死ぬときはひとりぼっち
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あらすじ
ある雨降りの晩、海にむかって走る赤い路面電車の車中には、その街に住む売れない探偵小説作家の「私」が乗っていた。背後の席から酒臭い息とともに、男の呻き声が彼を襲う。「死ぬときはひとりぼっちだ!」その呻き声を聞いた同じ夜、私は、街の運河に浮かぶ動物園のライオンの檻のなかに死体を発見した。次々に住人を襲う謎の死と失踪。そして、男の残していった呻き声との関係は…。時は、1949年。南カリフォルニアのさびれた海辺の街、ヴェニス。崩壊寸前の海上公園と、朽ちかけたアパートに棲む人びとの、暗い過去と現在の狭間を縫うように、主人公の「私」と中年刑事が謎を追っていく。米国の作家に多大な影響を与えただけでなく、あのスピルバーグが「私のパパ」と呼んだブラッドベリが、十年ぶりに書き下したハードボイルド探偵小説。(「BOOK」データベースより)
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評判
死ぬときはひとりぼっちの評価:
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死ぬときはひとりぼっちの総合評価:
10.00/10点 レビュー 1件。
感想一覧
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上記の物語が主筋にあたりますが、傍筋は抒情的なさびれた港町を徘徊する私立探偵の彷徨の物語でした。で、主筋の方の筋ははっきり言って大した物ではなく、傍筋の抒情的な雰囲気で読ませる作品でした。と言っても、推理小説として出来が悪いと貶めている訳では毛頭なく、著者のブラッドベリが多分最初からあまりその辺は深く念入りなプロットのミステリを書く意図を持って書く事を念頭に置かなかったと思うので、これからこの小説を読む人はその辺を最初から勘案しながら読んだ方がいいと思います。尤も、ブラッドベリの書く小説を読む人の殆どが、最初から特定のジャンルに収まる物を書かない事は了解済みだと思いますが。
それと、古い映画に関する言及があちらこちらに散見されますが、古き良き時代のハリウッドへの哀惜を感じさせて、そういう映画をあまり観た事のない私の様な輩でも郷愁を覚えるいい小説に仕上がっております。
こういう異色のハードボイルドとしては他にコツウィンクルの「ファタ・モルガーナ」を思い出しました。こちらは錬金術の時代の欧州を舞台にしたハードボイルドで本書を楽しめた方にお勧めしておきます。
錆びれた港町の郷愁と今は亡きハリウッドの哀惜を綴った詩的ハードボイルドの逸品。是非ご一読を。