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日の名残り



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【この小説が収録されている参考書籍】
日の名残り
日の名残り (中公文庫)
日の名残り (ハヤカワepi文庫)

日の名残りの評価: 4.46/5点 レビュー 402件。 Aランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点4.46pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全354件 101~120 6/18ページ
No.254:
(5pt)

心に残る素晴らしい作品

英国の由緒ある大邸宅で長年執事を務めてきた主人公。米国人の富豪がその邸宅を買い取ったのを機に短い休暇をとり、結婚で引退したかっての同僚に会いに行く。道中、様々な回想を重ねる。第一次世界大戦後に締結されたベルサイユ条約の見直しに動く欧米各国の華やかな社交界、執事という仕事に対する職業人としての誇り、同じ邸宅で働き互いに刺激を与え合う同僚。そして、かっての主人であった英国人貴族の不幸な顛末。。。巧みで流麗な文章、謎解きの様に徐々に明かされる事実、繊細に描かれた人情の機微。最後に、職業人ではなく個人としての本当の気持ちに気付く主人公。その瞬間の胸を締め付けられるような衝撃の強さを日記の空白期間が物語る。読みやすい翻訳も素晴らしく、ここ数年読んだ中で最も心に残る作品の一つだった。
日の名残りAmazon書評・レビュー:日の名残りより
4120019470
No.253:
(5pt)

信じること、良心について深く考えさせられた。

※Audibleで読了
ストーリーも非常に面白かったですが、それ以上に考えさせられる話でした。
人を信じることと自分を信じることについて、政治、父子、男女、旅先での出会い等、いくつもの関係を通じて、あえて矛盾を混ぜ込みながら書ききっています。
特に私には、「忠誠心と良心の関係」が、突き刺さりました。
政治のアマチュアとして正義を貫いて、結果として人の道を外れた人
アマチュアでも正義を貫くべきだと信じる人
アマチュアだからと良心を放棄し、人の道を外れることに何も感じなかった人
3人がそれぞれの説得力を持って現れ、読者に判断がゆだねられます。
「人類の進歩に貢献する作品」だと思いました。
読後何日たっても頭の中をぐるぐる何が正しいのか、回っています。
こういう作品の著者こそこそノーベル文学賞にふさわしいと心から思いました。
日の名残りAmazon書評・レビュー:日の名残りより
4120019470
No.252:
(4pt)

古きイギリスの世界がそこに

イギリスの大邸宅の執事として働いている一人の男の物語で、時代描写もよくて十分に楽しめる。

休みをもらって一人で旅をするなかで、伯爵に仕えて考えてきたこと、やってきたことを回想しては、それまでの人生を振り返る。
ひとつのお屋敷に何十人もの権力者を招いての何日にもわたる会議や、執事たちの生活や働き方など、今とは違う世界が垣間見れる。
わずか今から100年ちょっと前、その頃のイギリスの生活が分かり面白い。
日の名残りAmazon書評・レビュー:日の名残りより
4120019470
No.251:
(4pt)

味わい深いが、面白くはなかった。

(ちょっと自意識過剰気味と思われる)主人公の執事が、元同僚の女性に会いに行くという、ただそれだけの話なのですが、その道すがら、様々なところで回想が挟み込まれます。

職業観、哲学、政治、ロマンスなど、様々な要素が絡んではきますが、それらを深く掘り下げたりするわけではなく、また一貫したテーマ性を主張するわけでもなく、回顧録のような形で淡々と話は進みます。
エンタテインメントではないため、ハラハラドキドキするような展開も、早く先が知りたい!と思うようなミステリー要素もありません。

読みやすいのですが、面白いかと言えば、少なくとも私にとっては面白くはありませんでした。「ノーベル文学賞」という看板がなければ、最後まで読むこともしなかったでしょう。
これは行間を読みながら楽しむ種類の作品で、インスタントなレクリエーションを求める人にはむかないが、スルメのようにゆっくりと、じっくりと作品を味わうことが好きな人には良いかも知れません。
日の名残りAmazon書評・レビュー:日の名残りより
4120019470
No.250:
(5pt)

愚とはなにか

主人公のような人間になってはいけない、主人公のような人間とは縁を切らなければならないと、強く思いました。
日の名残りAmazon書評・レビュー:日の名残りより
4120019470
No.249:
(5pt)

国・社会・個人・・・

イシグロ氏の作品。89年、今となっては30年前、なんと35歳の時に書かれた作品ですね。なぜこの作品、この設定で書こうと思ったのか。いわゆる人気作家の作品と違って、このような作品には作家の「これを書きたい」という極めて強い意思が存在していると思うのだが。

表面的な体裁は他のレビュアーも指摘されている通りの、老境を迎えつつある、ある人物の独白と回顧録。作者の観察眼の鋭さ、時代背景などもよく調べて執筆していると思います。

