■スポンサードリンク
何かが道をやってくる
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!
何かが道をやってくるの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.29pt |
■スポンサードリンク
Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全19件 1~19 1/1ページ
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
ぞっとして感動する青春小説。このひと言に尽きる。 『邪悪なカーニバル集団』が、ハロウィーンの少し前に小さい町にやってきた。二人の幼い少年だけがその邪悪さに気づいてしまった。彼らはカーニバルに立ち向かう、どうすれば彼らを滅ぼせるのか、正しい手段など知りもせず――。 出だしはそんな感じなのだが、どこにどう向かっていくのか、ハッピーエンドかバッドエンドか、正直まったく予測がつかない。手に汗握りページを繰る手が止まらない。読後「読んで良かった……」と充足感に浸る。最高です。 補足としてこの本の読後しばらくして読んだ、別のインタビュー集のエピソードより。ブラッドベリの娘さんのボーイフレンドが娘さんにひと言問うて「お父さんの本って読んだことある? 『何かが道をやってくる』は?」「え、何それ?」「それって読んだほうが良いよ。読まないんなら、もう別れよう!」 ……さもありなん。このエピソードの語る通り、なんとも素晴らしい一冊です。ただ娘さんはそういうきっかけがないとお父さんの本をまったく読まなかったらしいので、つまるところは各人の『好み』の問題ですが。自分には『みずみずしい若い感性』と共存する『暗さ、邪悪さ』がちょうど良い。 レイ・ブラッドベリ。一生ものの沼にハマった感覚を、新刊・古本取り混ぜて購入した本をめくっては楽しんでいるところです。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
レイ・ブラッドベリの最高傑作だと思ってます。少年なりの目線と恐怖感、若さと年齢に後悔と絶望が秋の夜の寂しさの中に入り交じって、夜更けに鏡を覗くのが怖くなります。ディズニー映画のDVDも観ましたが本の方が音もないのに恐ろしいのはなぜ? | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
以前の装丁のままにしておけば他の作品と揃ってたのに、なぜ変えたの? 東京創元社のブラッドベリ作品は装丁に統一感がなくバラバラ。 「ウは宇宙船のウ」とお揃いのデザインに戻していただきたいです。 ハヤカワから出ているブラッドベリは装丁がオシャレなのになぁ。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
私は12歳でこの本を読んだ 理想を言えば、そもそも12歳でなきゃダメだ 笑 たしか著者もそう語っていた記憶がある ブラッドベリ全盛期の作品 老いと未熟な若さ、帰らない思い出、恐怖と懐かしさ ブラッドベリの全てがここにある 読後数十年経っても再読に耐え得る名著 誰にもおすすめできる作品である | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
アメリカの地方都市にカーニバルがやってきて・・・というお話。 アメリカの場合、昔から巡回カーニバルがあるそうで、そういう思い出を郷愁を込めて描いたファンタジーになっております。 日本ではこういう物はあまりないというか、違う形の物があって、私の記憶では菓子屋さんが、菓子を買ってくれる低年齢の客に紙芝居をやってくれたり、少し違いますが、盆の祭りとかクリスマスとか宗教を超えて理由をみつけて何かしら祭りをやりたがる所などは、他の国の風習とは違いますが、大体似た様な催しがある様に思えます。 日常空間から離れて非日常空間の浸るのも、人類の営為みたいで、たまには息抜きで非日常を味わいたいという人にはうってつけのカーニバル小説だと思いました。 訳者あとがきにある通り、トム・リーミィ「沈黙の声」(女の子で「スタンド・バイ・ミー」を作るとこうなるという感じの作品)とか他にも似た様な佳品があるので、興味がある方は読んでみては。 前の訳で読んで以来、40年ぶりかもしれない再読でしたが、面白かったので良かったです。 昔懐かしい感じのファンタジー。是非ご一読を。 蛇足ですが、これを読む少し前にフジ・ロック・フェスティバルに行ってきまして、ロックのフェスですが、飲食の屋台等があつまる区域で、奇っ怪な大道芸をやっているパフォーミング・アーティストの方がいらっしゃっていて、そいういう物もフェスの名物のなっていて、直前にそういう大道芸を観ていた記憶とこの小説のフリーク・ショーがだぶって妙な気持ちになりました。関係ない事を書いてすいません。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
学生の頃から何度も何度も読んでいる大好きな本です。 ただ字が小さくて読み辛くなってきました。 是非是非kindle化お願いします。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
