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消滅世界
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消滅世界の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.43pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全35件 21~35 2/2ページ
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世界大戦をきっかけに、人工授精が飛躍的に発達した、もう一つの日本(パラレルワールド)。 人は皆、人工授精で子供を産むようになり、生殖と快楽が分離した世界では、夫婦間のセックスは〈近親相姦〉とタブー視され、恋や快楽の対象は、恋人やキャラになる。 そんな世界では珍しい、父と母の〈生の交尾〉で生まれたヒロインは、とある男性と結婚し母親とは違うセックスのない清潔で無菌な家族をつくったはずだった。 だがあることをきっかけに、旦那と共に、千葉の実験都市・楽園(エデン)に移住する。 そこでは男性も人工子宮によって妊娠ができる、住民全体が〈一つの家族〉という新たな繁殖システムが試みられていた……。 日本の未来を予言する衝撃の作品。 独特の感性は面白く感じていた『コンビニ人間』の村田さんの、完全オリジナルな世界の話。 僕としては凄く面白かったし、独特な世界観の作品なのでカミングアウトすると、 うちは性行為も子供もない夫婦で、でも僕は性欲がなくなったわけではないけど他の女性とも性行為をしたいとは思わなくて、そんな家庭でもとても幸せな毎日を築いています。 故に、作品の『夫婦間のセックスは〈近親相姦〉』という感覚は凄く分かるなあと思いました。愛情表現はキスとハグだけで充分だと感じてるので。 ただ、作品の夫婦たちは、夫婦で性行為をしない代わりに『誰もが愛人を作って他の異性と性行為する事が当たり前』な ので、それは理解出来ませんでした。 後は実験都市・楽園(エデン)のシステムは受け付けないし怖いだけですが、凄く斬新なアイデアで、このアイデアだけで本格的なSF作品も作れそうで素晴らしかったです! そんな感じで、僕は稀有な体験を経たからこそ一般的ではない夫婦の在り方でも幸せですが、 でも、どちらかが強制したりどちらかが我慢したりする事がなければ、どんな在り方であってもどんな生き方でも『幸せは人それぞれ』で、それで良いんだよと読者に伝えてるような気もした作品で、個人的には良かったです(^^) 同じ作者の『殺人出産』も読みましたが、こちらにも同じように独特の世界観が展開されまして、『常識や一般的だなんてものは、強制や我慢がなければ崩壊して良いよね』となる、今はそんな時代になりつつあるなと思った次第です。 | ||||
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この作家さんの思いの中心には、常識ってなんなの、社会に適応して生きていくってどうすればいいのという思いがあるのだろうと思います。コンビニ人間にしても、本作にしても主人公はもがき苦しみ、最終的には自分の生き方に回答をみつけたのかもと思わせる内容でした。 SMAPの「世界に一つだけの花」には共感するのに、現実には個性なんてものは排除し、シカトし、隣と同じであれば安心する日本社会への作家さんの叫びを感じられる作品です。 私この作家さん好きです。 | ||||
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『コンビニ人間』がすごく好きでしたから、この本も読みました。テーマはいろいろあって、主に人間の本能や進化や洗脳について読者に考えさせます。さらに、『コンビニ人間』のように「普通」についても考えさせますので、あの本との繋がりが気付きやすいです。描かれる未来はちょっと不気味ですが、それほど外れていないかもしれないし面白いので、人類について考えたければこの本をお勧めします。 | ||||
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セックスレスの社会をありありと思い描ける作品。 印象的なのは、夫婦は家族であり、性的な関係はタブーという設定。 馬鹿げていると思ったが、配偶者を異性としてみられないという話をする知人もいる。 また、アニメキャラに恋をするのが普通の事として描かれているのも興味深い。 2次元に恋する若者は少しずつ増えている。 個人的には、勿論このような世界にはなって欲しくない。 | ||||
