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何かが道をやってくる



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何かが道をやってくるの評価: 4.29/5点 レビュー 24件。 Aランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点4.29pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全24件 1~20 1/2ページ
12>>
No.24:
(5pt)

素晴らしき戦慄と感動。

ぞっとして感動する青春小説。このひと言に尽きる。

『邪悪なカーニバル集団』が、ハロウィーンの少し前に小さい町にやってきた。二人の幼い少年だけがその邪悪さに気づいてしまった。彼らはカーニバルに立ち向かう、どうすれば彼らを滅ぼせるのか、正しい手段など知りもせず――。

出だしはそんな感じなのだが、どこにどう向かっていくのか、ハッピーエンドかバッドエンドか、正直まったく予測がつかない。手に汗握りページを繰る手が止まらない。読後「読んで良かった……」と充足感に浸る。最高です。

補足としてこの本の読後しばらくして読んだ、別のインタビュー集のエピソードより。ブラッドベリの娘さんのボーイフレンドが娘さんにひと言問うて「お父さんの本って読んだことある? 『何かが道をやってくる』は?」「え、何それ?」「それって読んだほうが良いよ。読まないんなら、もう別れよう!」

……さもありなん。このエピソードの語る通り、なんとも素晴らしい一冊です。ただ娘さんはそういうきっかけがないとお父さんの本をまったく読まなかったらしいので、つまるところは各人の『好み』の問題ですが。自分には『みずみずしい若い感性』と共存する『暗さ、邪悪さ』がちょうど良い。

レイ・ブラッドベリ。一生ものの沼にハマった感覚を、新刊・古本取り混ぜて購入した本をめくっては楽しんでいるところです。
何かが道をやってくる【新訳版】 (創元SF文庫)Amazon書評・レビュー:何かが道をやってくる【新訳版】 (創元SF文庫)より
4488612075
No.23:
(5pt)

ブラッドベリを一冊残しておくならコレ

レイ・ブラッドベリの最高傑作だと思ってます。少年なりの目線と恐怖感、若さと年齢に後悔と絶望が秋の夜の寂しさの中に入り交じって、夜更けに鏡を覗くのが怖くなります。ディズニー映画のDVDも観ましたが本の方が音もないのに恐ろしいのはなぜ?
何かが道をやってくる【新訳版】 (創元SF文庫)Amazon書評・レビュー:何かが道をやってくる【新訳版】 (創元SF文庫)より
4488612075
No.22:
(4pt)

なぜ装丁を変えた?

以前の装丁のままにしておけば他の作品と揃ってたのに、なぜ変えたの?
東京創元社のブラッドベリ作品は装丁に統一感がなくバラバラ。
「ウは宇宙船のウ」とお揃いのデザインに戻していただきたいです。

ハヤカワから出ているブラッドベリは装丁がオシャレなのになぁ。
何かが道をやってくる【新訳版】 (創元SF文庫)Amazon書評・レビュー:何かが道をやってくる【新訳版】 (創元SF文庫)より
4488612075
No.21:
(5pt)

ブラッドベリの全てがここにある

私は12歳でこの本を読んだ
理想を言えば、そもそも12歳でなきゃダメだ 笑
たしか著者もそう語っていた記憶がある
ブラッドベリ全盛期の作品
老いと未熟な若さ、帰らない思い出、恐怖と懐かしさ
ブラッドベリの全てがここにある
読後数十年経っても再読に耐え得る名著
誰にもおすすめできる作品である
何かが道をやってくる (創元SF文庫)Amazon書評・レビュー:何かが道をやってくる (創元SF文庫)より
4488612016
No.20:
(5pt)

昔懐かしい感じのファンタジー

アメリカの地方都市にカーニバルがやってきて・・・というお話。

アメリカの場合、昔から巡回カーニバルがあるそうで、そういう思い出を郷愁を込めて描いたファンタジーになっております。

日本ではこういう物はあまりないというか、違う形の物があって、私の記憶では菓子屋さんが、菓子を買ってくれる低年齢の客に紙芝居をやってくれたり、少し違いますが、盆の祭りとかクリスマスとか宗教を超えて理由をみつけて何かしら祭りをやりたがる所などは、他の国の風習とは違いますが、大体似た様な催しがある様に思えます。

