塵よりよみがえり
- エジプト (71)
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長き時を生きてきた、不思議な能力を持つ〈一族〉が暮らすイリノイ州の一軒の屋敷を舞台にした年代記。書き綴られていくストーリーを読みながら、この作者らしい幻想と詩情に満ちたファンタジーに目くるめく酔わされました。 登場するキャラクターでは、なんと言っても、心を自在に飛ばす魔女セシーが魅力的ですね。 殊に、「さまよう魔女」の章の出だしは、生き生きとした躍動感に満ちあふれた文章に乗って、ファンタジーの香気が立ち上るかのよう。この箇所は、『太陽の黄金の林檎』に収められた「四月の魔女」で、小笠原豊樹の訳文で読んで以来、すごく気に入っているのですが、本書の中村 融(とおる)の訳文も素敵だと思いました。 また、〈一族〉の者たちみたいになりたいと憧れの炎を燃やす少年ティモシーが主役の話「集会」も印象に残ります。魔法の翼を求めて果たせず、失意に沈むティモシーの心を癒やす蜘蛛のアラク、ネズミのマウス、猫のアヌバの、一人と三匹のワンシーンに、胸がほっこりしましたよ。 それと、第十二章「オリエント急行は北へ」の幻想味あふれるラストを読みながら、昔読んだアイリッシュの「いつかきた道」(『アイリッシュ短編集 裏窓』に収録)のことを思い浮かべておりました。彼岸の世界へと渡っていく二人の姿、そのたゆたうような話の調べが、よく似ているなあと思いまして‥‥。 訳文は読みやすく、ブラッドベリの作品に流れている詩情と幻想味をよく捉えていて、私は見事だと感じました。 | ||||
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レイ・ブラッドベリが55年の歳月をかけて書き続けいた「一族物」です。「10月は・・」と違って瑞々さはないでしょう(10月はたそがえれの国は彼の処女短編集ですからね、それと比べること自体が間違っていると思うのですが)。 反対に人生を長く生きてきた人が書いた人生讃歌の用のものを僕は感じます。ただそれがブラッドベリ風に書かれていますが。 | ||||
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小高い丘にぽつんと建つ館には、九十九ないしは百の煙突と多くの部屋が。 これこそは何十年間に一度、世界中に散らばった彼ら一族が「集会」を開く場所であり、今宵こそがその時だ。 万聖節前夜オール・ハロウズ・イヴ ある者は星明りの下に空を飛んで、またある者は森の木の下を駆け抜けて、この特別な晩に館に集う。 館の前に置き去りにされた赤ん坊ティモシーは、すくすくと育って10歳になり、この歴史的な場面に一族の一員として立ち会うのだが・・・ ティモシーの一族は、ミイラや幽霊、更には未だ人によって名前の付けられていない魑魅魍魎の類なのだが、おじやおば達の不死性や奇妙な力にあこがれる彼は一族の同類になりたくて仕方が無い。 一族の長老たる「ひいの千回つくおばあちゃん」ネフは齢四千を越えるエジプトのミイラ。 アイナーおじさんは背中に生えているコウモリの羽で夜空を自在に飛び回る。 半ば詩的に語られる彼らの様子を読めば、ティモシーならずとも憧憬の思いを抱かずにはいられない。 しかし、一族は人類とその文明によって迫害され続けており、「集会」は開く度にその規模を小さくしている。 著者の少年時代のハロウィンの思い出が基礎となって生み出された奇妙な一族の物語の集大成である本書は、哀切なる結末で幕を閉じることになる。 暴徒によって襲撃された館では、再び「集会」が開かれることはないだろう。 一族の歴史の記録者として運命付けられたティモシーは、ブラッドベリその人の投影だと思うのだが、長老ネフは館が消失した後にティモシーに一つの選択を迫る。 「いまでもわたしたちのようになりたいか?」 本書の中ではそれほどの時間は経過しておらず、冒頭で一族の一員になることを強く願っていたティモシーに「いまでも」と問いかけるのは不自然であり、これに答えるのはティモシーの口を借りたブラッドベリ自身なのだろう。 「だって、みんなはこれだけの時間、これだけの年月があるのに、そこから生まれるとってもしあわせなものがあんまりないみたいだから」 八十歳を越えて自らの死を正面から見据えた老作家は、与えられた命を精一杯に生きて、あらゆる瞬間を愉しむことを選び取り、更には「とってもしあわせなもの」を多くの読者に遺そうとしている。 | ||||
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ブラッドベリなので特に中も見ず図書館で借りて、読み始めた時「あっ」と気付き、 急いで本を閉じて速効注文・購入しました。 一族の話の集大成じゃないですか! 買わないでどうする! 全体的な感想は正直「まあ、普通」ではあるのですが、長年のブラッドベリファンとしては 集大成が出てくれただけで嬉しいのです。 | ||||
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良い商品をスピーディにお送りいただき感謝いたしております。 今後ともよろしくお願いいたします | ||||
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