旧と新、建前と本音、規律と自由、権威と凡庸、知と無知、信頼と誤解。人はこだわりゆえに向上し、かつ後退する。対比を巧みに用いて、人の営みの複雑さを丁寧に書き上げていると思います。

理想だけでは動かない。何か一つの要因で決まる事象などない。国・社会・個人、各レベルでまるで違う様相に見えて、共通して持ってる人間の特性を、執筆当時の視点で描いたのではないだろうか。

それでも作者はそれをポジティブに捉えていると思うが。

「夕方が一日でいちばんいい時間」、終場面で語る相手の男の言葉。この場面をわざわざ描いたのは、悲観するためではないだろう。なぜならそこに明日へのつながりが隠されているから。

漠然と読んでしまうと何が面白いのか分かりにくいと思うが、個人的には読後に充足感を感じました。
日の名残りAmazon書評・レビュー:日の名残りより
4120019470
No.248:
(4pt)

静かに展開される執事人生の回想。

執事の仕事、品格に対する深い洞察、そして淡いロマンス。

「私どものような人間は 、何か真に価値あるもののために微力を尽くそうと願い 、それを試みるだけで十分であるような気がいたします 。そのような試みに人生の多くを犠牲にする覚悟があり 、その覚悟を実践したとすれば 、結果はどうであれ 、そのこと自体がみずからに誇りと満足を覚えてよい十分な理由となりましょう 。」
日の名残りAmazon書評・レビュー:日の名残りより
4120019470
No.247:
(5pt)

終わりの章に深いため息

英語の原文で読んでみたい
イギリスの執事の母国愛、プライド、支えた歴史。そして一人の男性としての人生、思い。筆者の本をもっと読みたい、何度も読みたいと思いました。
日の名残りAmazon書評・レビュー:日の名残りより
4120019470
No.246:
(4pt)

「訳者あとがき」と「解説」は、蛇足

主人公である執事(私)が、旅行しながら、その旅行の状況とともに昔の思い出話を語っていく形式で、物語は進む。
その語られる内容の中では、執事としてプロフェッショナルな態度を貫いてきたことを前面に出している。そして実際に、そのように行動して生きてきたのだろう。しかしその執事としての職業的意識の高さとは裏腹に、一人の人間として、あるいは現代に生きる一市民として、欠陥のある人間であることが徐々に明らかとなる。そして老いてきた今、執事としての能力も衰えてきてしまった。その衰えと、自分が人として過ちをおかしてきたのではないかという疑念とから、人生に対する確信を失いかけてもいる、ということが最後のシーンで推察される。しかしラストのジョークのくだりでは、それでもやはり、執事としてのプロフェッショナルとしてしか生きられないんだ、ということもわかる。人は長年の価値観を簡単には変えられない、という結論か。

執事に限らずどのような専門領域でも、プロフェッショナルであろうとするあまり、人としておかしな方向へ行ってしまうことがある。そのようにしか生きられない人は、滑稽であり悲劇的でもあるが、一つのことを極めようとする偉大な人、と言えるかもしれない。そのようなプロフェッショナルを否定してしまう世の中は、果たしていい世の中なのか。そんなことも考えさせられる。

ところで、文庫本の最後の「訳者あとがき」と「解説」は、蛇足。
せっかくの余韻を台無しにするものだ。
もういい加減、文庫本の最後の「解説」の不要さに出版社も気づいて欲しい。
日の名残りAmazon書評・レビュー:日の名残りより
4120019470
No.245:
(5pt)

おススメです!

とても穏やかな物語で、美しい世界でした。穏やかな気持ちとなりました。
日の名残りAmazon書評・レビュー:日の名残りより
4120019470
No.244:
(5pt)

不完全であるがゆえ、人間を好きになれる、すばらしい物語

傑作です。めちゃめちゃ面白いです。小説を読む楽しみを存分に味わいました。
「これぞ小説」という感慨を覚えました。
主人公である執事の個人の物語としても読めますし、2つの大戦を経験したイギリスと欧州の物語としても読めます。
またワーカホリックにつける薬としても読めるでしょう。
豊かで、普遍性に富む小説です。
とくに深く胸を打つのは、人の一生はなんと、はかないものなのだろうか思い知らされる点です。
こういうテーマを扱っている文学や芸術は掃いて捨てるほどあると思いますが、改めて、このことを痛感しました。
主人公は、大変有能な執事です。
しかし、やはりその人生には影が差すこともあります。
主人公が仕える卿も人徳のある立派な人物として描かれています。
しかし、罪の意識を背負う晩年を送ることになります。
主人公の執事の部下の女性もまた、外面的には幸福な生活を手に入れます。
ですが、「あの時、もしもということがあったなら」という思いを抱き続けて生きていきます。
はたから見ると順風満帆な人が抱える、いくつかの大なり小なりの後悔。
「自分の周りで、何気なく生きているように見える人たちにも、きっとこのような陰影に富む物語があるのだろう」と、気付かされます。
そして、人間を好きになれる作品です。
すばらしい物語です。
日の名残りAmazon書評・レビュー:日の名残りより
4120019470
No.243:
(5pt)