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現在の日本では、セックスレスの若者が増えているという。いや 若者だけではない、中年の夫婦、30代でもセックスレスがあた りまえになっているようである。特に都会では、狭い家の中に家 族全員が住むのも原因の一つではないか。 本書では、近未来を扱っているのであろう、夫婦の形が変わり、 夫婦間でのセックスはなくなり、その行為は道徳的でなく、近親 相姦とさえ捉えられている世界の話から始まる。恋愛の対象は人 間ではなく、偶像であったりアイドルであったり小説の登場人物 であったりする。主人公も40以上のアニメの登場人物を恋愛の 対象としていた。夫婦間での性交渉は忌避されているが、恋人と なると話は違う。セックスの文化が廃れた世界ではあるが、人に よっては、恋人との逢瀬を楽しむ者もいる。結婚していても、恋 人は別なのだ。恋人とはセックスしてもいいのだ。 主人公は、母親と父親の性交渉により誕生している。当時はすで にほとんどの子供は人工授精で誕生していた。そんな主人公は、 幼い頃から母親に繰り返しセックスにより生まれたと言い聞かせ られる。そのせいか、恋愛の対象となるマンガのアイドルや、実 際の人とのセックスにもこだわりがある。 その世界では、やがて家族という概念を捨て、「おかあさん」と 「子供ちゃん」だけのがいる、実験都市が作られる。千葉が実験 都市に選ばれ、そこには多くの「おかあさん」と多くの「子供ち ゃん」が住んでいる。実験が始まり8年経った頃、主人公夫婦も 離婚し千葉に移り住むことにする。そこでは、家族という概念が なく社会全体が一つの家族のように機能している。その世界はと ても異様な世界であった。そんな世界でやがて主人公夫婦は壊れ ていき主人公も壊れてゆく。 これは3部からなる小説で、一気に読んでしまった。最後の畳み 込みが少し強引な気がしたが、面白く読むことができた。 そうそう、タイトルに人類のエコシステムと書いたのだが、セッ クスなしで、計画的に子供が作られる世界がセックスレスのエコ システムとなっている。 まだ、母体(男女を問わない)が必要なところが、完全なエコシ ステムになっていないところだ。 他の作品にも、期待する。 | ||||
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「しろいろの街の…」で密度・湿度の高い思春期の性を描いたと思ったら、著者の性への文学的探求は「殺人出産」→「消滅世界」と、思考実験の域まで突き進んできた。 感動で涙が止まらない、とかそういう類の分かりやすさとはほど遠く、むしろ心は置いてけぼり。だがその状態が、自分の本能や感覚の在り処を見失い、静かに「正常」と呼ばれる異常に慣れていく主人公と重なり、二重の怖さがある。芥川賞作家って、やっぱりすごい。 本作で描かれるパラレルワールドは、ソクラテス/プラトンが思い描いた哲人統治の基盤とそっくり。「国家」を読んで「非現実的だけど、確かに社会の理想の姿だ!」と胸熱だった人は、読んで寒気を覚えること請け合いです。 | ||||
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家庭の幸福は諸悪の根源と太宰治がむかし言った。家庭の幸福の追求というエゴが外部社会に目をむかなくさせるという意味だったのだろう、消滅世界では家族が消滅して誰もが家族となる、それは息詰まるような平等の世界だ。 | ||||
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ヒトのDNAにコードされた繁殖のためにつがいをつくる、という本能に生物学以外の立場からアプローチしたストーリーは新鮮です。 文中の交尾・欲望処理、、という言葉を、愛、恋、あこがれ、ということばに、子供ちゃん、ということばを、「子供は社会の宝です」に置き換えてみると、これは別に不思議な世界や未来世界の話ではないのではないかと思えてきます。 全体をとおしての温かい視点と、大きなギャップのないすっと理解できる設定は、作者の力量を示していると思います。 また、エンターテインメントであるとともに、生物学・社会学・上座仏教に興味のある方には、学ぶところのある本になるかと思います。 | ||||
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SFなんだろうけど、思考実験というか、最近セックスレスについて考えていたので、その先にくるものとしてこうなるのか、あるいはセックスというものは、人生とか人間関係とか、はたまた生物的にどういう意味をもつのかと考察できて、とても勉強になった。 舞台はちょっと未来でして、夫婦間でセックスするということは近親相姦の一つのパターンとしてありえない世界。セックスそのものが、無くなりつつある世界。恋愛等は、外でするものという。つまり、恋愛はきたないもの、わずらわしいもの、リスキーなもの、限りなく負の部分がクローズアップされ、むしろ、想像の世界での恋愛のほうが清くて素敵なような世界。なんとなく、納得はしないけど、感覚はわかるでしょ。 で、その先はというのも続いていくわけで、実験都市千葉というのができてて、主人公夫婦がそこへ行くわけ。そこは、人口完全コントロールで、受精も許可される人がコンピュータで選ばれ、春に一斉に人工授精され、秋に子供が一斉に生まれる。そして、子供は個人から離され、皆の子供として、社会全体で育てる。社会全体が、なんだろう、人間愛に満ちていくような。 主人公も、最初は違和感あったのだけど、だんだん、そういう性質になっていくようで、 消滅世界というタイトルがどう結び付くのか決定的にはわからなかったけど、このエデンの園への回帰的世界危うい気がしました。 | ||||