初秋が慌ただしく過ぎ、中秋10月に入ると必ず読み返したくなるブラッドベリの傑作ファンタジー。日暮れが早くなり夕陽の長い影ができる頃に「避雷針のある建物」の思い出とともに強烈な郷愁が迫ってくる。 この物語の冒頭14歳の少年二人のもとに謎多き避雷針売りがやって来る。文字通りの、これは嵐の到来を告げる予兆だ。その年のハロウィーン「秋の人々=邪悪」との邂逅が少年たちを襲来する。現在の文庫の表紙は漫画家藤田和日郎さんの絵なんですね、彼の「からくりサーカス」の中に真夜中にサーカス団を連れた葬式列車に出会うくだりがありリスペクトを感じます。私のものはずいぶん昔の本で美しい透明な時計と木馬を描いたものでした。幾度となく買いなおし、そのたびに表紙は変わっていますが、本の中で活躍する少年たちは変わらず美しい少年のままです。十月になると・・「ブラッドベリだ!」と思ってしまうオバさんでした。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
1993年頃に読んでいた。大冒険のつもりでも夕方に家に帰れば暖かい夕食にありつけるような感覚が作中に流れている。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
ブラッドベリの作品の中では一番好きです。彼独特の文体と展開される幻想的な物語が溶け合っていて、『これぞブラッドベリ』って感じ。 何回も読み返したい。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
ハヤカワと並んでSFの総本山というべき創元文庫なのに、長年未読だった。 ハロウィン前夜、町にカーニバルがやってきた。 13歳の少年ジムとウィルは、珍しいショウや乗り物に魅了される。だが、それは悪夢の始まりだった。 カーニバルは作者が好んで扱う素材のひとつだ。平凡な田舎町に現れる異界の住人が、ひとときの享楽を与えてくれる。 ネットもTVゲームもなかった時代、どれだけ魅力的だったことか。 魅力と背中合わせの怪しさと後ろめたさ。いかがわしいからこそ、いっそう惹きつけられるのか。 短編では善悪を越えた存在として描かれることが多いが、本作の一座は悪役だ。 ブラッドベリにしてはストレートな勧善懲悪譚で、少年小説のような雰囲気である。 上品でハイブロウなスティーヴン・キングみたいだ。奇怪なガジェットとアクションが豊富で、なかなか楽しめる。 年齢が逆行するメリーゴーラウンドというアイデアは秀逸だ。 もうひとつ気に入った点は、悪魔を打ち払う力が信仰「ではない」こと。 敵は聖書を見てせせら笑う。では何が有効かというと・・・これは自分で確かめてください。 オモチャの十字架で追い払うなんてのより、よほど納得できる。そんなもので退散する悪魔なんて、最初から怖くないわ。 余談ながら、キングて劣化したブラッドベリ+マティスンなのでは。 キングはドラマ作りが上手いので一時期大好きだったが、もう読む気がしないなあ。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
グイッと惹きこまれて、ドキドキしながら最後まで読んでしまいました。なんという吸引力でしょう。 万聖節/ハロウィンの前にやってきた妖しいサーカス団。鏡の迷路は、子供の頃のあなたや高齢となったあなたを写し出します。そしてショパンの葬送行進曲を逆演奏しながら後ろ向きに回る回転木馬は...。その秘密を見てしまった主人公の2人の少年...。 昔に戻りたい、大人になりたいという誘惑。でも、体の年齢を巻き戻しても進めても、頭のなかは一緒。 『華氏451度』と同様、本が出てきます。主人公の一人の父は図書館長。よく本を読む主人公たち。深夜の図書館には、大昔から数十年周期で同じサーカス団が町に来訪している記録が...。そしてそこにサーカス団長が、秘密を知る少年たちを捕まえに...。 涙や恐怖に寄生して"秋"を生きている"不死の"サーカス団長。取り戻すことのできない人生の愛らしさ。今を生きることの大事さ。昔少年だった父と、息子との対話。軽々と駆けていく13-14歳の"夏"の少年たちと、今54歳の"秋"の父。有限の人生。 万聖節/ハロウィンの頃、哀しみと愛しさと...。名作だと思います。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
タイトルからして、ワクワクしてしまいます。 何かって、なに? 少年たちは何を察知したのか? 幻想的な冒険物語でもあり、成長物語でもあり、そしてSFでもあります(定義すること自体がおかしいけれど)。 簡潔で、独特の比喩を使うブラッドベリの詩的な文体が好きです。 ただレビューを読むと、翻訳の善し悪しが問われているようです。 文体が命ともいえるブラッドベリですから、翻訳に左右されることは確かです。 でも、翻訳って本当に難しい。原文に忠実にやると、日本語(の文学)として成り立たなかったり。 本文第一章の出だしを抜粋。 The seller of lightning rods arrived just ahead of the storm. 「その避雷針を売る男は、嵐のすこし前にやってきた。」 このあたりは原文に忠実な訳ですね。 あとは一文づつ比較しないとわかりませんが、翻訳にはどうしても限界があるので仕方がないかと。 とにかく私は楽しめました。冒頭からすぐに引き込まれました。さすがブラッドベリ。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