日常空間から離れて非日常空間の浸るのも、人類の営為みたいで、たまには息抜きで非日常を味わいたいという人にはうってつけのカーニバル小説だと思いました。

訳者あとがきにある通り、トム・リーミィ「沈黙の声」(女の子で「スタンド・バイ・ミー」を作るとこうなるという感じの作品)とか他にも似た様な佳品があるので、興味がある方は読んでみては。

前の訳で読んで以来、40年ぶりかもしれない再読でしたが、面白かったので良かったです。

昔懐かしい感じのファンタジー。是非ご一読を。

蛇足ですが、これを読む少し前にフジ・ロック・フェスティバルに行ってきまして、ロックのフェスですが、飲食の屋台等があつまる区域で、奇っ怪な大道芸をやっているパフォーミング・アーティストの方がいらっしゃっていて、そいういう物もフェスの名物のなっていて、直前にそういう大道芸を観ていた記憶とこの小説のフリーク・ショーがだぶって妙な気持ちになりました。関係ない事を書いてすいません。
何かが道をやってくる【新訳版】 (創元SF文庫)Amazon書評・レビュー:何かが道をやってくる【新訳版】 (創元SF文庫)より
4488612075
No.19:
(5pt)

数えきれないほど読み返しました。

学生の頃から何度も何度も読んでいる大好きな本です。
ただ字が小さくて読み辛くなってきました。
是非是非kindle化お願いします。
何かが道をやってくる (創元SF文庫)Amazon書評・レビュー:何かが道をやってくる (創元SF文庫)より
4488612016
No.18:
(2pt)

修辞の冗漫さが読み手を選ぶ

昔からSFの名作に挙げられているので、読んてみました。残念ながら私には合いませんでした。勿体ぶった修辞が続き、なかなか物事が進まない。一人語りが長く続き、それも論理性はなく感傷的な美辞麗句の言い回しをくどくど続けている感じでした。どうにも冗漫に感じられ、現代には合わない物語なのではないかと思いました。
 日本でいうと、森見登美彦の四畳半神話大系みたいなものかなと思いました。読む人を選ぶファンタジーだと思います。そこはかとないユーモアとして受け止めればいいのかもしれません。
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4488612016
No.17:
(4pt)

ヒライスを感じさせる永遠の十月の物語

初秋が慌ただしく過ぎ、中秋10月に入ると必ず読み返したくなるブラッドベリの傑作ファンタジー。日暮れが早くなり夕陽の長い影ができる頃に「避雷針のある建物」の思い出とともに強烈な郷愁が迫ってくる。
この物語の冒頭14歳の少年二人のもとに謎多き避雷針売りがやって来る。文字通りの、これは嵐の到来を告げる予兆だ。その年のハロウィーン「秋の人々=邪悪」との邂逅が少年たちを襲来する。現在の文庫の表紙は漫画家藤田和日郎さんの絵なんですね、彼の「からくりサーカス」の中に真夜中にサーカス団を連れた葬式列車に出会うくだりがありリスペクトを感じます。私のものはずいぶん昔の本で美しい透明な時計と木馬を描いたものでした。幾度となく買いなおし、そのたびに表紙は変わっていますが、本の中で活躍する少年たちは変わらず美しい少年のままです。十月になると・・「ブラッドベリだ!」と思ってしまうオバさんでした。
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4488612016
No.16:
(3pt)

カーニバルを舞台にした、親友と父親対、妖怪ファンタジー大戦争

カーニバルの主役、回転木馬が回り出すと過去、未来と時間軸がずれて、妖怪や悪魔が暗躍するファンタジーの世界になる。これは、親友と親子の絆をテーマにした、ファンタジー大戦争である。出来れば新訳で読みたかった。
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4488612016
No.15:
(3pt)

10月に読むといい好奇心向け文庫

竹宮恵子先生の「わたしを月まで連れてって」の中にでてくる小説で読んでみた。年齢が変動する回転木馬、避雷針売りのおじさん。カーニバルは怖いもの……読後一番怖かったのはウィルの父親。あの探求心と分析。挿し絵イラストがなくて良かった。現在、「からくりサーカス」のかたのカバーイラストで販売されているようなので刺激の欲しい方は読んでみて下さい。なかなかラストに近づけず、じっくり読める作品です。挑戦してみてください。お勧めは“ウィル”に視点をあてて読んでみて。
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4488612016
No.14:
(4pt)

