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(短編集)

道化師の蝶



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【この小説が収録されている参考書籍】
道化師の蝶
道化師の蝶 (講談社文庫)

道化師の蝶の評価: 3.30/5点 レビュー 73件。 Eランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点3.30pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全25件 21~25 2/2ページ
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No.5:
(3pt)

星は二つ半

円城氏の名前だけは以前から知っており、購入済みで未読の本もある。従って今回が著者の作品を初めてよむことになる。掲載紙の文藝春秋で読んだのだが、他のレビュアーの方々の指摘通り僕自身本作をどこまで解ったかは疑念がのこる。だが、言語論・着想の起点・フィクション論・らのモチーフから透けて見えてくるのはメタフィクションの手法によって「私とは誰か?」というテーマを様々な相対的な意匠をこらす事によって浮かび上がらせようとしている事が読めてくる。私とは何か?という問いはすなわち現実とは何かという問いと必然的に結びつき、両者の関係性の中にしか原理的に見出す事ができない難問だ。その点において円城氏の志は高い。だが作品全体としては--(無論意図的な仕掛けなわけですが)--とりとめがなく、様々な美しいガジェットの潜在構造の結びつきが弱い。そのため読むのになかなか苦労する作品だ。だが、著者はまだ発展途上にあるのだと思う。かつ、ここまでの前衛に芥川賞が授与されたのは、良い事だ。(文壇はどうしても保守的です)著者には頑張って頂き、トマス・ピンチョンなど凌駕するような凄い作品を書いて欲しい。
道化師の蝶Amazon書評・レビュー:道化師の蝶より
4062175614
No.4:
(3pt)

イメージの繋がりの魅力はある

同時に芥川賞を受賞した「共食い」と比べると文体が読みやすく、そういう意味では取っ付きやすさを感じました。
 一方で論理の展開が難しく、こういうのが(いわゆる理屈っぽいのが)好きな人には面白いのだろうなと思いました。
 前半の飛行機内の二人の会話や、後半の蝶が出てくる場面は面白く感じましたが、途中の展開は一般のストーリー性を意識してると、つながりが意味不明で、最後まで読み切るのに苦痛を感じました。
 オムニバス形式のような、場面場面を分割、独立しながら、「蝶」「刺繍」「捕虫網」というイメージでかろうじて繋がっているという、貼り合わせのような雰囲気を感じました。こういうのを現代小説というのか私には知識がありませんが、いわゆる読者に想像をゆだねる範囲の多い小説なのでしょう。
 受賞作品ということで読みましたが、こういう作品があっても良いだろうと思う反面、雰囲気や格好良さだけで自己満足する作品を書く人が増えるのではないかと危惧します。こういう作品は自分の世界観の自覚がないと、そう簡単に書けるものでもないと思うからです。
道化師の蝶Amazon書評・レビュー:道化師の蝶より
4062175614
No.3:
(3pt)

難しい作品

同時受賞した「共喰い」の田中氏の作品とは対照的で一読しただけでは 作品の中に入っていくのが難しい作品である。 「わたし」の文章と他人の書いたとされる文章が入り組んで、出来事の 関係、人物の動きを追いかけるのが大変で難解すぎるというのが感想 です。
道化師の蝶Amazon書評・レビュー:道化師の蝶より
4062175614
No.2:
(3pt)

難しいという人へ

ジブリ映画で「ハウルの動く城」という作品があるが、知り合いが「難しい」と述べていた。どこが難しいと感じたのかを詳しくは聞かなかったが、その後自分が見てみて、特に難しいとは感じなかった。
 
 ただ、その知り合い(女性)が「難しい」と感じたのは、呪いをかけられたヒロインのソフィーが老婆の姿になったり、若い女性の姿になったりというところかな、と思った。アニメーションの表現として、あるキャラクターが色々と姿を変えることで、ヒロインの内面的な部分を表現している、というのが自分のというか、一般的な解釈かなと思う。

 「道化師の蝶」についても、一般的な小説としての読み方とは違ったものが求められるのは確かだが、たとえばエブラハム氏についても男性なのか女性なのか、といった具体的な次元で捉えるのではなく、より抽象的な存在として考えれば、いくらか腑に落ちるのかなと思う。フィクションの作品世界内では、キャラクターの存在の形態は変化するものなのだ。

 ただ、本質的には「エブラハム氏」も「わたし」も、ある種の同一性を保持しているのは読むうちに感じられると思う。そういった部分でのずらしというか、読者の想像力が働く方向を分かっていながら、あえてずらして、ミスカシフィケーションとでもいった効果を生じさせ、最終的に、「小説」としての一つの像を作ろう、というのが円城氏の意図なのだろう、と思う。あくまでも私個人の解釈でしかないが。(あと、章が変われば、世界(観)が変わるという心構えでもいいかと思う)

 ただ、眠くなるという人がいるなら、完全に同意(笑)。通勤や通学の電車で読んで、続きが気になって電車を乗り過ごしてしまう、というようなタイプの小説ではなく、寝る前に少しずつ読み進めていく、そういうタイプの小説かなと思う。

 蝶が舞って、抽象的な感覚を撒き散らす、そして眠くなる

追記:「とぼけたユーモア」と評されるが、「乳幼児向け満漢全席」だとかはくだらないし、それだけで真面目に読む気を失ってもおかしくない。ただ、何となく「東大の博士課程」という経歴から、意味があるかと真面目に読んでしまった。
 小説の方法論としての前衛うんぬんより、そういった細部の趣味・嗜好が、読者を選ぶんじゃないかと思う。
道化師の蝶Amazon書評・レビュー:道化師の蝶より
4062175614
No.1:
(3pt)

読後、タイトルの通りの心境です。 ファンタジーか多重人格者か。 面白いといえばいろんなことが面白いんでしょう。 丹精を込めました。 好きに読んでください……という物語だったかと思います。
道化師の蝶Amazon書評・レビュー:道化師の蝶より
4062175614

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