執事と言う職業

もう終了した番組ですが、NHKの「ニュースで英会話」でノーベル賞を受賞したカズオ・イシグロ氏の紹介時に鳥飼久美子先生が「日の名残り」が一番好きだとおっしゃっていたので、
大変興味を持ちまして、それがこの本を読むきっかけになりました。

(概要)
イギリス人主人公の執事スティーブンスがファラディというアメリカ人新しいの主人の勧めで
1週間程自動車旅行をすることになり、その間に第一次から第二次世界大戦時代に
起こった出来事を回想する。
前主人ダーリントン卿、執事である自身の父親、女中頭ミス・ケントン(ベン夫人)との思い出、
そして国際会議の舞台となったダーリントンホールでヨーロッパの特にドイツを支援しようと
ダーリントン卿は推し進めるが・・・。

途中までは余り盛り上がりの無い小説でしたが、紆余曲折な展開で後半ミス・ケントンの再会により主人公が覚醒されたのか自身の生き方にポジティブになり前向き姿勢にところが感銘を受けました。

この小説では「執事」と言う(召使、お手伝い、秘書?)日本では全く馴染みが無く、陽の目に当たらないような職業が題材ですが、イギリスでは重要なポストであるのは興味深く、また執事の「品格」がキーワードであるように、プロフェッショナルとして折り目正しく粛々と
仕事をこなすこともとても努力が必要なことがわかりました。

私自身も自分の職業にプロ意識を持たないといけないと考えさられたと同時に人生に対し前向きになることがとても清々しい気持ちになることをこの小説で知ることが出来ました。
日の名残りAmazon書評・レビュー:日の名残りより
4120019470
No.242:
(5pt)

人生を後悔したくない大人のために

歳をとるとだれしも、自分は重大な局面で選択を間違えた、しくじったという思いがどんどん積み重なっていきます。自分は人生を後悔していないし、挫折したこともないという人も、自分で気が付かないだけでとっくの昔に挫折しているのかもしれません。
われわれの苦い思いを救ってくれるのがユーモアなのでしょうか。
日の名残りAmazon書評・レビュー:日の名残りより
4120019470
No.241:
(5pt)

土屋政雄の訳にも拍手!

訳本は本来嫌いです。が、この本はまるで日本語で書かれた本を読んでいるような流れのある読みやすさ。訳者のセンスが光っている。
本書の素晴らしさ、カズオ・イシグロの能力については他の評に書き尽くされているので触れないが、在りし日のイギリス上流階級の執事による回想という、現代日本人には縁のなさそうな内容でありながら 一気に読まずにいられなかったのは、人間の普遍のテーマが押しつけがましくなく盛り込まれているからだと思う。
日の名残りAmazon書評・レビュー:日の名残りより
4120019470
No.240:
(4pt)

土屋政雄氏の翻訳も素晴らしい

イギリスの真摯な執事が、古き良き時代を回想していく物語だが、しみじみとした情感が伝わってくる名作である。土屋政雄氏の翻訳の見事さも素晴らしい。
日の名残りAmazon書評・レビュー:日の名残りより
4120019470
No.239:
(4pt)

情景が浮かんでくる。。。

ノーベル賞記念で読んでみました。

英国執事の職業人としての生き様を描いた小説です。

夕方のとても穏やかで温かい気持ちになれる一冊です。
日の名残りAmazon書評・レビュー:日の名残りより
4120019470
No.238:
(5pt)

さすがですね!

いい翻訳ですね。翻訳された小説は読みにくさが往々にしてあるもの。
もちろん内容も引き込まれるものがあり一気に読むことができました。
日の名残りAmazon書評・レビュー:日の名残りより
4120019470
No.237:
(4pt)

話題の作家さんの代表作

ノーベル文学賞を受賞されたので、代表作を片っ端から読みました。
これも、そのひとつ。
物語に没入しないと実感というか状況の理解が進みませんが、入り込めたら面白いお話です。
日の名残りAmazon書評・レビュー:日の名残りより
4120019470
No.236:
(4pt)

設定背景が特殊

設定背景が特殊なので最初は分かりづらい、けれど描写力が優れているので情景は目に浮かび、引き込まれるが、如何せん民族性の違いというか、共感までいかないというか、やっぱり分かりづらい。
日の名残りAmazon書評・レビュー:日の名残りより
4120019470
No.235:
(4pt)

老いて感じる人生の後悔

老執事の旅の物語を通して、老いて感じる人生の後悔、でもどうやって今を生き抜くべきかを優しく問いかける。
そこの大英帝国の没落と絡めるなんぞ凄いです。
翻訳された土屋政雄の優しい文章もいい。
日の名残りAmazon書評・レビュー:日の名残りより
4120019470

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