ブラッドベリ

1993年頃に読んでいた。大冒険のつもりでも夕方に家に帰れば暖かい夕食にありつけるような感覚が作中に流れている。
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4488612016
No.13:
(5pt)

傑作ファンタジー

ブラッドベリの作品の中では一番好きです。彼独特の文体と展開される幻想的な物語が溶け合っていて、『これぞブラッドベリ』って感じ。
何回も読み返したい。
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4488612016
No.12:
(4pt)

ブラッドベリにしてはアクション多し、でもブラッドベリだ

ハヤカワと並んでSFの総本山というべき創元文庫なのに、長年未読だった。

ハロウィン前夜、町にカーニバルがやってきた。
13歳の少年ジムとウィルは、珍しいショウや乗り物に魅了される。だが、それは悪夢の始まりだった。
カーニバルは作者が好んで扱う素材のひとつだ。平凡な田舎町に現れる異界の住人が、ひとときの享楽を与えてくれる。
ネットもTVゲームもなかった時代、どれだけ魅力的だったことか。
魅力と背中合わせの怪しさと後ろめたさ。いかがわしいからこそ、いっそう惹きつけられるのか。
短編では善悪を越えた存在として描かれることが多いが、本作の一座は悪役だ。
ブラッドベリにしてはストレートな勧善懲悪譚で、少年小説のような雰囲気である。
上品でハイブロウなスティーヴン・キングみたいだ。奇怪なガジェットとアクションが豊富で、なかなか楽しめる。
年齢が逆行するメリーゴーラウンドというアイデアは秀逸だ。

もうひとつ気に入った点は、悪魔を打ち払う力が信仰「ではない」こと。
敵は聖書を見てせせら笑う。では何が有効かというと・・・これは自分で確かめてください。
オモチャの十字架で追い払うなんてのより、よほど納得できる。そんなもので退散する悪魔なんて、最初から怖くないわ。
余談ながら、キングて劣化したブラッドベリ+マティスンなのでは。
キングはドラマ作りが上手いので一時期大好きだったが、もう読む気がしないなあ。
何かが道をやってくる (創元SF文庫)Amazon書評・レビュー:何かが道をやってくる (創元SF文庫)より
4488612016
No.11:
(5pt)

万聖節/ハロウィンの頃、哀しみと愛しさと...。

グイッと惹きこまれて、ドキドキしながら最後まで読んでしまいました。なんという吸引力でしょう。

 万聖節/ハロウィンの前にやってきた妖しいサーカス団。鏡の迷路は、子供の頃のあなたや高齢となったあなたを写し出します。そしてショパンの葬送行進曲を逆演奏しながら後ろ向きに回る回転木馬は...。その秘密を見てしまった主人公の2人の少年...。

 昔に戻りたい、大人になりたいという誘惑。でも、体の年齢を巻き戻しても進めても、頭のなかは一緒。

 『華氏451度』と同様、本が出てきます。主人公の一人の父は図書館長。よく本を読む主人公たち。深夜の図書館には、大昔から数十年周期で同じサーカス団が町に来訪している記録が...。そしてそこにサーカス団長が、秘密を知る少年たちを捕まえに...。

 涙や恐怖に寄生して"秋"を生きている"不死の"サーカス団長。取り戻すことのできない人生の愛らしさ。今を生きることの大事さ。昔少年だった父と、息子との対話。軽々と駆けていく13-14歳の"夏"の少年たちと、今54歳の"秋"の父。有限の人生。

 万聖節/ハロウィンの頃、哀しみと愛しさと...。名作だと思います。
何かが道をやってくる (創元SF文庫)Amazon書評・レビュー:何かが道をやってくる (創元SF文庫)より
4488612016
No.10:
(5pt)

何かが!

