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白樫の樹の下で
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白樫の樹の下での評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.78pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全5件 1~5 1/1ページ
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今ひとつ剣の闘いの描写が物足りなかった。 | ||||
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青山作品を何作も読んだ後で出会ったデビュー作です。デビュー時点から完成度が高いという感心と、さすがに現在の域には遙かに及ばないなという物足りなさが同居する感想となりました。 貨幣制度や能、治水工事等、綿密な調査をして新たな知識を与えてくれるようなところはなく、友人3人の物語という侍小説に多い形式で、出世・恋愛・剣戟を絡めていきます。終盤はあまりにも予想外の展開で、あっけにとられました。これをよしとするか否かで、だいぶ評価が変わるでしょう。私はちょっとやり過ぎではないかと思いました。 | ||||
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爽やかな青春時代小説と思います。作者の次回の作品に期待します。 | ||||
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個人的にややこしい読書体験になってしまった。 一言で言えば期待したものではなかったということだが、 つまらなかったとか、レベルが低いということではないからややこしい。 作家の力量は相当なものだろう。 だてに松本清張賞を受賞してはいない。 まず文章がいい。 流れるようなものではなく、かみしめるような、心地よい重みを感じさせるものだ。 そして話がわかってくると、この文章の重みは、そのままテーマに結びついているのだとわかる。 つまりリアルなのである。 この小説のテーマとは、下級武士の貧窮という素材を使って、 つまるところ生きることの厳しさ、重さのようなものだろう。 そうした重さが、主人公、村上登らの道場で行なう、流行らないが実戦的な木刀による形稽古として現れ、 刀を抜くことの並々ならぬこだわりとして現れ、 そしてこの文章の重みに現れている。 文章の重みは、真実の重みである。 ところが、それをもってして厳しい現実を乗り越えていく話と早合点したこちらの予想は、 最終的に裏切られてしまった。 ストーリー自体に立ち入るわけには行かないが、 私の理解では、物語の帰結は、現実を乗り越えることにではなく、これを受け入れ、背負うことにある。 これらは似て非なるものである。そして辛い。 そしてこうしたスタンスに共感できるかどうかが、この小説を楽しめるかどうかの分かれ目ではないか、 という気がする。 私は共感できなかった。 読者の共感をいざなうには技術的な問題もあると思っているが、 それ以上に最後は世界観の違いのようなものだろうと思っている。 ということは、こう言っては身も蓋もない気はするのだが、好みの分かれる物語ということだろう。 私には現代もののミステリーなどによく見られる結末の展開は、ドロドロした苦しいものと映った。 個人的に時代小説には微妙に違ったものを求めているので、違和感は強かった。 ネットの読者評などでは評価はわりに高いから、おそらく共感する読者は多いのだろうが、 しかしそうではない場合もありえること、かつ、その分かれ目は、前半からは予測しにくく、 ある種の危険を伴うとだけ言っておきたい。 | ||||
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松本清張賞受賞作って結構充実しているんですよ。昨 年の村木嵐『マルガリータ』はひとまずおくとして、梶よう 子『一朝の夢』、広川純『一応の推定』など佳作が目白押 しです。本作も受賞作に相応しいものだと思います。 真剣などめったに振るうことがない大平の世での、文字 通りの真剣勝負を中心に据えた構成がまず光ります。し かも豪奢な田沼意次から綱紀粛正を図る松平定信の治 世への転換期を背景にとり、不安とうっ屈の気分を十分 に漂わせてなかなかに読ませてくれます。浅草回向院の 出開帳や大川中州の新地の繁栄をストーリー展開の梃子 に取込むなど、時代考証にも怠りはありません。確かに、 突然文脈が入り乱れて頭が混乱することもありました。し かし読み返すと、主人公と言い交わした娘の思い詰めた 行動などはいかにも真に迫っていて、思わず唸ってしまい ました。 新人(といっても純文学での実績はあるようですが)の ものとしては、上々の出来だと思いました。 <付記> 同賞最終候補作となった丸山正樹『デフ・ヴォ イス』も受賞作に見劣りせぬ力作で、久しぶりに一気読 みしてしまいました。同書には、異例とも言える執筆動機 を記した「あとがき」が付されています。因みにわたしが 以前勤務していた難聴幼児の通園施設では、人工内耳 を施した子の訓練を重点化していました。(2011/10/15) | ||||
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