一気読みさせる作品。 「何か」がくる事を予感した少年たちとその「何か」を連れて来た空気が異常な事態を孕む予感を察知する大人。 ブラッドベリならではの筆致で、見えない「何か」を描き出した。 「何か」がやってくると街に異常が発生する。 終盤の父親の活躍もさることながら、不安定な年齢の子供達の心の機微が上手に表現してある。 ブラッドベリの中でも手放せない一冊。 ただちょっと、翻訳が??でありました。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
“ある年の万聖節前夜、ジムとウィルの十三歳の二少年は、一夜のうちに永久に子供ではなくなった・・・。” ブラッドベリと言えば、10月はたそがれの国 (創元SF文庫)、、、これもステキな作品集でした。他にも沢山の傑作を書いていますが、私は敢えて一冊選ぶなら、“何かが道をやってくる”←これです。これとヴォネガット・Jrの“母なる夜 (ハヤカワ文庫SF)”、この二冊は、20代の私にとって特別中の特別な二冊でした。 結婚前、出来るならば、将来そうでありたい人間像としては、“何かが道をやってくる”のお父さんのよーなお父さんになりたかったんだけど(現実の父親と折り合いが悪くて・・・)、前提としての父親にもなり損なったなぁ〜。まぁ、それはそれで、そーゆー人生もアリと悔いなく受け入れてるんだけど。 望まなくて作らなかったんじゃないんです。ここには書けないアレヤコレヤの運命の翻弄があって駄目だったんです(汗)。しゃーないわな。 ところで、“何かが道をやってくる”はディズニーによって映画にもなってますが、あれは私にはダメでした。あれを観て、原作を推し量らないよーに。くれぐれも・・・。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
この季節が来るとブラッドベリを思い出す。 思春期で読んで以来 今回読み直してみた。 以前はなんとも不思議な文章だなぁと思っていたのだが 40年近くたって読み返してみると 多少幻想的な気分は薄れたが、 気分はあのころの自分に戻れた気がした。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
これはSFに凝っていた高校生のとき読んだ。ブラッドベリのベスト5に入る傑作。映画化されビデオ持っているがノイズが出て見ない。ジェイソン・ロバーズ主演で出来は悪くないがディズニー映画で物足りない。あのペキンパが映画化を計画していたというが初耳だ。まあロバーズはペキンパ常連だが。大人になって読み直したことはない。父性というのか老いた父親と「大人の世界」=悪のカーニバルを覗き見る少年の話という記憶。Aさんと高校生のときどんな本読んでいたという話になり彼女が確か「プルーストとか」あと誰か忘れたが。私がSFと言ったら「ふーん」と「この人馬鹿じゃないの」ともとれる表情。「サルトル」と言えばよかった。テレビでレイ・ブラッドベリ劇場を見た記憶あり。しかしキングの自伝的ホラー論「死の舞踏」のテレビ編に言及なし。見た人いる? | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
とても有名なSF作家ですね。 ブラッドベリアンという言葉ができたほど、ファンサークルができました。 ブラッドベリの文章の何よりの特徴は、随所にちりばめられたあまりにも詩的な形容でしょう。 ○○のような××、という言葉の距離にしびれます。 「猫が赤子の寝息を吸いとるように」何をするでしょう?答えは本の中にあります。 とても奇妙なことがなんでもなく、なんでもないことがそら恐ろしく記述される彼独特の物語世界、一度でいいからこんな文章書いてみたいと思いますが、感性の差がありすぎました。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
ブラッドベリを代表する、冒険ダーク・ファンタジーの傑作です。基本的には、「光と闇が戦って、最後に光が勝ちました。めでたし、めでたし。」という、ごく単純な《光と闇の神話》なのですが、そこはやっぱりブラッドベリです。緻密な細部描写によって、平凡なストーリーを、非凡な傑作に仕上げています。世界中の呪文が描かれた《避雷針》、真夜中に突然線路を走る《機関車》、不吉な音色を奏でる《カライアピー》など、本筋よりも細部のディテールの方が、ずっと魅力的だったりします。最後の、絵に描いたような《ハッピーエンド》も、素直に楽しめて、とても良いです。ブラッドベリという作家の最良の側面が凝縮された、超オススメの傑作ファンタジーです。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
10月の終わり。 万聖節前夜。 小さな都市の、ごく普通の父と子が、悪魔のカーニヴァルと激しい戦いを繰り広げます。 40年に一度、十月に彼らは人間の魂を収穫に来るのです。 黒い魔術を使う無敵の相手に対して、親子の武器は愛情と、子の友達の少年の友情だけです。 「鳥はすがすがしい歌の輪を空中に結んでいた。 」「目をさまして、頬が涙に濡れているのに気づき、どうしたのだろうといぶかりながら、そうか、汽笛のせいだ、と心の中でつぶやくときもあった。 」少年期の感性。 煌めく詩情を鏤めながら。 物語は生きることの意味を歌い上げていきます。 | ||||
| ||||
|
■スポンサードリンク
|
|
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!