タイトルからして、ワクワクしてしまいます。
何かって、なに?
少年たちは何を察知したのか?
幻想的な冒険物語でもあり、成長物語でもあり、そしてSFでもあります(定義すること自体がおかしいけれど)。

簡潔で、独特の比喩を使うブラッドベリの詩的な文体が好きです。

ただレビューを読むと、翻訳の善し悪しが問われているようです。
文体が命ともいえるブラッドベリですから、翻訳に左右されることは確かです。
でも、翻訳って本当に難しい。原文に忠実にやると、日本語(の文学)として成り立たなかったり。

本文第一章の出だしを抜粋。

The seller of lightning rods arrived just ahead of the storm.
「その避雷針を売る男は、嵐のすこし前にやってきた。」

このあたりは原文に忠実な訳ですね。
あとは一文づつ比較しないとわかりませんが、翻訳にはどうしても限界があるので仕方がないかと。

とにかく私は楽しめました。冒頭からすぐに引き込まれました。さすがブラッドベリ。
何かが道をやってくる (創元SF文庫)Amazon書評・レビュー:何かが道をやってくる (創元SF文庫)より
4488612016
No.9:
(4pt)

怖い何か

一気読みさせる作品。 「何か」がくる事を予感した少年たちとその「何か」を連れて来た空気が異常な事態を孕む予感を察知する大人。 ブラッドベリならではの筆致で、見えない「何か」を描き出した。 「何か」がやってくると街に異常が発生する。 終盤の父親の活躍もさることながら、不安定な年齢の子供達の心の機微が上手に表現してある。 ブラッドベリの中でも手放せない一冊。 ただちょっと、翻訳が??でありました。
何かが道をやってくる (創元SF文庫)Amazon書評・レビュー:何かが道をやってくる (創元SF文庫)より
4488612016
No.8:
(2pt)

新訳の出版を希望。

SFマガジン 12月号 レイ・ブラッドベリ追悼特集号に、「メランコリーとノスタルジーの幻想詩人の代表長編である本書は、
文字通りの古典であり、怪奇と愛の物語である。数少ない本当の「必読書」の一冊」 と紹介されている。

手にとって読めばわかるが、幻想の書であり、怪奇の書であり、冒険物語であり、少年たちの旅立ちの物語であり、
そして父と子のきずなの物語である。

たぶん素晴らしい作品であろうと思われる。。。

というのも翻訳が悪い。

翻訳文体云々を話す前に、誤訳が時々でなく、しばしば散見され、
頻回にみられる名詞の誤訳などは辞書をちゃんと引いてくださいと頼みたくなる。

さらに、本文に存在しない文節が勝手に作り出され、挿入されており、
ブラッドベリのシンプルだが韻を踏んだ詩的な文体が、粘着質な文章に置き換えられており、
ユーモアを交えて描かれているところが重々しく翻訳されていたり、
素早い文章がぐずぐずと訳されていたり、

悲しくなってくる。。。

ブラッドベリの本質が詩的な文体に、あるとすれば、これは作品に対する冒涜でしょう。。

他の人のコメントにあるがトム・ファリー(毛皮)と翻訳文にあるが、Furyは激怒、
激怒だから、その後のDid the name fire me to my occupations? Yes!となる。

このあたり、おどろおどろしく翻訳されているが原文を見ればわかるが。。
とても胡散臭いのだ、行商人の胡散臭さが全開のシーンだが、そう翻訳されていないでしょう。。

以下にこのあたりの原文を参照させてもらう。。。

“No ordinary storm!” said the salesman. “Tom Fury tells you. Fury, ain’t that a fine name for one who sells lightning-rods? Did I take the name? No! Did the name fire me to my occupations? Yes! Grown up, I saw cloudy fires jumping the world, making men hop and hide. Thought: I’ll chart hurricanes, map storms, then run ahead shaking my iron cudgels, my miraculous defenders, in my fists! I’ve shielded and made snug-safe one hundred thousand, count “em, God-fearing homes. So when I tell you, boys, you’re in dire need, listen! Climb that roof, nail this rod high, ground it in the good earth before nightfall!”
“But which house, which!” asked Will.
The salesman reared off, blew his nose in a great kerchief, then walked slowly across the lawn as if approaching a huge time-bomb that ticked silently there.

大久保康雄氏の日本語訳を並べると、氏を冒涜しているようで、気が引けるので、引用しないが、
これだけの文章でも、明らかな誤訳に加えて、どうかなと思われる訳も多数認められる。。。

これって超訳のレベルでしょう。。

翻訳のことにクレームをつけたコメントには、知識をひけらかしているようなものがあり、
時に不快な感じがすることもあり、なるべく、その手のコメントを避けてきたが、
この作品はブラッドベリの代表作ですから、是非、新訳をお願いします。

僕が購入した本(2004年)で55版で、十分初期投資分は回収できていると思います。

できれば、伊藤典夫氏とか、中村融氏とか、土屋政雄氏とかに翻訳お願いいたします。
何かが道をやってくる (創元SF文庫)Amazon書評・レビュー:何かが道をやってくる (創元SF文庫)より
4488612016
No.7:
(3pt)

原作への冒涜?