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序盤はありきたりな二次元依存の女性の話という感じで、ここで挫折して読みとめてしまう人が多いかもしれないです。 (私もいったん止まりました) が、後の方から、じわじわ、いい意味で気持ちが悪いリアリティが襲ってきます。 特に、最初は実験都市を「気持ちが悪い」と感じていた主人公が、いつの間にか実験都市を否定する人を「気持ちが悪い」と思っていく過程が、 緻密に書き込んでいない分リアリティを持って迫ってきます。 確かに、"これがスタンダードになれば、傷つく人は少ない"世界であり、 不倫という概念もどこかへ飛んでいき、幸せな世界になるのかもしれない。 誰が誰の子供かわからなくてもいいじゃないか、夫婦それぞれ恋人を持ったっていいじゃないか、 全員が均等に育っていく....それが皆平等だという衝撃的な世界。 少し物足りないけれど、それが幸せだと全員が思い込めば幸せになってしまう。 ねがわくば、エピローグで実験都市がどうなったのか見てみたかった気がします。 | ||||
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凄いモノを読んでしまったな、 というのが一番始めの感想です。 社会から恋愛とセックスが抜き去られ、更に性欲や我が子への愛着まで消滅していく。んな馬鹿な。いやいや、作者の言葉を借りれば、いつの時代も集団にすんなり溶け込み易い人と、そうでない人が、一定数いるもの。 そして、後者がいつの世も少数派。 この小説は、後者の母をもつ、前者代表の一人娘の視点で進んでいく。その設定がなかなか。 大昔、若い人たちは、恋がしたい恋がしたいと熱病に罹ったようにテニスだスキーだ海水浴だなどと、さほど仲良しでなくても兎に角集団で繰り出し、月曜9時はフジテレビの恋愛ドラマをリアルタイムで視聴するため揃って家に帰り、30才を越えて妊娠すると高齢出産と呼ばれて両家の母から心配されていた、そんな時代がありました、確かに。 こうして並べると、世の中は緩やかに、村田さんの描いた世界に近づいているような… あと20年後に読み返して、うわぁって言ってるか、あー成る程ね〜って言ってるか。試してみたくなる小説です。 怖い…。 | ||||
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私はこの作品は、文藝に書き下ろされた際に読んで、衝撃を受けました。 ここのレビューを読ませていただいて、ディストピアという言葉を初めて知ったのですが。 まさにその、ユートピアとディストピアのせめぎ合いが凄まじい。 この作家さんの作品は、私にはこれが最初で受けた衝撃たるや…だったのですが、殺人出産も読まなきゃ、という気持ちにさせられました。 内容に関しては、グイグイと引き込まれる感じではなく、正直途中、気持ち悪くなったりもします。 でも、読み始めたら最後まで見届けなければ余計に気持ち悪くなる、そんな作品でした。 今の世の中の風潮を見事な形で風刺している、そんな風に私は読み取りました。 ぜひ多くの人に読んで貰って、たくさんのことを考えて欲しい、そう思う作品に出会えた気持ちです。 | ||||
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これは衝撃的なSFです。 近い将来、家族のあり方が大きく進化するかもしれません。 ある意味、納得感が高い理想社会は、非常に不気味です。 | ||||
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ならないで欲しい。 自分一人だけで、大切に読んでいたい。 できれば賞を取らないで。 村田さん、ごめんなさい。 | ||||
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この小説で読んだことは、一生忘れない。『消滅世界』村田紗耶香さんの影響力は、とんでもなく強く、粘りがある。わたしはたぶんゴキブリでゴキブリホイホイにかかっちゃって、このまま死ぬまで死ねないんだろう。読んで3日間、消滅世界(と、クリーンルーム! 子供ちゃんについては忘却したい!)のコトを考えない時間はなかったぜ。チョット高いですがそのうち家宝になるので買ったほうがいいです。キンドルはだいぶ安い。iPhoneのちっこい画面でちまちま読むのが苦にならない(かもしれない)ほど、引っ張るチカラがある作品ですから、キンドルで買っちゃいましょう。というか、マジで、これはハリウッド映画化を所望する。我は所望するぞぇ。そうすれば話題になるでしょ、話題になればみんなが買うでしょ、そしたら世界が変わるよ!!!!うぃーー!!! ☆こんな人にオススメ☆ セ ッ ク ス し た こ と が ある すべて の ひ と 「うーん、日本の将来が危ぶまれていますよ」 個室ビデオに一家言アリ。 | ||||
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