熊楠の登場も楽しいし それなりにリアリティーがある点が素晴らしい。
 再読に足る探偵小説というのは 中々無い。本書は僕にとって数少ない そんな本である。
 
 
猿丸幻視行 (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: 猿丸幻視行 (講談社文庫)より
4061830791
No.8
(4pt)

第26回江戸川乱歩賞受賞作品

 梅原猛の著作「水底の歌-柿本人磨呂論」で有名になった猿丸太夫=柿本人麻呂同一人物説。そんな歴史ミステリーに民俗学者折口信夫がその難問を解決する。
 題材設定ともに面白い。途中、難解な暗号解読に飽きてしまいそうになるが我慢して後半へ行ってください。
 読んで損はない作品です。
猿丸幻視行 (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: 猿丸幻視行 (講談社文庫)より
4061830791
No.7
(5pt)

これが独自のアイデアだったら...

歴代乱歩賞中の最高傑作。ただし、梅原猛氏の「水底の歌(柿本人麻呂論)」及び篠原央憲氏の「いろは歌の謎」の両書がなかったらの話である。
折口信夫を主人公にするというアイデア、百人一首中の歌の暗号の鍵を「いろは歌」の謎に求める手段、猿丸太夫が歌人集団だったという説、そして柿本人麻呂の官位と死の謎等々、読者の興味を惹く話題は全て冒頭の両書からの借り物である。作者自身で考えたと思われる末尾の殺人事件は全く平凡で詰まらない。作者がこの後ミステリ作家を諦め、歴史ライターの道に転進したのは正解だったろう。
しかし、この両書の存在を無かったことにすると途轍もなく面白いのである。実は、本書をキッカケに私は梅原猛氏の諸作品を読むようになった程である。この点、作者は元々創造が得意と言うより、興味をそそる諸要素を巧みに組み立てあげるルポ・ライターの素養があったのだと思う。両書の存在を無視すると乱歩賞史上最高傑作というだけでなく、日本ミステリ史上に残る傑作歴史ミステリ。
猿丸幻視行 (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: 猿丸幻視行 (講談社文庫)より
4061830791
No.6
(4pt)

歴史ミステリーの嚆矢

「1000年間ある一族に伝わってきた暗号。そしてその暗号には歴史を根本からひっくり返すような謎が隠されている。」
これがこの小説の基本プロットなのだが、これは世界的に大ヒットした「ダ・ヴィンチ・コード」にそっくりである。
また、膨大な薀蓄が語られているところもよく似ている。
この作品は暗号解読を中心とした歴史ミステリーの嚆矢といってもいいだろう。
謎の人物は、伝説の歌人・猿丸大夫。
謎を解く鍵は暗号化された和歌に隠されており、その謎に若き日の折口信夫が挑戦する話だ。
話としては単純なのだが、暗号である和歌および古代史に関する薀蓄がもの凄い。
よくぞここまで綿密に調査し、娯楽小説として構築したものだと脱帽するしかない。
だが、本書を娯楽として楽しむには、基本前提として、和歌・古代史に関する最低限の知識が必要だろう。
何度も説明を読み返さないと暗号解読の経緯がわからなくなる。
正直、和歌に関する知識の薄い私には難解過ぎた感はある。
しかし、非読書家層に迎合した「大きな活字」「簡単なプロット」「平易な表現」で書かれた「誰にでも読める娯楽小説」が氾濫している現状に辟易している私としては、このような読み応え十分の作品は歓迎したい。
読書とは知的娯楽なのだという事を再認識させられた。
猿丸幻視行 (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: 猿丸幻視行 (講談社文庫)より
4061830791
No.5
(5pt)

最後の方、興奮しました。

とてもよく出来た歴史ミステリーです。勉強にもなったし、本当に良かった。たのしみました。最後の方は、興奮して、又、締めくくりも良かったです。もう一回読もう!
猿丸幻視行 (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: 猿丸幻視行 (講談社文庫)より
4061830791
No.4
(4pt)

歴史ミステリの醍醐味

推理作家にして「逆説の日本史」研究家(?)井沢元彦氏のデビュー作。この作品で、1980年・26歳のときに第26回江戸川乱歩賞を受賞。 内容は…現代のある青年が、製薬会社の開発したある試薬のモニターに選ばれ、その実験中に明治時代の実在の人物でありのちに民俗学者となる若き日の「折口信夫」とシンクロし、折口の友人・柿本家に伝わる暗号額を解き明かすというストーリー。 前半部の設定はちとファンタジーがかっていて苦しいですが、暗号解読、歴史解説の部分は本当に面白い。万葉時代の謎の歌人・柿本人麻呂論は圧巻。私は梅原猛説(「水底の歌」参照)よりこちらを取ります。 その後井沢氏はSF小説をいくつか書いたり、歴史がらみのミステリを何本かお書きですが…あまり「ミステリ」の部分はお上手とは言いがたい(申し訳ないのですが)。どうしても、そこまでに語られる「歴史解読」の部分の方が面白くて、「ミステリ」部分は単なるおまけ…というか、「歴史ミステリ」としての体裁を整えるだけの付け足しのように見えるので。 でも、折口信夫氏はあんなことがなくても一生独身だったとは思いますけどね(爆笑)。
猿丸幻視行 (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: 猿丸幻視行 (講談社文庫)より
4061830791
No.3
(4pt)

不思議なコンビネーション

大学卒業前の青春を書いた「ぼくらの時代」と伝奇SF「猿丸幻視行」が一緒になっているのは違和感を覚えるかもしれませんが、どちらも乱歩受賞作だけあって、読み応えは十分。当時のミステリの中で、この2つが受賞したという意味合いを考えさせられる貴重な一冊です。
ぼくらの時代・猿丸幻視行―江戸川乱歩賞全集〈12〉 (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: ぼくらの時代・猿丸幻視行―江戸川乱歩賞全集〈12〉 (講談社文庫)より
4062732688
No.2
(4pt)

発想が秀逸

 第26回江戸川乱歩賞受賞作。ずっと昔から気になってはいたのだが、いままで読む機会がなかった。ミステリというよりはSFだと思うのだが、ミステリの範囲はすでに20年前にここまで広がっていたのだな。 話は面白い。よくできているし、よく調べてある。特に、人麻呂から猿丸になったのではなく、その逆であるとという発想が秀逸。ただ、暗号解読のくだりと、終わりの方で会話だけで謎の解明がなされるところがややわかりにくい。 また、あくまでも折口の目で見たものしか知り得ないはずなのに、そうなっていない部分もあってちょっと残念。 しかしこれを26歳で書いたというのだから大したものだ。世の中にはすごい人がいるんだなあ。
猿丸幻視行 (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: 猿丸幻視行 (講談社文庫)より
4061830791
No.1
(5pt)

軽快なタッチで古代日本史の謎に迫る

 第26回の江戸川乱歩賞受賞作。 ややSF的なアプローチで始まるものの、猿丸太夫=柿本人麻呂説と”いろは歌”の謎を解き明かしていくストーリイ。”いろは歌”を使った暗号ミステリーも舌を巻くが、歴史ミステリーとしても充分成り立つと思う 謎解きの最後で出くわした、本編最大の謎に関しては未消化であるが、この展開ならば納得が行くだろう。 一気に読んでしまう筆致は、当時まだ若かった筆者を考えると小気味良く、また、かなりの博識振りが伺えた。 謎に迫る中で、以後『逆説の日本史』を上梓している筆者の片鱗が垣間見られるのは興味深い。
猿丸幻視行 (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: 猿丸幻視行 (講談社文庫)より
4061830791