スティーヴン・キングに「ブラッドベリの最高傑作」(『死の舞踏』第9章)と言われるまでもなく、ダーク・ファンタジー(発刊当時はそんな言葉すら無かったが)の古典的名作である。

残念ながら、その翻訳は原作の奥深さと格調の高さがいささか損なわれていると言わざるを得ない。
誤訳と省略の多さ(例えば、最初の2章26ページまでで、少なくとも30箇所)が、全体の印象すら歪めてしまい、日本語に頼る読者は不幸という他はない。

一部ではあるが、原作との印象の乖離について触れておこう:

ダーク氏:
訳文の言葉遣いでは軽薄な悪漢に描かれているが、原作では文学的知識の豊富なインテリで、慇懃無礼にして、主人公達に対して見事な好敵手ぶりを発揮している。

チャールズ・ハロウェイ:
「図書館の管理人」ではあるが、訳文がイメージさせるような館長や本の責任者ではなく、建物(と付属品である書籍)の管理者(janitor)である。図書館の開閉の鍵を持ち、箒を握り、当初は平凡で頼りない父親像として描かれている。だから邪悪との対決を通して彼自身も理想の父に変貌してゆく姿が生きてくる。

避雷針を売る男:
その名前Fury(憤怒)を「毛皮」と誤訳(p17)。

タバコ屋の看板であるインディアン:
原作には全くない「間抜けな」という形容が、翻訳では何度も繰り返されたり、本物のインディアンとの混同が見られる。実際の看板のインディアンはむしろ精悍な顔をしている(もはや骨董品で滅多に見ることができないが)し、人間のインディアンは登場しない。
この類いの原作にない誤った思い込みがある一方、難解箇所の省略が、全篇を通してかなり多い。

原語で読むのが理想ではあるが、改訳が出るまでは、せめて、映画か最近出たコミック(Hill and Wang社)で雰囲気を味わい 、原作がこの翻訳よりずっといい出来であることを知っておくことは無駄ではないだろう。

原作★★★★★
翻訳★
のため、
総合評価は★★★とした。
何かが道をやってくる (創元SF文庫)Amazon書評・レビュー:何かが道をやってくる (創元SF文庫)より
4488612016
No.6:
(5pt)

こういうお父さんになりたかった・・・。

“ある年の万聖節前夜、ジムとウィルの十三歳の二少年は、一夜のうちに永久に子供ではなくなった・・・。”

ブラッドベリと言えば、10月はたそがれの国 (創元SF文庫)、、、これもステキな作品集でした。他にも沢山の傑作を書いていますが、私は敢えて一冊選ぶなら、“何かが道をやってくる”←これです。これとヴォネガット・Jrの“母なる夜 (ハヤカワ文庫SF)”、この二冊は、20代の私にとって特別中の特別な二冊でした。

結婚前、出来るならば、将来そうでありたい人間像としては、“何かが道をやってくる”のお父さんのよーなお父さんになりたかったんだけど(現実の父親と折り合いが悪くて・・・)、前提としての父親にもなり損なったなぁ〜。まぁ、それはそれで、そーゆー人生もアリと悔いなく受け入れてるんだけど。

望まなくて作らなかったんじゃないんです。ここには書けないアレヤコレヤの運命の翻弄があって駄目だったんです(汗)。しゃーないわな。

ところで、“何かが道をやってくる”はディズニーによって映画にもなってますが、あれは私にはダメでした。あれを観て、原作を推し量らないよーに。くれぐれも・・・。
何かが道をやってくる (創元SF文庫)Amazon書評・レビュー:何かが道をやってくる (創元SF文庫)より
4488612016
No.5:
(5pt)

ハロウィンの夜に

この季節が来るとブラッドベリを思い出す。 思春期で読んで以来 今回読み直してみた。 以前はなんとも不思議な文章だなぁと思っていたのだが 40年近くたって読み返してみると 多少幻想的な気分は薄れたが、 気分はあのころの自分に戻れた気がした。
何かが道をやってくる (創元SF文庫)Amazon書評・レビュー:何かが道をやってくる (創元SF文庫)より
4488612016

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